なぁ寒いんだけど。抗議の声をあげたら今月の光熱費やばいっすから、と返された。
体がブルリと震える。シーツだけを纏った裸体は既に情事の後の熱は消え失せて、外からじわじわと押し寄せる寒さに無防備だった。
服を着ようか、と思ったがだるくて動きたくない。寒さとだるさにグルグルと思考を巡らせて、さぁどうしたものか。
そのとき背後からそうだ、という声を聞けば同じくむきだしの男の腕が伸びてきて体をギュッと抱き締められる。
背中に落ち着いた定期的な脈の動きを感じる。
こうすれば大丈夫だ、とあまりに自信過剰に言うものだから、何か言い返してみたい。
実のところ震えは和らいだし、ほわんと温かいものも体に広がったが、この男をやること言うことをすんなりと受け入れるのが癪に触る。
でも今日は、さて、このまま素直に寝ても悪い気はしない。
腹にある少し大きな手に自分のを重ねて、目を閉じた。