「んんッ……」  
眩しい朝日に俺は毛布を被り、再び夢の国へ落ちようとした時  
乱暴に毛布を引っぺがされた。  
「な、何するんだよ!母さ――――」  
「私はお前の母親ではない」  
つんとした物言い。俺は夢の世界から覚醒した。  
「ああ、ヒロ…すまない」  
「起きるのが遅いぞ。いくら休日とはいえ、感心しないな」  
俺の名はアキラ……本名はアキラ。  
戦時中はナイツと名乗っていたが……ここに住むようになってからは  
呼び慣れた『アキラ』で通している。  
そう、愛する妻に呼ばれるのはやはり、本名の方がいい。  
そう俺、六道明は、『爆炎の申し子』ことヒロと結婚したのだ。  
 
IFルート『大魔王の娘は俺の嫁』  
 
「………」  
「ん、何だ…私の顔になにかついているのか?」  
朝食の席で俺は新妻の顔をじっと見た。  
「い、いや……ヒロのエプロン姿を見ると…何かこう、改めて新鮮だなぁと思って」  
ついつい頬が緩んでしまう。  
「ば、馬鹿なことを言うな…さ、さっさと食べろ!」  
顔を真っ赤にしてヒロは左手で水が入ったグラスを煽った。  
余談だが、結婚してからあのゴツイ左手は魔力を加減して普通の腕に戻している。  
戦争が終わって、永久凍土へと戻ろうとしたヒロを俺は引き留めた。  
その後ろ姿があまりに寂しげなものだったからだ。  
そしてロゼに職を斡旋され、俺はヒロとの同棲を経て正式に結婚したのだった。  
「ヒロのつくる料理は美味い…こんな美味い料理はあっちでも食べたことないよ」  
「姉様に習っていたからな…食材はこちらでもあちらでも変わらぬことが幸いした」  
食後の紅茶をすすりながら、俺は改めてヒロを見た。  
紅く美しい瞳に凛とした顔。やや色白の肌に、きゅっと結ばれた唇。  
同棲中、髪を伸ばしていたが、俺がショートヘアの方が好みだったので  
戦時中と同じ髪型に戻してくれていた。  
新婚生活なので当然、床を共にする。  
ヒロの餅のように柔らかい肌は何度、触っても飽きることはない。  
 
「さて…洗い物を済ませてしまうか。アキラ、薪が減ってきた。裏庭で頼む」  
「薪割りか……アレ、腕痛くなるんだよなぁ」  
なかなかに重労働な薪割り。戦時中の技で斬るという手もあるが  
木っ端微塵になってしまうので地味に斧で割るしかない。  
「怠惰な男は嫌いだ。アキラ、薪割りをしろ」  
ああ…凛々しい奥さん、最高だ。  
でれっとしながら後かたづけをするヒロのお尻を追ってしまう。  
「私の尻がそんなに気になるのか、アキラ?」  
……気配だけで視線まで感づく奥さんは怖い。  
もちろん脅しのつもりで言ったのだろうが、俺は立ち上がって  
ヒロの肩をそっと抱いた。  
「……アキラ、同じことは二度言わない」  
「ヒロのお尻はとっても魅力的だよ」  
そういって、手を前に回してスカート越しにアソコをクッと指で刺激した。  
「んッ……」  
ヒロは片目を閉じて、軽く声をあげた。  
「可愛いよ。ヒロ……」  
俺はピンととがったヒロの耳元で囁いた。  
グイッとヒロのお尻に勃起したペニスを押し当てる。  
「……あ、朝から…昨日、あれだけしたのに……」  
「昨日は昨日だよ……ヒロが欲しい」  
俺は右手をヒロの股間に伸ばし、  
指先がもっとも敏感な部分、突起の部分を触る。  
「はっ……ん…こ、こんな明るい内から、ふ、ふざけ―――はン」  
ヒロの甘い声が漏れる。  
俺はそっと眼を閉じて、唇を重ねた。ん…とても甘く感じた。  
「ん……ヒロ」  
スイッチが入ったのだろう。ヒロの抵抗がなくなった。  
「んはっ……アキラ、す、少しだけだからな!す、少しだけ…」  
ディープなキスの後、唇を離すつつーと唾液が唇を結ぶ。  
「する前に…頼みたいことがあるんだけど…」  
「な、何だ?」  
 
俺は今、寝室のベッドの上でパンツ一丁で正座してヒロを待っていた。  
左右の頬は真っ赤に腫れているが、痛みを通り越して胸の高鳴りを  
鎮め、平静を装っている。頭の中ではひたすら  
『ゲイルのチ○ポスタインのチ○ポファーストのチ○ポマックスのチ○ポ…』  
と男性陣の裸体を必死に浮かべていた。そうでもしないと今、別室で  
着替え中のヒロを押し倒してしまいそうだ。そうなれば全ての計画が  
ご破算してしまう。キッチンで俺がヒロに頼んだこと、それは  
『大戦中のインナースーツだけ着て、着衣エッチしたい』  
だった。両頬の腫れは、その時の平手打ちだ。ヒロには散々拒否されたが  
なにとか拝み倒して、渋々了承してくれたのだ。  
「アキラ…準備はできた…今、そっちに行く」  
「は、はいい」  
思わず声が裏返った。ドアを開けて入ってきたのは  
大戦時のインナースーツのみのヒロ。  
乳首ぴっちり、お尻ぴっちり、身体のライン如実に露わになっている。  
「ああ…ヒロ様…」  
「私の前で祈りをささげるな!このバカ者!」  
責め語というか…ある意味、淫語に分類される『この変態』  
『どうしょうもないクズね』などの定番を知らない。  
愛しの妻が怒るときに使うのは『このバカ者』『愚か者』くらいだ。  
一度ぐらい『どうしょうもないダメチ○ポだな、この変態』と罵ってもいいだろうに…  
「なんだその顔は!」  
フンッと顔を赤らめ横を向いているヒロ。  
「怒った顔も可愛いよ」  
「そんなことを言う為にこれを着せたのではないだろうな?」  
「もちろんだとも……ほら、こんなこととか…」  
俺はインナースーツにぴったりとフィットしているおっぱいの  
突起をぐにゅっと指で押しつぶした。  
「ん…っ!」  
ピクッと増えるヒロ。左右の乳首を交互に押し潰し、コリコリと指で摘む。  
「あッ…ふッ!」  
声を殺して耐えるヒロにますます悪ノリした俺は  
乳首を指で弾くように愛撫した。  
「はッ――――」  
声が漏れた瞬間、乳房を鷲づかみぐにゅぐにゅと  
乳肉を揉みくちゃにすると、ヒロの背が仰け反った。  
「あッ…あッ!」  
ヒロは声をもらすまいと口を真一文字に結んでいる。  
 
乳房の愛撫を止め、今度はお尻に指を食い込ませると  
インナースーツが突き出た尻にぎちぎちと食い込む。  
尻肉の形がはっきりと浮かび上がり、傍から見れば全裸よりも淫らなに見えるだろう。  
俺より背の低いヒロはだんだんとつま先立ちになり、俺の胸に顔を埋めるようにして  
耐えている。立ったままでヒロのお尻を揉みしだいていると、  
着替え中のヒロに悪戯しているみたいでものすごく燃える。  
「ヒロ…我慢しなくていいよ…声出して」  
俺はパンツを脱ぎ、ガチガチに反り返ったペニスをヒロの股間に  
グリグリと擦りつけた。その反応を楽しみながら執拗にヒロの尻肉を弄ぶ。  
先走り汁がインナースーツに覆われた股にかかり、  
テラテラと淫らな輝きを放っていた。  
「ん…や…くふ…やめ…あうっ!」  
再度、俺のペニスでコリコリと陰核を責められ、ヒロは甘い声を発した。  
「くっ…我慢できそうに…ない…ヒロ…」  
俺はヒロの張りつめた乳肉を覆っていたインナースーツの手をかけ、  
ピリと左右に引き裂いた。胸元が裂け窮屈に押さえられていたおっぱいが  
ぷるるんと震え、左右に零れる。本来なら外側に向かって垂れる乳房が、  
鍛えられた胸筋によってお椀型の形を崩さず乳首が痛々しい程、  
ピンと上を向いて勃起している。胸と胸の間にみえる白い肌は  
汗でより一層に妖艶な輝きを放っている。  
 
「な!?何をッ!」  
「直におっぱいさらすより…こっちの方がずっとエロイ」  
次はヒロの股間と突き出た尻肉に手を這わせ、秘所を覆っていた部分だけを裂き、  
さらに尻を露出させる形でインナースーツが大きく引き裂く。  
「あッ!こ、こんな…」  
羞恥に頬が染まり、ヒロが喚いた。それを塞ぐように口を吸う。  
「ヒロ…とってもステキだよ」  
「…あん、んちゅ……はむ…バ、バカ…こんな格好させるな」  
俺は屈み、ヒロの股に顔を埋めると舌で軽く陰核を覆っている包皮を剥き  
軽く啄むようにして吸った。  
「はッ…ァ!」  
ピクンと飛び跳ね、ヒロが声を上げた。  
淡く茂っている陰毛に鼻を埋め、秘裂を下から上へと舌で舐め上げる。  
「や…やめ…んっ!ああっ!……く…んっ!」  
続いて軽いキスと舌先での突きを交互に、そしてリズミカルに繰り返す。  
インナースーツで蒸れた女のニオイは何とも甘美だ。  
愛撫によって得られる快感を必死に否定し、俺の頭部をおさえ逃れようと  
腰を引くヒロ。が、両手を尻に回し、むにゅっと柔尻に指を食い込ませ、  
しっかりとホールドすると秘裂に舌をねじ込み吸い上げた。  
「はっ!あっ…や、やああッ!」  
ビクンビクンッと下腹部から一気に脳天を突き抜ける絶頂に  
身体を痙攣させ、ヒロは果てた。  
「んちゅ…ごちそうさま……」  
つーっと秘所と舌先に糸を引く俺の唇。  
「バ…バカ…いちいち言うな…」  
「ヒロ」  
ヒロをベッドに押し倒して、その上に覆い被さる。  
「ア…アキラッ!ま、待てッ!」  
ヒロの制止を無視して、裂いたインナーから飛び出している果実に  
食らいつく。根元から搾り上げるように、飛び出しているおっぱいの  
先端は痛いほど勃起していた。  
「綺麗だ…ヒロの胸…とっても綺麗だ」  
「やッ…やめッはっ!あっ…は…んん」  
「ヒロ…ちゅ…んん…ヒロ」  
俺は乳首にむしゃぶりつき、勢いよく吸った。  
「ああ!す、吸い…何か…吸い出されそ…んッ!そんなにす、吸うな!」  
撫で回し、時折…んはっ…鷲掴むようにしてこねまわす。  
「はぁ…んち…ぷはぁちゅ…ん」  
「……あ…くう……ふ」  
俺はヒロのおっぱいを下から押し上げるようにして、揉みほぐします。  
「―――あっ」  
「ヒロ…お尻…ヒロのお尻…」  
俺はヒロを俯せにして腰を抱き上げた。  
自然と尻が持ち上がり、インナーに覆われた尻はエロイ。エロすぎる。  
「け、獣の姿勢で……い、いやだ!こんな屈辱的な姿勢は!」  
「ホントは好きなんじゃないの?……いつもより濡れているのは気のせいか?」  
ヒロはどっちかというとSっ気ないイメージがあるが、実はかなりのМだ。  
本人は頑として認めないが、多少強引にするとかなり濡れて、乱れに乱れる。  
「お、覚えていろよ…アキラ」  
ヒロは渋々と、尻を後ろに突き出し四つん這いの姿勢になった。  
ああ、大魔王の娘が…俺に尻を突き出す格好…感動的だ。  
ケータイがあったら動画保存して、写真に撮りたい。  
「ヒロ……最高だ」  
 
もうヒロ秘部は濡れ濡れ。ヒロお尻は少し小振りだが  
俺から見るに理想のお尻だ。左右から寄った尻肉というか肉房  
というか…ぷりっと盛り上がり、そこから股へとつながるお尻のラインがたまらない。  
こっちに来てから気づいたけど、俺はかなりの尻フェチだ。  
緋魅華、リーエ先生のもっちりした尻。ル・フェイ、レイリアの美尻に  
タルナーダの褐色尻。ロゼ、フレデリカの柔尻。ミュウやナギのロリ尻。  
……次々と浮かんでは消えていく女性陣のお尻……  
その中でもヒロは特別だった。  
「ヒロ…ヒロ…のお尻」  
両手でヒロのお尻をむにゅむにゅと揉むと  
その度にピクン、ピクンと背を反らせる。  
「ヒロ…ヒロ…」  
俺はヒロの尻たぶに頬を寄せ、舌でペロっと舐め、俯せにする。  
「ひゃんっ!」  
「ヒロ……いくよ」  
「あ…あ?ア…アキラ―――」  
ヒロがとろけるような表情で振り向いた時には俺は  
ペニスをヒロの秘部にあてがい、後ろから一気に腰を突き出した。  
―――つぷ…ぐにゅ…ずぷぷぷ―――  
「ん…あん…ああ…はあああ…」  
「あ…ん……は……くうう…」  
ヒロは喉を仰け反らせながら身を震わせた。  
「ヒロの中…あ、熱い…」  
「ああ…ま、まだ少し痛い…んんんっ」  
その仕草が可愛らしく俺は腰を掴み、よりいっそう深く挿入した。  
余談だが、結婚初夜の時、普段のヒロからは想像がつかないほど  
挿入を痛がった。  
『ヒ、ヒロ…もしかして初めて?』  
と問う俺に『うるさい』と言って、ぷいと横を向き拗ねたヒロ。  
『いや…悪い、どっちでもいいんだ。ヒロは俺と結婚した。それだけで  
十分だよ…ヒロ』  
『…………ゆ、ゆっくり…優しくしてくれ…』  
頬を赤らめてぼそっと呟いたヒロは実に愛らしかった。  
それから何度、身体を重ねただろうか…すっかり、俺の形になった  
ヒロは、俺の眼下でお尻を突き出し、悶えている。  
「あっ…ああ…アキラ…んっ!し、尻ばかりさ、触るなァ!」  
 
その反動でインナースーツから零れ落ちた  
おっぱいがふるんふるんと左右に揺れる。  
「き、きついい…ヒロ、ヒロ…ん…おお…」    
俺はずぶりと根元まで押し込み、ヒロの背中に折り重なった。  
俺が腰を突き出すたびにヒロのお尻が震え、おっぱいが揺れ踊る。  
そのおっぱいを揉みながら、髪に鼻をつけ、ヒロの香りを  
いっぱいに吸い込む。  
ぬちゃぬちゅ…ちゅう…ぬりゅ…  
と言ういやらしい音が寝室内に反響するように聞こえる。  
ズン…ズブ…ズンと俺はヒロの背とお尻に手を当て、  
腰をゆっくりと引き抜き、一気に突き入れた。  
少々、意地悪くじれったい抽送に変え、時折かき回すように動いた。  
ヒロが反応を我慢して声に出さないからだ。  
それを少し続けるととうとう根負けしたのか、ヒロがこちらを見て  
「ア…アキラ…も、もっと…じ、焦れったいのは…ん」  
「ああ…いいよヒロ、ヒロ…俺も…んんんんっ!」  
俺はパンパンパンとじれったいから抽送から直線的な激しい動きに変えた。  
「あっ…あっ!あっあ!あっあっあっ!」  
ヒロの声がだんだんと高くなり、泣き声のようになる。  
グツグツと煮えたぎる白濁のマグマが睾丸からググッと昇ってきそうになる。  
「んッ…はァー…はァー」  
俺はヒロへの抽送を止め、つながったままヒロを仰向けにした。  
「あッ…んっ…アキラ、どうして……?」  
潤んだ瞳でヒロが問う『どうして止めちゃうの?』と。  
「いや…最後はヒロの顔見ながらね…  
ヒロって恥ずかしがってイクところの顔あまり見せてくれないから」  
俺は上半身を起こすと、ヒロおっぱいを両手で鷲掴んだ。  
ぐにゅと歪むおっぱいが俺の興奮を最大に高める。  
そのまま腰をズンズンと進ませる。  
「か、顔!?い、いやだ、そんな時の顔など!」  
「あ…熱い…ヒロ!ごめん…」  
俺はヒロの腰を掴み、ズン、ズン、ズンと力の限り突き上げた。  
奧へ、奧へ、ヒロの最奧へ解き放ちたい、種をつけたいという雄の本能だ。  
「えっ…あぐっ!?い、痛い!は、激しすぎる!」  
もうたまらないという具合にヒロの尻を鷲掴んで荒々しく腰を打ちつける。  
激しい腰使いにヒロは声を押し殺し、ぎゅっとシーツを握りしめた。  
 
「あっああっ!」  
ヒロが背をのけ反らせた反動で豊かな乳が冗談のように跳ね踊る。  
瑞々しい果実に浮かぶ玉汗が、揺れ踊る度に宝石のように輝いて飛び散った。  
「ヒロ、ヒロ、ヒロ…ヒロ!で、出る!見せてくれ、イク時の顔を!」  
「うッあっ…ダ、ダメ!も、もうやめ…見るな」  
涙を散らしながらヒロをいやいやと頭を左右に振った。身体の中心から  
ゾクゾクとした快楽がヒロを高みへと追いやっていく。  
「だ、ダメだよ。ああ…きゅうってきゅううって締め付け…おおッ!」  
俺はヒロの上に折り重なり、首筋にキスを繰り返しながら、  
腰を擦りつけるようにしてピストン運動を繰り返す。  
ヒロのたわわな胸が胸板に潰され、淫らに歪む。  
「は…は!ンぅぅ…!ああ、み、見るな!か、顔を見るな!ダメッダメなんだ!」  
「はんはああ…ヒロ…ヒロ…顔、ヒロのイク顔!見せて!」  
俺はペニスを最奧へ突き入れ、ヒロの顔を直視した。  
「み、みるなッ!わ、私の、私の!ヒロのイク顔を見ちゃダメぇぇぇぇ!」  
ヒロが女の声で鳴いた。その言葉が決め手となった。  
「――――で、出る!」  
ヒロが叫ぶと同時にぼびゅぶりゅッと熱い体液が吐き出された。  
「んッ…んう…んうううッ!はっ…あっ…ああ…」  
目を見開き、ヒロの口が『あ』の状態で静止する。潤んだ瞳から零れる  
涙に、艶かしい唾液が絹糸のように口から顎にかけてきらめく。  
花びらのような唇が大きく開き、そこから覗く犬歯、必死に息を吸おうとする  
表情。まさにヒロが達した瞬間の、『女』の顔だった。  
ヒロ…ヒロのイッた顔…初めて見た…感動的だ。  
「あ…あ…んぅ……」  
余韻にひたるヒロ。荒い息をつきながら見つめて合っていると  
「可愛かったよ、ヒロのイッた顔」  
と言って軽くキスし、アソコをすっと指でなぞった。  
「あッ、い、今はやめッ――――んぅ!」  
ヒロの短い声と共に左腕がぶわッと巨大になり、  
炎を纏ったごついかぎ爪に変化した。  
次の瞬間、轟音と共に巨大な火球が家の壁を丸ごとぶち抜き、  
家の庭先にあった樹木にあたって爆散した。  
「え…あ……へ?」  
ぶすぶすと焦げるベッドから庭先まで何もなくなった。  
「え…何で左腕……」  
「あ、あまり気をやると…魔力の制御ができなくなる…だから  
顔を見るなと…あれほど言ったのに……この愚か者!!」  
ヒロは涙を浮かべながらシーツを巻き付け、立ち上がった。  
「え、あ、あの…ヒロ?」  
乱れた髪をかき上げながらヒロはキッと眉をつり上げ言った。  
「薪割りは中止だ!壁が修理できるまで食事もなし!  
ついでに性交もなしだ!いいな、アキラ!」  
そのまま取り付く島もなく、ヒロは部屋を出て行った。  
左腕の暴発……そ、それを先に言ってくれ。  
と言いたかったがたぶん怖いことになるので  
俺は黙って新妻の言う事に従った。くすん。  
 
END  
 
 

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