あの会議から数日たったある日の夜。  
フォルトはムロマチの城にある露天風呂に一人で入っていた。  
「ふぅ。ここの風呂はいつ入っても気持ちがいいなぁ。」  
フォルトはここの風呂が好きだった。  
メイマイの大浴場と違って純粋に風呂にだけ入れるからだ。  
「・・・・・、このままで良いんだろうか。」  
近頃フォルトはそんな事ばかり考えていた。  
そもそも自分がこの大陸に来たのは先代のメイマイ国王との約束で  
メイマイを守るためだ。なのに自分はメイマイから逃げ出した。  
今の自分を先代国王グランが見たらどう思うだろう。  
フォルトがそう悩んでいると、露天風呂に一人の少年が入ってきた。  
ムロマチの現在の君主、シンバだ。  
「あっ、フォルトも入ってたんだ。奇遇だね。」  
そう言ってシンバはフォルトの隣に入浴した。  
まだ少年の域を出ていないシンバは、人当たりがよく自分の君主としての悩み  
を親身に聞いてくれるフォルトの事を、頼れる兄のような存在に思っていた。  
「浮かない顔して、何か心配事でもあるの。」  
悩んでいるフォルトの顔を見てシンバが心配そうに聞いた。  
フォルトにとって、そんなシンバの心遣いが嬉しかった。  
「何でもないよ。」  
フォルトはシンバの頭を撫でながら、笑って答えた。  
「それなら良いんだ。所でフォルト。僕、悩みがあるんだ。」  
シンバが心配そうに言う。きっとメイマイとの事だ。シンバは君主といってもまだ子供だ。  
多くの人の命を左右する決断で迷わないはずがない。フォルトはそう思った。だが、  
「最近、ソルティが変なんだ。」  
フォルトは固まった。  
 
「ソルティがね、最近一緒にお風呂に入ろうとか一緒に寝ようとか言うんだ。  
もうそんな歳じゃないのに。それに時々、僕を見る目が凄く恐いんだ。」  
フォルトは返答に困った。なんと言ったら良いだろう。  
まさか、「ソルティはアナタのお尻を狙ってます。」とは絶対に言えない。  
「そ、そうだね。ソルティとは距離を置いた方が良いと思うよ。」  
フォルトは苦笑しながら何とかそう答えた。  
「うーん。フォルトが言うんだったらそうするよ。あっ、僕もうあがるね。」  
そう言ってシンバは風呂から出ようとしたが、急に倒れた。  
「シンバ!」  
フォルトが慌ててシンバに駆け寄った。  
「だ、大丈夫だよ。の、のぼ、せ、た・・・。」  
シンバはそう言って気を失った。  
「なんだ。湯に浸かりすぎただけか。」  
フォルトは安心するとシンバを抱えあげ脱衣所に連れて行き横に寝かせた。  
「これで、ひとまずは安心だな。」  
「何が安心なんだ。」  
突如後ろから声が聞こえる。フォルトが振り返ると、其処にはソルティが立っていた。  
「あっ、ソルティ。良い所に来た。実はシンバが・・・。」  
フォルトが状況を説明しようとした突如、ソルティがフォルトに斬撃を放った。  
フォルトはソレを辛うじて避ける。何事かとフォルトはソルティを見るが、  
ソルティは体中から殺気を放っていた。  
「そうか。そうだったんだな。最近シンバが僕の事を避けていると思ったら、  
こんな、こんな奴の毒牙にかかっていたから、僕に合わせる顔が無いって  
避けてたんだね。」  
ソルテイは何やら妖しい発言をする。  
「ち、違う。誤解だ。僕は何もして無い」  
フォルトの叫びも最早ソルティの耳には届かない。  
「大丈夫だよ、シンバ。僕がコイツを殺せば全て元通りだよ。」  
ソルティがフォルトに襲いかかった。  
 
その頃、ある一室にて大蛇丸は酒を飲みながら今後を考えていた。  
「やれやれ、メイマイか・・・。女の相手はベットの上だけで十分だってのに。」  
どうやらかなり酔っているらしい。  
「それなら俺の昇竜で一撃なんだけどな。」  
そう大蛇丸は言った後、自分でも上手い事を言ったと思い大笑いする。  
「助けて下さい。大蛇丸さん。」  
そんな中、フォルトが全裸で駆け込んでくる。  
「おぅ、どうしたんだ。フォル・・・・・・。」  
大蛇丸の目がフォルトの一点に集中し固まる。  
「・・・・・・・ラングード。」  
大蛇丸がフォルトのソレをそう例える。  
「ちょっ、何見てるんですか。それよりソルティが大変なんです。」  
「こいつぁ凄ぇ。勝てる気がしねぇ。」  
初めて完全な敗北を知った極東の飛竜は放心し、何を言っても通じない。  
フォルトは仕方なくその場を後にした。  
「どうしよう。部屋に戻るにはソルティのいる道を通らないといけないし、  
この格好じゃ外にも出られない。」  
そうこう悩んでいる内にソルティの足音が近づいてくる。  
フォルトが覚悟を決めた、その時。  
「こっちだ。フォルト。」  
フォルトは何者かに手をつかまれ、部屋に連れ込まれた。  
 
「どうやら行ったようだ。だが念の為、暫くここにいろ。」  
フォルトを助けたこの部屋の主であるヒロがそう言う。  
「あ、有り難うございます。助かりました。」  
以外な人物の助けに戸惑いながらもフォルトは礼をいう。  
「折角だから、一杯やっていけ。」  
そう言ってヒロが部屋の中央にあるテーブルを指差す。  
つい先程まで飲んでいたらしく上にはワインが置いてある。  
「そ、そんな、悪いですよ。」  
「貴様が立っていると目のやり場に困る。早く座るなりして隠せ。」  
ヒロのその言葉に自分が裸だった事を思い出したフォルトは慌ててイスに座る。  
「ふふ、貴様とこうして二人きりで話すのは二度目だな。」  
前にフォルトは一度だけヒロと二人きりで話した事があった。  
話したと言ってもヒロがフォルトに一方的に、何の為に戦うかと問いただけだった。  
その時フォルトは大切な物や人を守る為と答え、それを聞いたヒロは  
黙って去っていってしまい、とても会話とは呼べるモノでは無かった。  
「貴様に会ってから私は随分と変わった。」  
ヒロはそう言ってグラスにワインを注ぎ、フォルトに渡した。  
「どんな風にですか。」  
フォルトはワインを飲みながら聞く。  
「人と言うモノを好きになった。」  
それは告白にも似た答えだった。  
「ははっ。少し飲みすぎてる様ですね。」  
「そうかもな。酔っていなければこんな事も出来ない。」  
そう言うとヒロは右手でフォルトの顎を押さえ、唇を近づけた。  
 
急な出来事に驚くフォルト。  
ほのかに笑みを浮かべるヒロ。  
二人の顔が次第に近づき、その距離が無くなろうとした、その時。  
「止めろぉぉぉぉぉーーーーーーーー。」  
突如、天井から魂の咆哮にも似た悲痛な叫び声がした。  
どうやら上に誰かいるようだ。だがヒロはその正体を知っていた。  
「サトー。貴様、人の部屋を覗くなと何度言ったら分かる。」  
そう言ってヒロは腰に付けた剣を抜くと同時に声のする天井に投げた。  
「ぎゃぁ。」  
悲鳴と共に天井から血が流れる。  
「全く、とんだ邪魔が入ったな。フォル・・・。」  
そこにフォルトの姿は無かった。  
 
 
フォルトはどさくさに紛れて自室に戻っていた。  
「ふぅ、何とか戻ってこれた。」  
今日は色々あってとても疲れた。早く休みたい。  
そう思ってベットに入ろうとしたフォルトだったが、  
そこにはヒロが座ってフォルトを待っていた。  
「全く、勝手に部屋を出て行くとは貴様は失礼な奴だな。」  
「ヒ、ヒロ。な、何でここに。」  
慌てるフォルトだったが、ヒロはそんな事は如何でも良いと  
いった顔で立ち上がり、おもむろに服を脱ぎ出した。  
ヒロの裸体が露になる。それを見てフォルトは驚いた。  
フォルトは今まで数多くの女性の裸を見てきたが  
ヒロは他の女性と異なる部分があった。  
そう、左腕だけがまるで全く違う生物の様だった。  
「やはり、貴様も私が恐ろしいか。」  
 
以前、フォルトは大蛇丸から聞いた事があった。  
ヒロは子供の頃、心無い人間によって左腕を切られ、それを魔力で再生した。  
だが、その出来事が心の奥底で人を信用出来なくしているという事を。  
「そうだろうな。この様な姿をした者など、恐れぬ者の方がおかしい。」  
ヒロの頬を一筋の涙が流れる。  
「泣いている。この私が泣いているのか。涙などお父様が死んだ時に捨てた  
つもりだったが・・・。ふっ、やはり人など好きになるべきでは無かった。」  
ヒロが悲しそうにそう話した直後、  
フォルトはヒロの口を自分の口で塞ぎ、ベットに押し倒した。  
ヒロは驚いてフォルトを見るが、フォルトは泣いていた。  
「そんな事、そんな事無いよ。僕は君を怖がったりはしないよ。」  
フォルトはそう言ってヒロを抱きしめた。  
「フォルト・・・。好きだよ。大好きだ。」  
ヒロもフォルトを抱きしめる。  
 
 
 
 
 
 
この時フォルトは気付かなかった。  
フォルトを抱きしめたヒロの顔が一瞬だけ妖しく笑った事を。  
 
ムロマチの城の一室。  
そこでヒロとフォルトはお互いを求め合ってた。  
「んっ、あぁ。」  
フォルトがヒロの体を愛撫する度にヒロはくぐもった声をあげる。  
フォルトもそれに答えて更に激しく、優しく愛撫する。  
「ヒロ。僕は君の全てを受け入れるよ。」  
そう言ってフォルトはヒロの左腕を優しく舐めあげる。  
その異質でもある行為にヒロは官能をさらに高める。  
「ココもすっかり濡れているね。」  
フォルトがヒロの秘所に手をやる。そこは既に洪水だった。  
「ううっ、あっ、フォルト。そ、そろそろ。」  
「うん。入れるよ、ヒロ。」  
フォルトのペニスがヒロの秘所にゆっくりと挿入される。  
ヒロはたまらず声をあげる。  
「動かすよ。」  
フォルトはゆっくりと、相手を思いやるように腰を動かす。  
その動きにヒロは歓喜の声をあげる。  
「フォ、フォルト。わた、もう。」  
「ぼ、僕も、だよ。ヒ、ヒロ。い、一緒に。」  
ヒロが絶頂すると同時にフォルトのモノを締め上げ、  
フォルトもヒロの膣に全てを出した。  
 
しばらく余韻に浸っていた二人だったが、落ち着いてきたフォルトがヒロから  
自分のモノを引き抜こうとする。だが、  
「ヒロ。あの、その、足が邪魔で、その。」  
ヒロが足でガッチリとフォルトの腰を挟んで離さない。  
「フォルト。貴様、まさか自分だけ挿入れて終わすつもりでは無いだろうな。」  
ヒロのその言葉の意味がいまいち掴めないフォルト。  
そんなフォルトの尻にヒロの左指があたる。  
「ま、まさか。」  
フォルトは顔が青ざめる。  
「安心しろ。苦痛を感じるのは始めだけだ。その内病み付きになる。姉様だって  
そうだった。初めは嫌がっていたが、最後には自ら強請り出した。」  
ヒロは驚くべき事を口にした。どうやらヒロは姉とも関係を持っていたようだ。  
「ちょ、ちょっと待ってくだ、あっ。」  
フォルトの中に指先が入る。  
「なんだ。以外とすんなり入ったな。やはりティナの言っていた事は正しい  
ようだ。」  
ヒロは笑みを浮かべながら言う。  
「えっ、ティナって・・・・。」  
ティナという単語にフォルトは昔のトラウマがよみがえる。  
「他にも色々聞いている。お人好しで、騙され易い事とかな。」  
ここでフォルトは初めて自分が嵌められた事に気付く。  
慌ててヒロから離れようとするがガッチリと足で挟められ離れられない。  
「全く、貴様は往生際が悪いな。私の全てを受け入れるんじゃ無かったのか。」  
そう言ってヒロの左指が一気に差し込まれる。  
「うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ。」  
絶叫が響き渡る。そしてそれは朝まで途絶える事が無かった。  
 
 
その後、フォルトは気がつくとムロマチを逃げ出していた。  
 

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