この日記をつけ始めてから2年の歳月が経った。  
それは僕が今は亡きメイマイ国の王グラン様の意志を継ぐため  
この国に来てからの年月でもある。最初はただの一島国に過ぎなかった  
この国も、今ではノートリオン、イズルヒ、トラテペスの3ヶ国を支配し  
勢力を拡大しつつある。国が強固になるのはいい。  
だが僕は、勢力拡大に伴うティナ達の行動に耐えられないモノを感じてきた。  
あの狂気にも似た行動に。  
 
 
「おーい、フォルト居るかい?」  
フォルトが日記を書き終えた頃、自室のドアを開けアニータが入ってきた。  
「やあ、アニータ。何のようだい?」  
フォルトは日記をしまいながらわかりっきった答えを聞く。  
「何って、決まってるじゃないか。今日はアタシの番なんだ。  
タップリ可愛がってあげるから早く準備しなよ。」  
いつの頃からか、フォルトはメイマイ騎士団の少女達と毎晩の関係を持つようになっていた。  
行為を繰り返すにつれて彼女達は、フォルトにサディスト的な行動をするようになってきた。  
それは日に日にエスカレートしていったがフォルトにすれば耐えられぬモノでは無かった。  
少女達のあの忌まわしき行為に比べれば。  
 
「これより、プリエスタ攻略の作戦会議を行います。」  
ティナの凛とした声により会議が行われた。  
出席者はティナ、ラト、リム、キラット、アニータのメイマイ騎士団の面々に  
フォルトを加えた各部隊の指揮官達である。  
円卓のテーブルで行われるごく普通の会議。ただテーブルの下で女性がティナの秘所を舐めている以外は。  
「やめろ!ティナ。」  
「あら、妬いてるの?それならアナタが代わりに奉仕する?私はそれでも良いけど。」  
フォルトの怒りの抗議を笑って返すティナ。「舐めるんなら私のを」と野次を飛ばす周り。  
これこそがフォルトが耐えられない原因である。  
「違う!僕が言いたいのは、そんな事させるなって事だ。彼女が可哀相じゃないか!」  
「そんな事は無いわ。だってこれは彼女が望んでいる事だもの。ねぇ、サイトゥス?」  
「はい。」  
そう答えるとサイトゥスは再びティナの秘所を舐めだした。その姿にはかつての批評家であった面影すら無い。  
かつてサイトゥスはノートリオンの君主の君主であったがメイマイに敗北し、  
部下のコジョンとマイミンはリムとキラットに、そしてサイトゥスはティナに強制進化された。  
 
強制進化。相手と交わる事により魂を重ね、自らを強化する邪法。  
魂を重ねる瞬間にくる快楽からか、それとも交わる時に騎士団に受けた愛撫の凄さからか、  
彼女達は騎士団の虜となった。フォルトはそれが許せなかった。  
そうなった事を受け入れて、調教する彼女たちが。  
しかしこの場ではサイトゥスがはいと言っている以上引き下がるしか無かった。  
くやしさと無力さに染まるフォルトの顔を嬉しそうに見ながらティナが会議を再開する。  
「まずは現状の把握。リム、お願いできる?」  
「はい。プリエスタは女王アゼレアを中心としたエルフとダークエルフの国家で兵力は600兵程度です。  
また、こちらの進軍ですので戦場はプリエスタ城周辺の森林となります。  
そして、自軍の進軍に割ける戦力はアニータ様のデビル800兵、キラット様の魔法生物400兵、  
私と姉さんの戦士900兵にティナ様の親衛隊600兵、そしてフォルトさんのナイト120兵です。」  
リムの淡々とした声でメイマイとエルフ軍の圧倒的な戦力差が告げられる。  
そんな中、フォルトは一人考えた。この戦、メイマイは間違いなく勝つ。  
そうなれば、エルフの女王アゼレアやダークエルフのリーガルリリーは間違いなく強制進化されるだろう。  
最悪の場合、幼女のスタリナでさえその毒牙にかかるかもしれない。そんな事をさせてはいけない。  
しかし、自分に与えられた兵士は極わずか。フォルトが思考を巡らすなか、プリエスタ進軍の日取が決まった。  
最早迷う暇は無い。例え助けられたとしても、自分は酷い目にあうだろう。  
けれども彼女達を止めるためフォルトは覚悟を決めた。  
「先代メイマイ国王グランよ。僕に力を。彼女達の狂気を止める力を!」  
皆が退出し誰も居なくなった会議室にフォルトの声が響き渡る。  
賽は、投げられた。  
 
 

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