メイマイ城深夜。フォルトは再びマユラの部屋に呼び出されていた。
「遅いぞフォルト。」
フォルトが扉を開けるとマユラはいつもの様にテーブルに着いて待っていた。いつもならフォルトは苦笑しながら部屋に入るのだがその日は違っていた。
フォルトは部屋の前で固まってしまったのだ。それは別に前に来たときよりもヌイグルミが増えていたからでもカエルをかたどった新たな家具が加わっていたからでも無い。
そう、もっと根本的な問題があったのだ。
「・・・・・・マユラ、何で服を着てないんだい?」
しばらく固まっていたフォルトだったがやがて意を決して尋ねる。フォルトの言うようにマユラは全裸でテーブルに着いていたのだった。
「ああ、それはだな、前回エロくないと指摘されたろ。だから今回は少しでもその手の描写を増やそうと思ってな。」
「なんか違うような気がするんだけど・・・・。」
「そんな事はどうでもよい。それよりも今日お前を呼んだのは頼みたいことがあってな・・・・。」
そこまで言ってマユラの雰囲気が変わる。フォルトもそれを肌で感じた。
いつもは有無を言わさず自分を使うマユラが今日に限って頼みごとなんて・・・・。
ただならぬ空気を感じたフォルトは黙ってテーブルに着く。そしてマユラが次に言葉を発するのを待った。
マユラはフォルトが席に着いてもしばらくは黙ったままだったがやがて意を決したように言葉を放つ。
「・・・・フォルト、お前の竜剣カシュシリアスをよこせ。」
「はいぃ?。」
それは唐突だった。一瞬にして今までの凍りついた空気が崩れた。
「あれから(まゆらぶ参照)私は考えてみたのだ。何故私の出番が無いのかと。だってそうだろ、住んでいた村を魔物に襲われた悲劇の幼少時代。自分の強大な魔力故に
実の母に利用されそうになり、母を殺してしまった悲しみの過去。それ故に苦悩し、自分の力を恨み、人間になりたいという切なき夢。更には普段の容姿や冷静な口調と
ネコ族やカエル族を見た時の可愛らしい反応のギャップ。これほどまでに完成されたキャラなの何故私を今まで出さなかった。
フォースシリーズの使えるキャラは何度も再利用するあの会社が。」
話している内にマユラの感情はしだいに高ぶり、ついにマユラは抑えきれなくなった感情に流され両手でテーブルをどんっ、と叩き立ち上がった。
マユラの形の整った綺麗な胸が立ち上がった反動でぷるんと揺れる。これで言ってることがまともなら・・・・・。フォルトはつくづくそう思った。
「私は悩んだ。何が足りないのか、他のキャラとどこが違うか、悩み抜いた末に私はある結論にたどり着いた。そう、今の私に足りないのは専用の装備だと。
ヒロのGOHやグリーザの聖剣ラングード、アーレスの魔剣ランシュヴァイクの様なインパクトのある専用の装備が。」
「でもマユラにはガジュウが・・・・。」
「ガジュウ?そんな物はシンバやラト、果てはエレクやブラット・エースなどまで使いオリジナリティに欠けてるではないか。私が言ってるのはオンリーワンの独創的な装備
の事だ。その点、お前の竜剣カシュシリアスは良い。奇妙極まりないその形といい、言いにくい名前といい最高に存在感がある。
だから私というキャラの強化の為にその剣をよこせ。」
「それは出来ない。」
キラキラと目を輝かせて迫るマユラだったがフォルトはきっぱりと断った。
「だって僕からこの竜剣を取ったら何が残る。ただでさえ前髪で目が隠れてて印象の薄いキャラなのに、これ以上特徴無くしたら兵士A並の凡庸キャラになってしまうよ。」
「心配無い。たとえ竜剣を失ってもお前は女性に虐められるキャラとしてこのスレでは生きてゆける。」
「このスレだけで生きても意味が無いよ。とにかく、この剣だけは絶対に渡さない。」
「解ってないなフォルト。お前に残された選択肢は剣を渡してから犯られるか、犯られてから剣を奪われるかの二つしかないのだ。」
「どうしてそこで犯るがはいるんだよ。」
「それがお約束という物だ。さあどうする、個人的には後者の選択の方がより私の好虐性を満たせておすすめなのだが、いやむしろその方がいいな。よし、そうしよう。」
「えっ、待って話合ぉ・・・・・・うぁ・・・・だめ・・・・・・・・・・・・・・・・うあ止めうあぁぁぁぁぁぁぁぁ。」
結局、夜のプレイに夢中になって竜剣の事などすっかり忘れてしまうマユラだった。