その日、フォルトは押し付けられた雑務を終え自室に戻ろうとしていた。  
それはいつもと変わらぬ何気無い日常。そうフォルトが自室の扉を開けるまでは。  
「ふぉうへふぅか、わひゃひのひはふふぁいは?(訳どうですか、私の舌使いは?)」  
「良いぞユーロ、もっと裏の方も舐めてくれ。」  
フォルトの自室では見知らぬ有翼人の女性が、別の見知らぬ有翼人らしき女性の本来なら男にしかない器官を嬉しそうにしゃぶっていた。  
・・・・・・・・・・バタンッ。  
フォルトは無言でドアを閉めた。  
「ここは僕の部屋だ、じゃあ何で人が、というかあの人達誰?・・・・・・そうか幻覚か。最近は特に酷い目に遭い続けたから幻覚まで見るようになったんだ。」  
突然の出来事を必死に合理化しようとするフォルト。そして幻覚と無理矢理自分を納得させ再びドアを開ける。だが、  
「今度は二人で先の方を・・・そうだ・・・あっ・・・・凄く良いぞ。」  
「ほんふぉれふふぁ?(訳ホントですか?)」  
「よろふぉんへいふぁふぁふぇへうれふぃい。(訳喜んでいただけで嬉しい)」  
しゃぶっている女性が二人に増えていた。  
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・バタッ。  
フォルトが倒れた。  
 
その後フォルトが目を覚ますと何故か自室のイスに座っており、向かいには先ほどの有翼人の女性の一人が座っていた。  
「いや、随分と驚かせたな。貴様を待ってる間あまりにも退屈だったのでつい・・・・」  
普通退屈だからって人の部屋であんな事するかとか、他の二人は何処に消えたとか、それ以前に、フォルトには最も知っておかなければならない事があった。  
「あの、貴方は一体誰なんですか?」  
その言葉に彼女は突然キレた。  
「なんだと貴様、私のを知らぬのか、この偉大な私を。貴様それでもネバーランドの住人か、この非国人が。」  
「えっ・・・あの・・・すみません。」  
「ならば教えてやろう、そしてその無知な頭に刻み込め。私は聖神コリーア、この地を創りし偉大なる神。」  
「なっ、貴方が聖神コリーア・・・・」  
「様を付けろ愚か者が。」  
フォルトは今までに無い位驚いた。目の前のこの危なそうなオネーチャンが聖神コリーアだなんて。  
「あの、それでコリーア様が何で僕の部屋に?」  
「ああそうだ、私とした事が本題を忘れる所だった。実は私は悩んでいるのだ。なぜこのスペクトラルシリーズにおいてコリーア教には悪いイメージしかないのだ。」  
「それはコリーア様自体が強制進化という、何というか、その、ある種の淫らな邪法を・・・・」  
「黙れ。神託にも等しい私の言葉を遮るでない。貴様に言われずとも理由は解っている。それと言うのも全てのゲームに登場するコリーア教徒にろくな人物が居ないからだ。  
 周りに女ばかり侍らす好色ジジイのドリファン帝、筋肉馬鹿の癖にジャドウに完敗した役立たずのグリーザ、最近では身の程も知らずに自分を神だと言い張る愚か者の  
 リンドストゥルムにあからさまに狂った目のアウドライトと、唯一まともなのはデゥーラー位ではないか。幾ら私が完璧でも周りがこのような屑だらけでは悪いイメージが  
 ついて当然だ。」  
全然解ってないよこの人。そんなフォルトの思いをよそにコリーアは熱弁を続ける。  
 
「そこでだ、我がコリーア教のイメージアップを図るべく新たな教徒を増やそうと思い貴様に白羽の矢を立てたのだ。」  
「それで僕の部屋に・・・・・・でも何で僕なんです?」  
「そんな事は問題では無い。重要なのは貴様がコリーア教に入るか入らないかだ。無論、私自ら勧誘に赴いたのだ。まさか断るような真似はしないだろうな。」  
十分問題が有ると思うが既にコリーアの目はすわっており、もしここでフォルトがYES以外の事を口にしようものなら天罰でも落としかねない勢いだ。  
「・・・・・・・解りました、コリーア教に入らせて頂きます。」  
「それでよい。ではこれから貴様にコリーア教徒の入団の儀式を行う。」  
そういってコリーアはおもむろに服を脱ぎだした。彼女の下腹部からは本来なら有り得ないモノが人外レベルの大きさでそそり起つ。  
「急に一体何を・・・・・・まさかっ。」  
「察しが良いな。これを貴様の中に差し込む。それが入団の儀式だ。」  
「はは、冗談ですよね?」  
「神は冗談など言わん。安心しろ優しくしてやるから。」  
「僕やっぱり入るの止めます。」  
本来と別の貞操の危機に慌てて席を立ち逃げようとするフォルト。だが体が動かない。気がつくといつの間にか現れたマユラがフォルトの体を押さえていた。  
「マユラ、何でここに。」  
「この話は一応まゆらぶなのだ。私が出ないでどうする。」  
「さあこれでもう逃げられまい。大人しく神の施しを享けよ。」  
「嫌だ。大体こんな儀式自体間違ってるよ。」  
「当たり前だ。貴様の顔を見てたら虐めたくなったから適当に理由を付けただけだ。」  
「うわ、今本音が出た。そんな理由でうわやめ助けうあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ。」  
フォルトはこの日、本当の意味で神を呪った。  
数日後、冥王ムゲンを熱心に崇拝するフォルトの姿がそこにはあった。  
 

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