暗闇に月がぼんやりと輝き、静寂があたりを包むころ。  
酒場の一角で二人の女性が日頃の戦いを一時忘れ、酒を楽しんでいた。  
「ッ…」  
その夜のル・フェイは珍しく酔っていた。  
すでに顔は真っ赤で目も眠たそうにまぶたが落ちかけている。少し頭も痛そうだ。  
「珍しいわね。ル・フェイがこんなに酔うなんて」  
「…そう、じゃろうか?」  
ゲイルやファインも裸足で逃げ出す酒豪リューンエルバと対等に飲める彼女がこうまで酔う事は  
それほど珍しいことだった。  
今夜のル・フェイのペースはリューンエルバから見ても明らかに異常だった。  
ル・フェイ自身理由はわかっていた。  
昼間、彼がしでかした事が彼女の心にとげとして突き刺さっていた。  
共に旅する少年、アキラが元の世界に帰れるという敵の首領クリングゾールの  
言に従い神器を渡してしまったのだ。  
共に幾度となく危機を潜り抜けて、すでに心の通じ合った仲間となったのは自身の  
錯覚に過ぎなかったのか?  
 
(わたしの理解が足りなかったのか?)  
そう考えれば考えるほど気がめいる。  
「今夜はもう休んだ方がいいわ。お代はわたしがしておくから」  
「…うむ。すまない」  
席をたち部屋へ向かうル・フェイの足取りはふらついていた。  
ドンッ  
なにかにぶつかってしまいル・フェイはすかさず謝った。  
「す、すまぬ」  
「…珍しいな。あんたがこんなに酔ってるなんて」  
その声に聞き覚えがあったル・フェイは思わず声をあげる。  
「あ、アキラか…どうしてここに?」  
「……」  
今まで部屋にこもっていたアキラがなぜここにいるのか?  
だがアキラは答えづらそうに口をつぐんでいた。  
アキラ自身、別に何か考えていたわけではない。  
外の空気を吸いたくなったから、という程度の理由でしかなかった。  
「別に…大した用じゃない」  
だが今はもう深夜のため一人歩きは危険だ。  
アキラもこの世界に来てもう十分すぎるほど理解してるはずなのだが。  
 
「あら、ちょうどよかった」  
ふと向こうから女性の声がする。  
ピンクの髪に背の高い女性、先ほどル・フェイと飲んでいたリューンエルバだった。  
「ル・フェイったら飲みすぎちゃってね。休ませようとしていたところなの」  
だからなんだ。そう言いたげなアキラの視線をリューンエルバは軽く受け流す。  
「ふふ、だからル・フェイを部屋まで連れてってあげてってことよ」  
ふらついていて危ないからともっともらしい理由も付け加える。  
アキラはこの女性のこういうところが苦手だった。  
軽薄そうなノリの裏に全てを見透かしたような態度が。  
こちらがいくら何を言ったところで大人の余裕とやらの前に軽くいなされてしまう。  
そのたびに、アキラは自身が子供だと思い知らされ苛立つことが何度もあった。  
「…わかったよ」  
いくら言っても聞きはしないだろう。諦めた彼はル・フェイの腕を自身の肩に担ぐ。  
「いくぞ」  
「う、うむ」  
ル・フェイは顔が赤くなっているのをはっきりと感じた。  
酒のせいだと思いたかったがそれだけではないようだ。  
アキラの顔を見るたびに、会話をするたびにわきあがる感情。  
それはどんどん大きくなっていった。  
                               *  
―あれは少し前のことだったか…  
「ねぇ、あんたって年上好みなの?」  
宿のロビーにむかうル・フェイの耳にちょっとしたやりとりが入ってきた。  
なぜかこの話題が気になったのか柱の陰にとっさに身を隠し聞き耳を立てた。  
いつものようにアルフリードが一方的にアキラをからかっている様だが。  
宿屋のロビーでまどろんでいる中、いきなり投げかけられた質問にアキラは戸惑っていた。  
「い、いきなり何言ってんだよ。どうだっていいだろ?」  
質問の主はアルフリード。ル・フェイの供としてアキラの持つ神器を探していたようだ。  
ニヴァといい、目の前のアルフリードといい、そしてル・フェイといいこの世界の神官はかなり露出度の高い衣装を身に纏っていて、うぶなアキラには最初は目のやりどころに困っていたようだ。  
「うそばっか。気になってんでしょ?あの人が」  
そう、アキラはそんな派手な神官の中でル・フェイだけはいまだによそよそしさが消えないでいた。  
こういうことには目ざといアルフリードが気になって話の種にしたのだろう。  
「べ、別に俺は!ル…」  
そこまで言いかけて、アキラはアルフリードの誘導尋問だと気づきあわてて口をつぐむ。  
 
アキラの口から出かかった名前に聞き耳を立てていたル・フェイはその続きが気になった。  
心臓が激しく高鳴る。  
(ウブなねんねでもあるまい)  
だが自分は双女神に仕える神官。そんな感情、許されるはずがない…  
その間にも二人のやり取りが続いていた。  
「ル?続きはなにかなー?ア・キ・ラ?」  
「ふ、ふざけるな!」  
顔を真っ赤にさせながらアキラは宿を飛び出していった。  
「あらら、いっちゃった」  
アキラと入れ違いにル・フェイは何食わぬ振りをして呆れ顔でアルフリードをたしなめる。  
「なんじゃ、またアキラをからかっておったのか?」  
「ちょっと質問しただけだって」  
いたずらっ子のするような顔してル・フェイに返事する。  
そんなアルフリードをみて、ル・フェイはため息をつきながら、  
「アキラはおぬしと違って繊細なのじゃ。あまりからかうでない」  
だが内にこもりがちなアキラにはアルフリードのような多少強引なぐらいがちょうどいいのかもしれない。  
 
「あやつもすこしはこの世界をうけいれてくれたのじゃろうか…」  
「だいじょうぶだよ。あいつ、結構つよいから」  
「だといいのじゃが…」  
(ル・フェイがこんなに気をかけるなんてねー)  
なにか邪まな考えが浮かんだのかアキラの時と同様の笑みを浮かべるアルフリード。  
何しろいつも自分に厳しいル・フェイにこんな格好のネタがあるのだ。使わない手はない。  
「そんなにアキラが気になるんだ〜。へー、あのル・フェイがね〜」  
ボッと火がついたように真っ赤になった顔で慌てふためく。  
「な、なにを言うのじゃ!!わたしは別にそういう風に意識など…」  
思ったとおりに食いついたル・フェイの反応が面白くアルフリードは調子に乗って追い討ちをかける。  
「なに?そういう風って」  
「だ、だから違うといっておるじゃろうに」  
ねぇねぇとしつこくまとわりつくアルフリードにル・フェイの堪忍袋の緒が切れた。  
「………」  
ル・フェイから無言の圧力が放たれる。  
アルフリードが調子に乗りすぎたと気づくには時遅し。  
「お仕置きが必要なようじゃな…」  
ル・フェイの尋常ならざる雰囲気にアルフリードはプルプルと震える事しかできなかった。  
部屋中にアルフリードの悲鳴が響く。  
「ごめんなさーーーーーーーい!」  
                          *  
部屋を飛び出したアキラはというと、どうするわけでもなく町をぶらついていた。  
頭の中は先ほどの話題でいっぱいだった。  
(くそ、アルフリードのやつ…)  
よりにもよって苦手な話題を持ち出してくるとは…  
照れ屋で虚勢をはるところのあるアキラはあの程度の挑発にもすぐ引っかかってしまう。  
アルフリードが供をしている神官、ル・フェイ。  
美しい蒼銀の髪、凛とした瞳…  
鋭い剣技と魔法をもって華麗に敵を討つ、強さと美しさを兼ね備えた女性。  
(完璧だな…それに加えて俺は…)  
望まれた異界の魂としての力もなく、不完全の烙印をおされ放逐された自分。  
そんな中で出会った、眉目秀麗、才色兼備を地でいくル・フェイがうらやましかった。  
憧れているといってもいいかもしれない。  
「アキラ」  
ふと背後から自分を呼ぶ声がする。  
「な、なんだ。ル・フェイか」  
さっきまで頭の中にいた対象が目の前に現われ狼狽するアキラ。  
 
「考え事をしておったのか、すまない」  
「いやいいんだ。で、何の用なんだ?」  
「うむ、アルフリードがまたお主に迷惑をかけたそうじゃな。すまなかった」  
わざわざそんなことを言いに来るとくるとはアキラは思っていなかった。  
(律儀なんだな)  
「もうなれたよ。いちいち気にしてられない。…それに」  
「それに?」  
「案外、いい気晴らしになってる」  
アキラのその言葉がうれしいのかやさしく微笑む。  
「そういってもらえると助かる」  
「けど、ほどほどにしてほしいけどな」  
あまり遊ばれているというのはおもしろくはないから釘だけはさしておいた。  
ル・フェイも苦笑しながら了承した。  
「うむ、アルフリードにも困ったものじゃな」  
アルフリードはアルフリードなりにアキラに気を使っているのだが、そういう気を使われるという行為に  
神経質になっているアキラにはあえて言わないでおいた。  
「でもあんたにも結構感謝してる」  
少し顔を赤くしながらもアキラは素直に自分の心情を口にした。  
 
いつも厳しくもやさしく自分を叱咤してくれる彼女にはマックスやゲイルと同様に感謝しているのだろう。  
珍しいこともあるものだと思いながらもル・フェイはアキラを見やると  
アキラの顔はいつもと違って穏やかな笑みを浮かべていた。  
初めて見るアキラのその表情にル・フェイも思わず顔を赤く染めてしまう。  
「そ、そうか。そういってもらうと光栄じゃな…」  
そういうとお互い照れくさいのか黙り込んでしまう。  
「ふ…」  
その空気に耐えられなくなったアキラが笑い声をもらす。  
「な、なんか、らしくないな…俺も」  
「そうじゃな。いつものお主はもっと無愛想じゃからの」  
文句を言いたげなアキラの視線を受け、ル・フェイはフォローを入れる。  
「冗談じゃ。お主のそういう顔もかわいいぞ」  
そのル・フェイのフォローにアキラはますます顔を赤くして抗議する。  
「…あんたも結構性格わるいな」  
「フフ、そうじゃ。これからデートに洒落込むとしようか?」  
「な、なにいってんだよ」  
「女子からの頼みごとを聞くのも男の甲斐性じゃぞ♪」  
ル・フェイに引っ張られながらアキラはこんなキャラだったか?と思わずにはいられなかった。  
                         *  
覗き込んだル・フェイは悪酔いのためか心なしか苦しそうだった。  
「……」  
(きれいだな…)  
何かに突き動かされるれるようにアキラの指がその柔らかそうな唇に触れるか触れないかぎりぎりの  
ところをさ迷う。  
(何をしようとしてるんだ…俺は…)  
手を下げようとしたそのとき、唐突にル・フェイの目が開いた。  
「ッ…す、すまない。これは、その…」  
「………」  
だがル・フェイはただ黙っているだけだったが、唐突にアキラの顔を両手でつかみ自身の顔に引き寄せる。  
次の瞬間、アキラの唇がル・フェイのそれによってふさがれていた。  
彼女の唇の温かさ、やわらかさが伝わる。  
次の瞬間にはル・フェイの舌が侵入しアキラの舌と絡みつく。  
(やば…)  
アキラはその気持ちよさに思わず流されそうになる衝動を必死に押しとどめる。  
唇を多少強引に引き離すとル・フェイは物惜しそうな眼でアキラを見つめた。  
 
「あ、あんた何考えてんだ!酔ってるにしたって、こんな…」  
一体どういうつもりなのかさっぱりわからないアキラがル・フェイを問い詰める。  
「酔っておる…でなければこんなことできまい…」  
「本当に、どうしたんだよ?あんたらしくもないぞ」  
アキラもル・フェイが酒のせいとはいえこんな行為をすることに驚きを禁じえなかった。  
「昼間のことじゃ…」  
その言葉にアキラも急に現実に戻された感じがして先ほどの高揚感が急速に萎えていった。  
アキラにとって触れてほしくない話題、神器を敵であるクリングゾールに渡してしまった事だ。  
もとの世界に帰ることはアキラにとって本懐であったはずなのに…  
アキラの心は後悔でいっぱいだったのは、ネバーランドに愛着を持ち始めてきた証拠なのだろうか。  
そんなアキラの葛藤を見透かすようにル・フェイは続ける。  
「お主がチキュウに望郷の念を抱いておる事はわかっておる。だがそれを承知の上で言う。  
ここに…ネバーランドに居てくれぬか?」  
ル・フェイの告白はアキラにさらなる悩みをもたらした。  
帰る方法なんてどこにあるんだ?と軽口叩いて済ませるわけにもいかなかった。  
 
「……」  
そんなアキラの様子にル・フェイはそっと語りかける。  
「…わたしでは駄目か?」  
「な、なにがだ…」  
「お主をこの世界に繋ぎとめておく楔にはなれぬか?」  
アキラにはル・フェイの真意が図りかねなかった。  
(これは…告白なのか?)  
そうだとして、なぜこうまでしてくれるのだろう。そこまで構ってもらえるだけの人間だとは思えない。  
いつだってしかめっ面で迷惑ばかりかけてきたというのに。  
「なぜだ?」  
アキラはやっとの思いで吐き出すようにつぶやく。  
「なんでそんなに俺にかまうんだ。俺はそんなに心配されるような人間じゃない…」  
「お主は…自分を過小評価しておるからわからんのだ!お主が…  
わたしの心をどれほど占めておるのかわかってないのだ!」  
突然大きな声を出すル・フェイに思わず腰が引けるアキラ。  
「わたしは…お主が好きだ…」  
酒かそれ以外によるものかわからないが赤く染まった頬で思いを伝える。  
「え?」  
「だから、わたしも手段は選ばん!」  
 
ガバッ!!  
アキラの反論する間もなくル・フェイは体制を入れ替えアキラの上に押しかかる。  
「な、なにを…うむっ」  
ル・フェイの唇がアキラのそれをふさぎ、舌が口内に侵入する。  
強引ではあったがアキラは拒まなかった。  
ル・フェイの舌が絡みつき、吸い上げ、唾液を送り込む。  
「はぁ、はぁ…」  
「ふふ、どうじゃ?」  
初めて味わう深いキスに恍惚とした表情でル・フェイを見つめるアキラ。  
「どう、って…」  
抵抗する様子もみせないアキラにル・フェイは嬉々としてアキラの上着を丁寧に剥いでいく。  
キスがお気に入りなのか再び唇を合わせ、アキラの首筋、胸元を舌を滑らしていった。  
ル・フェイの舌がアキラの片方の乳首をチロッと触れる。  
「く、はぁ…」  
アキラが素直な反応を返してくれることがル・フェイにはたまらなかった。  
ル・フェイは自らの指を唾液でしめらせるとアキラの乳首を指でこねくり回した。  
「く、うぁ、ぁあ。いいよ、ル・フェイ…」  
「フフ、…さてとこちらはどうなっておるかな?」  
そういうとル・フェイの手がアキラの股間に伸び、ズボンの上からソレを撫で回す。  
ル・フェイの手に固い感触が伝わる。  
 
「もうこんなになっておる。しめつけられてはかわいそうじゃ…」  
「お、おい。ル・フェイ。そこは…」  
てきぱきとした手つきでズボンを下着ごと剥ぎ取ると、見事なまでにそそりたった逸物がそこにはあった。  
「立派じゃのぉ、フフッ、わたしにまかせるのじゃ」  
ル・フェイの手がアキラのソレを掴むと優しく上下にしごき始める。  
「あ、くぅ…」  
ル・フェイの手つきにアキラは声を抑えながらも確かに感じているようだ。  
「もっと声をだしてもよいのだぞ」  
「ふ、ふざけろよ…」  
アキラの精一杯のつよがりも今のル・フェイにはまったく通じなかった。  
照れているのが見えみえでいじめてやろうという気持ちを強めたようだ。  
「何時までつづくかの♪」  
そう言うと、ル・フェイのしごく手が激しくなり、もう片方の手で袋をやさしく揉み解す。  
と、同時に舌でのアキラの乳首への責めを忘れない。  
「ほれほれ♪ もっと声をだすのじゃ」  
「くぁ、だ、だれが!」  
そうアキラは強がるもののその声には力がない。  
ル・フェイはアキラのペニスの亀頭をチロッと軽くなめる。  
 
「うっ」  
ぴくっとその刺激に反応するアキラ。  
ル・フェイが先端を口に含みつつも竿を上下にしごくとアキラは快感に身をよじる。  
そのまま、唾をたっぷりふくませた舌でペニス全体を舐めあげる  
(本当に酔ってるのか?…こんな…)  
ル・フェイのフェラの快感に身をゆだねながらアキラはふと思った。  
顔色は赤くなったままだったがそれが酔いによるものなのかどうか。  
(…まぁいいか)  
アキラは抵抗することをやめた。…そもそもしていたかどうか疑わしいが。  
「ん、んふ、ん…ちゅ…ちゅぱ…ちゅちゅ、じゅる…」  
唾をたっぷりふくみくわえ込んだ口を上下に動かす。  
「ル…フェイ…俺、もう…」  
その言葉にル・フェイは一端口を離すと、妖艶な笑みを浮かべて、  
「よいのだぞ、たくさんだしても」  
人差し指で鈴口をくりくり刺激する。  
「く、うぁあ!」  
耐え切れなくなったアキラの声と共にモノから吐き出された白濁液がル・フェイの手を白く染める。  
指先からこぼれる欲望の証をル・フェイは愛しそうに舐めとった。  
 
そんなル・フェイのしぐさにアキラのモノは再び硬さを取り戻す。  
(せめられっぱなしじゃないか…こうなったら)  
男が廃るといわんばかりに今度はアキラがル・フェイの上に覆いかぶさる。  
「おまえがいけないんだからなっ!」  
語気を強めた口調でル・フェイに迫るが当のル・フェイは何か見透かしたように微笑んでいる。  
余裕そうなル・フェイの態度にアキラは少しいらだった。  
多少乱暴な手つきで彼女の服を剥ぎ取ると、そのきれいな形の双丘を鷲?みにする。  
乱暴に掴まれてなお形を保とうとする弾力がアキラの手にじかに伝わる。  
その感触を確かめるようにアキラはさらに胸をこねくり回す。  
勢いに任せたアキラは乳首を強く摘む  
「い、…ったぁ…」  
敏感な乳首を乱暴に摘まれても懸命に声をおさえるル・フェイ。  
「す、すまない!」  
ル・フェイの悲鳴を無視してまで行為を続けられるほどアキラは冷酷ではなかった。  
「悪い…ほんとに、自分のことばかりで…」  
ふと我に返ると罪悪感で胸が張り裂けそうになった。  
 
そんなアキラをあやすように頭をなでる。  
「気にするでない。もっと好きにしてもいいのだぞ」  
「…そんなこと、できるか」  
照れくさそうにつぶやくアキラがル・フェイが可愛く思えた。  
こういうところに惹かれたのだなと改めて思った。  
「ふふ、なら優しくしておくれ」  
手を広げ、アキラをまねいた。  
その招きに吸い込まれるようにル・フェイの胸に顔をうずめる。  
アキラはまるで赤ん坊のようにチュウチュウと吸い始める。  
その刺激に素直にル・フェイは反応する。  
「まるで赤子のよう、じゃ…な」  
その言葉に反論するかのように、アキラは乳首を舌でねぶり、軽く噛む。  
先ほどのような乱暴さはそこにはなかった。  
ピンとしてきた乳首を指でこりこりといじる。  
「は、あぁ、や、ぁあ…そう、そこが、気持ち…いい。もっとじゃ…」  
身悶えしてリクエストするル・フェイに応えてアキラは刺激をつよめる。  
「あ、う、ううんっ!ん、ふぁ…ふ、ふぁああ」  
太ももを撫で回しつつ空いたもう片方の手で胸やさしく揉み解す。  
 
さっきよりも強めに乳首を噛むと甲高い嬌声でアキラに応える。  
「ん、んぁあ、あぁ、ん、んふ、ふあぁあ」  
ふと恋しくなったル・フェイの唇に自身のそれを重ね合わせる。  
「ん、んん…」  
ピチュ、チュ、チュ…  
唇を離すと、お互いの唾液によって橋がかけられていた。  
アキラはル・フェイを見つめ無言で訴えかけるとル・フェイはコクンと頷いた。  
すでにびしょびしょに濡れていた薄布をとりはらい、秘所を眺める。  
ピンク色のそこは素直にきれいだった。  
「あまり…みるでない…」  
アキラがル・フェイの秘所に手を伸ばす。  
「ん、ふぁ、ああ…」  
アキラの指が膣の入り口を出たり入ったりするたびにグチュグチュと音をたてる。  
その音が自身から出る愛液によるものだとわかってるのか恥ずかしさにル・フェイは腰をよじる。  
「…いいか?」  
ゴクッ  
唾を飲む音がアキラにはおおきく聞こえた。  
 
「大きい…な、さっきよりも…」  
「そ、そうか?」  
自分ではわからないといった顔を浮かべながら、自分のソレをル・フェイの秘所にあてがう。  
受け入れ準備の整っていたそこはすんなりアキラのペニスを受け入れた。  
「…ル・フェイ、その、あんた…」  
「…初めてだ…信じてはもらえんか?」  
激しい運動をする人は破れてしまうこともあるらしい、と本で読んだことがあった。  
「別に気にしちゃいないさ」  
「ほ!本当だというに…」  
顔をまっかにして否定するル・フェイがとてもかわいらしい。  
普段のキリッっとしたル・フェイとのギャップがそれを際立たせていた。  
「うごくよ…」  
言うと同時にアキラは最初から激しく腰を動かす。  
グチュ、グチュ、グチュ…  
秘所からあふれる蜜をアキラのそれがかき乱す音が部屋に響く。  
暖かく、みっちりとした膣壁がアキラのそれを包み込む。  
 
「く、うああ、ル・フェイ…の、中、すごく気持ちいいよ…」  
「あ、あぁあ…おぬしの…も…奥までぇ届いて…イイ、気持ちいい!!」  
より快楽を得ようとアキラは激しい抽送を繰り返した。  
ル・フェイのそこはもっともっと快感を得ようとするように中の肉ヒダが蠢いていた。  
「あ、あんたも…結構すきなんだな。こんなに…自分から腰ふっちゃってさ」  
「そんな、こと…言うな、でも、あぁ…腰が、止められないぃ、はぁぁあ、はぁん!」  
アキラはル・フェイの体を横にむかせ、片足を抱え込み、腰の動きを激しくする。  
「うぁは!ああ!こんなのぉ!あぁ、知らない!はああ、ひゃあああ!」  
「知らないだって!ははっ!ほんとは知ってたんだろ?じゃなきゃあんな責めは出来ないよな?!」  
主導権を奪い取ったアキラがたががはずれたように責める。  
「スケベ神官!ここだってこんなになってるじゃないか」  
そういってぷっくりと膨らんだクリトリスを摘むとル・フェイはより甲高い声で啼いた。  
「言うな!いうなあ、ふ、ぁあああああ!ん、く、んぁああ…」  
「どうだ?ル・フェイ?く、んっ、うぁ…」  
責めるアキラもル・フェイの強烈な締め付けになんとか耐えている状態だった。  
アキラは抱え込んでいた足を離すと、ル・フェイの腰を持ち自分は後ろに倒れこんだ。  
ル・フェイの体を上にし、腰を突き上げる。  
 
「ほら、自分でも動いてくれ」  
相手にペースを委ねる時点ですでにアキラも何とか耐えているのが見えみえだった。  
「…なら、そう…すると…しよう。ん、んふ、はぁ…ふ、うぁん」  
アキラの腹に手をついて腰の動きを激しくする。  
「く、あぁああ!ちょ、ル・フェイ…まて!」  
「うごけといったのはお主の…ほうじゃ、ぞ。ん、あああん」  
ル・フェイの動きに合わせて彼女のその形のいい胸が上下に揺れる。  
結合部分から伝わる快感にお互いの限界が訪れようとしていた。  
「アキラ、アキ…ラ、も、もうわたしは…はぁあああああ!」  
「ル・フェイぃ、っくああああああ!」  
ドクドクドクッ  
溜め込んでいたアキラの白い欲望が膣内に注ぎ込まれる衝撃に打ち震えながら、  
ル・フェイはそのままアキラに倒れこんだ。  
 
                         *  
さっきまで燃え滾っていた情念の余韻にひたりながら二人はまどろんでいた。  
「なぁ…さっきはその、すごかったな」  
「…言うでない」  
「ほんとに酔っていたのか?もう冷めてたんじゃないのか?」  
「どうだろうな…」  
「照れてるのか?」  
「ッ…うむ…」  
図星なのか、顔を合わせずに返事する。  
「そうか…」  
淡々とした会話を交わしながらアキラは思った。  
(どうしたものかな。さすがに。ここまでしてもらっておいて逃げたくはないし)  
「のぉ、アキラ…その」  
物思いにひたっていると、ル・フェイが気まずそうに話しかけてきた。  
「その、本当にすまなかった…」  
「なんであやまるんだよ」  
「あんな…はしたない事…わたしは双女神の神官しっか…」  
そこまで言いかけたところでアキラがさえぎるように言葉を発する。  
 
「俺はうれしかったよ」  
「…アキラ」  
「いつだって俺は一人だって思い込んで、ただ逃げてただけだった。けどこんなにも思ってくれる人  
がいるなんて思ってもみなかったから…うれしいよ」  
一息ついて呼吸を整えると改めて自分の気持ちを伝える。  
「現金な奴って思われるかもしれない。けど、そんな奴が一人でもいてくれるのなら…」  
「その人のためにこの世界で生きていってもいいかなって、思った」  
思いのたけを打ち明けると、やっとル・フェイの顔を覗き込む。  
そのル・フェイの目からは涙がこぼれていた。  
「お、おい。俺、なにか悪い事いったか?」  
「違うわ馬鹿者。鈍感、朴念仁」  
そのわりにどこかうれしそうな表情のル・フェイに要領を得ないといった感のアキラ。  
 
「本当か、本当にこの世界にいてくれるか?」  
「あ、ああ」  
「わたしはもう、お主がいなければ駄目なのじゃ…お主のせいじゃ、お主がわたしを弱くした」  
そう言うとル・フェイはアキラを抱きしめた。  
その腕はどこか震えていた。  
「あまつさえ双女神の神官たるわたしに手をだす始末…」  
あんたからだろう?  
アキラはそう言おうとも思ったがとりあえずだまっていた。  
「…だから責任とってここに居てほしい。いや居ろ」  
「命令かよ…」  
「いやか?」  
一転して弱気になるル・フェイが可愛らしく思えた。  
「いいよ。あんたがそう望むのなら」  
格好つけて言ってはいるがアキラ自身、もう離れるつもりはなかった。  
ル・フェイという楔がアキラに打ち込まれてしまったのだから…  
アキラがル・フェイを抱きしめる。  
ル・フェイもまた抱きしめ返す。  
お互いのぬくもりを感じながら、二人は眠りにつくのだった。  
 
                        完  
 
 
 
 
おまけ?  
「やっと終わったよ。まるで獣だね」  
(丸聞こえだよ、まったく。でもあのル・フェイがね〜)  
いいネタができたかも♪  
そんな時だ。  
隣から荒い呼吸音が聞こえてきた。  
「ねぇ、アルフリードぉ…」  
「な、なにナギ…」  
なんか嫌な予感がする。ひょっとして…  
「あたし、変な気分になってきちゃった…」  
ハァハァとあたしに迫ってくるナギ。  
「ちょ、ちょっとまって!あたしにそんな気はないってば!漫画のネタなら他の人に言ってってば!」  
「もう、我慢できないの。ごめん」  
ガバァ!  
「いやああああ」  
 
 
・・・  
・・・  
・・・  
朝、目を覚ますと目の前のル・フェイが俺の顔を覗き込んでいた。  
「…おはよう」  
「うむ、おはよう」  
意外と照れくさい。  
クスクスっと微笑むル・フェイ。  
こうしてる場合じゃないと思った俺は急いで身支度を整え、一足先に部屋を出る。  
ル・フェイは少し残念そうだったが…  
そして何食わぬ顔してみんなの所に顔を出した時だ。  
アルフリードが顔を真っ赤にしながら、俺と隣にいたル・フェイに睨み付けてきた。  
俺、何かしたか?  
ル・フェイも首をかしげていた。  
その疑問に答えてくれる人は誰もいなかった。  
 

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