ここは新生シンバ帝国の士官用の兵舎。  
そこの部屋で女が一人悩んでいた。  
オレンジ色のマフラー、鎖帷子、ハイレグのような衣装と格好は結構きわどい。  
名は緋魅華という。  
新生シンバ帝国のレイリア麾下のくノ一だ。  
「うーん…どうしたものか…」  
部屋のなかでぐるぐると同じ場所を周っている姿は実に可笑しい。  
何を悩んでいるのかと言えば、同僚の男性について。  
つまりは恋の悩みだ。  
「せっかくみっけたいい男…みすみす何もしないままでいるのも…でもねぇ…」  
ボスッ  
ベッドに横になるとであった頃のことがの頭にうかんだ。  
 
*   *   *  
 
己の大食いが招いた借金の返済のために働き口を得ようとアルマナ城を訪れるために、  
近くの森を進んでいたときに戦闘をしている連中がいた。  
おそらくシンバ帝国の一軍だろう。  
どの程度の腕前だろうかと観察していると一際目を引く存在がいた。  
それがナイヅだった。  
見慣れぬ剣技をもってモンスターを圧倒するその男の姿に緋魅華はひきつけられた。  
ふと緋魅華は思いついた。  
どうせ働くのなら自分の期待する人の下で働きたいものだ。  
そう思った緋魅華は街でアキラに仕官を頼んだのだった。  
今思えば緋魅華にとってあれは一目ぼれだったのだろうか。  
はじめはそうとは自覚できなかったが、共に戦場を駆け抜けていくたびにナイヅに対して引かれていったのをよく覚えている。  
寡黙だが強い意志を秘めた瞳。  
不器用だが周囲の人に対する深いやさしさ。  
ナイヅのそんな姿に触れはっきりと思慕の情を自覚した時、緋魅華はなんとなく後ろめたさを覚えた。  
くの一として育成されてきた緋魅華はすでにとある方面についてのことも体に覚えこまされてきた。  
そう任務遂行のために男を篭絡してきたことなど何度かあった。  
自分がくの一であることになんら不満はない。  
が、表の世界にいるナイヅに自分はふさわしくないのではないか?  
緋魅華がいまいち一歩ふみだすことができなった理由がそれだった。  
 
そんな煩悶していた時に再会したのがかつての同級生ノーラ・ノーラだ。  
その彼女がナイヅとであったときのやりとりを思い出す。  
水と魚と自らを例えていたことから彼らの関係はすでに深いものにあるのは疑いようがなかった。  
彼らのやり取りを見たとき緋魅華はズキッと心のどこかが痛んだ。  
(ああ、そうか…もうナイヅにはいたんだ…)  
それからというもの、緋魅華は自然と彼らの姿を追うようになっていた。  
ある日、街に出かけたときのこと。  
当然のように二人は一緒にどこかへ向かって歩いていた。  
わたしも後を追うように気配を消して尾行していた。  
(我ながらこういうのって、怪しい…わよね…)  
自分の行為に少し気落ちしながらも彼らの様子を伺う。  
「手なんか繋いじゃって…」  
二人の姿はすごく自然だ。  
仲睦まじげに会話するカップルに緋魅華は羨ましかった。  
少し歩くと二人は公園に入っていく。  
ノーラだけがベンチに座るとナイヅは屋台に何かを買いに行っていた。  
公園には隠れる場所はいくらでもある。  
緋魅華はすばやく木の上に飛び上がると二人の姿を捉えやすい位置までジャンプで移動していく。  
(どれどれ…)  
ナイヅがどうやら屋台から鯛焼きを数個買って戻ってきた。  
自分の分を口に摘みながら、ノーラに包みを差し出す。  
アチチとかわいらしく慌てながら受け取るノーラ。  
ナイヅも隣に腰をかけ一緒に食事をし始めた。  
楽しそうに会話する二人。  
ノーラがナイヅの口元についた餡子を指で拭い取ると自身の口に持っていった。  
声は届かないがふたりともいい顔で微笑みあっていた。  
「……っ!」  
無意識のうちに出ていた歯軋りに緋魅華自身が驚いた。  
(あたしは…)  
自分の行動になんとなくやるせなさを感じた緋魅華は無言のままその場を去った。  
 
 
………  
……  
…  
「てなことがあったっけ…」  
「アキラ…か…」  
ナイヅの本名。  
ノーラはすでに知っていて自分は知らなかった。  
であった時期が違うのだから仕方ないのだが緋魅華はなぜか悔しかった。  
自分はナイヅ改めアキラがほしいのだろう。  
「出歯亀みたいな真似までしちゃってさ…」  
ボッと緋魅華の顔が赤く染まる。  
アキラが異界の魂に襲われたノーラを助けた後の情事まで覗いてしまう、自分の野次馬根性が恨めしい。  
うーん、とがしがし頭を掻くと勢いよく立ち上がった。  
「よし!」  
結論はすんなりでた。  
否、出ていた。ただ踏ん切りがつかなかっただけで。  
「ごめんね、ノーラ。もうわたしもとめられないの」  
緋魅華の目に迷いはなかった。  
「さてと、アレの材料をっと…」  
気持ちが昂ぶっているのか、妙に足取り軽く緋魅華はどこかへ向かっていった。  
 
                       *   *   *  
 
「なぁ緋魅華みなかったか?」  
「いや、見なかったが…」  
アキラはレイリアに尋ねるもレイリアは首を振る。  
「そうか…まったくどこへ行ったんだか」  
「幸い、出撃命令はまだ出ていないからいいものの…」  
レイリアも少し困り顔だ。  
緋魅華が姿を消してすでに一週間近く。ノーラもどこへ行ったのかわからないらしい。  
「何か特別な事情ができたんでしょうか…」  
ノーラにとっても緋魅華は昔からの大事な友人だ。  
その友人が何も言わずにどこかへ行ってしまったら心配になるのは当然だろう。  
 
「あいつもプロだから裏切るとかそういうのは考えられないけど…」  
「そうですよね」  
「私もまだ付き合いは浅いがそのぐらいはわかっているつもりだが…」  
三人とも心配の色を隠せなかった。  
その場の空気が重くなる。  
「なに三人で集まってるのさ」  
重くなった空気を振り払うかのような声が突然三人の背後から聞こえてきた。  
「ひ、緋魅華!」  
「緋魅華さま」  
「おまえ…」  
突然現われた緋魅華に三人同時に驚きの声をあげる。  
当の本人はと言えば、能天気な笑顔を浮かべているだけだった。  
「緋美華、どこへ行ってきたのだ?許可もなしに」  
「そうですよ、心配したんですよ」  
レイリアとノーラに緋魅華は真剣な表情で返事をする。  
「ちょっと…大事な用があってさ」  
珍しく見せる表情にレイリアも余程のことかと納得したようだ。  
「そうか…今回は不問にしておくが今後こういうことのないようにしてもらうぞ」  
「はーい」  
レイリアは念を押ししてこの場を後にした。  
「まったく…あまり心配かけるなよな」  
「ふーん。心配してくれたんだ?」  
少しからかうように上目遣いでナイヅを見つめる緋魅華。  
「…まぁな」  
その視線に照れるアキラ。  
「……」  
「どうしたんだ?ノーラ」  
ノーラはどこかいぶかしむような目で二人を見ていた。  
「い、いえ何でも…」  
ノーラは女の勘というべきか緋魅華に何か不吉なものを感じた。  
さりげなくアキラの袖をつかむノーラ。  
 
それを見た緋魅華がクスッと微笑むと、  
「なんか心配かけちゃったみたいだし、ごはん奢っちゃうからさ」  
「おまえが?」「緋魅華さまが?」」  
ありえないと言った感じで二人が同時に声をあげた。  
「ちょっと…なぁによ?その声…」  
二人の反応に失礼なといった感の反応を返す。  
「だってなぁ…」「ですが…」  
目を合わせながらまたも同時に声をあげる二人。  
「ああ!もう!本当だって!わたしだって給料全部、食べることに費やしてるわけじゃないわよ」  
「わかったよ。信じるよ、な?」  
「…アキラさんがそう言うなら」  
アキラは信じたもののノーラはまだ懐疑的だった。  
(何か…嫌な予感が消えないんですよね…)  
「じゃあいきましょいきましょ。ノーラ風に言うと膳は急げってやつね」  
緋魅華は二人の肩を叩くとついてきてよ、と先に歩いていった。  
先を行く緋魅華にノーラは先ほどの嫌な予感を脇に置いておくことにした。  
 
                       *    *    *  
 
緋魅華を先頭に市街を進む三人。  
たどり着いた店はノーラもときおり訪れる、馴染みの店だった。  
「じゃ、いきましょうか」  
緋魅華の声とともに入店しウェイトレスの女性に席を案内されもらいその席につく三人。  
ウェイトレスの差し出すメニューに目を通しながら、  
「一応、奢りだけどさ…あんまり高いのは勘弁してよ?」  
「因果応報」  
ノーラは散々緋魅華に奢らされてきたためか、ここぞとばかりに反撃する。  
先日は散々注文した挙句、支払いをノーラに押し付けて逃げてしまったからだ。  
「この前は悪かったわよ。今度からわたしも気をつけますから…ね?ノーラさまぁ…」  
猫なで声でノーラに泣きつく緋魅華。  
「そういじめるなってノーラ」  
「いいチャンスじゃないですか? 鉄は熱いうちに打てともいいますし」  
「ノーラぁ…会わなかったうちに性格変わった?」  
そんなやり取りをしながら三人は注文をすませる。  
奢るという立場上、緋魅華の注文量はいつもより大分少なめだった。  
注文してから数分、テーブルに食事が並べられる。  
「じゃ、いっただっきまーす、と」  
運ばれてきた食事に早速かぶりつく緋魅華。  
そんな変わらぬ様子を見ながら、アキラは自然と笑みがこぼれた。  
数時間して、食事を終え帰路につく三人。  
外はすでに暗闇に包まれていた。  
「ごちそうさまでした。緋魅華さま」  
「ああ、ごちそうさん緋魅華」  
「ま、お礼になればいいけどね」  
緋魅華はいつもよりも抑え目の食事量だった。  
ようやく遠慮と言うものを覚えたかとアキラもノーラも思った。  
だが、  
「今度はどっちかが奢ってよね」  
「「はぁ?」」  
二人同時に呆れたような声がもれる。  
「順番じゃない。当然じゃない?」  
「これはおまえからの提案だろ?」  
しかし緋魅華は何当たり前のことをいってるの? とふんぞり返っていた。  
「喉元過ぎれば暑さ忘れる…はぁ…」  
反省の色のない緋魅華にため息をつくしかなかった。  
「まぁまぁ!いいじゃないの」  
アキラとノーラの肩をたたきながら緋魅華はただ能天気に笑っていた。  
 
                        *    *    *  
 
「ふー…」  
アキラは部屋に戻るとベッドに腰を落とし休息をとっていた。  
「くっ!」  
しばらくしてアキラは自身の身体に違和感を覚え起き上がった。  
「う…」  
身体が熱いのだ。  
特に男のある一部分に血液が流れ込み、グングンと堅く盛り上がっていく。  
「うぁ…」  
どう考えてもおかしい…  
身体が火照って…ムズムズする。  
(ほしい…セック…す…)  
急に襲いかかるように沸いてきた性欲にアキラ自身もおかしいと思いつつも、手が固くなったソレを外気に晒す。  
血管がペニス全体に浮んだソレは天をも衝かんばかりばかりにそそり立ち、凶悪ともいえるフォルムをしていた。  
握った右手を上下にしごき始める。  
「う…ぁ…はぁ…ああ…」  
頭に浮かぶのは当然ながら裸の女性…恋人であるノーラ、いや彼女だけでなく緋魅華の姿も。  
「ごめ…ん…な」  
恋人だけでなく上官や同僚の緋魅華の裸で自慰する自分がとてつもなく不実な男に思えた。  
(ひ…み華…いい身体…してるんだろうな…)  
普段から色っぽい、露出の多い格好してたためかプロポーションを想像、いや妄想しやすかった。  
程よく突き出た胸。  
くびれた腰。尻…  
アキラの手の動きが速くなる。  
ペニスがピクピク震える。もう限界が近いのだろう。  
「ひみ…かぁ…」  
アキラの口からオカズにしていた女性の名がこぼれる。  
「呼んだ?アキラ…」  
カチャ…  
アキラの部屋のドアが突然開き妖艶な声がアキラの耳に届いた。  
ビクッ!!  
突然現実に戻されるが、暴発寸前のソレは止まらない。  
ドプッ! ドクッ!! ドクッ!!!  
亀頭から勢いよく白濁とした欲望が吐き出された。  
 
「あ…ぅ…」  
射精の瞬間を目に収められ呆然といった様子で緋魅華を見つめるアキラ。  
「フフ…どうしたのよ? アキラ…」  
異常なほどタイミングよく現れた緋魅華に詰問すべきなのに、今のアキラにはそんな事を考える余裕などなかった。  
羞恥心や罪悪感がアキラの心を締め付ける。  
だがそれ以上に緋魅華の体を夢中になって眺めている自分に驚いていた。  
緋魅華は彼の足元に座り込み激しくそそり立つペニスを凝視する。  
「お、おい…」  
亀頭に染みついた白濁液を指で掬い取る。  
「こんなにしちゃって…わたしをオカズにしてたんだ?」  
舐めまわすような視線とともに指についた精液をペロッと舐め取る。  
アキラの背筋にゾクッとしたものが走る。  
妖艶な笑みを浮かべた緋魅華の手が優しくアキラのペニスを握る。  
「や、やめろって…」  
否定の言葉も弱弱しい。  
緋魅華のやわらかで暖かい感触が伝わったのかアキラのペニスもどんどん熱くなる。  
「く…ふ…ん…う、あぁ」  
絶妙な力加減でリズミカルにペニスを上下にしごきあげる。  
男のツボを心得た、かなり馴れた手つきだ。  
緋魅華の与える快感にアキラは翻弄されるがままになっていた。  
当の緋魅華はといえば、  
(堅物かと思ってたけど…かわいいじゃない)  
アキラの素直な反応に自身の官能も高まっていく。  
「むぐッ!」  
アキラの頬を撫でアゴを上げると緋魅華が唇をアキラのそれにおしつける。  
唇を強引に押し開き強引に舌を差し入れてきた。  
歯茎や舌の裏側を舐めと舌全体を唇の中を這わせる。  
「んっ、んん…ふうっ…」  
アキラの口内を貪るような激しいキスを終え、唇が離れると間に糸がかかっていた。  
「ふふ…」  
シュル…  
口元を拭いながら首に巻いたマフラーを取り払い、それでアキラの両腕をベッドの柱に縛り付ける。  
「な、なにすんだよ…」  
否定するその言葉に力はない。  
「みればわかるじゃない。それに抵抗しないって期待してるんでしょ?アキラ…」  
上着のチャックをおろし、鍛え上げられた胸板をツツーッと撫で回す。  
「すごいね…アキラ、たくましい…」  
アキラの体臭をクンクンと嗅ぎながら、舌先で乳首をツンツンと刺激する。  
「う、ああ…ふ、くぅ…!」  
体中が性器にでもなったかのように敏感になったアキラが喘ぐ。  
「かわいい声…もっと聞かせてよ」  
普段の冷静なアキラとは違う、そのギャップに緋魅華は夢中になる。  
乳首を責めると同時にペニスへの責めも忘れない。  
緋魅華の責めによってアキラの理性が失われていく。  
「ひみ、か…」  
「ふふ…してほしいんでしょ?」  
カウパー腺液を溢れさせ、ギンギンにいきり立つペニスに緋魅華の口が吸い付いた。  
「ん、ふぅ…ちゅ、ん、は、ん、じゅるっ…んくっ…」  
いやらしく上の方を口で嘗め回し、下のほうを手で扱く。  
当然、緋魅華の口の中はよだれでグショグショになっている。  
溜まらなさそうにアキラは顔をそらした。  
「ふふ、きもちいいでしょ…こういうの、慣れてるから…さ」  
一瞬、どこか空しそうな表情を浮かべたがすぐに消えた。  
再びペニスをくわえ込み、そのまま前後のストロークを始めた。  
「ん…んく、は、ん…ん、ふ…」  
緋魅華の喉の奥にペニスが触れるとアキラも強く反応する。  
「う、はぁあ…」  
プチッ  
服の留め金をはずし鎖帷子を取り払い、身につけているものを一切脱ぎ去った。  
ポニーテイルにしている髪留めや額宛も取り外す。  
広がり落ちる髪、そしてそれを掻き揚げるしぐさが扇情的だ。  
染み一つない綺麗な肢体にアキラは思わずゴクッと唾を飲み込んだ。  
 
緋魅華も興奮しているのか、胸がはり乳首も固く勃起している。  
「こういうのもたまらないでしょ?」  
緋魅華の胸が両側からアキラのペニスを挟み上下に扱く。  
包み込むようなやわらかい肉感がアキラに快感を与える。  
「ん…アキラの…熱い…」  
「く、だめ…だ!緋魅華!!」  
ギュッ!!  
射精寸前の張り詰めたペニスの根元が突然握り締められた。  
「ぐ!、あ、あぁ…」  
突然の痛みに堪らず悲鳴を上げるアキラ。  
「まだ、だーめ…」  
だすならこっち、と自身の女性器を指で開きアキラに見せ付ける。  
洪水と言っていいぐらいソコは溢れかえり、床に大きなしみを作っていた。  
「行くわよ、ほーら」  
自分の陰部を指で広げながらアキラの怒張を導くように腰を落としていく。  
クチュ…  
二人の性器が重なろうとした瞬間…  
バタンッ!!!!  
「ちょっとまってください!!」  
乱暴に開けられたドアの音と共に何者かの制止の声が部屋に響く。  
普段からは想像もできないぐらい夜叉のような表情のノーラ・ノーラがそこにいた。  
チッと舌打ちするも何事もなかったかのようにノーラに面と向かう緋魅華。  
「どうしたのよ?慌てちゃって」  
ノーラは急いでアキラに駆け寄ると明らかに様子のおかしさが見て取れる。  
「う…あ、はぁあ…」  
目も虚ろで息も荒い。そして何より彼のペニスが異常なほどびくびくと震えていた。  
「どうもこうもありません! 嫌な予感が抜けないと思ってきてみれば…これは一体どういうことなんです?!!」  
「どうって…?」  
「人を食ったつもりですか?」  
緋魅華のしれっとした返答にノーラは冷静に切り返す。  
(量の差かな? もうちょっとかな…)  
少し思案した後、とぼけた返事で煙に巻くのをやめ真剣な表情でノーラを見据える。  
 
「ちょっと一服…ね」  
「な!緋魅華さま!あなたは!!」  
どういうつもりか?と続けると、少し顔を背けながら  
「寝取って二人の仲を裂こうってわけでもないのよ。ただ…」  
「ただ?」  
言いよどむ緋魅華に続きを求めるノーラ。  
「わたしにもアキラを分けてほしいの…」  
一瞬何を言ってるのかわからないのか、ポカーンとした顔から一転、顔を真っ赤にして激昂するノーラ。  
「な、なな…何を言ってるんですか!そんなの…」  
学生時代引っ込み思案だった彼女からは想像もつかない様子のノーラに緋魅華はどこかほほえましかった。  
(成長したんだ…)  
そしてその要因はアキラ。  
アキラがノーラを変えたのだ。  
そんなアキラもその昔はどこか情緒不安定で排他的だったという。  
そしてそんなアキラをノーラが変えたのだ。  
(羨ましいな)  
そんな事を思い返していると、  
「聞いているのですか?!!」  
どこか上の空の緋魅華に業を煮やしたノーラが問い詰めてきた。  
「……悪い事してるってのいうのは分かってる。でもわたしだって本気なの!アキラが…ほしいの…」  
目に涙をため、ありったけの激情をぶつける緋魅華。  
緋魅華の今まで見た事もないような真剣な表情にたじろぐノーラ。  
「そんなこと、言われても…」  
戸惑うノーラに緋魅華は続ける。  
「駄目かな?ノーラ…わたしはノーラに嫌われたくないし、仲良くしていきたいな…」  
ゆっくりと緋魅華がノーラに擦り寄っていく。  
その視線はまるで獲物を狙う猟師のようだ。  
「そんな、こと…ハァ…はぁ…」  
「どうしちゃったの?…クスッ」  
何かを企むいやらしい笑みを浮かべわざとらしくノーラに質問する。  
「ひ、みか…さま…あ、なた…」  
体が暑い…顔を赤くし、息も荒い。  
自身の体調の変化に戸惑うノーラ。  
「な、んで…アソコが…暑い…よ」  
体を抑え必死に耐えようとするが、ついにはペタっと床にへたり込んでしまう。  
 
「ひ、緋魅華さ…ま。いつ…盛ったんです?」  
「店員さんにちょーっとお願いしてね…」  
ここ数日姿を消していたのも薬の材料集めと調合のため。  
食事にさそったのも薬を怪しまれずに盛ってもらうため。  
ノーラが駆けつけるかどうかは賭けだった事、など緋魅華は全てを打ち明けた。  
「はじめから見せつけ…」  
「もういいでしょ…」  
発言をふさぐようにノーラの唇に緋魅華が自身の唇を押し付ける。  
緋魅華の舌がノーラの舌に絡み合う。  
口内をひとしきり味わい再び離れる二人の唇。  
「ひ、みかさまぁ…」  
薬が効いてきたのか、言いたいことがたくさんあるはずなのに体が言う事をきかない。  
「もう我慢しきれないんでしょ…」  
性欲が理性という閂を叩き壊していく。  
「アキラが、お預けをくらってかわいそうじゃない…」  
みれば、我慢し切れなかったのかすでに下腹部や亀頭に白いものが染み付いていた。  
だがその怒張は萎えることなくまだそびえたっていた。  
「きれいにしてあげなきゃ…」  
そう言ってノーラをアキラにいざなう。  
「アキラ…さんの…」  
アキラのペニスにふらふらと吸い寄せられるノーラ。  
ぼうっとしていた表情のアキラの目に多少自我が戻る。  
「ノーラ…」  
「アキラさん」  
名前を呼び合うとすぐさま、ノーラはアキラのペニスにむしゃぶりつく。  
「む…ふ、あ…むぅ、ピチャ…チュプ…」  
緋魅華の舌技と比べるとノーラのそれは多少劣るが、  
何度も肌を重ねただけあってアキラのツボを心得たその舌の動きは緋魅華とは違った快感がある。  
裏筋をツツーッと舐めあげカリ裏のあたりに触れるとアキラもたまらないのか喘ぎ声をあげる。  
「う、ああ。ノーラぁ…のーら!」  
「ふぁひぃらさ…ん(アキラさ…ん)」  
そんな二人の様子を見た緋魅華は羨ましそうに文句を言う。  
「もう…ふたりだけで楽しんじゃって、さ」  
 
緋魅華もアキラのペニスに顔を近づけると、  
「ねぇ、ノーラぁ。わたしにも分けて…」  
「あ、ん…もぉ…」  
横取りされて不機嫌になると思いきやノーラは協力的で、緋魅華が亀頭部や鈴口を責めれば、  
ノーラは竿の裏側や睾丸を責める。  
手を縛られて身動きの取れなさも  
息のあったコンビネーションにアキラも腰砕けになる。  
「う、ああ…ひみ、か…ノーラも…駄目だぁ」  
ビュル!!  
溜まらず噴出された白い欲望が二人の顔に降り注ぐ。  
うっとりしたその表情は実にやらしい。  
「我ながらすごい効果ね…」  
(量を間違えたかしら…)  
すでに何度も射精しているというのに、いまだそびえたつエベレストには驚嘆するしかなかった。  
アキラもまだ収まりがつかないような表情で二人を見つめていた。  
緋魅華もノーラもお互いに頷きあう。  
「まずはわたし…ね」  
先程邪魔されたためか緋魅華は一刻も早く迎え入れたくて先程よりももっと股間を濡らしていた。  
自身の秘所にペニスを導くように腰を落していく。  
「う、ふ、ぁああ…あ、ん…これ、いい!!アキラもぉ…気持ちいい? いいでしょ?」  
「あ、ああ…ひみ、かぁ…」  
ペニスが自身の膣に侵入するたびにゾクゾクとしたものが背筋に走る。  
そして全てが収まると満足げにアキラを見下ろす。  
「ふ、んぅ…動くよ…アキラぁ…」  
アキラの逞しい胸に手をつきながら、激しく腰を上下に振る。  
ジュック、ジュク、ジュプ…  
ペニスが膣内をはげしくかき回す音がやけに大きく響く。  
「は、はあ、く…ん」  
いつも味わっているノーラとは違う感触…  
アキラのペニスをキュっと締まりアキラも溜まらず声をあげる。  
 
「ん、どう? アキラ…いいでしょう?」  
激しく腰を振りつつも意図的に締め付けをきつくしたり緩めたりする。  
「ああ!いいよ、ひみか…くっぅ!」  
一方でノーラは上下にぷるんぷるんとゆれる緋魅華の豊かな乳房に目を奪われる。  
 
「あ!ちょっと…ノーラ!」  
「ん、うらやましいです…ちゅ、ん、じゅ…」  
乳首すったりクリクリといじったりとおもちゃをいじるかのようだ。  
「ノーラ…ったら。あん…」  
唾で湿った乳首に息を吹き付けられビクッと反応する。  
「仕返しですよぉ…ひみかさま」  
「ちょ、ちょっと!」  
アキラはアキラで関係ないとばかりに快感を得ようと腰を突き上げる。  
「緋魅華の膣内、すごい…しまる…」  
アキラの激しい突き上げとノーラの胸への愛撫でさすがの緋魅華も待ったをかける。  
「ちょ、ちょっとまって…あ、ふぁ…ああぁぁああぁ!!」  
緋魅華の抗議も空しく響く。  
ノーラも緋魅華の反応にそそられるのかここぞとばかりに責め立てる。  
ぷっくりと肥大化したクリトリスをちょっとひっかくだけで緋魅華は嬌声をあげる。  
「あああああああ、駄目駄目駄目ダメだめ!おかしくなっ、ちゃ…!!」  
ビクビクと激しく痙攣し、緋魅華は達した。  
と同時にアキラも緋魅華のなかに自身の分身を容赦なく注ぎ込んだ。  
膣内で受け止めた満足感にひたる緋魅華。  
「ハァハァ…はぁ…もう」  
自身の膣を塞ぐ栓をぬきとると白濁とした液体がもれ出てきた。  
「あん…こんなに…」  
溢れる大量の白濁液を拭い取ると緋魅華はおいしそうに吸い取る。  
「……」  
ノーラは無言のままアキラの拘束を取り外すと、ねだるように四つん這いになって尻を突きつける。  
「アキラさん…わたしにもください…膣内に、注いで…」  
 
前髪の隙間から窺える潤んだ瞳に刺激されたアキラは乱暴にノーラのストッキングを引き裂き、膣内にペニスを突き立てる。  
すでに愛液で濡れていていきり立った怒張を受け入れる準備はすでに整っていた。  
アキラには相手の事を考えるだけの余裕はなかった。あるのは穴に棒を差し込むだけだった。  
「きゃう! あ、あ、あぁあああ、ふっぁああ!!」  
パンパンと腰を打ち付け膣内を容赦なく掻き混ぜる。  
アキラは一心不乱に腰を振り、快感を貪る。  
口元から涎をたらし、だらしなく喘ぎ声をあげてノーラもよがる。  
「ねぇ…こっちもぉ…」  
アキラの手をとると緋魅華は自分の秘所に導く。  
意を汲んだのかアキラも積極的に濡れに濡れたソコをグチュグチュといじりだした。  
いじる手にとられて腰がとまるのを嫌がるノーラも自分から腰を動かしアピールする。  
「はあぁ…い、いいよ、アキラ、好き!スキィ!だから、もっと!もっといじって…あぁあん!!」  
「わたしだってぇ!好きですぅ…アキラさん!あき、らさん!もっと、もっとぉ!ふぁああああああん!!」  
「ぐ、ふぅ…いいよ、ノーラも…ひみかも!!」  
ノーラの絶頂とともにアキラも何度目かの射精をノーラの膣内で迎えた。  
「まだ…足りない…」  
「わたしも…です…」  
緋魅華も二人を見習って自らの欲望に素直に従うことにした。  
………  
……  
…  
いつ果てるともつかない肉欲の宴。  
「は、ああ、く、ぅううあああ!!!」  
獣のようなうめき声と共に腰を振るアキラ。  
「いい!!いいよ!!ふ、あ、あ、ぁああぁあぁぁ!!!」  
「アキラさあああん。わたしにも!」  
緋魅華とノーラの二つ合わさった肉壷に交互に挿入することで二人を責め立てる。  
二人の我を忘れたいやらしい表情がアキラに底なしのエネルギーを供給するかのようだ。  
「もっと重なるんだ…」  
交互に責めるのが面倒になったのかノーラと緋魅華を抱きあわせ、重なった二人の秘所と秘所の間にペニスを差し込む。  
ローションなどなくてもそこはすでに代わりとなるものが十分に潤っていたのでスムーズに動ける。  
 
ぷっくりと勃起したクリトリスの間をアキラのペニスが入り込むことで緋魅華もノーラも声をあげる。  
「アキラあきらあきら…わたしも、わたしも、イクッ!いっちゃああああ!」  
「わたしも、わたしもぉ!!!」  
みっちりと二人の肉の壁に挟まれた感触とクリトリスに亀頭が触れる度にアキラも喘ぐ。  
「はぁ…はぁ…そろそろ、いくぞ!!」  
絶頂と共に放たれた白濁液が二人の腹部にひろがった  
さすがに三人とも大分疲れたのか倒れこんだまま、激しく息を切らす。  
言葉を交わす余裕もないまま三人の目蓋はそのまま閉じていった。  
 
                         *    *    *  
ゴソゴソ…  
静まり返っていた部屋で何か物音がする。  
衣服を身につけた緋魅華だ。  
「ごめん…やっぱこんなの、駄目よね…」  
高まったテンションの赴くまま突っ走った緋魅華だが一度冷めてしまえば脆いもの。  
後悔が緋魅華の胸をしめつける。  
穏やかな息を立てて眠る二人を一瞥すると、ドアノブに手を懸ける。  
音を立てずに部屋を後にする。  
兵舎から出てしばらく歩いたあたりで後ろから足音がする。  
「緋魅華さま…」  
つけてきたのはノーラだったようだ。  
「起きてたんだ…」  
「ええ」  
簡潔に答えるノーラ。  
「ごめんね…ほんとうに…」  
「そのような事を聴いているのではありません」  
意外な言葉に俯いていた顔をあげるとノーラは続ける。  
「何故、何も言わずに姿を消そうとしているのですか?」  
「そりゃ…あんなことしちゃったし…」  
俯きながらそう答えるのが精一杯だった。  
「いなくなったら…困ります…アキラさんだって、私だって…」  
淡々とつぶやくように話すノーラ。  
「わたしは…今だって緋魅華さまを竹馬の友と思っています。アキラさんだって…」  
あのような無理矢理薬を使ってまで迫った事をした自分にこうも言ってくれるノーラの言葉はとてもうれしかった。  
 
「でも…わたしは…」  
うじうじとした緋魅華の返事にノーラは声を張り上げた。  
「アキラさんが本当に好きでほしいからあのようなことをしたのでしょう?!」  
「だったら…」  
一呼吸おくと、ノーラは何か決意を秘めた自信ありげな表情で発言を続けた。  
「緋魅華さまは全力でアキラさま振り向かせようとすればいいじゃないですか! それこそ奪うくらいの勢いで」  
泥棒猫にも似たこの行為を容認するということなのか。  
「う、奪うっていうか…その…とにかく! あ、あんた何言ってるのか、わかってんの?」  
ノーラとアキラの絆の深さはわかっている。  
引き離すのは無理。でも自分にも振り向いてほしかったのだ。  
方法は強引に過ぎたわけだが…  
ともかくノーラの発言に緋魅華は狼狽した。  
「わかってるつもりです」  
自信に満ちた笑顔ではっきりと言い切った。  
「わたしは全力でアキラさんを取られないように全力で愛するだけですから」  
晴れ晴れとした笑顔でノーラは緋魅華に告げる。  
「恋人の余裕ってやつ?」  
「そうですよ。満足して諦めてくれれば、わたしも枕を高くできます」  
はっきりと言い切るノーラ。  
「…やっぱりあんた性格変わったわ」  
 
かすかに口元が緩むとノーラに向かって緋魅華も言う。  
「でも独占欲が強いのね。分けてくれてもいいじゃない」  
「アキラさん次第です」  
「へー、アキラがいいって言ったらノーラも認めるんだ?」  
Hの最中は薬の影響があるとはいえノリノリだったじゃない、とはさすがに口に出せなかった。  
「〜〜〜」  
正直複雑だ。  
認めてもいいかなとも思ったが緋魅華の言う独占欲も否定できない。  
簡単には許してなるものか。  
「…わたしという壁は高いですからね」  
「登るは得意よ。職業柄ね」  
にらみ合う二人の間には火花が散っている。  
「…戻りましょうか」  
「うん」  
兵舎に戻る二人の足取りは軽かった。  
「それと…」  
ノーラは緋魅華に言い忘れていた事を付け加えた。  
「薬は…やめてくださいね」  
「わかってるわよ」  
「アキラさんには謝る事からはじめてくださいね」  
「…分かりましたぁ」  
 
                             完  
 
 

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