そして完全に拘束されたメイミーの背後に立つ従卒に向かってウェイブは言った。
「小僧…犯せ」
「で…ですが…あ、あの…ア、アルさ…まの…」
「命令だ、二度はない……犯せ。」
ウェイブは剣を抜き放ち、アランの切っ先に突きつけた。鼻の皮膚が僅かに裂け、ぷつりと血が一滴、雫になり冷たい床に落ちた。
『刻ノ終ワリニ潰サレルマデハV』
「……ひ…は、はい!」
アランは悲鳴のような返事をすると、もどかしくズボンを降ろし勃起した肉棒を取り出した。
全く期待していなかったワケではないのだろう。初々しいピンク色の肉棒が少年の手に添えられ、必死に扱かれる。
「はっ…は…はん…はっ…」
何度か扱き、固さを確かめるとアランはメイミー尻が見えるようにスカートを引き裂いた。
ビリビリッと布が裂ける音、アルは眼を瞑り顔を背けた。
そのうちに薄い下着に覆われたバンパイア特有の色白の尻が外気にさらされ、アランの腕が止まる。
異種族とはいえ、肉付きのいい年頃の女の尻を眼の前に少年の肉棒は天を向き、ガチガチに反り返っている。
「はっ……は…う、うああああああっ!」
アランは叫び、下着を引き裂くと、有無を言わせずその肉棒をメイミーの膣に突き入れた。
ブチッと何かが裂けるような音と共に肉棒が一気にまだ男を知らない膣中を裂いていく。
「んむううううううっ!」
狂ったように頭を振るメイミーの太腿を鮮血が流れていく。破瓜の象徴であるバンパイアの血だ。
「はあ…はううん…き、きつい…ああっ…ぼ、僕の…はっ…んんっんんっ!」
こ、これが女の中−−−−気持ちいい、気持ちよすぎる。
年上の兵士達がどうして国を攻め滅ぼす度に女性を強姦していたか、少年は初めて理解できた。
じ…自分でするより…断然、気持ちいい。
「むうっ!んあああっんっんうっんんあん!」
断続的に上げられるメイミーの苦悶の声も、表情も、息使いまでも自分の肉棒を痛々しいほど刺激してくる。
(はあっ…はん…アル様…アル様…アル様あああ!)
長い禁欲生活の中、少年のオナニーのオカズはアルであった。
美しい軍師が毎夜、毎夜、君主であるウェイブに抱かれ、悶えている所を想像しながら手淫によって空しく己の手の中に精を放っていた。
そんなモノなど比較にならない快感を、この秘壷はひたすら感じさせてくれるのだ。
メイミーの小振りな尻をアルの尻に見立て、少年は犯し、吠え続けた。
「はう…んんっ…ご、ごめんなさ…アル様…ごめんなさいいい…と、止まらない…でも腰が止まらないんですううう」
パンパンパンと音がするほど腰を振り続け、その快感によって中性的な顔立ちの少年が悶え狂う姿は背徳的すぎた。
アランはアルに対して謝罪の言葉を述べながら、狂ったように腰をメイミーの尻に叩きつける。
その度にぷるぷると震える尻たぶ。少年は本能のまま腰を突き出し、異種族の美肉を貪り続けていた。
「むうう…んぶ…むくうう…」
身体の中心に熱く燃えさかる鉄の棒を突っ込まれたような激痛。
頭を振り、力の限り抗うががっちりと少年の腕に掴まれた腰、荒縄で拘束された足首はぴくりとも動かない。
少年はメイミーの背にすりつき、滅茶苦茶に腰を振り続ける。
(……こ、これが…わたしの…わ、私の…さいご…な…の)
バイアードの令嬢としてこの世に生を受け、一時はジャネス率いる魔王軍の一翼を担ったバンパイア族。
父王であるバイアード13世の離反に対してメイミー自ら永久追放宣言をし、暗黒不死団の長として参戦した大戦。
その終局はあまりにも早く、無惨であった。
(そ…それも…運命【さだめ】…だと……でも民だけは…民の命だけは…)
メイミーの視線の前には月光りの下、薄暗い海の上を帆を掲げ
脱出する自軍の船団をおぼろげながらに見つめていた。
(バンパイアは…滅びない…いつか……必ず−−−−−っ!?)
そう思い、眼を閉じようとした瞬間、船団の内の一隻が爆散した。
「むぐうううううう!!」
猿轡を噛まれた口を開き、絶叫するメイミー。
その視線の先には次々に燃え上がり、爆発する船の炎が海を赤く染め上げていた。
脱出船団と反対の方向に黒塗りの船団が完璧な戦列を組み、次々に砲撃を加えていく。
「我が軍は手を出さん……が、ハネーシャの海賊共は違ったようだな。」
「……ま、まさか…この為にハネーシャ艦隊軍との停戦を…」
アルが震える声でウェイブに言った。
「……フン。潰せる時に潰しておく……魔王軍の戦力が増えるのはおもしろくないのでな。」
ウェイブは玉座から立ち上がると踵を返し、広間から出て行こうと歩を進めた。
「あああっあぐううううううううっ!」
声にならないメイミーの絶叫。いや、もはやこれは断末魔と言った方がいいのかもしれない。
「あああっ締めたら…そんなに締めたら僕っ…僕…ああっ出る出る出ちゃああ…あああああっ!」
びゅる、びゅるるるるるるる……
メイミーとアランの絶叫。アルはあまりの凄惨な光景に崩れ落ち、むせび泣いた。
「……ア、アラン……メイミー…殿…そんな…酷い…酷すぎる…」
そして無言のまま微動だにしないウェイブ。
「…………これがお前の選んだ道だ。努々、忘れるな…」
その言葉にアルはキッとウェイブを睨みつけた。
「これが貴方の言う戦いなのですか!?力で全てを屈服させ、思うがままに蹂躙し尽すことが貴方の戦いなの?」
怒り、悲しみ、絶望……数多の感情がアルを激昂させた。
「…………」
「答えて下さい!答えて……答えて…ウェイブ……答えてよォ…」
ウェイブの鋼鉄のような胸板を叩き、アルは泣き喚いた。
そんなアルをウェイブはしばらく眺めていたが、やがてこう言った。
「……その必要はない。…メイミーを捕らえた部隊は?」
ウェイブは無情にもアルになんの反応も示さず、君主として軍師に問うた。
「……だ…第2大隊第12中隊第5小隊のだ…第1分隊です」
「その者達の褒美はメイミーだ。その他、捕らえた女官、侍女も同じように褒美として扱え。
このような小国の一族など畜生にも劣る。お前の言う規律は適用されん。」
「………………はい」
アルの頬を新たな涙がつたった。
魔導世紀999年12月24日、ツェンバー陥落。
これにより事実上、大陸の南西部を完全に支配下に置いた無名兵団は北の魔王軍、中部のフラウスター兵団、
極東のムロマチに南のエルフ軍に次ぐ強大な勢力となった。
to be continued