魔導世紀991年、スペクトラルタワー。  
天をも貫く、その巨大な塔の中には数多の街が存在していた。  
塔の中で生を受け、生活を営み、塔の中で生涯を終える者達の街だ。  
巨大な塔の頂点を目指し、塔へ挑む冒険者達相手に宿を提供し、武器、防具、各種アイテムを  
売る事で生計を立て細々と暮らしていた。  
そして、ここ『やすらぎ』の名を冠する街もその中の一つだった。  
(お腹が空いた……)  
その少女は煉瓦造りの壁に背を預け、呆然とそんな事を思った。  
虚ろな瞳の少女の仕事は冒険者相手に身体を売る事だった。  
もちろん冒険者だけではない、各階に点在する街の男達にも身体を売っていた。  
フラウスター兵団に故郷のサンライオを追われ、塔に行き着いた少女にはそれしかなかった  
そんな商売を始めたのは13の時。  
処女は名も知らぬ冒険者に捧げた。初めの頃は痛みが激しかったが慣れてくるとそれも  
無くなった。快感を感じる時もあったが大抵の奴は下手クソで、そういう男に限って  
フェラやらアナルやらを強要してくるので正直、面倒くさかった。  
塔を制覇しようとする冒険者はひっきりなしに訪れるので金には困らなかったが、  
ここ3日くらいは訪れる者もいない。  
無気力…  
その少女の魂を覆っているものは『無』。  
そこへまた一人、冒険者が通りかかった。  
見れば自分とそんなに年齢が変わらない冒険者だった。  
少女は決まりきった台詞を吐いた。  
「ね…お兄さん、私を買ってくれませんか?」  
冒険者は初めはたじろいたが身体を売ろうとした少女のお腹がなる音を聞き、笑うと  
一緒に『食事でも……』と誘ってくれた。  
邪気のない、吸い込まれるような優しい笑顔に少女は心を射止められた。  
その冒険者はウェイブと言った。  
そして少女はその冒険者の残した言葉を胸に塔を出る決意をする。  
その少女の名前は―――――――アル。  
 
『刻ノ終ワリニ潰サレルマデハW』  
 
その後、塔を制覇しアカシックレコードを手に入れたウェイブは生ける闘神と化してしまった。  
あの優しい笑顔を失う代わりに神と同等の力を手にしたのだった。  
「大丈夫だよ、人は変われるのだから………」  
ぽつりとあの時の言葉を口にする。  
生きる目的もなく、その日その日を凌ぐ暗闇の中から己を救ってくれたヒト。  
初めて己を『人間』として見てくれたヒト。  
そして、そのヒトは『人間』ではなくなってしまったのだ。  
「ウェイブ……」  
その闘神は全裸でアルの横で眠っていた。全身にはしる大小何百という傷跡、鋼鉄の筋肉に覆われた胸が微かに上下している。  
アルはウェイブを起こさないようにベッドから抜け出た。シーツを身体に巻き付け、畳んであった衣服と下着に手をつける。  
「……あ、雪が……」  
下着を履き、衣服を纏うことに専念していたのか、今更ながら窓の外に雪が降っている事に気が付いた。  
魔導世紀1000年、1月ウェイブ率いる無名兵団は魔王軍主力部隊がカイゼルオーンの黒騎兵ゴーラ、  
ボルホコの神翼兵ミルリア攻略の為にネウガードを留守にした隙をつき一気に攻め込んだのだ。  
そして、その勢いをかり、大陸の最北端に位置するフレッドバーンのホルノス政府軍を攻め従属させる事に成功した。  
次なる目標は孤島カーシャを拠点とする『氷の魔女』マユラ率いるキース同盟軍。  
魔王軍から離反した魔族達がマユラを君主とし決起した新興勢力のキース同盟軍、士気高く各々の能力は目を見張るものがあるが、  
その国力・兵力はホルノス政府軍と対等に渡り合うだけで精一杯という状況であった。  
そのホルノス政府軍を1日で叩き潰した無名兵団にキース同盟軍の命は風前の灯火であった。  
「…………」  
雪が深々と降る中、アルの視線は海を隔てたカーシャに向けられていた。  
降伏勧告をウェイブに再三具申したがその返事は『必要ない』の一言であった。  
ウェイブ自身がマユラの魔力を欲しているからだ。  
 
魔王軍の拠点であるネウガードにはジャドウ含む五魔将こそ不在であったが、無名兵団の3倍の数の魔王軍が防衛に当たっていた。  
が、ウェイブはそれを一瞬で消滅させたのだ。  
『天魔最終』………それだけの技を使用した後の魔力の消費は並ではないということなのだろう。  
同盟軍は女性の権威が高く、その兵も女性が多いと聞く。  
第二のマリアンルージュにならぬよう兵達には厳命してあるがそれがどれほど抑止力になるだろうか……。  
アルはそんな事を考え、カーシャを見ていた。  
「――――あっ…んんっ!?」  
背後からいきなり抱きつかれ、胸を鷲掴みにされた。  
「ウ…ウェイブ様!」  
「………」  
無言のまま全裸のウェイブはアルの服を荒々しく剥いでいく。  
「ん…な、何を…ウェイブ様ッ!」  
ボタンを引きちぎり、胸元を大きくかき分けるとぷるんと乳房がこぼれ落ちた。  
「やああっお止めて下さい」  
アルは身をよじり、ウェイブの手から逃れようとしたが無駄であった。  
スカートをめくりあげ尻を露出させたメイミーの小振りな尻とはまた違う白くぷりんと張った尻。  
その尻を覆う紺色のタイツ。  
ウェイブはタイツビリィィッと引き裂き、尻に食い込んだ下着をずり下げ、秘所を顕わにさせた。  
そして腰をぐっと突き出すようにさせるように引いた。  
「あうっ!−−−−ん、んう」  
その反動にアルは小さな悲鳴を上げ、はっとした顔をした。  
「や、やっ!み、見ないで!見ないで下さい!!」  
前回の余韻が残っていたのかアルの尻肉の下に愛液に濡れた秘所から白濁液がドロリと太腿を伝って床へと落ちていく。  
「……」  
ウェイブは無言のまま腰を掴み、アルを窓に押し当てると何の前戯もなしに一気に秘所を貫いた。  
「んうううっ!」  
アルの豊かな胸がガラスに押し当てられぐにゅううと淫らに歪む。ウェイブはアルの首と尻に手を回し、完全に固定すると  
常人ではフィニッシュ直前のような速さで腰を前後させた。  
「あぐッあっあっあっや、やめて−−くだう、ウェはっ、ブあっさ、さま、はあああっ!」  
「………」  
ウェイブは最後にアルの最奧に肉棒を突き立てると素早く引き抜き、アルをこちらに向かせ跪かせた。  
「口を開けろ」  
「えっ−−−!?」  
咄嗟の事に反応ができずなすがままにされるアル。  
そしてその口に射精寸前の肉棒がたたき込まれた。  
「んぶっ!?んむううううううっ!」  
そしてウェイブはアルの頭を掴み、激しく前後させる。当然ウェイブの肉棒はアルの小さな口に収まるはずもなく、  
アルは眼に涙を浮かべながら必死に口を開け、空気を吸おうとする。そこに叩き込まれる肉棒。  
「むぐっふぅんっはっ!んぐっ!むううっううっ!」  
あまり強烈な突きにアルはたまらずカリッと歯を立てた。  
「……っ!」  
それが引き金をなったのか、ウェイブはアルの頭を掴み込み、腰をかがめた。  
次の瞬間、アルの口内でウェイブの肉棒が爆発した。  
ぶびっ!どばどばどぼぶびゅるるるっどぶ…どぴゅ……どぴゅるる……  
「んぐ…んん…げふ!う…げふっうええ!えっげふっ!おええ!」  
ウェイブの射精が収まり、頭を掴む手がゆるんだ途端アルは口を手で覆い、白濁液を口から吐瀉した。  
精子特有の臭いがアルの舌を麻痺させ、喉に絡まり激しく咳き込む。  
「………吹雪いてきたな…攻撃は明日に延期する。」  
床に突っ伏すアルをウェイブは一別し、部屋を出た。  
「……はぁ…はぁ……うっ…くっ………」  
自分の力で本当にウェイブを取り戻すはできるのだろうか…自分の力では全て無駄ではないのか…  
そんな疑念がアルの心に暗い影を落とした。  
魔導世紀1000年1月17日、無名兵団はカーシャへ侵攻した。  
to be continued  
 

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