「アルと申します。ウェイブ様のお役に立ちたいと恥ずかしながら参上いたしました。」  
「…………。」  
「冷たいその瞳、やはり真実だったのですね。タワーの力と引き替えに、優しい微笑みを  
なくしてしまったのですね。」  
「貴様、何が言いたい。」  
「覚えていますか?タワーの中にある街そこで私は貴方と出会いました。  
薄暗い街の中で暮らしていた私にとって突然、現れた貴方は私の憧れの存在だった。  
『大丈夫だよ、人は変われるのだから』貴方のその言葉がずっと心の支えだった。」  
「…………。」  
「だから優しい瞳に戻れるはずです。優しかった貴方に……」  
「もういい。アル、貴様は我が軍勢に不要だ。」  
「ウェイブ様……」  
 
そして、何十回目か何百回目かわからない面会申請の後、アルは倒れた。  
雨に打たれ、何も食べず何も飲まずで門の側に七日間立ち続けたのだ。  
無視を決め込んでいた無名兵団の将兵もこれには驚いた。  
現場指揮官の独断で医療室に運び込まれたアルは二日後、回復した。  
『登用』とは言い難いが、名目上無名兵団の武将となったアル。  
将兵達は当然、君主ウェイブにアルは即解雇されるだろうと口々に噂していた。  
しかし、アルは残った。無名兵団ただ一人の武将として登用されたのだ。  
魔導世紀999年、ネバーランド。  
涙の数だけ物語があった。  
 
『刻ノ終ワリニ潰サレルマデハ』  
 
そしてアルはまた犯されている。  
ガウガブルとベミナパを併合した名の無い兵団の地。  
その城の一室でアルは犯されている。  
「ウ、ウェイブ様…あ…も、もうこれ以上は…はあ」  
「………うるさい、黙れ」  
ウェイブは全裸のアルの乳房を握りつぶすようにもみし抱いた。  
アルは自分の豊満な乳肉がウェイブの手によって己では想像だにしなかったいやらしい形  
に変形するところを潤んだ眼で見つめた。  
その桜色の先端をチュパチュパと音がするほど吸われ、舐め回される。  
「はぁ…ん…あ…」  
つつーと舌で舐め上げられる乳肉。  
ウェイブの性交に『優しい』という言葉はない。  
荒々しく身体を蹂躙され、滅茶苦茶に突き上げられる。  
女は精を吐き出すだけの道具として扱われるのだ。  
それも例外なく膣内射精。  
軍議や他国の使者の謁見など最中にスカートの中、下着の脇から  
太股をつたって精子が垂れて落ちてくる事など当たり前だった。  
「あぐ……はぁはぁ…は…あああっんん……は…はぁ」  
対面座位での射精。アルの背中がこれ以上ないほど反り返ったのを見計らってウェイブは  
アルを押し倒した。  
「ウ…ウェイブ…さ…ま?」  
鍛え残す箇所などない闘神の身体。  
その身体に見合う程の生殖器。  
ウェイブの肉棒は少しの衰えも見せず、反り返り波打っている。  
「………尻を上げろ」  
「………はい」  
膣から溢れ落ちている精子を拭く暇もなく、アルはあきらめたような表情で命令に従った。  
ベッドに四つんばいになり、犬のような姿勢を取るアル。  
首から下げたペンダントが空しく揺れる。  
タワー時代のウェイブからの贈り物。  
そして自分を情け容赦なく犯すのも、そのウェイブなのだ。  
 
「……」  
ウェイブはアルの腰を両手で力強く掴むと間髪入れずその怒張をアルの膣内に叩き入れた。  
「あぐっ…い、痛…ウ、ウェイ…は…ブ…さ…あぅ…ま…あああっ」  
これで何度目だろうか、10回?20回?ウェイブの精は枯れることなく延々と続く。  
その瞳には昔のような優しさはない。どこまでも虚空、虚ろ、暗黒、闇……  
手に入れてはならない力はこうも人を変えるモノなのか。  
「…………」  
アルの髪が激しい突きによって乱れ、重力に引かれた乳房がパチンパチンと  
音がなる程はね回る。それを後ろから荒々しくこね回し、揉み潰す闘神の両手。  
飛び散る汗、唾液、体液、―――――――そして涙。  
「あ…は…も、や…もうダメ…で…げんか…です…」  
感極まったのかウェイブの肉棒が最奥まで叩き込まれ、ブワッと膨れた。  
「…………!」  
どぶっびゅるるるるるるるるる…びゅるるる…びゅるびゅる……びゅ……びゅ…  
「ああ……う、うん…はあ……あ……あ…」  
後ろから組み敷かれた状態でアルはベッドに倒れた。体力が既に限界を超えていたのであった。  
アルの股間から溢れ出す白濁液。  
荒い息をついているとその背にバッとシーツが掛けられた。  
「……服を着ろ。明朝、予定通りフリージィに進攻する。」  
「………………はい」  
ウェイブは冷たい声でそれだけ言うとアルの部屋を後にした。  
 
部屋に一人残されたアルは身体にシーツを巻き付け、窓から夜空を見上げた。  
 
自分が登用された原因は何だったのか。  
犯されながら時々思うことがある。  
もちろんアル自身が望んで仕官したのだそれが曲がりなりにも登用されたことは  
嬉しい。常にウェイブの側に入れるのであれば己の目的も達成できるかもしれない。  
だが、それとは別に自分が登用された理由が欲しい。  
ただ純粋に理由が欲しいのだ。  
 
ただの性欲処理のため?  
 
それは違う、抱くだけの女なら侍女がいくらでもいるのだ。  
実際、仕官してから夜の廊下の片隅で柱にしがみつかされ、尻だけ剥かれた侍女が  
何度かウェイブに犯されているのを見たことがある。  
 
有能な参謀が必要だったから?  
 
それも違う、確かにアルは有能ではあったが  
北の魔王軍の軍師ザラックやのギュフィ王国軍のシーマ・ツヴァイ、フラウスター兵団のジルオン、  
エルフ軍のアゼレアなどに比べると武力、知力、外交力は著しく劣る。  
 
世継ぎが欲しいから?  
 
不確定ながらそれも違うような気がする。性交では誰かまわず膣内射精だが今の今まで誰一人  
として身籠もったことがない。実際、毎晩のように抱かれるアルでさえ孕むことはないのだ。  
人間を超えた『人間』は、人間ではないのかもしれない。  
 
では何故……?  
 
その答えは未だ見つからない。  
答えなどないのかもしれない。  
今のあの人は昔のウェイブではないのだから……。  
夜空に輝々と浮かぶ月を眺めるアルの眼から一筋の涙が頬をつたった。  
 
to be continued  
 

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