大陸制覇を目指し西征を続ける無名兵団本隊がツェンバーに入りしたのは、魔導世紀999年も12月に入った初頭であった。  
既に本城の補給路は断ち、有能な軍師アルの手配りで水も漏らさぬ包囲網が構築されていた。  
城に籠もる暗黒不死団はその数二千足らず。  
それに引き替え無名兵団はウエイブ率いる本隊の到着をもって、4万近くに膨れあがっていた。  
戦わずして勝負はあったも同然であった。  
 
「君主メイミーに降伏を勧告してみては?」  
無駄と知りつつ進言を試みたアルであったが、3度出した伝令は一人も帰ってこなかった。  
ウェイブがあの美しいバンパイアの姫君を欲していることはアルにもよく分かっている。  
それもたった一度だけ、徹底的に陵辱するために。  
肉体的にだけでなく、精神的に屈服させるためには、野戦で格の違いを示す必要があった。  
メイミーには命乞いどころか、降伏する権利さえ認められていないのである。  
 
「ハァッ、ハァッ……そう、そこ……もっと、もっとよ」  
軍師の待機所でアルは10人の兵士を相手に性欲発散の真っ最中であった。  
部屋の外にも50人ほどの男たちが順番を待って待機している。  
実質的に大陸最強となった無名兵団のナンバー2であるアルは、肉欲を満たしてくれる男に困ることはない。  
何万もの兵士から選り抜きの男たちが集められ、連日アルの体に奉仕していた。  
膣とアヌスは同時に貫かれ、両手には野太い剛直が握り締められている。  
両手のペニスが扱き上げられ、発射するたび、濃い精液をアルの体にぶっかけていた。  
髪も肌もドロドロになり、饐えた臭いを強烈に放っている。  
 
しばらく風呂にも入っていないが気にもならなかった。  
汚れた体は男たちが舌を使って清めてくれる。  
直接吸い出してくれるので、大小共にトイレに行く必要もなくなっていた。  
食するものは専ら男の精液なので、栄養の偏りだけが心配であったが。  
 
「は、早く……あなたのを……」  
アルは涎の垂れる舌を伸ばして男のペニスをおねだりする。  
口一杯に頬張った物を舌で味わい、はしたない音を立てる。  
そうしているうちに膣とアヌスを掻き回していたペニスがビュクビュクと多量の精子を放った。  
無論生出しであり、妊娠の危険性もあった。  
事実、先月妊娠して堕胎手術を受けたばかりであり、余りの痛さに危険日にはやめておこうと決心したほどであった。  
それでも肉の悦びを知ってしまった体は、一日たりとてペニスなしではいられなかった。  
 
気持ちの良いことは何でも受け入れることにしたアルは、ゴブリンやネコ、果てにはカエルとまで交わることを拒否しなかった。  
ゴブリンの剛直は人間より遥かに逞しかったし、ネコの舌責めには何度も失神させられた。  
しかし一番気に入ったのはカエルとのプレイである。  
 
まずメスに命じて膣と直腸に卵を産み付けさせると、何ともいえない被虐的な快感が走った。  
その上でオスのペニスで卵に受精させるのであるが、ジメッとしたカエルのペニスは粘着質で奥の奥まで届くのだ。  
普通では味わえないような快感が何度も走った。  
 
更に凄いのは産卵プレイであった。  
卵からかえったオタマジャクシを、膣とアヌスからひり出す時の苦痛と快感は病み付きになった。  
狭い通路をオタマジャクシが駆け抜けるたびに、アルは半狂乱になってのたうち回った。  
その姿を雑兵たちに見せつけると、快感は更に倍加した。  
サービスの良い軍師は、やがて兵士達のかっこうの公衆トイレと化していったのである。  
 
「アル様。君主ウェイブ様がお呼びです」  
ウェイブからの招致が掛かったが、アルは耳を貸すどころか眉一本動かさなかった。  
最近、快楽を増加させるために使用を始めた麻薬『悪魔の精液』がアルを完全なセックス狂にしていたのだ。  
今の彼女にはセックス以外のことには全く関心がなかった。  
ウェイブがセックスのために自分を呼んでいるのなら行ってやってもよい。  
戦争のための便利な道具として使われるのはもうウンザリであった。  
 
「アル様っ」  
使者が再度アルに催促する。  
「ここまでお膳立てしてやったんだから、後はバカが指揮しても勝てるよ」  
アルは使者に一瞥をくれると、新鮮なペニスにかぶりついた。  
 
それからしばらく後、前線の方角から喊声が上がった。  
いよいよ先端が開かれたのである。  
「関係ないよ」  
一瞬だけ舌の動きを止めたアルであったが、直ぐにペニスに集中しなおし心いくまで新鮮な精子を味わった。  
 
ツェンバー本城を取り囲んでいた無名兵団の兵士達が大きくどよめいていた。  
いよいよ敵が姿を現せたのである。  
城壁の上にすっくと立った人影は、何と君主であるメイミーであった。  
それも一糸まとわぬ全裸であり、染み一つ無い純白の肌が太陽の日を浴びて神々しく輝いていた。  
余程自信があるのか、メイミーは体を隠そうともせず全てを晒していた。  
充分な容量を誇る胸の膨らみも、その先端に付いた薄桃色の突起も。  
緑色の縮れ毛に覆われたデルタゾーンや、その奥にあるスリットの中身までもが兵士達の目の当たりになった。  
 
「す、すげぇ……」  
「オ……オレ、もう……」  
兵士達は股間を押さえて前屈みになる。  
メイミーの腋の下や股間から湧き出ている、バンパイアフェロモンを嗅がされたのだからたまったものではない。  
兵士達はアッという間にペニスを暴発させメロメロに崩れてしまった。  
 
「ホホホホホッ、だらしのない。所詮人間などこんなものなの?」  
メイミーの哄笑が辺りに響く。  
君主ウェイブが歯噛みするが、当の本人も止まらぬ射精をどうすることも出来ず狼狽えていた。  
メイミーは身構えると、城壁を蹴って空高く飛び上がる。  
そのまま敵陣の中心まで飛び込むとバンパイアの能力を一気に解放した。  
 
「バカな……直接攻撃だとぉぉぉ……」  
ウェイブが信じられないというように目を見開いた。  
その視界の中で兵士達はバタバタと倒れていき、最後にウェイブ一人だけが取り残された。  
「人間の分際で敵を見誤ったようね」  
メイミーはニッコリ笑ってウェイブのズボンを脱がせる。  
そしてまだ脈打ちながら精を放ちつつあるペニスの上に腰を下ろした。  
「あなたの力の源がここにあるってことくらい、とうにお見通しだわ」  
メイミーの極上のヴァギナがウェイブのペニスを呑み込んでいく。  
「タップリといただかせて貰うから。覚悟して」  
メイミーは凄艶な笑顔を見せると、猛然と腰を上下させ始めた。  
 
何度強制発射させられたか覚えていなかった。  
気が付けばメイミーは既に立ち去り、ウェイブは無人の荒野に一人取り残されていた。  
力の源であるペニスは食いちぎられ、路傍の石のようにうち捨てられている。  
股間を確認するとそこにはペニスはなく、その代わりに女の股間のように一本の割れ目が刻まれていた。  
反射的に胸に手をやると、あり得ないことに2つの柔らかい膨らみに触った。  
ウェイブはガックリと地面に手を付いて項垂れた。  
あれほど忌み嫌い、侮辱の限りを尽くした女に自分がなってしまったのである。  
 
「こうなったら魔神ウェイブもかたなしね……」  
見上げると冷たい目をしたアルが立っていた。  
「いつか殺してやろうと思っていたけど……もう、その必要もなさそうね……」  
アルは蔑みの目をウェイブに向けると、踵を返して歩き始めた。  
「ま、待ってくれ」  
ウェイブが手を伸ばして軍師を呼び止める。  
「冥府でブレイクが待ってるわ……お幸せにね……」  
アルは振り返ることなくそう呟くと、吹き始めた砂嵐の中に消えていった。  
後にはウェイブの泣き声だけがいつまでも響いていた。  
the end  

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