『ヒロさんの受難』
夜、いつも通り簡素な夕食を済ませた後、ヒロは後片付けもそこそこに着替えを片手に浴室へと向かった。
汗を吸い込みベッタリと肌に張り付くインナーを脱ぎ捨て、一糸纏わぬ姿になると曇りガラスの扉から中へと入り込む。
そして小さな音を立ててガラス扉が閉まると、暫くした後シャワーの流れ落ちる水音が浴室の中から響き始めた。
「んっ……ふぅ〜」
全身に降り注ぐ温かい水流を浴びながらヒロは両の瞼を閉じて、表情を緩ませ心地良さそうに短い溜め息を漏らす。
長い戦いの年月に鍛えられた彼女の肢体は、成熟した女性の美と合わさって見事なプロポーションを形成している。
中でも大きく張り出したバストは、その質量にも係わらず生意気な程に上を向いて、彼女が動くたびにプルンと揺れ動く。
しかし完璧なまでに形の整った乳の先端は、淡く色付いた乳輪に一筋の溝が走り、中央にある突起を乳内に包み隠している。
その未成熟な乳首が逆にエロスを際立たせる乳房は、胸元から撫で下ろされた掌に沈んだ後、再び逆らう様に跳ね上がった。
「ヒロ〜?良かったら背中流してあげましょうか〜?」
その時、不意に脱衣所から明るい声が響くと、人影の映ったガラス扉がキィ…と音を立てて頭一つ分ほど開かれた。
途端に脱衣所より流れ込んできた寒気に背中を撫でられ、ぶるっと身震いしたヒロはムッと眉をしかめて振り返った。
彼女の見つめる先には開かれた入り口から頭だけを覗かせ、にこやかに微笑むリューンエルバの顔があった。
「リューンエルバ……その…寒いんだけど」
「あはっ…ごめんなさい、すぐに閉めるわね……あ、それでどうするの?」
恨みがましいヒロの言葉にリューンエルバは茶目っ気たっぷりに微笑むと、閉じた扉を挟んで再度質問を投げかける。
(どうするも何も……既に服を脱いでおいて何を今更…)
曇りガラスに映ったリューンエルバの裸身にヒロは呆れ顔で苦笑すると、脱衣所で待つ同居人へ承諾の言葉を投げ返した。
「ん…頼めるか?」
「うふふふ〜ん♪了解了解っと〜♪」
脱衣所から返って来る言葉にヒロは一旦シャワーを止めると、腰掛の上に腰を降ろし手近なスポンジへと手を伸ばす。
そして猫の形をしたファンシーなそれにボディソープを振り掛けると、浴室に入ってきたリューンエルバに手渡した。
彼女は受け取ったスポンジを鼻歌混じりに泡立てると、ヒロの後ろに正座して白く滑らかな背中を丁寧に洗い始める。
「お客さ〜ん、どっか痒いところは無いですか〜?」
「もう少し右下の…んっ、そこ……ありがとう」
背後から聞こえてくる冗談混じりの軽口にも、ヒロは気持ち良さそうに目を細めて、素直に感謝の言葉を口にする。
その表情を正面にある鏡越しに見つめたリューンエルバは、背中を洗う手は止めずに不意に思いついた質問を口にした。
「そういえば私達って、最初に会ってから随分経つわねぇ…」
「8年…くらいか?…全く、あの時は変な女だと正直に思ったよ」
永久凍土の奥で隠居していた自分の下へ突撃してきた過去の情景を思い出し、ヒロは堪え切れずにプッと吹き出す。
その後も事有る毎に絡まれては、リューンエルバのペースに巻き込まれた自分の姿を思い返し、ヒロは小刻みに肩を震わせた。
「色々有ったけど…あの頃に比べて貴女も随分人間丸くなったし…ま、良かったんじゃない?」
「どう抵抗したところで巻き込まれるのは変わらなかったからな…人間、諦めも肝心という事だ」
そう答えるとヒロはわざとらしい溜め息を吐きつつ、諦めたかの様に大げさに肩をすくめてフルフルと頭を振った。
その様子にリューンエルバはプッと吹き出すと、何の躊躇いも無く目の前の背中に抱きついてスリスリと頬擦りする。
「あっ!?こら…何する…ちょっ、くすぐった…やめっ」
「んふ〜♪今日のヒロはノリが良いから前の方も失礼しちゃお〜♪」
背中に押し当てられグニュリと潰れた肉塊の感触に狼狽しつつ、ヒロはウェストに回された腕を振り解こうとする。
しかし悪戯っぽい笑みを浮かべたリューンエルバは、ヌルリとヒロの手をすり抜けた泡塗れの手をワキワキと動かし始めた。
「くふふ〜♪ヒロたんのお肌はすべすべで気持ち良いですのぅ〜」
「くぉっ!?…おま、酒くさっ!?……私がシャワー浴びてる間にどれだけっ…!!」
引き締まった腹部を撫で回しながら、リューンエルバはウットリと瞳を潤ませて、感嘆の息をムッハァ〜と吐き出す。
そのアルコール臭たっぷりの吐息に鼻先をくすぐられ、ヒロは咽返る程の酒気にくらくらと眩暈を覚え表情を歪ませる。
そして彼女のわき腹を愛撫する掌がススス…っと這い上がると、弾ける柔肉の果実をムニュリと掬い上げた。
「んんん〜♪…にゅふふふ〜♪いやいや、さすが年代モノは重みからして違いますなぁ〜」
「あ、馬鹿…そんな揺らす…なぁ……や、やめぇ…はぅんっ」
たぷんたぷんと両乳を揺すられヒロの表情は戸惑いの色が浮かび、短い悲鳴の混じる抗議は浴室の中に虚しく響き渡る。
彼女の有様を肩に顎を乗せて覗き込むリューンエルバは、ある変化に気づくとニッと笑顔を浮かべ揺り動す手を止めた。
「んふ♪…むふふふふふふふぅ〜♪」
「リ、リューンエルバ…?」
耳元に響く妖しい含み笑いに不吉な予感を覚え、ヒロは視線を落とすと目に映った自身の変化に頬を赤く染め上げる。
二人の視線が見下ろす先、上向きのまま泡に塗れたバストが、その色付いた先端部を見違えるほどに変形させていた。
普段なら一筋の溝が横切る乳輪は興奮に硬くなった中央の突起に、今や被さった乳肉ごと乳内から押し上げられている。
そして唇のようにニュッと突き出た盛り上がりに、リューンエルバは指の腹を当てると、即興の歌を歌いつつ擦り始めた。
「か〜んちちヒ〜ロたん出〜てお〜いで〜♪出〜ないと、乳〜首を穿るぞぉ♪(隣のト○ロの真っ黒クロスケ調)」
出鱈目な歌の終わりに合わせ、リューンエルバは綻んだ溝に指先を突き立てると、抉じ開ける様つぷりと内部へ押し込む。
そして指先を押し返す心地良い弾力に気を良くすると、柔肉が包み隠す溝の奥をコリコリと円を描いて掻き回し始めた。
「やっ!!…んはぁ…ば、ばかぁ〜そん…なに……くぅ…いじるな…ヒゥッ!?」
前屈みになってビクンビクンと肩を震わせるヒロの乳首は、やがて指を避ける様に乳肉の中からピンクの頭を現していく。
間も無くして完全に露出した二つの突起は、滑らかな光沢を持った肌をパンパンに張り詰めて切なげに震えている。
そしてリューンエルバはツルンとした手触りのそれを摘むと、マッサージする様にフニフニと優しく揉み始めた。
「ひゃあっ…そ、それは…洗わなくて……んんっ……いいか…ら…んはあぁぁぁ!!」
「ダメですよ〜?いつも隠れてるんだから念入りに洗わないと〜……くふ♪」
指先に感じるプニプニとした触感にリューンエルバは機嫌よく喉を鳴らすと、ますます一心不乱に指を擦り動かす。
そのたびに踵の上がったヒロの両脚が電流が走ったかの様に細かく震え、透明な液体が腰掛を伝って床へと広がり始める。
やがて鮮やかな桃色に染まった乳首を親指と中指が挟み込み、押し出された乳頭を人差し指の腹が強く擦り上げた。
「っっ!!!…イク!!っはああぁぁぁぁぁ!?」
「普段隠れてるだけあって敏感な様ですねぇ〜うりうり♪」
リューンエルバの人差し指が前後に往復するに合わせ、押し倒された乳頭部がクニクニと激しく捏ね回される。
先程迎えた絶頂にスイッチが入ったのか、ヒロは乳首が一捏ねされるたびに甲高い嬌声を上げて肢体を仰け反らす。
彼女の下半身は最早止まる事を忘れたかの様に、幾度と無く透明の飛沫を噴出させ、淫らな女の匂いを浴室に充満させた。
「はぁぁ…ふぁ?…ん、ふぅ〜……あ…あつ…いぃぃ…ふぁぁぁぁ…」
「さぁ次はヒロの大事な大事な場所ですよ〜?ほらぁ足開いて♪」
硬く尖った乳首を今なお弄びながら、リューンエルバは催眠術師が暗示を掛けるかの様に、ボソボソと耳元で妖しく囁く。
その言葉に抗う様にヒロは弱々しく首を振るも、快楽に弱った理性は時間と共に砂の城の様に崩れ始める。
「んふふ…それとシャワーを私に頂戴…ほらぁ、は・や・くぅ♪」
「アァッ!!わ、解ったから!!胸はもう止め…イ、イクゥゥゥ〜!!」
リューンエルバは耳の裏を舐めつつ更なる注文を囁き、同時に急き立てるかの如く摘んだ両乳首を手早く扱き立てる。
再び襲ってくる快感に、ヒロは肢体を痙攣させつつ懸命に左手を伸ばすと、掴んだシャワーを胸を弄ぶ手に押し付けた。
「さてさてヒロたんのお宝御開帳〜♪」
興奮に頬を染めたリューンエルバの声に促され、ヒロはぴったりと閉じた両脚を少しづつ開き始める。
やがて大きく開脚されて露わになった股間は、綻んだ中央の淫裂より溢れ出る蜜に、たっぷりと尻穴まで湿らせていた。
そしてすらりと伸ばされたリューンエルバの足が蛇口を捻ると、勢い良く噴き出た温水がヒロの恥丘に降りかかった。
「ふぁっ!?シ、シャワーがぁ…ひ、拡が…っ!?かはっ…あ、熱…ひぃあぁぁぁぁぁ!!」
シャワーからの水流はヒロの柔らかな恥肉を押し広げると、蜜壷の愛液と混ざり合いながら膣内を温もりで満たしていく。
リューンエルバは角度や距離を調節しながら温水の流れに変化を加え、淫核や肉襞に様々な刺激を与え続ける。
そして流れ込む奔流は膣道を拡げながら突き進み、最も深い場所に到達すると、ゴボゴボと音を立て肉壁をノックした。
「あひぃ…お腹の中で、グルグル暴れ…ぅあ!!イ、イクゥ!!…ひんっ!?また…いやぁ止まらな…きゃううぅぅ!!」
気泡混じりの渦に敏感な粘膜を描き回される感覚に、ヒロは全身を痙攣させて強引なまでの絶頂を迎えさせられる。
それと同時に収縮する膣穴に排出されかけた温水を、シャワーからの激流が再び押し戻した事で渦の動きが複雑さを増す。
そして膣内で荒れ狂う激流に何度も絶頂へ押し上げられた彼女は、やがて鋭い叫びを一つ上げるとカクンと動きを止めた。
「ありゃ?おーい、ヒローどうしちゃったのー?」
急に静かになった玩具にリューエルバは首を傾げると、ひくつく膣穴をシャワーのノズルでグチュグチュと掻き回す。
その無遠慮な刺突にも拘らず、ヒロは放心したままの表情で明確な意味の無い呟きを、半開きの口から垂れ流している。
「あ……あはぁ……おひ……ふぁぁ……ぇへぁ?」
「う………ちょーっとばかり、やり過ぎちゃったかな?…てへ♪」
さすがに良心が咎めたのか、リューンエルバは冷や汗混じりに乾いた笑いを零して、ヒロの腕を肩に回し立ち上がらせる。
そして脱力した彼女を脱衣所へと運ぶと楽な姿勢で壁際に座らせ、買い置きのバスローブを幾重にも重ね着させた。
「ごめんね〜?とりあえずお風呂入ってくるから、少し休んでてね♪」
今も焦点の定まらぬヒロの瞳を覗き込み、リューンエルバはそう話しかけると、軽く唇を重ね再び浴室へと戻っていった。