人里から離れた深い森の中。
月明かりに照らされる中でル・フェイは独り、小さな小人の集団に取り囲まれている。
体長10センチ半ば程の彼らは、深刻な表情を浮かべる彼女の周囲に集まり、祈りを捧げるかの様に地に伏していた。
「ぬぅ…つまりそなたら種族の祭りに女人の乳が必要と言う訳か…」
女神神官としての旅の途中、森の中で一夜を過ごす事になったル・フェイの前に彼らが現れたのは一刻前の事。
敵意や悪意も無い様子に警戒を緩めたル・フェイの見ている前で、小人達は身振り手振りや図を用いて目的を伝え始める。
それは彼らの種族が執り行う祭りに振る舞う為に、人間の乳房から搾乳するミルクを求めているとの事だった。
「う…むむ…そなたらに悪意などが無いと言うのは解る…そして同じネバーランドに生きる者として力を貸してやりたいのは山々じゃが…」
子を作った事の無いル・フェイに母乳を出せる訳も無く、その事を理由に彼女は小人達の願いを断る旨を伝えようとする。
しかし彼らから返って来た答えは、そんな彼女の想像の斜め上を行き、同時に彼女の退路をあっさり塞いだのだった。
「はぁ?い、一時的に乳を出せるようになる術をそなたらは持っていると?…う…ぬぅ」
キラキラと期待に輝く小人達の視線に、我ながら墓穴を掘ったと思いながら、ル・フェイは僅かながら頭痛を覚える。
やがて大きな溜め息を漏らすと、意を決したかのように表情を引き締めて、小人達の前に座り込んだ。
「解った。神職にある者として己の言には責任を持とう…して、胸を貸すというには乳を晒せば良いのか?」
ル・フェイの言葉に喜びを沸き立つ小人達の前に、彼女は胸を覆う唯一無二の布地をたくし上げる。
その瞬間、二つの豊かな乳房がぷるんっと零れ落ち、その美しい双丘は月光の下へと露出した。
「んっ…こう…四つん這いになれば良いのか?」
肩に掛かる衣裳も外して上半身全裸になったル・フェイは、小人達のジェスチャーのもと獣の様に四つん這いになる。
その拍子に弾む二つの乳房は、引力に引かれて形を変えて、たぷんと重たげに揺れ動く。
その造形は大きさ・形・質感に於いて申し分なかったが、唯一つ淡い色合いの先端部だけが違っていた。
ぷっくりと膨らんだ乳輪は中央に有るべき突起を完全に包み隠し、唇を連想させるスリットを形成させている。
そんな真性の陥没乳首を気にも止めず、小人達はそれぞれ腰に下げた水袋の口を緩めると、いそいそと作業を開始した。
「んっ…はぁ…なんじゃ…それは軟膏…か?…んはぁっ」
小人達は重く吊り下がった乳房の回りに集まると、腰の袋から掬い取った液体を、滑らかな手触りの乳肉へ塗り付けていく。
液体を塗られた箇所は初めは夜の外気にひんやりとするも、それは瞬く間にじんわりとした微熱と変化する。
その乳房から伝わってくる不思議な感触に、自然とル・フェイの唇は微かな喘ぎ声を漏らし始める。
それは液体を塗る作業が陥没乳首へと移るに連れて、悩ましい響きへと変化していくのだった。