「……。最悪だな」
自己嫌悪。まさに今自分、アイズ・ラザフォードは陥っている。
仕事で色々と無茶難題を突き付けられ、それを辛うじてこなしたまでは
良かったが、その後も色々とあり、全てをこなしたが。
疲労感とストレスで精神的にぼろぼろになる始末。
これで仕事はしばらくは完全にオフなものの。心は晴れない。
何故なら……
「リオ……」
同じブレードチルドレンであり、恋人でもある竹内理緒の名を呟く。
先程までこの部屋に彼女は居た。今は居ない。
彼女はこの部屋で俺の帰りを待っていた。それは、嬉しい。
だが、俺はリオを……
「アイズ君、止めて!!」
「煩い……」
「駄目ぇ!!」
嫌がるのを無理矢理抱いた。仕事での苛立ちや怒りの感情を
リオにぶつけるかのようにして。
一応、肉体関係は何度かはあった。が、決してリオの嫌がる事は
しないようにしてたしするつもりもなかった。だが、あの時の俺は……
”女なら誰でも良いから抱ければ良いと思った”
自分を責めたてたところで事態が好転するわけではない。
リオを探しに行かないと。だが、どの顔を下げて会えば良い。
それを考えると身体が動かない。
「このまま考えていても仕方ない。探しに行くか」
ぴーんぽーん
外出用の服に着替え、玄関を出る直前、チャイムが鳴った。
誰だと思い玄関のドアを開けると、そこにはリオがいた。
「リオ……」
「入って良いかな」
「あ、ああ」
リビングに通してから十分が経っただろうか。
互いに黙ったままソファに腰をかけて対面している。
リオに謝りたい。だが、言葉に出来ない。
謝ったところでやってしまった事が消える訳ではない。
それで解決するのであればとうに謝っている。
「……」
「……」
沈黙が続く。リオの顔をちらりと盗み見るが下を向いているので表情は分からない。
今の自分の顔はどんなのだろうかと思うが恐らくかなり情けない顔だろう。
「ねぇ」
「何だ?」
唐突にリオが口を開く。
「アイズ君」
「ど、どうしたリオ」
「反省してる?」
「ああ。自分が嫌になるくらいに」
「そう……」
そう言って何かを考えるような仕草をする。
そして、こっちに来てとのジェスチャーを向けてくる。
ぎゅっ
リオの傍に行き隣に座った瞬間。頭を胸に抱き寄せられる。
とりあえず、そのままでリオの言葉を聞く事にする。
「さっきは凄く痛かった……」
「す、すまない」
「けど。辛い事があったんだよね?」
「仕事であれこれと無茶難題を突きつけられた。それと……」
「その後は聞かない方が良さそうだから聞かないけど。相当辛かったんだね」
「あ、ああ……」
「アイズ君、いつも弱い部分見せてくれないから、心配してたけど当たっちゃったな」
「すまない。リオが嫌がってるのに」
「それはもう良いよ。今回は特別に許してあげる」
ここに戻ってくるまでの間にリオの心情に何があったかは分からないが
許してくれた事に安堵する。だが、それでも罪悪感はある。
「だが、俺は自分を許せそうに無い」
「アイズ君の苦しみや悲しみ。そう言った感情も分かち合えないかな」
「リオ……」
「アイズ君が自分を許せないんだったら、それをどうにかする方法を探してあげる。
だって、わたしはアイズ君の恋人なんだから」
その言葉の後、こちらにキスをしてくる。
軽く触れ合うだけのキスを何回かしつつ、徐々に舌を絡めていきお互いの全てを
味わうかのように、激しくなっていく。
ぷちゅ…ぷちゅ…ぴちゃ
「アイズ君……抱いて」
「良いのか?」
「うん。さっきのようにじゃなくて優しくしてくれるなら。さっきの抱いた
痕跡を消すぐらいに優しくしてくれるなら良いよ」
「当たり前だ……」
「でも、その前にシャワー浴びて良いかな。さっきのアイズ君のがまだ……」
さっき無理矢理した時、膣に出したのが残ってると言いたいのだろう。
そう考えると少し顔が赤くなったのが分かる。
「どうせだ。一緒に浴びるか」
「はうー、恥ずかしいよ」
「今更だろうに」
「う、うん……」
顔を真っ赤にしながら同意するリオ。一緒にバスルームに向かい服を脱ぐ。
「アイズ君の肌って綺麗だよね」
「そうか?」
服を脱いでいる最中、リオからこんな一言を言われる。
自分ではそんな風には思わないが。むしろ、リオの方が綺麗だが。
恥ずかしいのか、リオは両腕であまり無い胸を隠したりしているが。
とある一点で目が止まる。いつも抱いている時にそこは特に目立つ。
自らの爆弾で傷つけた部分。こちらの視線をどういう意味で取ったかは
分からないが。そろそろ入ろうと言われたので入る事にする。
きゅっきゅ……ざー
シャワーのノズルをひねり水を出す。湯になるまで少し待つ。
リオが恥ずかしがって後ろを向いているので背後から抱き締める。
「あ、アイズ君」
「リオ……」
ちゅっ……
こちらを向かせ、キスをする。
あまり生えていない股間部分に片手をやりつつ、もう片方の手でシャワーの取っ手を持つ。
「あ、アイズ君?」
「リオのここをまずは洗ってあげよう」
「そこは、自分で洗えっ……ああっ」
シャワーをリオの秘部に当てつつ、指を中に挿入する。
自分の精液が中から出てくるのでそれを洗い流しつつ、
ゆっくりと指で刺激し始める。
「はあっ、あっ…アイズ君、そこは自分で……洗え、はうっ」
「駄目だ、俺が洗う」
「ああっ、でも、恥ずか……んあっ」
くちゅくちゅ……
精液は全て洗い流され、徐々に水以外のものが手に纏わりついてくる。
リオも感じているのかなにかを訴えかける目をしながらも潤んでいる。
指を二本に増やし、更に掻き回す。
「はぁっ、はぁっ。駄目、アイズ君。そんなにしたらいっちゃ……ああっ」
リオの身体が震え、倒れかかる。それを抱き止め落ちつくのを待つ。
どうやら、いったみたいだな……
シャワーの水をとりあえず一旦は止める。また後で使うだろうがな。
「はあっ、はあっ……ひどいよ、アイズ君」
「リオが可愛かったからつい……すまない」
「今度はわたしの番だよ」
「えっ? くっ」
「もうこんなに硬くなってる。わたしの声で興奮してくれたの?」
「あ、ああ……凄く興奮した」
「今度はわたしがお返し。だけど、アイズ君にもして欲しいから」
横に転がり、シックスティナインの態勢になる。
リオの秘部が目の前に晒される。ピンク色でとても綺麗だ。
「綺麗だな……」
「そんなにじっくりと見ないで」
「仕方が無い。そういう態勢になってるんだから、うっ」
「んんっ……」
ぴちゃぴちゃ、ぺろぺろっ
自分の物に生暖かい感触が広がる。リオが口に含んで舐め始めたようだ。
こちらもリオの秘部を指で広げて舐め始める。
互いの舐める音だけがバスルームに響き渡る。
「アイズ君、気持ち良い? んふぅ」
「ああ、気持ち良い」
「はぁ、そんなに舐めちゃ、吸っちゃ……ああっ」
じゅるじゅる、ぴちゃぴちゃ
「んあっ、もう駄目」
「俺も出る」
「んっ、出して良いよ」
「くっ、出る」
「いく、いっちゃう」
射精すると同時にリオもいったらしく、物から口の感触が消える。
とりあえず、身を起こし確認すると、リオの顔にかかったようなので
洗い流してやる……
「ありがと、アイズ君」
「ああ」
「まだこんなに硬いね」
そう言って手を伸ばしてくる。確かにまだ自分のは射精したにも
関わらずまだその硬度を保っている。
「アイズ君が好きなように入れて良いよ」
「じゃあ、壁に手をついてお尻を突き出してくれ」
「恥ずかしいけど、良いよ」
ずぷっすぷっ……
そう言って壁に手をついてこちらにお尻を突き出してくる。
手をお尻にやり、物をリオの膣へと挿入させる。
「んああっ」
「入ったな」
「う、うん。アイズ君のがわたしの中に入ってるよ」
さっき無理矢理した時は感じなかった一体感。
いつもよりもそれを深く感じる事ができる。
リオの膣はとても暖かく絡みついてくる。
ずちゅずちゅ…ぱんっぱんっ
「んあっ、ああっ、き、気持ち良い」
「俺もだリオ」
「アイズ君のが奥まで来てて、はあっ」
腰を動かし、肉がぶつかり合う音がバスルームに響き渡る。
物が締めつけられ、快感が段々と頂点へと向かっていく。
限界が近い…
「リオ、もう……」
「わたしも、もういっちゃいそう」
「なら、一緒に……」
「う、うん」
「んっ、いく、いくぅぅぅぅぅ」
「くっ」
どぷっどぷっどぷっ
三度目とは思えないほどの量がリオの膣へと射精していくのが自分でも分かる。
流石に立ったままするのは疲れたので引き抜いてそのまま座り込む。
リオも同じだったようでその場に座ったようだ。
「はあっ…はあっ…気持ち良かったよ」
「ああ、俺もだ」
「とりあえず、お風呂につかろっか」
「そうだな」
ちゃぼーん
「アイズ君」
「リオ、頼むから身体中にキスをするのは止めろ……」
「だーめ。止めない」
「まぁ、構わないが。見えない範囲なら」
「うん」
ちゅっ、ちゅっ
広いバスユニットの中で二人抱き合ったままお湯につかっている。
リオは服で隠れて見えない範囲内にキスマークをつけている始末だ……
やっぱり最初のをまだ怒ってる可能性が高いな。
それ以外の理由も一つだけ考えられるが……
「アイズ君」
「何だ、リオ」
「ずっとアイズ君の傍に居て良いよね?」
「……」
この言葉を良くリオは言う。
不安なのだろう。片方は世界に認められたピアニスト。
片方は一応ただの一般人。もしも、その時が来たとしても
ずっと傍にいられるか分からない。永遠は存在しない。
それが分かっていながらも、それを俺とリオは望む。
ずっと一緒に居たい。その気持ちは同じだ。
だから、この一言を告げる。
「傍に居てくれ。死が俺達を分かつその時まで」
「うん。死ぬまで……。ううん死ぬ時も一緒に死んであげる」
「リオ」
「でも、今は死なないよ」
「当たり前だ」
「キスして、思いっきり抱き締めて」
「ああ」
ちゅ……
軽くキスをし、リクエスト通り抱き締める。
ただし、痛くないように気を使ってはいるが。
「さっきはアイズ君がわたしの身体洗ってくれたから今度はわたしが洗ってあげる」
「それは、構わないが」
「じゃあ、出て腰掛けて」
「ああ……」
ユニットから出て専用の椅子に腰掛ける。
ぷにっ……
あまり胸がない感触が背中に押し当てられる。
「リオ、何をしてる」
「わたしの身体でアイズ君を洗ってあげるの」
「ちょっとま……」
背後を見てみると、ボディソープをつけたせいか泡だらけのリオが背中に
胸を押しつけて上下にゆっくりと動き始めていた。何か言おうと思ったが。
気持ち良いので黙ってなすがままにされる事にする。
すりすり、すりすり
「気持ち良い?」
「凄く」
「良かった。わたしの胸小さいから」
「リオは、いつも気持ち良いかどうか気にするな」
「うん。だってわたしだけ気持ち良くなってもね」
「そうか」
「うん」
身体全体で背中を洗ってくるのを続けながら突然、リオの手は前へと
伸びてきて、自分の物へと触れる。今現在は半分萎えている状態だ。
「ここも良く洗ってあげるね」
「ま、待て」
「駄目。アイズ君もわたしのを洗ったんだから」
そう言って泡だらけの手で物を降れるか触れないかの所で刺激してくる。
徐々にその刺激が強くなっていき、物が硬度を取り戻した時、
ぎゅっと握られ、上下へと擦られていく。
しゅしゅ……
「くっ、り、リオ」
「ごめん。痛かった?」
「いや、違う。気持ち良すぎて出そうだから止めてくれ。出すなら
もう一度リオの膣で出したい……」
「えっ。あっ、うん」
顔を真っ赤にしながら、リオは同意してくれる。
シャワーで石鹸に包まれた部分を全て洗い流し
椅子に座る。そして、リオをこちらに抱き寄せて
再び膣へと沈めていく。
ずぷずぷずぷっ
「んふぅ、アイズ君のがまたわたしの膣に入って。はあっ」
「くうっ」
対面座位の態勢のせいか、先程とはまた違った感じで物を締め付けてくる。
これは、これでまた気持ち良かったりするが、何回も出してなかったら
間違い無く入れただけで射精してただろう。
「リオ、そっちから動いてみてくれないか?」
「う、うん……良いよ」
顔を真っ赤にしながらも素直に同意してくれるリオ。
少し、ゆっくりと腰を動かし始める。
じゅぷじゅぷじゅぷじゅぷ
リオが腰を動かすたびに結合部から水音が聞こえてくる。
それを聞いて余計に興奮したのか、リオの腰の動きが更に早くなっていく。
「はあっ、はあっ、アイズ君……気持ち良いよぉ」
「くうっ、俺もだ……」
だが、このままリオにいかされるのも何なのでこちらからも腰を動かし始める。
「んああっ、アイズく……ああっ」
「リオ、リオ」
「奥までアイズ君のが届いて……はうっ、乳首舐めちゃ、はう、噛んじゃ駄目ぇ」
ぺろぺろ、かりっ
せっかくの座位である。騎乗位とは違い、胸がすぐ近くにあるのでリオの
乳首を舐めたり、甘噛みをしながら腰を振る。更に締め付けがきつくなり
また限界が来る……
「リオ、出すぞ」
「うん。出してぇ!! 思いっきりだしてぇ!!」
「くっ、出る!!」
「んっ、いく、いくぅぅぅぅぅぅ」
どぴゅどぴゅどぴゅーーー
「あ、アイズ君の熱いのが一杯一杯、出てるのが分かるよ」
「はあ…はあ…はあ…」
本当に……四度目の射精とは思えない量だなと我ながら思う。
いつもはベッドの中だからな。風呂場でする事に自分でも興奮してたのだろうか。
そう思うしかなかった。
少し経って……
「もう流石に無理……」
「分かってる」
流石にアレだけやっておいていうのも何だが。お互いに体力を完全に使い果たした。
風呂でものぼせそうになった。もう流石に立っておくのも無理なので今はベッドの中で
互いにじゃれあうだけだ。
「はあっ。だめ」
「そう言うな。リオだって散々身体につけてくれたからな」
「はうー」
ちゅちゅ
リオの身体中にキスをしながら、キスマークをつける。
くすぐったいのか、身体を時折振るわせる。
「まぁ、とりあえずこの辺で止めておくか。またしたくなっても困るし」
「したくなっても流石に無理だよ。もう」
「そうだな」
「それよりも。寝て体力つけないと。しばらくの間、完全に休みなのに
どこにも出掛けられないよ」
「……。そうだな。明日辺りどこか遊びに行くか」
「うーん。買い物の方が良いかな。遊びに行くのはいつでも出来るし」
「そうだな。じゃあ明日は買い物だな」
「うん」
「じゃ、明日の予定も決まったし。寝るか」
「うん。ねぇ、腕枕してもらって良いかな」
「ああ、ほら」
「ありがとう」
リオの頭の下に腕を通す。起きたらしばらく痺れるだろうが
全く問題ないだろう。休みに入らないと一緒にいる時間が少ない以上
お互いに甘えるのも悪くは無いだろう。
「じゃあ、おやすみアイズ君」
「おやすみ、リオ」
疲れ果てたのか、リオはすぐに眠りについた。
その寝顔を見ながら思う。
一生守っていきたいと。永遠は存在しない。
だが、生命が尽きるその一瞬まで。傍に居て守ってやりたいと。
”死の顎と二人を分かつその時まで……”