スパイラル  

 その日は天気がよく、程よい風も吹き、絶好の昼寝日和だった。  
 それは、彼女にも例外ではなかった。  
「んー……鳴海さん、ここだと思ったんですけどねぇ」  
 彼女、結崎ひよのは背伸びをしながら、屋上を歩く。  
 いい天気、と言いながら、ひよのは、フェンスに身を預けるようにして、腰を下ろす。  
「んぅ……気持ちぃ……」  
 次第に瞼が重くなり、うとうとしながら、歩を待つ。  
 しばらくすると、睡魔にさらわれた。  

 

 夢見つつ、君想ふ  

 

 歩が屋上に足を踏み入れると、人の気配が感じられた。  
「……先客か?」  
 そこには、横になって、すやすやと寝息を立てていたひよのが居た。  
「……おい」  
 予想できなかった先客に思わず、声を掛ける歩。  
 仕方なく、ひよのの横に腰を下ろす歩。  
 ぱらぱらと、料理雑誌をめくるが、無防備な寝顔がそこにあるせいか、レシピは頭に入らない。  
「……まったく」  
 そういって、歩は愛しげにひよのの髪を触る。よく手入れされている髪は指からするすると落ちてゆく。  
「……ん……んぅ……」  
 すると、ひよのは寝返りを打ち、歩の方へ身を寄せる。  
「……っん……なる……みさ……ぁ」  
 更に身を寄せながら、呟くひよの。寝言だろうか。  
 自分の名前が呼ばれたことに、すこし、どきりとする歩。  
「……どんな夢見てるんだか」  
 頬を染めながら、歩は頬に手を置く。  
 ゆっくりと顔を近づけて、頬にキスを落とす。  
「んっ……なるみさ……好……き……」  
「……俺もだよ」  
 ひよのの寝言に、気を良くしたのか、歩は額に、頬に、唇に、触れるだけの優しいキスをする。  
 ひよのは身をよじるような動作は取ったが、起きる気配は無い。  

 

「……あ……ぅ……あさ……づ……さ……ぁ」  
 だが、次に呟かれた寝言に眉をひそめる。  
「……浅月?」  
 自分以外の男の名を口にしたことに、憤慨する歩。それでも、ひよのはのんきに寝息を立てている。  
「むかつく」  
 歩は声に出して言い、ひよのの腿をなぞるように手を置き、ショーツに指を滑り込ませる。  
「あふぁッ……んっ!?」  
 突然の刺激に、覚醒したひよのだが、歩にすかさず、口付けられる。  
 触れるだけのキスとは違い、舌を絡め、甘噛みする熱いキス。  
「んぁっ……鳴海さ?」  
 唇が離されると、ひよのは潤んだ目で歩を見つめた。  
 その顔は愛らしいが、もっと涙に歪んだ顔も見て見たいと歩は思った。  
「あんたがいけないんだからな」  
 そういうと歩は、制服の上着を剥ぎ取るように脱がす。  
「え? 鳴海さん、私、何か……?」  
 ひよのの質問には答えず、歩は強引にブラを剥ぎ取り、淡い膨らみを揉みしだく。  
「……んあっ……やっ、鳴海さん、こんなとこじゃぁッ」  
 ひよのは身をよじるが、所詮は女の力。歩に抑えられてしまう。細いと思っていた歩の腕も、まじまじと見ると、やはり、女の自分よりは筋肉質な気がする。恐怖がひよのを襲う。  

 歩は普段はしないのだが、ひよのの首筋にきつく口付け、跡を残す。それだけじゃなく、乳首を口に含んだかと思えば、やはり、跡を残す。言葉の代わりに、何かを表すように。  
「ふあんっ……鳴海さん…っあ、ごめんなさ……」  
 ひよのの言葉に腹部を這っていた歩の舌の動きが止まる。  
「何で謝る?」  
「だって、私、何かしたんでしょう……? だから……ごめんなさい」  
 瞳から大粒の涙をこぼしながら、ひよのは言った。  
「ああ、したな」  
 歩が口の端を吊り上げながら、ひよのの言葉を肯定する。  
「ひっ、私、何、しましたぁ? ……っあ、ひっく」  
 ぼろぼろと涙を流しながら、歩の制服を掴むひよの。  
「謝ります……からぁ……許してくださ……ぃあっ、き、嫌わないでぇ?」  
 許して。嫌わないで。怒らないで。  
 どうして?  
 どうして、怒ってるの?  
「鳴海さん……怒らないで……怖ぃっんあぅ!」  
 歩はショーツを剥がし、秘所を舐め上げる。ぴちゃぴちゃといやらしい水音を立てながら。  
「あっ、あっ、ふあぅんっ……っ!」  
 ひよのは、それと同じように艶っぽい声を上げる。  
「こんなところじゃ、嫌なんじゃないのか? 人が来るかもしれないぜ?」  
 人が来るかもしれない、という歩の言葉に顔を真っ赤にしながら、ひよのは声を押さえようとする。  
「声、出せよ。気持ちいいんだろ?」  
 歩は微笑を浮かべながら、ひよのの口内に指を差込、舌を弄ぶ。  
「あふぅあ……くふぅあ、んんんっ」  
「声、出せよ?」  
 そう言うと、歩は自分のモノをひよのの秘所に挿入する。愛液が溢れていたため、スムーズに挿入することが出来た。  
「あっあっあっ! い、やぁっ、あぅんんッ!」  
「嫌? こんなに締め付けてくるのに?」  
 歩はそう言って、ひよのの締め付けてくる膣の中をぐちゃぐちゃにかき回す。  
「んあっ! や、そんなにかき回しちゃ……! あん、おかしくなっちゃうっ」  
「いいよ……おかしくなって。俺だけしか見えないようになればいい」  
「あふぅ? な、鳴海さ……今なんてぇ?」  

「何でもない……っ……!」  
 言うと同時に、歩から白液が出される。  
「っあ、熱ッ……や、嫌! なるみさっ、してないっあ、でしょう……!?」  
 ひよのが羞恥ではなく、怒りで顔を真っ赤にしながら、歩に抗議する。  
 体が繋がったままなので、上手く言葉が紡げない。  
「いいだろ」  
「ッ全然良く……んぁ……ないですっ!」  
 ひよのは瞳に涙をためながら、歩を睨みつける。  
「どうして……今日、怒ってるんですかぁ? 何かしましたぁ? 挙句には、中出しするし……っ。何かしましたぁ、わたしぃ?」  
 無言で歩がモノを抜くと、愛液と共に精液と思しき液が溢れ出す。  
「……っあ」  
 ひよのの唇から嗚咽が漏れる。  
「ひっく……あ……ひっ、うっ、うっ」  
 途方も無く泣き出すひよの。  
「何故、泣く?」  
「ひっあ、だって……わかんないです……。何で怒ってるか、私が何したのかぁ、わかんないですぅあ」  
 泣き声は止まらず、涙は止まらず。  
「あんたが悪いんだよ」  

 他の男の名前なんて呼ぶから。  
 あんたは俺の名前しか呼ばなくていいんだ。  
 他の男なんて見えなくていいんだ。  
 俺だけ見えるようになればいい。  

 ばたんっと扉を閉める音がして、歩は屋上から姿を消した。  

「鳴海さん……嫌わないでぇ……」  
 涙は止まらない。  

「……何やってるんだ、俺」  
 後悔は激しい波のように押し寄せる。  

 END  

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