トントン
夜の宿屋の一室に小さなノック音が響いた。
「プリシス、おきてる?ねぇ、いいものがあるんだ!」
そういってアタシの部屋に来たのはレオン。なんかのビンを手に持ってる。
「一緒にお酒飲んでみない?オペラお姉ちゃんの拝借したんだ!」
そういうレオンの表情はいつになく嬉しそうだった。アタシも今ちょうどヒマ
してたし、いいかな。飲んでみよう。でもオペラに見つかんないくらいに
いとかなきゃね。
「いいよ。入って、一緒に飲もう。」
『かんぱーい』
アタシのベットに腰掛けて二人まわりの部屋に聞こえないように小さな声で。
「これで僕だってもう子供じゃないぞ!」
グイ、と勢いよくお酒を飲み干してそう言ってるレオン。やっぱりカワイイ。
普段はくそなまいきだけど、それは両親に会えないさびしさを
隠すため。アタシのカラ元気に似てるの…。
2人でおしゃべりしてるうちになんだか体が熱くなってきた。アタシも本当は
お酒なんて飲んだコトないんだ。ちょっとフワフワしてきた。レオンは
大丈夫かなと思ってレオンを見ると、レオンは心なしか潤んだような瞳でアタシを
見ていた。目が合った。
「プリシス、あの、あの、僕…!」
「?!」
次の瞬間、なにか重さが掛かったかと思うと視界が天井になった。ドサッという
音と共にアタシはレオンに押し倒されていた。
「えっ…」
どうしよう、これってもしかして、アタシ、レオンに…?!
どきっ、どきっ、どきっ……
アタシの鼓動はさっきよりもっと早くなっていた。そのままの体勢でちょっと。
「すぅー…、すぅー…」
ふと、安らかな寝息がアタシの耳に入った。あれ、レオン?って寝てるじゃん!
はぁ、期待(?)してソンしちゃった。やっぱアタシらにはまだはやいかもね。
枕もとの時計を 見るとすでに午前2時を過ぎていた。
でも、ま、いっか。このまま寝ちゃおう。2人こんなにくっついて寝る
事なんてなかったもん。これってかなりシアワセかも…☆
翌日、カラの酒瓶を発見され2人がオペラにαオンワンされたのは言うまでもない。