空も腹が立つくらい青い、ある日のこと。
その日、フェイトはシランド城内を散策していた。
以前何度か来たときは、慌しくてそんな暇は無かったのだが、今は状況が違った。
度重なるエクスキューショナーとの戦闘に、仲間は疲弊し、しばしの休息が必要となっていた。
そんな中、比較的疲労の少ないフェイトは、来る最終決戦に向けて情報収集を行っているという訳だ。
(仕方ないよな……ストリームに着いてからこっち、ほとんど休みなしで戦って来たんだから……)
ストリームの代弁者たちに、スフィア社のアザゼル、ベリアル、ベルゼブル。
いずれ劣らぬ強敵たちが、そんな暇を与えてはくれなかった。
否。暇があったとして、必ずしも休んだとは言えない。
銀河が消滅するその時まで、もうそんなに時間は無かった。
(……エターナルスフィアを作り出した、スフィア社のオーナーか……僕たちで勝てるのだろうか?
仮にも相手は創造主だぞ?)
そこまで考えて、ハッとなる。
「いけないよな、こんなんじゃ。僕たちは必ず勝つんだ」
改めて気を引き締め、フェイトは神学資料室へと向かった。
もしも、この星で神と崇め奉られているものが、過去にこの星に干渉したFD人だとすれば、
その神に関する資料のなかに、ルシファーに関する情報が隠されているかもしれない、そう考えていた。
「……さて、と。この中からルシファーに関する情報を探さなければならないわけか……」
考えた途端、気が滅入った。
資料室まで来たはいいが、あまりに膨大な本の数。
五万や十万ではきかない冊数が、そこにはあった。
「えー」
なんとなく嫌そうな声を上げてみるが、意味などあるわけでもなく……
結局フェイトは片っ端から本のタイトルを探ってみることにした。
アペリスの聖女について
魔剣クリムゾン・ヘイトについて
サンマイト共和国の諸問題
グリーテンの歩き方
ゲート大陸史W
七星剣技奥義書
…………
……
「……うーん、いまいちこれって言うのが無いよなぁ。っていうか司書くらい置いとけよ、全く」
などと愚痴をこぼして見る。
司書どころか、人っ子ひとり居なかった。
とはいえ愚痴をこぼしたところで何も始まらないのはわかっている。
「……どうしたものかな」
途方に暮れていると、後ろの本棚の向こうで扉の開く音がした。誰かが入ってきたのだ。
なんとなしにそちらを見ると、入ってきたのは女性の施術士だった。
きょろきょろと辺りを見回して、何かを探している。
「あー、もう」
施術士は、ショートの黒髪の先を人差し指でくるくる弄りながら、いきなり不機嫌そうな声をあげた。
(な、なんだ?)
少し怪訝に思いながらも、本棚の影から様子を伺う。
「アイツ、どこにいるのかしら」
(あいつ?)
あいつって誰だ、なんてどうでもいい事を考える。
「今、この城に来てるって聞いたんだけどなぁ……あの、青髪のグリーテンの技術者」
(僕っ!?)
どうやら、本棚の影であったために、相手には気づかれなかったらしい。
(なんで僕が探されてるんだろう)
何故かドキドキしながら息を潜める。
「うーん……あの時の「光の柱」について、あの技術者の話を聞きたいんだけどなあ」
光の柱。
エリクール第二惑星に襲来したバンデーン艦を、一瞬にして消し去ったアレである。
つまりは、フェイトの能力である、破壊の力・ディストラクション。
とはいえ、あれがフェイトによるものだと知っているのは、仲間と、あの時戦場に居合わせた兵士
くらいであり、またその兵士も女王によって口止めされている為に、あの施術士がそれを知らないのは当然だった。
(うーん、しょうがないなあ)
このままここに隠れているのも悪い気がしてきて、フェイトはゆっくりと本棚の影から出ることにした。
「えーと、あの」
「ああああああぁっ!?」
出るや否や、女性施術士はフェイトを指差して声を張り上げた。
(……ここが資料室だって、忘れてないか)
他に人が居ないのだから、実はどうでもいいことなのだが……軽く耳鳴りがする。
「もしかして、今の全部聞いてたりする?」
「聞いてたけど」
「あー、もう。全く、居るなら居るって最初に言いなさいよね。人が悪いやねー」
施術士はぷーっと頬を膨らませてフェイトを睨む。
その仕草が、やけに可愛く見える。
(結構、美人かな)
理由はどうあれ、美人に探されて悪い気はしない。フェイトは少し嬉しくなった。
「なーににやけてんのよ」
「え」
知らず、顔が緩んでいたらしい。
「い、いや、そんなことないよ。ところで、僕に話があるんじゃないの?」
「あ、そうなのよ」
どうやら話を逸らすことには成功したらしい。
「あの時の光の柱……ほら、星の船をやっつけたヤツ……あれ、何なの?」
予想通りの質問。
(なんて答えたらいいかな……まさか、本当の事を言ったところで信じてもらえるとも思えないし)
「言っとくけど、適当に誤魔化そうとは思わないでよ。誰がやったのかはわかってるんだから」
「ぶっ」
つまりは、アレがフェイトの力だとばれているという事だろうか。
(そんな馬鹿な)
「え、えーと、それってどういう意味だい」
できる限り平然を装って、できるかぎりの笑顔で尋ねる。
「あたしの情報網を甘く見てもらっちゃあ困るわねー」
施術士はフフン、と鼻を鳴らし、腕組してフェイトを見る。
「あれ、あんたがやったんでしょ」
(うわ、ほんとにバレてるよ)
フェイトは頭を抱えた。何故こんな極秘事項が一介の施術士にバレているのだろうか。
「ね、アレって結局なんなの? グリーテンの新兵器? それとも秘術とか?」
施術士は目を輝かせていた。生来の探究心が疼くのだろう。
まるで、夢見る子供のような期待に満ち溢れた瞳でフェイトの返事を待っている。
(……仕方ないな)
フェイトは観念して、静かに言葉を紡ぎ始めた。
「……あれは、うん、えーと……グリーテンの新兵器でないことは確かだよ。どちらかといえば、
紋章術かな」
「もんしょうじゅつ?」
施術士の頭に疑問符が浮かぶ。
「君たちの国で言うところの、施術に近いものさ。特定の紋様を身体に刻むことによって、火や水、
雷といったものを自在に操ることができる」
「へー……」
(まあ、厳密に言えば紋章術とも異なるものなんだけど)
フェイトの場合、これは遺伝子を改造された結果得た力であり、身体に紋様を刻んでいる訳ではない。
とまあ、遺伝子の話をしたところで、この施術士が理解できるはずもないのだが。
「にしても、初めて知ったわ。グリーテンにも施術のようなものが存在しているのね」
「え、ああ、これはグリーテンの話じゃないよ。僕の生まれ故郷の話」
言ってから「しまった」と思った。
「はあ? あんたグリーテンの技術者じゃなかったの!?」
「あー……えーと、その……」
「…………?」
先ほどから一転、施術士は懐疑の眼差しを向ける。
「じ、実は、僕とクリフは純粋なグリーテン人ではないんだ。移民って言うのかな。
もう少し遠くの国からグリーテンにやって来たんだよ」
我ながら、よくもここまで口が回るなと思うフェイト。
(クリフの影響かもしれないな)
などと考えて見る。
「ああ……そういう事か。通りで」
「ん?」
「だって、あんたってば私の考えてたグリーテン人とは全然違ったから。ほら、アンフロックだっけ?
グリーテンの人種って、もともとは施力を大量に含んだ岩が、知能を持つに至ったって話じゃない。
……移民かぁ、なるほど」
どうやら誤魔化せたらしい。
「するとあんたのお父さんが連れ去られたのも、他民族とのイザコザってところかな?
あそこは民族間の問題がやけに多いからねー。……特に先住民族との」
一人で結論を出して、一人で納得を始める施術士。
「あ……うん、まあ、そんなところかな」
もう父の死を克服したとはいえ、やはりその言葉を聞くと少しばかり辛い。
胸の奥がズキンと痛んだ。
「と・こ・ろ・でぇ……ね、ちょっと協力して欲しいんだけど」
施術士が、小悪魔っぽい笑みを浮かべる。
「協力?」
「そ。ああ、難しいことじゃないわよ。ちょーっと、あんたの身体を調べさせて欲しいのよね」
どこから取り出したのか、きゅぽんと音を立てて小瓶の栓を抜くと、中の液体を突然呑み始める。
「身体を調べるって……」
(そんなの嫌に決まってるじゃないか)
当然、断ろうと口を開きかけた瞬間。
「んむっ」
施術士の顔が、フェイトの目の前にあった。
唇にやわらかいものが当たっている。
施術士の唇が、フェイトのそれに合わさっていた。
「っ……ぅ……」
突然の出来事に思考が停止し、頭が真っ白になる。
施術士は半開きになったフェイトの唇の間から舌を挿し込み、
それをレールにして何か液体を流し込んだ。
「んっ!? む……くあっ」
慌てて唇を離すが、時既に遅し。
液体はほとんど喉の奥へと入っていた。
「な、なにを」
「私のお手製媚薬。って言っても、まあ、軽い弛緩剤程度の効果しか無いわよ。
ほら、その方が身体を調べやすいじゃない?」
「調べやすいって……うあっ」
一瞬、グラリと視界が歪み、数歩後ずさる。
(あれ、頭がぼーっと……)
「んじゃ、ま、始めるねー」
先ず、施術士はフェイトの上着を脱がしにかかった。
ベルトを外し、上着のファスナーを下ろす。
「ちょっ……待っ……駄目だって、そんな、名前も知らないのに」
身体を調べるという行為に、相手の名前を知っている必要があるのかどうかは分からないが、
何とか理性を保ちつつ、脱がされそうになっている上着を力なく押さえる。
「あたしは知ってるけど? フェイト君」
やけにあっさりと言う施術士。
まあ、フェイト自体この国では有名人な訳だから、名前くらい知っていても不思議ではない。
「でも、僕は知らない」
「知りたい?」
再び小悪魔の微笑。
フェイトはコクと頷いた。
「……セシリア。セシリア=アンダーソン。よろしくね」
「セシリア……」
熱に浮かされたように名前を呼ぶ。
「じゃ、自己紹介も済んだところで、続けるよ?」
「あ……うん……」
こんな場所、こんな状況で自己紹介とはおかしな話だが、もはや意識は朦朧としており、
何も考えられなくなっていた。
セシリアが、フェイトの腕や胸に手を当てる。
「心拍数、脈拍数、やや高めだけど、まあ異常は見られないわね」
やや高めなんてものではない。
フェイトからしてみれば、心臓は破裂しそうなほどに激しく鳴っていた。
「じゃ……今度は「こっち」を調べるとしますか」
「えっ!? あっ!!」
気づくと、セシリアは既にフェイトの足元にしゃがみ込み、ズボンを下ろしていた。
「あっ、ちょっ!!」
ズボンの下から、フェイト自身の生殖器官が姿を現す。
外気に晒されたフェイトのそれは、これ以上ない程に張り詰めていた。
「うわ……おっきー……男のコレって、こんなんなってるんだ。初めて生で見たぁ……」
生で見た、というのは、おそらく書物での知識と比較してのことなのだろう。
「ちょっと触るよ……?」
そう言うと、セシリアがフェイトのそれにおずおずと手を触れた。
「くっ、あ!!」
ビクン、とフェイトの身体が跳ねる。
「あ、ごめん……大丈夫?」
「へ、平気……続けて」
「うん……」
既に2人とも、極度の興奮で当初の目的を忘れていた。
セシリアの細く白い指が、フェイト自身をやさしく包み込むように触れる。
「……えっと……確かこういうときって、口で……するのよね、うん……」
「え……ふ、あぁうっ」
「んっ……」
次の瞬間、セシリアはフェイトのそれを口にくわえていた。
「はむ……んぅ……む、あっ……」
「く……う」
心地よい刺激が、フェイトの下腹部を襲う。
「んふぅ……んっ、んっ……ふはっ」
「せ……セシ、リ……」
「んっ……む、ん……」
もう限界だった。
首筋から下腹部へゾクゾクと震えが走り、やがてフェイトの奥に溜まっていた
熱いモノが込み上げてくる。
「く……あぁぁぁっ!!」
「ひゃぅ……あっ!?」
絶頂に達すると同時に先端から放出された大量の白濁液は、セシリアの黒い施術衣を、
上から下まで白く染めあげていった。
「はあ……はあ……はぁっ、あ……」
「……んぅ……汚れちゃったじゃない……」
セシリアが、自らの顔に付着した白濁液を指ですくい、そのまま口へと運ぶ。
「……変な味ぃ」
フェイトの中で、本能が理性に打ち勝った瞬間だった。
フェイトは勢いをそのままに、セシリアを近くの机に押し倒した。
8人程度が座れるほどの大きさの机であり、下手なベッドよりもよっぽど広かった。
「ちょっ……フェイ、ト……んむっ」
フェイトの唇がセシリアの唇を塞ぐ。
そのまま舌を挿し入れ、セシリアの口腔内の感触を味わう。
「む……ふぁ……ひっ……ひあぁぁん……」
フェイトが左手を胸に這わせると、セシリアの身体がこわばった。
気にせず左手に少しだけ力を入れる。
「ひっ、ん……ふ……うぁぁ……」
「……ん……これ……」
胸の一部分が、服の上からでも分かるほどに硬くなっていた。
「……感じてるんだ、セシリア」
「ひぅ……そっ、そんな事……あっ」
言い終わる前に、胸のその部分を人差し指でしきりに刺激する。
「はっ……あっ、あっ……くぅっん……」
セシリアが切なそうな声を聞きながら、今度はスカートの裾から右手を潜り込ませた。
太ももを撫でるように奥へ進むと、やがてその付け根まで辿りつく。
「…………」
パンティの上から触れてみると、そこはしとどに濡れており、
張り付いたパンティにクレヴァスの形がくっきりと浮かび上がっていた。
トン、と中指で軽く叩いて見る。
「っ!!」
先ほどのフェイトと同じく、セシリアの身体がビクンと跳ね上がった。
「こんなに濡らして……セシリアって、結構エッチな身体してるんだ」
続けざまに指で何度か、線に沿って強くなぞる。
「ひぅっ……ふあ、あふぅ……」
指を這わせる度にセシリアは甘い吐息を漏らした。
「セシリア……全部脱がしても、いい?」
フェイトが訊ねると、セシリアは小さく頷いた。
腰の帯を解くと、スルっ……と連鎖的に服がはだけ、
決して小さくは無い双丘がフェイトの前に露になった。
桃色の先端はツンと尖り、激しい呼吸に合わせて白い肌が上下する。
「あ……」
セシリアが小さく恥じらいの声を上げる。
フェイトはそのまま、セシリアの胸の先端にしゃぶりついた。
「んっ、ふっ、はっぁ……ふっ、あっ、あっ……」
初めて感じる、くすぐったいような不思議な感覚に、セシリアの意識はどこか遠のき始めていた。
頭が重く、喉が焼ける様に熱い。
セシリアの胸を一心不乱に貪る一方で、フェイトは彼女の下半身を覆う邪魔なものを取り去ろうと
必死だった。
帯が解けたことで下半身を覆うスカートは無くなったが、まだパンティが残っている。
フェイトはセシリアを隠す最後の砦に、そっと手をかけた。
「ふぇっ、やぁぁ……」
セシリアの口から、否定的な言葉が漏れた。
だが、フェイトは敢えてそれを無視すると、最後の砦を一気に膝まで下ろした。
「いやぁぁん……」
恥ずかしさに、両手で顔を隠す。
セシリアの反応とは対照的に、そこは愛液にまみれてぐしょぐしょになっていた。
「うわ……凄いな」
思わずそんな言葉が口をついて出た。
「ふぇぇっ……恥ずかしいからぁ……」
セシリアが涙目になって訴える。
フェイトは優しく微笑みかけると、セシリアに優しくキスをした。
少し触れ合うだけの、軽い口付け。
フェイトは、セシリアの両足の間に割り込むように移動すると、その秘所に自分のものを近づけた。
「……いい?」
最後の確認。
「……んっ。いいよ……」
フェイトはもう一度軽く口づけすると、一気に腰を突き入れた。
「ひっ……うぅ、あぁ……あぐっ、ああああっ」
一瞬、なにか軽い抵抗を感じたが、そのまま奥まで突き入れる。
「う……あ、う……」
「大丈夫? もしかして……いや、その」
「…………うっ……ん」
男性器を初めて見たという時点で気づくべきだった。
少し後悔しながらも、フェイトはゆっくりとグラインドを始めた。
「ひっう……いっ……たぁい……」
「っ……」
セシリアの膣内は思ったよりも狭かった。
どくどくと脈動する肉壁が、ぎちぎちとフェイトのモノを締め付ける。
「ふっ……あぅっ……ぅん……あああっ……ひあ……」
しばらく出し入れを繰り返していると、やがてセシリアも感じてきたのか、
喘ぎ声に甘いそれが混じり始めた。
それに伴い、膣内も徐々に滑りが良くなっていく。
「ひっ、はっ、あぅっ、んっ、あっ、あうっ……フェ、フェイトぉっ、へんっ、へんなのっ。
ふぁっ……ひゃっん……な……なんにも……なんにも考えられ、なあっ……」
「セシリア……セシリアっ……」
「ひっあ……もっ……駄……目ぇぇ……何にもぉっ……頭の中ぁっ……真っ白だよぉっ!!」
「ふっ……あああっ!」
「ひっはあああああっ、うあああああっ!!」
フェイトは絶頂を迎えると、大量の精をセシリアの奥深くへ注ぎ込んだ。
「うぁぁ……膣に……膣に出てるよぉっ……いっぱい……いっぱい……」
共に果てたセシリアは、胎内に感じる奔流に再び絶頂を迎える。
フェイトはそのままセシリアの上に倒れこみ、その余韻に浸かるのだった。
あれから時は流れ……
ルシファーはフェイトたち一行の手によって倒され、世界は何事も無く平穏に時を刻んでいた。
━━シランド城内・施術資料室━━
セシリアは今日も本の虫だった。
「ねー、ちょっとぉ」
あの日交わった机。その椅子に腰掛け、一冊の本と格闘しながら、難しそうな顔で隣の席に座る男を呼ぶ。
「んー? どうしたんだい、セシリア」
隣の男はフェイト=ラインゴッド、その人である。
「いやーね。これなんだけど」
「?」
セシリアが広げて見せた本の内容は、火の施術と水の施術の反発・増幅作用に関するものだった。
「大気圧がこの状態の時、水の施術の影響が大きくなるのはわかるんだけど、
どうしてここから湿度を3%引くだけで火の施術の影響率がこんなに高くなるのかしら?」
「うーん」
と言われても、そんなに施術に詳しいわけではないので、どう答えたらいいか迷ってしまう。
「……まあ、そうなるから、なるんだろ?」
あまりにアレな答えに、セシリアも思わず言葉を失う。だがやがて、
「…………ま、それも正論か」
と小さく笑うと、フェイトの肩にもたれかかった。
「世の中、何が人生変えるかわかんないものよねー」
「それは僕の台詞だって」
苦笑して、フェイトはセシリアの頭を撫でる。
今日も空は青い━━━━。