2、3月14日  
 
今日はホワイトデー。  
男の子が女の子にお返しをする日ですね。  
そして、バレンチノ司祭のおかげで結婚できるようになった二人が  
改めて結婚式を挙げた日でもあります。  
ロマンチックな話ですね。  
 
これは、そんなロマンチックのカケラも無い二人の話です。  
 
「今日、ホワイトデーだね〜」  
「そっ、そうだね……」  
フェイトってば仕事が忙しくてすっかりそんな事忘れてました(汗)  
「ねぇ、フェイト。この前食べ残ししたんだから、ちゃんとお詫び  
の品くれるよね?」  
屈託の無い笑顔を見せるソフィア。あぁ、その笑顔が胸に刺さる。  
フェイトピンチです…… アレを使うしか無いみたいです。  
「も……もちろんじゃないか……」  
そう言って、ベルトに手をかけた瞬間  
「"僕のホワイトを受け取って"は去年したよね?」  
とソフィアの声が飛んできました。  
 
ヤバイです……  
顔は笑顔のままですが、その奥に何か得体の知れないものを感じます。  
けど、この状態では最後までやり通すしかありません。  
 
「ぼ……僕のキャンディスティックを思う存分舐めてくれ!!」  
 
「うふふ。ねぇ、フェイト?私がどうやって飴食べるか知ってるよね?」  
……ソフィアは飴を噛んで食べる人なのです。  
瞳が笑ってません、ソフィア真剣です。  
 
(殺られる)  
 
そう感じたフェイトは、自分のプライドを全てかなぐり捨て  
一つの行動に移りました。  
 
土下座……。  
 
「すいませんでした!この前欲しがってた指輪買いますから許して下さい!!」  
「ホント!?わ〜い」  
 
どうやら、命は助かったようです。  
『普段、大人しい子を怒らせてはいけない』  
そんな事を久しぶりに思い出させてくれた日でした。 

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