ジェミティ市にある、エターナルスフィアの大型端末の所にフェイト達はいた。
自分達のいた銀河系へ帰るため、マリアの作業が終わるのを待っているのだ。
「終わったわ、これでエターナルスフィアに戻れるはずよ」
背伸びをしながら、マリアはその事を皆に告げた。
「もう終わったのか、さすがマリアだな。で、何処にいけるんだい?」
「ヴァンガード3号星とエリクール2号星、後はムーンベースに行けるみたいね。」
「そうか。それじゃ、この後の事を決めようか」
全員が装置の前へ座る。それを確認してフェイトは口を開いた。
「ロストシティへ行く為の手続きが、今から二日かかる。それで、今からは自由行動にしようと思うんだ。その二日間の間に、ここへ戻ってきて戦うかどうかを決めて欲しい」
それを聞いて、クリフが首を捻りながら言った。
「それはいいんだが……ここに帰ってくるのはどうするんだ?嬢ちゃんの力が無いとFD世界には来れないんじゃ無いのか?」
「それについては大丈夫よ、
移動したときに出来た道が帰りも使えるはずだから。
ただ、私がいないとFD世界に体を存在させる事は不可能だから時間は間違えないでね」
そう言って、マリアは全員に時計を渡した。
「この時計が明後日の午後3時になった時に、最初に出た場所に居てくれれば、私がここへ転送するわ」
「わかった。俺はエリクールに送ってくれるか?
どうしても、話をしておきたい相手がいるんだ」
「ええ、わかったわ。他の皆はどうするの?」
「おい、俺が住んでいたのは何て所だ?」
皆の顔を見渡しているマリアにアルベルが聞いた。
「エリクールよ。アナタもそこでいいのね」
「あぁ……」
「ソフィアは?」
「う〜ん、私はムーンベースに行って来るよ」
「そう。じゃ、順番に行くわね。二人ともそこに立って」
「おう」
「ああ」
二人が円の中心に立った時、黄色い光が二人を包む。
その光が消えたとき、二人の姿も消えていた。
ソフィアを送るため、もう1度同じ作業を繰り返す。
そして、フェイトとマリアの二人が残った。
「フェイトは何処へ行くの?」
「僕はヴァンガードだよ。あの星に落ちたとき、世話になった子達がいてね」
「それじゃ、行きましょうか」
「うん」
ユニットデータ フェイト・ラインゴット マリア・トレイター ヲ ヴァンガード3号星 ヘ転送シマス。
コンピューターの無機質な声に送られ、
二人はヴァンガードへと向かった。