「今日はついていたよなぁ、いきなり入手フォル2倍のボーナスが出るんだもん。
その後も最後までボーナスが続くなんて、なんてラッキーなんだ。
今なら言えるぞ、かかって来いおみくじっ、僕が大吉を出してやる!」
意気揚揚と町の中を歩く、一人の少年がいた。
「おいフェイト、あんまり叫ぶなよ。さっきすれ違った親子連れがひいてたぞ」
少年をフェイトと読んだ大柄な男が、彼の後ろから呆れたように忠告する。
他の仲間は、おのおの個人的な用のため、散開していた。
「ごめんクリフ―――それじゃあファクトリーへ行こうか。
今日はツキがあるからいろんなアイテムが作れそうなんだ」
「お前、ほんとに好きだよな。
いっとくが、一番アイテムクリエーションでお金を使ったのは
お前さんだからな。もう少し自粛したほうがいいんじゃねえのか?
なんか別の目的で作ってる気がするぜ」
クリフと呼ばれた男はフェイトに疑問の眼差しをつくった。
「なに言ってんだよクリフ。僕は少しでも良いアイテムを作って、
戦闘に役立てたい。その心でいっぱいさ」
嘘である。フェイトは、新アイテムを作って
ウェルチに褒められたいという、邪な心を備えていたのだ。
「まあ、別にいいがな―――おっ、ファクトリーが見えてきたぜ」
「ほんとだ。よぉし、頑張って新アイテムを作るぞぉぉっ!」
フェイトは握りこぶしを掲げて、ファクトリーに入っていった。
「やれやれ仕方ねぇな、俺も付き合うか」
クリフはお手上げのポーズをしたが、顔は笑っていた。
なんだかんだ言って、フェイトのことを気に入っているのだ。
アイテムクリエーション。
それはおのれの知恵と技術で、新たな道具を作成する方法のことである。
うまくいけば、以前から店においてあるものよりも、
破格の効果を引き出すものが完成することもある。
冒険を楽にするためには、かかせない作業なのだ。
この世界を救うという使命をもったフェイト達は、少しでも良いアイテムを作るため、
頑張って頑張って頑張って作業した。
しかし頑張りすぎた。金欠になったのだ、制作費を使いすぎた為に。
しかたなくフェイト達資金を稼ぐ為に、
町の周辺でセコセコ敵を倒していたのだった。
これは、フェイト達が町に戻ってきてからのことである。
「今日もお邪魔するよ―――あれ?」
フェイトはファクトリーに入ると、机の上に紙切れが置かれているのが目にはいった。
どうやら、何か書かれてあるようだ。
「なんて書いてあるんだろ―――」
フェイトは紙に書かれてある文字を読んだ。
「な、なんだってええぇぇぇぇっ!?」
フェイトは驚愕した、目を疑った、ちょっとちびった。
「どうしたんだフェイト!?」
「ク、クリフこれ見てよ」
「なんなんだいったい・・・こ、こいつぁ―――」
クリフが見たもの、それは請求書だった。
別に、請求書の文字が血のように紅い色で書かれているから
驚いているわけではない(ほんとに血で書かれているのかもしれないが)。
問題は請求金額だった。
「どういうことだよ!今日僕たちが稼いだ金額の、
倍以上請求されているじゃないか!?」
「ああ、しかもよく見てみると、制球内容が全部食品ときたもんだ」
「誰なんだよ、こんなに注文したのは!?
これじゃあ今日も明日もアイテムが作れないじゃないか!」
フェイトは頭をかかえて落胆する。
残念だ、ウェルチに褒められなくなって。
そこに、扉を開ける一人の影がいた。
「ただいま―――あれ、マスター帰ってたんですか?」
「お帰りエリザ、どうしたんだいその荷物は?」
「これですか?うふっ、いろいろ小物を買っちゃいました。
だって、町に出たら色々な物がアチコチにあってチラチラ目移りしちゃうんですもの」
エリザと呼ばれたこの少女は、錬金クリエイターの一人である。
まずしい家庭に生まれた為、
収入が不安定なクリエイターになることには、周りから反対されていた。
しかし、フェイトが10000フォルを援助した為に、
こうしてファクトリーで作業をすることが出来るようになったのである。
「見たところ、食料は買ってないよな・・・」
フェイトは荷物の中身を一瞥したが、鉱石や日用品しか入っていなかった。
「どうしたんです、マスター?」
エリザは好きなことをさせてもらえる感謝の意を込めて、
フェイトのことをマスターと呼んでいるのだ。
「ねえ、この請求書に心当たりはないかな?
僕たちはこんなに注文した覚えはないんだ」
「どれどれ・・・、うわっ、凄い数の食料を注文してますね」
「エリザじゃないのかい?」
「あたしじゃないですよ、
今ダイエット中だから、間食もしないようにしてますし」
「じゃあ、注文したのはいったい誰なんだ?」
フェイトは弱った。今、このファクトリーにいるのは、
フェイト・クリフ・エリザの3人しかいない。
他のクリエイターは別の地区で作業を伝えているので、
ここにはいないはずだった。
「そういえばよ―――」
ここまで沈黙を保っていたクリフが口を開く。
「お前、最近新しいクリエイターを雇ってなかったか?」
「あ、そういえばマスターがいないときに、
金髪の女の人が入ってきたことがあります。
自分は新しくここで働くことになったって言いながら、
入り口のうまい棒をくすねて、すぐに去っていきましたけど」
「最近雇った金髪の女の人のクリエイター・・・?うーん」
フェイトは腕組みをして考えた。
考えて考えて、そして思い出した。
「そういえば、激しい戦闘で疲れて町にもどったとき―――」
フェイトは少しずつ回想していく。
「回復アイテムを補充しようと食料品店に立ち寄ったら、
お腹をすかせた女の人がいて―――」
「ふむふむ」
「それで、どうしたんですか?」
クリフとエリザが続きの言葉を待つ。
「彼女になにかおごろうと思って、欲しいものを尋ねたよな、確か。
それで、ゴールデンカレーが欲しいといったから、
ひとつあまってたのをあげたら・・・、あっ」
「どうした?」
「なにかあったの、その女の人と?」
「カレーのお礼に僕に雇われたいと言ったから、
勢いでOKした気がする・・・」
フェイトは申し訳なさそうに頭を掻きながら言った。
「なんでそんなことを忘れてたんだてめぇは!」
「戦闘で疲れてて忘れてたんだよぉ・・・」
クリフの怒鳴り声にフェイトはびびってしり込んだ。
「それでその女の人の特徴はどんな感じでしたか?」
「あんまりよく覚えてないけど、金髪でタレ目で
おっとりしていた雰囲気だったと思う・・・、
あぁ、なんか綺麗だったような気が―――」
「もうわかりました、マスター。
たぶんあたしが見た人と同じです」
エリザが不機嫌そうに答える。
フェイトに好意を抱いているエリザとしては、
他の女性のことでニヤついて欲しくなかったのだ。
ただ、エリザは知らなかった。
フェイトに濃厚に愛し合っている恋人がいたことを。
「けどよ、そいつが全部これだけの食料を頼んだっていうのか?
俺たちクラウストロ人でもこんなには食べれないぜ」
クリフ達クラウストロ人は、他の人種とは比較にならないほど優れた肉体を有している。
そのため、多くの食料を摂取する必要があるが、
請求された食料の品数は、それを上回っていた。
「別に一人で食べる必要はないですよ。
あの女性が仲間のぶんもまとめて、
代金をこのファクトリーにつけておくように請求したと考えても、
別に不思議ではありません」
「そいつもそうだな、まあ詳しいことは
女性をひっ捕まえればわかるこった」
クリフは両手をグーとパーで叩きあわせた。
「マスター、女性の名前はわかります?」
「ええっと、確かリジェールって言ってたような・・・」
「リジェールだな。よっしゃ、聞き込みに行くぜぇ!」
クリフは勇んでリジェールを探しにいこうとした。
しかし、扉から入ってきた一人の女性に入り口をさえぎられた。
「リ、リジェールさん!?」
「・・・・・・ぃ・・・」
リジェールと呼ばれた女性は、突っ立ったまま何かをつぶやいた。
そして、不意に前に倒れた。
「うおぉっと!?」
クリフが慌てて受け止める。リジェールはぐったりとしたままだ。
「は、はやく薬箱を!」
「わ、わかりましたマスター、急いでとって来ます!」
フェイトとエリザは、汗を飛び散らせるかのように焦っている。
「眠い・・・」
リジェールが小さくつぶやく。
「えっ?」
「お腹いっぱいだと眠くなります・・・ぐぅ」
そのままリジェールはスヤスヤと眠りについた。
「・・・とりあえずホテルに連れて行くか」
「そうですね・・・」
「僕が彼女をおぶっていくよ・・・」
フェイト達は目の前の出来事に呆気にとられながら、
となりのホテルに、リジェールを連れていった―――。
「ふわぁ〜あ・・・」
リジェールを宿屋に連れて行ってから、小一時間。
ベットに寝かせていた彼女が目を覚ました。
「おっ、目がさめたな」
「すみません 、勝手にこんな所に連れてきちゃってしまいまして」
「む〜・・・」
リジェールは眼をパチパチさせながら、
フェイトとクリフを顔を横にして見やる。
「寝たりない〜」
そしてリジェールは再び眼を閉じた。
「寝るんじゃねえぇぇぇっ!」
「うわぁぁぁ、落ち着けよクリフ!?」
リジェールにマイトハンマーを喰らわせようとしたクリフを、
フェイトはなんとか止めさせる。
「うるさい〜・・・眼が覚めちゃったなぁ」
どうやら今の掛け合いで、リジェールは起きることにしたようだ。
腰まで起き上がり、眼をゴシゴシこする。
「あれ〜?わたしの服が変わってる・・・?」
「ああ、エリザ―――は今ここにいないんだっけ。
女性の友達に服を着替えさせてもらったんです。
荷物はここのベットのそばに置いてありますから。
そのパジャマは宿屋にあったのを貸してもらいました」
ちなみにエリザは少し前に、ファクトリーに戻って作業を再開すると、
言い残して部屋からでている。
「さて、早速だが説明してもらおうか。
なぜ、俺たちの工場に勝手に請求書を送りつけたんだ?
素直に白状しねぇと、痛い目にあってもらうからな」
クリフは冷たい視線でリジェールを見下ろしながら言った。
「やめろよクリフ!リジェールさんにそんなことをするなよ!」
暴力を防ごうとフェイトは二人の間に割って入る。
「馬鹿、はったりに決まってるだろ、フェイト。
こんな美人の女に傷をつけちゃ、100万フォルを失うのと一緒だぜ」
クリフはやれやれと両手を広げて説明する。
「よかった・・・。リジェールさん、改めて説明をお願いしたいんですが」
「う〜ん、そういわれても・・・。フェイトさんは私の雇い主ですから、
雇い主の名前で払うのが普通ではないのかなぁて」
リジェールは眠たそうな表情のまま答える。
といっても彼女は、一日中気だるいままなのかもしれないが。
「どうしてそんなことが普通なんですか・・・」
「違うんですかぁ?家にいたときは、
お父様がなんでも買ってくれてたのですけど〜」
リジェールはさも当然といった風に答える。
「けっこうお金持ちなのかなあ・・・?
だったら、どうして今回もお父様に頼まないんですか?」
「あの〜わたし・・・、貴族の娘なんですよ」
真剣な口調で激白するリジェール、顔は眠たそうなままだが。
「わたし、小さい頃から何不自由なく育てられてきました。
本当にお父様・お母様たちには感謝してます」
「だったらどうして―――」
「黙って聞こうぜ」
クリフはフェイトに口を出さないように注意する。
「わたし、料理をする使用人をみて、とっても面白そうだなぁって思ったんです。
料理っていいですよね!果物や野菜を自分で美味しくすることが、
心がルンルンとしてすごく面白いんです!」
ウキウキと話すリジェール、しかし不意に表情が暗くなる。
「でも、わたしが料理をしようとすると、
両親が危ないからっていつも止められるんですよね〜。
今まではコソコソと隠れて料理をしてたんですけどね、
ある日、包丁で指をチクッと切ってしまったのがばれて、
料理することを諦めるまで部屋にバタンと閉じ込められたんですよ」
「すごい過保護だよな・・・」
「まったくだ」
「だけどわたし、どうしても料理を続けたいんですよ〜!
料理を諦めたと嘘をついて部屋から出させてもらい、
隙をついてササッと屋敷から逃げてきました!」
リジェールがグッとこぶしを握り締める、おっとりとした顔で威圧感は感じられないが。
「は〜、でもわたしって、ちょっと人より食べ過ぎるんですよね〜。
持ってきたお金も食事であっという間にスッカラカンになりました。
カルサアについたときはもう一フォル無しで、
お腹すいた・・・、ゴールデンカレーを食べたいなぁと思っていたら、
フェイトさんにおごってもらったんです。
それでクリエイターになって欲しいと言われたので、
わたしの主人になってくれるなら何でも買ってくれると思って、
喜んで引き受けました」
リジェールはなおもまくし立てる。
「それでファクトリーに来てくれって言われて、次の日にチャチャッて行きましたけど、
シーンとして誰もいないか、いても女の子だけなんですよね。
フェイトさんに許可をもらわないと勝手に作っちゃいけないと思いまして、
テクテクと食べ歩きをしながら、待ってたんです。
でも今日は食べ過ぎましたね〜、ついウトウトと眠くなって
ファクトリーに来てしまい、そのまま眠ってしまいました。
はぁ〜、全部言えたぁ〜」
リジェールはすべてを言えた安堵感のため息をつく。
「ふむ、つまり世間知らずのお嬢様に関わられたってわけだな」
リジェールの長い告白をクリフは一行であっさりと片付けた。
「で、どうすんだフェイト?どうやらさらに請求書が来るみてぇだが、
リジェールに払ってもらうのか?」
「いや、その必要は無いよ。
僕も責任の一端を担ってるみたいだし、僕たちで頑張って働いて返そう」
「いいのかフェイト?
さっきはアイテムが作れないって、かなり落ち込んでたじゃねぇか」
「クリフ、僕は思うんだ」
真剣な顔をして、フェイトはクリフと向き合う。
「綺麗な人は何をしても許されるという法律があっても良いんじゃないかって」
「ははっ、違いねえな」
クリフはフェイトと握手を交わす。商談成立の証だ。
「あのぅ〜、それでわたしは本当に雇ってもらえるんですかぁ?」
置いてきぼりにされて、リジェールはちょっと寂しかったのか、
トーンダウンした声質でたずねる。
「もちろん歓迎するよ。さあ、一緒にファクトリーへ行こう」
「ありがとうございます〜、体がフワフワ浮いた気分です。
えっと、これはお礼の印として渡そうと思ったものです、どうぞ〜」
リジェールが荷物の中から取り出したもの、それは酒であった。
一升瓶になみなみと入っており、嗜好の絶品というラベルが張ってある。
「うほっ、うまそうじゃねえか。フェイト、お前は未成年だからな。
こいつは俺が全部いただくぜ」
クリフは酒をふんだくると、ふたを開け、一気に飲み干す。
「豪快だなあ」
フェイトは飲みっぷりに感心している場合ではなかった。
リジェールが彼女なりに慌てた様子で言った。
「あのぅ〜、そのお酒は純度50%以上ですから、
本来薄めて飲むものなんですけどぉ〜」
「うえっ!?じゃあ、そのままで一瓶飲むとどうなるんです?」
「それはもうグググッと酔いが体中に回ってしまい―――」
「プハアァァァ、旨かったぜ。やっぱいい女の作る酒は格別だな」
一瓶飲み終えたクリフが満足の笑みを浮かべる。
顔は酔いで早くも高潮し、眼が据わっていた。
「なんか体中がムラムラと興奮してきたぜ・・・。
リジェール、お前は見れば見る程色っぽい身体をしてやがるな」
クリフがリジェールの身体をなめるような目つきで見る。
まるで獰猛な野獣のようだ。
フェイトは只ならぬ気配を感じた。
「どうしたんだよクリフ、酔ったにしてもおかしすぎるよ!?」
「ん〜、そういえば隠し味で媚薬を入れた気が・・・」
「まずいじゃないですか、それじゃあ!クリフ、早くここから出るんだ!」
「うるせえ、てめえは黙ってろ!エリアルレイドをくらいたいのか!?」
クリフの一括で、フェイトは蛇ににらまれた蛙の状態になってしまう。
「リジェール、お前の得意分野はなんだ?」
「う〜ん、ワインやデザートが得意ですよね」
「デザートってこたぁ、うまい棒も得意なのか?」
「う〜ん、得意といわれれば得意かなぁ」
「そうか」
不敵な笑みを浮かべるクリフ。唐突にズボンを脱ぎ始めた。
「では俺のうまい棒を試食してもらおうか」
クリフは己のそそり立ったもモノを、リジェールに見せつけた。
「でえぇぇぇぇっ!?」
クリフの乱心ぶりに、思わず絶叫するフェイト。
(なんて大きいんだ!?)
モノの大きさを見て驚いたのも、若干声に含まれているが。
リジェールはキョトンとしていたが、やがてクリフのモノをまじまじと見つめ出した。
「へぇ〜、これが男の人の、オチ○チンなんだぁ。
うわぁ〜、始めてみちゃった」
「うぇっ!?」
予想外の反応に、情けない声を出すフェイト。
「リ、リジェールさん何言っているんですか!?
早く逃げましょうよ!」
「別にいいですよぉ、フェイトさん」
落ち着いた声でリジェールが話す。
「わたし生まれてから一度も男の人と付き合ったことが無いんですよ〜。
いつも官能小説を読んでは、どんな感じなんだろうなぁって、
一人で妄想していました。
でももう23ですから、そろそろ生で体験したいんですよね。
雇い主になってくれるお礼ということもありますから、
喜んで試食させていただきます」
リジェールはベットから降り、クリフの前に四つん這いになった。
「話はまとまったぜ。なんならお前も参加するか?」
「え・・・、ぼ、僕はいいよ。今はマリア一筋なんだ」
慌ててかぶりをふるフェイト。
一瞬、して貰いたいと思った自分を恥じた。
「そうかい。こっちは最近ミラージュとご無沙汰だからな。
そろそろ生の感触が恋しくなったってもんよ。さあ、始めてもらおうか」
クリフはリジェールの眼前に己のモノを突き出す。
もはや媚薬の影響で性欲に支配されているクリフ。
今は何を言っても無駄だと、フェイトは事の成り行きを黙って見ることにした。
いや、ここから立ち去る選択肢もあるのだが、好奇心と欲情で削除される。
「わかりましたぁ・・・んっ・・・」
リジェールはクリフのモノを、舌先で舐め始めた。
「む、あむ・・・んむ、んく、んぅぅ・・・」
片手で根元をやさしくつかみ、もう一方の手で髪を掻き揚げながら、
リジェールは初めてのフェラチオを行う。
「く・・・、うまいじゃねえか、ほんとに初めてなのか?」
「ん、くん・・・、だって小説を見て・・・およそどんなものか・・・
んちゅ・・・わかったからぁ・・・ん・・・」
「そいつは助かったな、それで味の方はどうなんだ?」
「んむ・・・ちょっとしょっぱいですけどぉ・・・独特の味でおいしいなぁ・・・ちゅむ・・・」
次第にリジェールの眼が恍惚なものとなってくる。
時折、中まで銜えて、飴をしゃぶるように舌を転がす。
「あ、んむ・・・んはぁ、すごい・・・グングン大きくなってきたぁ・・・んう・・・」
いつもとは違う舌使いにするどく感じて、クリフのモノは早くも最高潮になる。
クリフの先走りが、リジェールの舌に舐められた。
「あ・・・苦い・・・なにこれぇ・・・?」
「そいつは俺が感じている証拠だ。かまわず続けてくれ」
「はい・・・、ん、ちゅる、ちゅう・・・この味いいかもぉ・・・」
リジェールは舌と唇を使い、じっくりと味わって作業を続ける。
根元を掴んでいる手も強弱をつけて力を入れていた。
「よし、そろそろ出そうだ。しっかり銜えてろよ」
クリフはリジェールの頭を固定し、腰を動かして刺激をつける。
「は、はい・・・んむ、んんっ、んあ、んく―――!」
「く、出すぜ!」
クリフはリジェールの喉元に、白い欲望を放出した。
「うあ・・・ん、う、んうぅぅぅぅぅぅっ!!」
突然降りかかるねばねばした感触に、
リジェールは気持ち悪くなって吐き出そうとした。
「吐き出すんじゃねえぞ、どんなものでも残すともったいないからな」
「ふぁ、ふぁい・・・」
仕方なくリジェールはゆっくりと飲み干す。
しかし飲んでいくうちに病みつきになったようだ。
「どうだ、味のほうは?」
「ん〜、苦くて美味しいなぁ・・・、こんな味初めてです〜」
「そうか、だったら今度は下から味わってもらおうか」
「え・・・?はい〜、お願いしますね・・・」
クリフに腰を触られ、次に何をされるかリジェールは悟った。
仰向けになり、股を開かれ、受け入れ態勢は整った。
「あ、あのさクリフ」
二人の今までの行為を見ていたフェイトが口を開いた。
「ん、なんだ?」
「地球にはこういうことわざがあるんだ、知らぬが仏ってね」
「そいつはどんな意味なんだ?」
「例えば、マリアがどんなに嫌なことでも、マリアが気づかないでさえいてくれば、
マリアがどんなに嫌なことをしても良いって意味なんだ」
「んで、何が言いたいんだ?」
「ごめん・・・、僕も混ぜて」
フェイトは股間を隠してもじもじしながら、若干視線をそらせて白状した。
「仕方ねえな、それじゃ二人いっぺんにいくぜ」
「う、うん」
クリフはフェイトをこちらに来させ、モノを出すように促した。
そして、視線をリジェールへと変える。
「さてと、パジャマを脱いでもらおうか」
「どうしてですか〜?」
「そのパジャマは宿屋の物なんでな。汚すわけにはいかねえんだよ」
「そうですかぁ、わかりました〜」
リジェールは言われるがままに、服をすべて脱ぎ捨てていった。
「ほぅ・・・、こいつぁミラージュにも勝るとも劣らないな」
一糸も纏わないリジェールの姿を見て、クリフは感嘆の言葉を漏らした。
「ではフェイトの分は口で味わってもらおうか」
「はい〜・・・」
リジェールは四つん這いになり、フェイトのさらけ出したモノを舐めようとしたとき、
クリフは己のモノに媚薬をつけ始めた。
「何してるんだよ、クリフ?」
「リジェールは処女らしいからな。
媚薬をつけて少しでも痛みをやわらげるのさ」
そしてつけた者を興奮させる作用も持つ。
再びクリフのモノは元気になった。
「んじゃ、いくとするか」
そう言って、リジェールの中に挿入した。
「ん、あっ!い、痛い・・・、痛いです・・・!」
リジェールの身体に激痛が走る。腰の部分から身体が大きく仰け反った。
「そいつあ真の女になった証だ。
痛いなら早く、フェイトのモノを舐めて気を紛らわせるんだな」
「は、はい・・・ちゅ、うん・・・」
リジェールは痛みで眼に涙を浮かべながらも、フェイトに奉仕を開始した。
「ん、む、うむ・・・、どうですかフェイトさん・・・、
く、うぅ、気持ち良いですかぁ?」
リジェールは腰の動きに合わせて、フェイトのモノを出し入れする。
「う、うん、すごく良いよ・・・、か、感じる・・・!」
リジェールに涙目で上目遣いをされ、フェイトのモノは加速度的に膨らんでくる。
「ん、む〜、クリフさんと比べると・・・あん、ちょっと小さいですねぇ。
でもすごく美味しいなぁ・・・」
「う・・・小さいのか僕は」
「はっはっは、まあ気にすんな。クラウストロ人の俺と比べるのが酷ってもんだぜ。
・・・にしてもキツイな、さすが処女の膣内(なか)だぜ」
クリフは痛みを与えないように、ゆっくりと出し入れを行っている。
最初は痛みしか感じなかったリジェールに変化が訪れた。
「ん、んあ、ふあ・・・、あれぇ、なんか、身体が熱くなってくるよ〜?」
「なるほどな、媚薬のおかげで処女でも感じるようになったか」
クリフは嬉しそうに笑みを浮かべ、腰の動きを速める。
「んん、ふあ、あはぁ、そんなにされると・・・、んむぅ、んう・・・」
リジェールは気持ちよくなって口に力が入り、フェイトのモノを吸い上げる形となる。
「リ、リジェールさん、そんなにされると・・・イクッ・・・!」
「あ、はあ・・・何か身体の中に押し入ってきてぇ・・・、な、中が一杯になるぅぅぅ!」
「そうか、イクんだな!俺もまたイクぜ・・・!」
「僕も、駄目・・・!」
「ああ・・・あああぁぁぁぁぁっ、あっ・・・!!!」
そして三人は同時に絶頂を迎えた―――。
「ん・・・んく、んく・・・、はあぁぁぁぁぁっ、ヤッちゃったぁ〜」
「ふぅ・・・、ミラージュよりも良かったかもな」
「気持ちよかった・・・。うわぁ、リジェールさんが僕のを飲んでる・・・」
3人は思い思いに余韻に浸る。
「どうだリジェール、初体験の感想は?」
「あぁ〜、なんかすごく気持ちいいなぁ。ねぇ、もう一回しましょうよ〜?」
再びリジェールはフェイトのモノにしゃぶりつく。
「あぁ、またリジェールさんの唇が僕のを飲み込んでる・・・んあぁ・・・、
ごめんマリア、今日は出来そうにないよ・・・」
放出したばかりだと言うのに、フェイトのモノは、大きさと硬度を増してくる。
「ん、ん・・・、クリフふぁん、ふぁやふふほいへ、んぅ・・・、ふらふぁいよ〜」
「まだ物足りないってか。
こいつは媚薬のせいじゃなくリジェール自身が淫乱な証拠だな」
クリフのモノは媚薬の影響で、一向に衰えを見せない。
リジェールの膣内(なか)で、大きく存在をアピールしていた。
「よっしゃ、無限にイクぜえぇぇぇぇぇっ!」
「ん、はっ、はぅぅ、ふぁんいる、ふぁんいるおおぉぉぉぉっ!!」
激しく腰を動かされるリジェールは、
この後失神するまでよがり続けることになった―――。
そんな光景を、扉の隙間から見つづける影がひとつ。
「うわあマスターたちスゴイ、まだ続けるの・・・?」
エリザであった。
リジェールの様子を見に戻ってきて、中に入ろうとしたら、
3人でフィーバーしているのだ。
「どうしよう、邪魔するわけにもいかないし・・・」
と言いながら、食い入るように光景を見つめていた。
「ああぁ、リジェールさんの口がマスターを言ったり来たり・・・、
駄目ぇ、身体が火照ってきちゃってる・・・」
3人の行為を見つづけたエリザはすっかり興奮していた。
無意識のうちに手が股の中に入っていく。
「んあぁん、駄目よこんなところでしちゃ・・・んんっ、あぅん・・・」
口では拒絶しても、指はいやらしく愛液の水音を奏でていた。
「ん、あ、あんっ、・・・いいこと思いついちゃった♪」
興奮が高まっていくうちに、エリザは恐ろしいことを口走った。
「今度マスターを襲って、はじめてをあげちゃおうっと・・・うふっ♪」
後日、エリザはフェイトによって初体験を迎えることになるが、
それはまた別の話である―――。