「あ〜、退屈だわ〜」  
 ここはギルド。ウェルチ・ビンヤードは椅子に座ったまま机に足をのせて、右手で  
ステッキをぶんぶん振り回していた。  
「あ〜あ、せっかく整備をおこなったばかりのステッキの叩きごこちを試そうと  
思ったのに、肝心の本人がいないんじゃどうしようもないわ」  
 いつもなら上司であるギルドマスターに、戯れと言う名の虐待を行っているのだが、  
今日は用事があるといって屋敷を留守にしていた。真相は暴力を振るわれるのが嫌で  
逃げ出したのだが。  
「ったく、使えないわねあのじじいは。・・・私もイイ男を引っかけにいこうかなあ」  
 今、本部にはウェルチ一人しかいない。彼女もこんなじめじめしたところから出て、  
お天道様の光を浴びたいのだが、一応雇われている身なのでそういうわけにはいかない。  
「くそぅ、美少年がここにやってこないかなあ・・・。まあ無理ね、アイテムクリエー  
ションをする人自体が稀なんだから。はぁ〜」  
 ウェルチは嘆息すると目を閉じた。  
「こうやって目を閉じてしばらくして目を開けたらそこには美少年が!ってな展開に  
ならないかなあ。そしてあ〜んなことやこ〜んなことを、んっふっふ・・・」  
 そんな教育上よろしくない事を妄想していたのだが、幾ばくかするとウェルチの手が  
ダランと下がり、持っていたステッキを床に落としてしまう。  
「スースー、むにゃむにゃ・・・」  
 昨日夜遊びをして睡眠不足のせいもあるのか、そのままうたた寝の状態にはいった  
のであった。  
 
 ウェルチは夢の世界で天国を味わっていた。  
 怪しい音楽が流れている部屋の中。玉座に座っている彼女の目の前で、美少年達が  
ストリップショーを行っているのだ。  
「いいぞ〜脱げ脱げぇ〜、むにゃむにゃ・・・」  
「―――チさん、ウェルチさん!」  
「もう一枚っ、もう一枚っ・・・」  
「こんなところで寝ては風邪をひきますよ!ウェルチさん!」  
「んあ?何よ、今から美少年のストリップショーが始まるのよお〜」  
 両肩を捕まれ体を揺り動かされたウェルチは、薔薇の楽園から現実世界に戻るはめに  
なってしまう。  
「ふあ〜あ、いい夢だったのになあ・・・」  
「ウェルチさん、しっかりしてくださいよ!?」  
「そうそう、こんな顔立ちの美少年だったわね〜、まるでフェイトさんみたいだわ」  
「あの、ひょっとしてまだ寝ぼけてませんか?」  
「ほんとフェイトさんったら、青い髪がさらさらしててかわいいのねえ〜、ってあれ?」  
 ウェルチが手をのばして目の前の青髪をなでてみると、なんと感触がするではないか。  
「あれれ?」  
顔を触ってみるとちゃんと肌触りがする。どうやら幻ではなさそうだ。  
 
「もしかして・・・本物のフェイトさん?」  
「ええ、100%純血のフェイト・ラインゴッドですよ」  
「うそ!?」  
 頭の中の霧が一瞬にして晴れていくウェルチ。今の自分の状況を確認してみる。  
足が机の上に大の字になっていた。正面から見えるとパンツが丸見えだ。  
「よいしょっと」  
 体を立ち上がらせ髪のチェックをし、スカートの裾を整える。ステッキを拾い上げて、  
あと体でよろしくないところは・・・、口からよだれを垂らしていることに気づく。  
「ごしごし・・・と」  
 口の周りを袖で拭き水分を取り除いた。これで外見は綺麗にセットされた。ウェルチは  
フェイトの方へ振り向くとにっこりと微笑んで言った。  
「こんにちは!新製品開発の調子はどうですか?」  
「・・・・・・」  
「他のクリエイターに負けないように、頑張ってくださいね!」  
「・・・・・・」  
 沈黙のひと時。  
「・・・え〜まあ、さっきまでのことは見なかったということでお願いしますね」  
「はぁ・・・、まあいいんですけどね・・・」  
「ところでどうしてここへ来てくれたのですか?」  
 このままでは気まずいと判断したので、ウェルチは話題を切り替えた。  
「ええ、実は新しい発明品が出来たんです」  
 フェイトはアイテム欄を開き、がさごそと中を探る。  
「テレグラフから知らせても良かったのですが、近くに立ち寄ってたのでついでに  
来ちゃいました。・・・あったあった、これです」  
 フェイトが取り出したもの、それは筆であった。とくに代わりばえもなく、大きさも  
いたって普通だ。  
 
「・・・何かその辺の屋台で売ってるものみたいですね」  
 筆を手にとりしげしげと眺めるウェルチだが、どうも採点をする以前の問題のよう  
だった。それを聞いて、筆を返してもらったフェイトが落ち込む。それはもうがっくりと。  
「そんな・・・、なぜか鍛冶をしていたら出来たので、珍しい効果があると思ったのに・・・」  
「それは別の意味で興味深いですね・・・」  
 むしろ作っている途中で気づかんかいと、ウェルチは心の中で突っ込んだ。しかし、  
それを口には出さない。  
「まあ、せっかく来たんですから、紅茶でも飲んでいきませんか?」  
 せっかく美少年がここに来てくれたのだから、少しでも長くここにとどめておきたい。  
気を悪くして帰ってもらっては困ると思ったからだ。しかも、知り合いのフェイトなら、  
多少の無理強いもできる。  
「本当ですか?ちょうどのどが渇いていたところなんです。是非お願いします」  
「いよっしゃ!」  
「へ?」  
「あ、いえ、何でも無いです。準備をしてきますので、ちょっと待ってくださいね」  
 ウェルチは握りこぶしを掲げた右手を左手で下ろすと、鼻歌を歌いながら紅茶セットを  
取りに行った。  
「んっふっふ、これから楽しいひと時が過ごせるわぁ〜」  
 含みを持たせた呟きとともに。 
 
「フェイトさん、量はこのくらいでよろしいですか?」  
 ティーカップに8割がた紅茶を注いだウェルチが、椅子に座っているフェイトに確認をとる。  
「はい、ちょうどいいですよ。ウェルチさんって、注ぎ方がとっても上品ですよ。  
美しいなあ・・・」  
「やだもう、照れるじゃないですかっ。あっ、砂糖を加えておきますね」  
 ウェルチは顔を赤らめながら、砂糖を取り出して紅茶に加えた。  
「見慣れないメーカー物だなあ・・・、どこで手に入れたんですか?」  
「これですか?私が調合した、世界にひとつしかない特注品なんですね。これを使えば、  
どんな飲み物でも甘くて美味しくなりますよぉ」  
 えっへんとウェルチは胸をはると、今度は自分の分の紅茶をティーカップに注いだ。  
ただし、砂糖は追加しなかったが。  
「ウェルチさんは砂糖を入れないんですか?」  
「私ですか?甘くするのが好きでは無いんですよね」  
 フェイトの机を挟んだ向かい側の椅子に、ウェルチは腰掛けながら告白した。  
「へえ、意外だなあ。ケーキとかばくばく食べそうな人だと思ってたんですけど」  
「ケーキ自体は好きなんですけどね・・・。実は私って太りやすい体質なんですね。  
だから糖分は控えておかないと」  
 そう言った後、ウェルチはため息をついてポツリと呟く。  
「最近、太ってきたかなぁ・・・」  
「そんなことないです!どの角度からみても綺麗なウェルチさんしか見えないですよ!」  
「やだもう、フェイトさんったら・・・」  
 弱みを見せる誘い球を投げたところ、予想以上に引っかかって甘い返答が帰ってきた  
ために、ウェルチの心はウキウキだった。  
 
「でもいいんですかそんなことを言って?マリアさんに怒られますよぉ」  
「うぐっ!い、今の言葉は絶対にマリアには言わないでくださいよ!?」  
 一瞬にしてフェイトの顔が青ざめる。マリアというのはフェイトの恋人で、それは  
もう二人はラブラブに付き合っている。しかし、フェイトが女性と問題を起こすと勘の  
鋭い彼女はすぐに気づく。そして一瞬にして般若と化し、誇張抜きで彼を半殺しにして  
しまうのだ。  
「大丈夫ですよ、二人だけの秘密、ですね。それで、マリアさんとはうまくいってますか?」  
「それが・・・」  
 沈んだ表情に変わるフェイト。  
「最近、どうも以前のようにもえるような愛情が芽生えないんですよ」  
「そうなんですか!?」  
 以外な展開にウェルチは思わず素っ頓狂な声をあげる。しかしこれはウェルチにとって  
さらに状況を好転させる内容だったのだ。  
「ええ、何とかこの現状を打破しようと、その・・・夜のほうも色々と変わったシチュを  
試してみたんです。例えば教師と生徒、医者と患者などを。昨日なんて、電磁波を恐れる  
白装束の人とそれを報道する記者という、ちょっとマニアックなこともしてみたのですが、  
うまくいきませんでした」  
 エッチのことまで話すとは、それだけお互いに親しくなっている証拠だと、ウェルチは  
内心ほくそ笑む。そろそろ行動に移るべきだと判断した。  
「おそらく倦怠期にはいったのでしょうね。大丈夫ですよ、カップルなら誰もが一度は  
通る道です。そんなに気にする必要はないですよ」  
「でも・・・」  
「さあさあ、紅茶が冷めてしまいますよ。紅茶を飲んで頭をすっきりさせて、それから  
このことについて考えましょうね」  
「そうですね。それではいただきます・・・いい匂いだなあ」  
 フェイトは香りを楽しむと、一気に飲んでのどを潤した。  
 
「ぷはぁっ、本当に甘くて美味しいや!」  
「おっ、イイ飲みっぷりですね!」  
 パチパチと手を叩いて褒め称えるウェルチ。  
「当然じゃないですか。せっかくウェルチさんの入れてくれた紅茶ですから、少しでも  
早く体に染み込ませたかったんですよ」  
「嬉しいこと言ってくれますねぇ〜、それなら効果はすぐに現れてきますね」  
「どういうことです、ウェルチさん・・・あれ?」  
 体が火照ってきて困惑するフェイト。  
「どうしましたかフェイトさん!?」  
その様子を見て、ウェルチが嬉しそうに飛び跳ねる。  
「いえ、なんでもないです、はぁっ、はぁっ・・・。どうしてだろう、ウェルチさんが  
さっきより当社比400%色っぽく見えるぞ・・・?」  
実は紅茶に入れた砂糖には、惚れ薬の効果が含まれていたのだ。今のフェイトには、  
ウェルチがアイ○ルのチワワより愛くるしく見えていたのだ。  
「息が荒くなってますよ、大丈夫ですか?」  
 ウェルチはフェイトの腹に抱きついて耳を当てる。  
「お腹の具合でも悪いのでしょうか?」  
「や、止めて下さい!今触られると・・・!」  
「触られると?」  
 上目遣いでフェイトを見るウェルチ。その行為が彼の瞳を獣にさせる。  
「僕が僕で無くなりそうなんです!」  
 フェイトがウェルチに襲い掛かろうとするが、寸でのところで動きを止めた。  
今襲い掛かかればマリアに殺されるという、恐怖と言う名の理性が。  
 
「フェイトさん、マリアさんとの倦怠期を突破する方法を教えてあげますね」  
 フェイトから体を離し、真剣な表情でウェルチが言った。  
「え?は、はい、是非教えてください」  
「フェイト・ラインゴッドさん」  
 あらためてフェイトの名前をフルネームで呼ぶウェルチ。  
「なんですか?」  
「私を抱いてください」  
「うええぇぇぇぇぇええええええっ!?」  
『私を抱いてください』書いてみると10文字にも満たない簡潔な文章だ。しかし、  
フェイトを驚愕させるには充分すぎる内容であった。 
 
「な、な、な、なんでそうなるんですか!?」  
 フェイトはしどろもどろになって質問する。ウェルチは動揺している彼の顔の前に、  
ステッキをビシィッと突きつけてから答える。ご丁寧に先端の手の部分も指を指す形に  
変えている。  
「フェイトさん、これは賭けです」  
「賭け・・・ですか?」  
「そうです、私を抱いて、それでもマリアさんを思う気持ちがあれば、マリアさんとの  
仲は修復可能。でももし私に夢中になれば、マリアさんとの仲は終わり。つまり、私の  
感触と比較して、マリアさんの良さを再認識することがねらいなんですね。」  
「た、確かに理屈はわかるけど・・・」  
 筋道が通っているようで通っていないが、今のフェイトに正常な思考は望めない。  
ウェルチはそこをついて波状攻撃を仕掛ける。  
「フェイトさんって実はマリアさんへの恋心はもうないんですね」  
「な・・・!そんなことはない、僕とマリアの愛情の核爆弾でこの星を破壊できるぐらい、  
ラブパワーはありあまっているさ!」  
 むきになって言い返すフェイト。それをみてウェルチはにんまりと笑う。  
「ほんとうですか?だったら私を抱くぐらいで愛情が揺らぐわけがないですね。ぜひ、  
確かめさせてください。・・・それとも、私の体に魅力が無いですか?」  
 ウェルチは胸の下側を掴んで上下に揺らす。胸が強調された服装であるため、余計に  
映えて見える。  
「うわぁ・・・」  
その光景をよく見ようと胸に顔を近づけていくフェイト。だが、行動を咎めるように  
マリアのかかと落しが脳裏に蘇る。  
「だ、駄目だ、やっぱり浮気はいけない!そうだ、僕は貧乳が好きなんだ!貧乳好き  
貧乳好き貧乳好き・・・」  
 挑発に乗るまいと、慌てて目をつぶると、フェイトはマリアの胸を思い浮かべた。  
 
「貧乳マンセー貧乳マンセー・・・よし、峠は越えたぞ」  
 興奮を鎮めたことを確認すると、フェイトは目を開ける。  
「何をぶつぶつ言っているのですか?」  
 すると眼前にはウェルチの顔があった。  
「うわあぁぁああ!?」  
 叫びながら後ろに飛びのくフェイト。しかし、ウェルチのつぶらな瞳や濡れた唇などが  
しっかりと焼きつかれた。  
「駄目だ駄目だ、キスをしたいなんて思っちゃ駄目だ!マリア、僕に力を貸してくれ・・・!」  
 マリアが自分に銃を突きつけるときの笑顔を思い浮かべ、フェイトは正気を取り戻した。  
「ウェルチさん、もうマリアへの愛情は修復されました!だからあなたと一緒になる  
必要はありません!」  
 少しだけ、いやかなり、いやものすごく名残惜しかったが、フェイトは言いきった。  
しかし、ウェルチは動じることなくある行動に移る。  
「フェイトさん、こういうことしたくないですか?」  
 ステッキを器用に動かし―――どういう機能なのかは不明だが―――人の手の形を  
しているステッキの先端を、起用に動かしてスカートをめくりあげる。  
「おお!も、もう少しで・・・」  
 フェイトの期待が高まるが、まもなく股間が見えそうというところで、ステッキの  
動きを止める。  
「続きはフェイトさんの手でしてくださいね」  
「そ、そんな・・・」  
 頭を抱えて落胆するフェイト。しかし、マリアからの脅迫という名の愛情はこの程度  
では崩れないはずだ。  
「ほ〜ら、こういうこともできちゃうんですよぉ〜」  
 今度は先端をパーの形にして自分のお尻を撫でる。スカートのしわが艶かしい。  
 
「ウェルチさん!」  
 フェイトは決心した。もうここにいてはいけない、今すぐ出て行こう。ウェルチさんに  
別れの言葉を言うんだ言うんだ言うんだ。  
「何ですか?」  
「寝室はどちらにあるのでしょうか?」  
 駄目だった。  
「こっちですよ。んっふっふ、さあ、楽しみましょうね」  
「わかりました!」  
 すでに頭の中は欲望に敬礼していたのであった。  
「ええと・・・」  
フェイトはマリアに言い訳する仮病を考えた。  
「心不全、ぼうこうがん、大腸がん、肺がん、こうとうがん、眼底出血、  
脳内出血・・・これくらいあればいいかな」  
後は患者名や住所を塗りつぶした診断書があれば万事解決だ。テレビで白い人が  
やっていたから問題ない。  
「ウェルチさん、今言った治療を治す薬を貰いに来たということでお願いします」  
「完璧な作戦、ですね!本当は一発でばれるような気がしますが・・・」  
 そう思うウェルチだが、細かいことは気にしないことにした。なぜなら、これから  
美少年の裸体が拝めるのだから。  
「夢の続きが楽しめるわぁ〜」  
 足取り軽く、寝室へと向かうのであった。 
 
 ギルドの奥にある寝室の床に、一組の男女の衣類が脱ぎ捨てられている。  
「ウェルチさん・・・なんて綺麗なプロポーションをしているんだろ・・・」  
「フェイトさんこそ、逞しくて素敵ですね」  
 つまり、二人は裸になっていたのだった。現在、お互いに立ったまま、相手の体の  
感想を言い合っている。  
「それじゃ、さっそく始めましょうね」  
 ウェルチは興奮を抑えきれないのか、すぐにフェイトの股間に両手を持っていく。  
「ん〜、あったかいわぁ〜」  
「うあぁ、ウェルチさんの手がすべすべしてて気持ちいい・・・」  
 股間に感じる人肌に、感嘆のため息をつくフェイト。  
「フェイトさんって見かけによらず、ずいぶん立派なモノをお持ちですね」  
「ははは・・・、本当のところもっと大きくなるんですよ」  
「本当ですか?それなら、ほんとはひいきしちゃいけないんですけど、フェイトさんの  
ために思いっきり奉仕してあげますからね」  
 ウェルチは期待に胸を膨らませると、利き手で竿をしごきあげ、反対の手で袋を揉む。  
「お〜きくな〜れぇ、お〜きくな〜れぇ」  
「なんて繊細な指使いをするんですか・・・、上手すぎますよ・・・」  
 おまじないをするように呟いている彼女の期待に答えるがごとく、フェイトの竿は  
さらに肥大化していった。  
「大きい・・・。もうこれ以上ない出来ですね、ほんとすごい・・・」  
新規発明品の採点で高得点が出たときのような感想を述べるウェルチ。  
 
「貴重品は迷わずゲット、ですね」  
 そして根元から丹念に舐めあげていく。  
「はぁっ、はぁっ、ウェルチさんの舌が僕のモノを・・・んっ!」  
「あらら〜、もうさきばしったのですか?」  
 先端から液体が漏れているのを見て、ウェルチが意地悪そうに言った。  
「だって、さっきからずっと興奮しっぱなしだったから・・・」  
「そうでしたね。それじゃ、ちゃちゃっと出してしまいましょうね」  
 ウェルチは舌舐めずりをすると、竿の奥まで銜えこんだ。  
「ん・・・ぷ・・・んふ・・・」  
 涎をたっぷりと絡ませながら、上下に口を動かすウェルチ。  
「はぁっ、はぁっ・・・あぁ・・・」  
程なくして、フェイトに射精感がこみ上げてくる  
「ん・・・ろうれふか、ヘイホはん?」  
 自分の竿を銜えながら、上目づかいに見上げるウェルチ。  
「良すぎます・・・。あの、もう出ますので、口を離してもらえませんか?」  
「ひひえ、ほのままらしてくらふぁいね」  
 ウェルチはさらに口を窄めるとスピードを上げる。  
「んぅ、んむぅ、んちゅぅ、ふむぅぅっ」  
「で、出る・・・うぁっ・・・!」  
「んう、むっ、ふうぅぅぅぅ!」  
 ウェルチは竿を吸い上げて、先端から出てくる液を口に含ませた。  
「んふ、ふ・・・、んく、んく・・・」  
 そして液の感触を口内でじっくりと味わった後、ゆっくりと飲み干した。  
 
「ぷふぁ〜、美味しかったぁ。やっぱり若いと粘りがあっていいわぁ」  
「いいんですかウェルチさん、口の中に出してしまっても?」  
「いいですよ、というよりむしろ口のほうが良かったんですね。それともフェイトさんは  
胸やおなかがお好みでしたか?」  
 舌で口の周りの飲みきれなかったものを拭き取りながら、ウェルチは尋ねた。  
「そんなことないです、大好きですよ口出しは!本当に飲み込んでくれてありがとう  
ございました!」  
 フェイトは頭を下げて感謝の言葉を発する。竿もだらりと垂れ下がってお辞儀を  
していた(?)  
「いいですよ、お礼なんて。それでは、こんどは私を可愛がってくださいね」  
「わかりました」  
 フェイトは頷くと、ウェルチをお姫様抱っこした。  
「ひゃん!?・・・あの、重くないですか?」  
「どうしてです?軽すぎて赤ちゃんを抱いているみたいですよ」  
「あらら〜、今のはお世辞だとまるわかりですね」  
「あれ、ばれちゃいましたか。でも本当に軽くて程よい持ちごたえですよ」  
 フェイトは微笑むと、ウェルチをベッドの上にやさしく寝転ばせた。  
 
「それじゃ、始めますよ」  
 フェイトは馬乗りになると、ウェルチの胸を揉み始めた。  
「ん・・・あ、うぅん・・・」  
愛撫されてはいるのだが、どうもウェルチには物足りない。  
「う〜ん、平面的ではなくて、もっと立体的に揉んでほしいですね」  
「うっ、いつもマリアの胸ばかり揉んでるから、そういうのはわからない・・・」  
 慣れない大きさの胸にフェイトは悪戦苦闘だった。  
「フェイトさん、調子悪いですか?評価をつけるとするなら・・・」  
 ウェルチは躊躇したが、結局言うことにした。  
「もうちょっとがんばった方がいいみたいですね・・・」  
「そ、そんな・・・」  
 ウェルチに呆れられ、フェイトはダムダ・ムーダよりランキングで下になったときの  
ようなショックを受ける。  
「気にすることないですよ。明日からも私の胸を使って、練習しましょうね」  
 ウェルチのさりげないアピールも、耳に届いてはいなかった。  
「なんとかしないと・・・。そうだ、この作戦でいってみよう」  
 いくばくかの時間を経て、どうやらフェイトの頭脳にある策略が浮かんだようだ。  
「待ってくださいね、今道具を取り出しますから」  
 そしてアイテム欄のコマンドを選ぶ。その行動にたいしてウェルチは怪訝な表情を浮かべる。  
「どういったものを見せてくれるんですか?」  
「これですよ」  
 フェイトが取り出したもの、それは先ほどウェルチに見せた筆だった。  
「???」  
 この状況にそぐわないものを出されて、わけがわからなくなるウェルチ。そんな彼女を  
尻目にフェイトは行動を開始する。  
 
「まずはここをコチョコチョと・・・」  
「あっはっはっはっ、くすぐったいですよフェイトさん!」  
 わきの下を筆先の柔らかい毛でくすぐられ、ウェルチは大声で笑い出す。  
「続いて首筋っと。うん、息も吹きかけよう」  
「だめよぉ〜、そこ弱いのぅ〜!」  
「鎖骨・・・、わき腹・・・、おへそ・・・」  
「もうやめてぇ〜、笑い死ぬぅ〜」  
 ウェルチはお腹がよじれるほど笑い転げ、涙を浮かべるほどまでになった。  
「はぁっ、はぁっ、どうしてこんなことをするんですか?」  
 筆の動きが止まったのでひと段落がついたウェルチは、フェイトの不可解な行動に  
ついてたずねた。  
「もう少し待ってください、これからが本番ですから」  
 しかしフェイトは質問に答えずに、代わりに筆先をウェルチの胸へと持っていった。  
「胸の谷間に這わせるぞ・・・」  
「ひゃふっ・・・!?あ、あれ?」  
 今までとは違う反応に、ウェルチ自身が驚いた。  
「どうしましたウェルチさん?声に甘いものが混じってますよ」  
 フェイトは意地悪な笑みを浮かべると、胸のラインに沿って筆をつたわせる。  
 
「ん、は、あっ・・・、こそばゆくてイイ・・・」  
「乳首が立っちゃってますよ、感じていますね」  
「なんで、なんで筆で気持ちよくなってるの?ふ、はあぁ・・・」  
 ウェルチは戸惑いをみせつつも、喘ぎ声が止むことはない。筆先は乳首を目指して  
渦を描くように乳房を登っていった。  
「今のウェルチさんは、笑いすぎて体力が消耗してるんですよ。ですからその分、  
感覚が鋭敏になっているんです」  
 説明する一方で、筆先が乳首にたどり着く。  
「ここを擦るとどうなるかな」  
 そして小刻みに震えてウェルチの乳首を刺激した。  
「ひゃはぁっ!?すごっ、イイッ、そこイイ!」  
 ウェルチの体がぴくんと震える。今まで味わったことのない未知の感覚に酔いしれ、  
喘ぎ声が大きくなる。  
「実はもう一本筆をつくってたんですよ。反対側も平等にしますね」  
 フェイトは同じ形の筆を取り出すと、刺激されていないピンクの双頭に、もう一方の  
手でこそばすようにする。  
「あぁ〜ん、そっちもイイ、気持ちいいわぁ!」  
 乳首への刺激を体中に感じ取り、ウェルチの目が虚ろになってくる。シーツを掴んで  
疼きを逃がそうとするが焼け石に水だ。  
 
「ウェルチさん、シーツを濡らしては駄目ですよ。」  
 フェイトが目線を下へずらすと、ウェルチの太腿の内側付近が水滴で変色していた。  
「溢れてるところをこの筆で拭き取ってあげますね」  
 筆先がウェルチの下腹部へと目標を変える。  
「ひゃめてぇ〜、そっちはらめなのぉ〜!」  
「駄目です、強権発動ですよ」  
 ろれつの回らない口調となったウェルチの意見は聞き入れず、フェイトはピンク色の  
割れ目になすりつけた。  
「はあぁん!ら、らめえ〜、変になっちゃうぅっ!」  
 敏感な部分を刺激され、まもなくウェルチの体に熱いものがこみあげる。  
「かまいませんよ。どうぞ変になってください」  
 フェイトは絶妙な筆さばきでそのまま擦りあげる。  
「ふああぁぁっ、イクっ、筆でイッちゃうぅぅぅぅっ!!」  
 甲高い叫び声をあげ痙攣すると、ウェルチから力が抜けていった。  
「あはぁっ・・・筆でイッちゃった・・・」  
 ウェルチは良かったような恥ずかしかったような、微妙な表情で感想を口にしたのだった。 
 
「はぁ〜、でも、出来ればフェイトさん自身の口や指先で感じたかったですね」  
「いやなに、僕に媚薬入りの紅茶を飲ませたお返しですよ」  
「ふぇっ、フェイトさん気づいてたんですか?」  
 思いがけない言葉が飛んできて、ウェルチが目を丸くする。フェイトはうなずくと、  
ゆっくりと説明を行なった。  
「はい。紅茶を飲んで体が火照ってきたときも意識はありましたし、ここに来るころには  
すでに正気に戻ってました。僕、薬物に対しての抵抗力がかなり強いみたいなんですよ。  
その時、媚薬を飲まされていたことに気がつきました」  
「それならなぜ、私を拒まなかったのですか?」  
 薬の効き目が切れたのなら、逃げるのが普通だ。姑息な手を使って近寄ろうとした  
自分にかまう必要はない。ウェルチはそう思った。  
「だって・・・」  
 しかしこの後、フェイトの口から思わぬ言葉が出ることとなる。  
「ウェルチさんとこういう関係になりたかったから・・・」  
フェイトは顔をうつむけ、顔を赤らめながら言った。  
「ふえぇぇえええっ、どうしてです!?」  
「実はですね―――」  
 フェイトは告白した。初めて会ったときから好意をもっていたこと。しかし高嶺の花  
だと勝手に思ったこと。仮に付き合ったとしても遠距離恋愛になるので告白はあきらめた  
こと。その後勢いでマリアと付き合うようになったこと、等と。  
 
「ちゃんと告白してくだされば、私もOKしてたんですけど・・・」  
 ウェルチは嘆息した。フェイトなら、仕事を止めてまでも一緒に付いて行きたいと  
思える人物だったのだ。無論、美少年漁りをする必要もない。  
「すみません、僕が消極的なばっかりに・・・」  
「大丈夫です、今からでも遅くないですからね。頑張って付き合っちゃいましょう!」  
 しかし、重大な問題を抱えていた。  
「あっ、でもマリアさんが―――」  
「ウェルチさん、この部屋には僕とウェルチさんの二人だけです」  
 ウェルチの言葉をさえぎって、フェイトが言う。  
「今の僕にはウェルチさんしか見えていません。二人だけの時間を楽しみましょう」  
「いいん―――んぐっ!?」  
 再びウェルチが何かを言おうとしたが、フェイトに唇を合わされ続きのセリフを遮られる。  
「ん、む・・・ちゅむ・・・」  
「ふぅ・・・ん・・・んふ・・・」  
 二人はしばらくお互いの舌と唾液を絡めあうことになった。  
 
「ウェルチさん、そろそろしてもいいでしょうか?」  
 フェイトは唇を離した後、ウェルチの髪を撫でながら言った。何がしたいのかは  
元気になった下半身を見れば容易にわかる。  
「はい、お願いしますね」  
登りつめたときからある程度時間が経っている。ウェルチの体も落ち着いていた。  
「では、入れますね・・・」  
 フェイトは腰を沈めて、二人の体がひとつになる。  
「ああぁ、私の中がフェイトさんでいっぱいに・・・」  
「うわっ、気持ちいい・・・良すぎる・・・」  
 ウェルチの中は既に水浸しで、入ってきた異物を喜んで銜えている。  
「ウェルチさん、さっそくだけど動きますから・・・」  
 そんな心地よい快楽に、フェイトの体は抗うことを許してくれなかった。  
「んう、あっ、ひゃ、はん、ああぁ、中で擦れてるわぁっ・・・!」  
抜くときはゆっくり、入れるときは一気に。リズミカルに腰を動かすフェイト。  
ウェルチにとって嗜好の刺激となる。  
「あはぁんっ、最高です!私たちって、相性ばっちりですね」  
「本当ですね・・・そうだ、どこに出せばいいか聞いてなかった」  
 フェイトは発射しても良い場所を尋ねようとした。  
「大丈夫ですよ。今日は安全日だから、遠慮なく中に出してくださいね」  
「本当ですか?うれしいなあ、お礼をしなくちゃ」  
 そう言ってウェルチの揺れている胸に手をのばし、乳首を弄った。  
「あはぁぁぁぁんっ!感じちゃううぅっ!」  
 今の刺激でさらにウェルチから愛液が溢れ、滑りがよくなる。  
 
「うああぁっ、もう我慢できない!」  
 フェイトはウェルチの腰を掴むと、欲望の赴くままに動きを強くした。  
「ひあっ、あっ、んぁはっ、ふぁっ、あぁっ!」  
 ウェルチは涎を垂らしていることも忘れるほど、快楽に没頭していた。  
「あっ、あっ、いっ、イクっ、もうイクっ!」  
「僕も・・・!」  
 やがて絶頂の瞬間が訪れる。ウェルチはフェイトの腰に足を絡めると、一気に引き寄せた。  
「フェイトさあぁぁぁぁあああん!!」  
「ウェルチさんっ・・・!!」  
 そして二人は同時に登りつめたのだった―――。  
 
「ウェルチさんってすべすべした肌で触り心地がいいなあ・・・」  
「イヤン、フェイトさんっていやらしい手つきですね・・・」  
 行為が終わった後、現在二人は余韻を楽しんでいる。  
「あっ、また元気になってきた・・・」  
「それじゃ、今から二回戦に入りましょうね」  
「それはできない相談だわ」  
 ドアが勢いよく開き、フェイトでもウェルチでもない第三者の声が部屋に聞こえてくる。  
「君がギルドに行ったきり戻ってこないので、心配してきてみれば・・・、まさか  
こういうことになってたなんてね」  
「マ、マリア!?」  
 そう、フェイトの恋人が現れたのだ。  
「感謝するわ。君たちが大声を出したからこの場所がわかったのよ」  
 つかつかと二人の下へ恐怖のプレッシャーがやってくる。  
「マリアさん、助けてください!フェイトさんに無理やり犯されてしまったんです!」  
 素早くマリアのところへ移動し、抱きついて懇願するウェルチ。  
「ああっ、ずるいですよフェイトさん!」  
「悪いのは全部フェイトさんです、私は無実です!」  
 長いものには巻かれろ。ウェルチは先程まで愛し合っていた男をあっさり裏切った。  
 
「ふ〜ん、二回戦をしようと言っていたのはどこの誰かしら?」  
「ぎくぅ!?えぇっと・・・」  
 マリアが許してくれそうにないと判断すると、ウェルチはドアの方を向いた。  
「出口を見つけたです。これは要チェキですね」  
 こそこそと逃げだそうとするウェルチ。裸のままだが、服を持っていく余裕がない。  
「なに妹化しているのよ!」  
 しかし、逃げることは許されない。マリアの回し蹴りが、ウェルチの後頭部に  
クリティカルヒットする。  
「げふぅ・・・」  
「あら、ごめんなさい。ちょっと突っ込みが強すぎたかしら?」  
 気を失ったウェルチ(頭から大量の血が!)を一瞥するマリア。  
「これでは続きは出来ないわね、私が代わりにしてあげるわ」  
 そう言ってフェイトのもとに一歩一歩近づいてくる―――右手に銃を持って。  
「あ、あの、その・・・遠慮しておくよ」  
 蛇に睨まれた蛙のごとく動くことの出来ないフェイト。かろうじて拒否の言葉を  
吐き出すことが出来ただけだ。  
「そんなこと言わないでよ、私も楽しみたいわ・・・。この銃を使ったプレイをね」  
 無下に断ると、銃口を涙目になったフェイトの顔面にあわせる。  
「ひいっ、許して・・・!」  
「ただし、君にはちょっと痛いかもしれないけどね。どんな叫び声をあげるのかしら」  
「悪かった、悪かったよぉ。お願いだから助けて―――」  
 この後の描写はフェイトがトラウマになるほどの惨劇なため割愛しておく。あえて  
付け加えるとすれば、ウェルチは二度と関係を迫らなくなったということか―――。 

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