ベッドに寝転がり、時折こちらの様子を窺いながら服を脱ぐ少女をぼんやりと眺める。  
 こういうこと自体は別に初めてするわけでもないが、相手がここまで幼いのは  
初めてかもしれない。  
 
「……お前さ、本当にする気なのか?」  
 下着に手をかけたもののためらい、手を止めた少女に声をかける。  
 いつもだとくりくりとよく動く緑色の瞳が、ぎこちなく俺を見る。  
「勢いで言っちまっただけなんだろ?」  
 俺の言葉に戸惑いを浮かべたその顔を眺め、改めて思う。  
 ちょっと背伸びしてみたいだけなんだろう。  
 フェイトが連れてるソフィアとかいう女とか、筋肉バカの連れの金髪女、  
それにむかつく物言いのマリア。  
 みんなそれなりに成熟している中で、この目の前の少女、スフレはひどく幼く、  
とびきり子供っぽい。  
 本人も間違いなくそれは意識していて、だからこそ、こんなことを言い出したんだろう。  
 
 売り言葉に買い言葉みたいにして、いざこうしてあてがわれた寝室に  
連れ込んでみたものの、目の前の半裸の少女はやっぱりどう見ても  
子供そのものの体型で、俺自身まったくというかさっぱりその気は  
わいてきやしないのもあった。  
「だいたいな、何もこんな時にこんなことしなくても…。」  
「その場の思いつきじゃないもん!やるっていったらやるの!」  
 ぷうっと頬を膨らまして、猛然と服を脱ぎ捨ててスフレはベッドに飛びのってきた。  
 
 アーリグリフでもガキっつーとこんな感じだったよなぁ。  
 夏なんかもう水見るとえっらいはしゃぎようで―――。  
 
 一応生物学上女に分類していいはずのモンが、裸で目の前にいるにもかかわらず、  
頭に浮かんだのはそんなことだった。  
「アルベルちゃん、今すっごく失礼なこと考えてたでしょ!」  
 思いっきり顔に出ていたらしく、たちまち不満で一杯の表情になる。  
「あー、色っぽい、色っぽい。じゅーぶんフェイトのやつも落とせるって。」  
 あいつの名前を出した途端に、顔が真っ赤に染まる。本当にわかりやすい奴だ。  
「関係ないもん!フェイトちゃん、関係ないもん!」  
 食ってかかるようににじり寄り、不意に俺を睨みつけて小さな声で呟く。  
「それより、やくそく。」  
「あ?」  
「アルベルちゃんも、ちゃんと見せてよ。」  
 そう言った顔は、さきほどよりずっと赤く染まっていた。  
 
「な、もういだろ?」  
 当たり前だがちっとも反応することもなくうなだれるそれを、  
スフレはまじまじと見つめている。  
 いくらなんでもさすがにこれは恥ずかしい。  
「あの、な。もう充分見たろ?」  
 もういいかげん切り上げようと言った俺を、スフレは子犬みたいな目で見上げ、  
とんでもないことを言い出した。  
「ね、アルベルちゃん、これ、触るよ?」  
「は?」  
 俺の間の抜けた声を無視して、褐色の小さな手がおそるおそるといった体で触れる。  
「あんま硬くないね、なんかふにゅってしてるよ?」  
 当たり前だ、バカ。と咽もとまでこみ上げた言葉をぐっと我慢する。  
「おい、やっぱやめとけって。  
こういうのは、無理にやったってしょうがないことなんだから、な?」  
 どんどん情けない気持ちになりながら、ほとんど懇願するような気持ちで  
搾り出した言葉をまったく聞き入れる様子もなく、  
スフレは物珍しげに俺のものを触りまくっている。  
「だいじょうぶだよ、本で読んだもん。えと、舐めたりすればいいんだよね?」  
 
 そんなこと、俺の国じゃかなり特殊な嗜好の奴しかしないんだが。  
 というか、何か?外じゃこういうのが普通なのか?  
 
 あまりにあんまりな発言に二の句を告げずにいるうちに、スフレは俺のそれを  
いきなり口一杯にほおばった。  
「ばッバババッバカッ!自分が何やってんのかわかってんのか、おいっ!」  
 スフレは目だけで笑い、俺の抗議をあっさり無視した。  
 あたたかく湿った口のなかに半分ほど納まった俺のものを小さな舌がちろちろと  
舐めまわす。  
 そのたびに口元からは涎が滴り落ちるが、一向に構う様子もなくスフレは奉仕を続ける。  
 頬が赤いのは、羞恥なのかそれとも別種の興奮が混じっているんだろうか。  
 そんなことをふと思った瞬間、ぽんと音を立ててスフレが口から俺のものを出し、  
素っ頓狂な声をあげた。  
「わわ、アルベルちゃん、おっきくなってきたよ!」  
 確かに俺のそれは半立ちの状態になっている。  
 いくらたどたどしいものとはいえ、こんなことをされたら少しは反応くらいするに決まってる。  
 一方スフレはそれをじろじろと見ながら眉根をひそめ呟く。  
 
 おかしいなぁ…映像で見た奴だと、もっとこう…びくびくってしてたよ?」  
 ふっと気が遠くなるような感覚をおぼえつつ、俺は少しばかり乱暴にスフレから離れる。  
「阿呆。お前みたいなガキ相手にそんなんなるわけないだろ?もう終わりだ、終わり!」  
 これで腹を立てて、帰ってくれるといいんだが。  
 そう思いながらさりげなく様子をうかがうと、なぜかスフレはベッドの上でやけに沈んだ  
表情を浮かべていた。  
「なんだよ。……お前、本当はあいつとこういうことをしたいんだろ?  
だったら俺みたいなのとこんなんやってちゃまずいだろ?  
だからこれでいいじゃねえか。」  
 半端にかき立てられた感覚を振り払うように、俺は一息に言い放った。  
 そう、どういうわけか、ベッドの上でうなだれぼうっとした目をするスフレを見るうちに、  
咽が渇くようなそんな渇望にじわじわと侵食されていたからだった。  
 だからスフレはようやく顔を上げ、のろのろとベッドから降りたのを見て、  
ほっと息をついたのも当然だったのだが。  
「……やだ、よ。最後までしようよ。」  
 俺の腕をぎゅっとつかみ、スフレははっきりとそう言った。  
「あたし、がんばるから。ちゃ、ちゃんときもちよくなれるようにがんばるから、  
だから見捨てないでよぉ…。」  
 
 スフレは不意に涙をこぼし、手の甲でぬぐう。  
「おい、何も泣くこたないだろ?」  
 慌てる俺の胸を両手でどん、と叩きしゃくりあげながらスフレは顔を上げた。  
「いつも、いっつもそうやってみんなあたしのこと子供扱いして!フェイトちゃんも、  
ソフィアちゃんも、マリアちゃんだって、一座のみんなだって『子供だから』って、  
そればっかり言って!」  
 ふっと言葉を切り、スフレはまたうつむき、ぼろぼろ涙をこぼした。  
「あたしだって、できるもん。みんなみたいにできるもん。だから、だから…。」  
 それが精一杯であとはもう言葉にならず、ただしゃくりあげる。  
 俺は小さく溜息をつき、その頭をなでながら諦めをにじませた声でスフレに告げた。  
「わかった、続ける。だからそうグスグス泣くなよ。」  
 その言葉に、スフレはぱっと顔を上げ、犬ころみたいな目で俺を見上げた。  
 相手を信じきった目。  
 本物の悪意なんて微塵も知らない、目。  
 
 不意にこの少女をただひたすらに汚したい欲求がわきおこる。  
 相手が子供だとか、そんなことが全部どうでもよくなっていた。  
 
 ただ、ただ、汚してぼろぼろにしてしまいたい。それだけだ。 
 
 俺は衝動に突き動かされるように、いきなりスフレを床に押し倒し、強引にその足を大きく広げさせた。  
「あ、や、アルベルちゃん、はずかしいよぉっ!」  
 突然なにもかもをさらけ出す格好になったスフレは軽い悲鳴を上げたが、  
その声はかえってふくれあがった欲求をさらに煽るだけだった。  
「やりてえって言ったのはどこの誰だ?言われたとおりにしてやってるだけだろ?」  
 こみ上げてくる欲求で、歯止めが利かない。  
 俺はぐい、と指で産毛すら生えていないスリットを乱暴に押し広げ、  
まだ未発達な性器を舌で愛撫しはじめる。  
「や、だめ、そんなとこ舐めちゃやだよぉっ」  
 じたばたもがく体を押さえつけ、はじめは指でクリトリスを転がし、  
尿道を舌でつつくようにしてからそのすぐ下のすぼまった穴をほじるように舐める。  
「あ、や、だめ、だめっ」  
 制止しようとする声を無視して、さらに舌と指で執拗に愛撫を加えていくうちに、  
ほどなくして唾液以外のぬるついた液体が溢れ、スフレの声音にも違ったものが  
混じり始めていた。  
 
「はぁっ…んっ、や、あぁっ」  
 頬を紅潮させ、切なげな声を上げるその口からは、だらしなく涎がつたう。  
 拒絶の言葉とは裏腹に、差し入れられる指をもっと深く飲み込もうとでもするように  
腰が動き、そのたびにあわてて戻す、そんなことをスフレはくりかえしはじめていた。  
「なあ、やっぱやめとくか?」  
 微塵も思っていないことを口にした俺に、スフレは激しく頭を横にふり、  
かぼそい声で続きをせがむ。  
「や…やっぱ、やめちゃ、やだよぉ……っアルベルちゃん。」  
「ああ、わかったよ。望みどおり、続けてやるよ。」  
 半ば予想通りの反応に奇妙な興奮を覚えながら、俺は残った衣服を乱暴に脱ぎ捨て、  
スフレの小さな体に覆い被さる。  
 がたん、と音を立てて何かが床に転がったが、それを気にする余裕など  
すでに俺にはなかった。  
 
 もう一度、スフレの唇を自分のそれでむさぼる。  
 スフレはといえば、うっすらと目をひらき、その一方的な口づけをおとなしく  
受け入れている。  
 声が、聴きたい。  
 戸惑うようなその表情を見ているうちに、ふとそんな欲求がわき、長い口づけから  
解放すると、スフレは柔らかな笑みを浮かべ何事かを囁くように言った。  
「……〇Λ∋」  
 耳慣れない言葉だった。  
「……何言ってんだ?」  
 怪訝な顔をする俺に、スフレはなおも理解できない言葉で何事かをささやく。  
「おい、ふざけるなって。」  
 俺の言葉に、今度はスフレのほうが訝しげな顔をする。  
 なんで急に―――うろたえ、なんとなくあたりを見回した俺の目に、  
脱ぎ捨てた衣服の中のなじみのない機械が映った。  
 
『この状況じゃ未開惑星保護条例とか言ってもしょうがないし、これ渡しておくよ。』  
『ここのパネルをこれにセットしておけば、言葉で不自由することはないから、  
だから―――。』  
 
「……そういえば、あったなぁ…こんなもんが。」  
 俺とこいつとは本来違う国(いや、星か。)の人間で、話す言葉だって違うことを  
今ごろになって思い出した。  
 フェイトに以前手渡された、その妙な機械を拾い上げると、スフレも  
ようやく事情がのみこめたらい。  
 うろ覚えで適当にいじくるうちに、スフレの声が意味の取れる言葉に変わった。  
「……落っことした時に、スイッチ切れちゃってたんだね。」  
「ったく、興ざめだな。」  
 自嘲気味に笑う俺に、スフレは少し困った顔をした。  
「え……やめちゃうの?」  
 スフレはそう言いながら、もじもじと内股をこすりあわせ落ち着かなさげに  
体を震わせている。  
「あたし……ちゃ、ちゃんと最後までしたい……。」  
 今にも消え入りそうな声で、哀願するその様子は先ほどの悲壮感溢れるそれとは違い、  
なんというか、ひどく可愛らしく見え―――  
 
「あの、な。最後までって、本当に意味わかってんだよな?」  
 そう言ってから、俺はごくりと喉を鳴らしていた。  
 さっきまでの嗜虐的な気分はすっかりなりを潜め、今度は妙に、  
こそばゆい感情が湧いてきていた。  
 これは、こいつにはあまり悟られたくない――そんな俺の気持ちを知ってかしらずか、  
スフレはやけにしおらしくコクンとうなずく。  
「うん、あたしアルベルちゃんと、したい。」  
 そう言ってから、スフレはふと顔を上げ、でもあたしとじゃヤ?とつけくわえた。  
 俺は自分の心臓が情けないくらいばくばくいってるのに気づく。  
 童貞でもあるまいし、なんだってこんなガキの言葉ひとつでなんでこうも  
動揺しているんだか、わからない。いや、わかりたくもない。  
 
「わかった、やるよ、続けるよ。」  
 仕方のないことのように言い、俺はスフレをベッドへ座らせふたたび  
ゆっくりとキスをした。  
「アルベルちゃんて……キス、好きなの?」  
 スフレが花みたいな笑みを浮かべる。  
「うるせえな、気分だ、気分。」  
 少しばかり荒っぽく、その体をうつぶせにさせると、スフレは不思議そうな眼で  
俺を見る。  
「……あの、初めてって前から、じゃないの?」  
「本ッ当に耳年増だな、お前。」  
 半ば呆れながら俺は言う。  
「するこたするけどな、いきなりそっちやっちまって、他の連中にでもばれてみろ、  
まずいだろ。……っていうか殺される、俺が。」  
 ソフィアとかマリアとか、間違いなくかなりとんでもなくキツイリアクションを  
返しそうな連中の顔がふっと頭に浮かぶ、かといって、  
ここまできてさすがにやめる気もない。  
「だから、今日はこっちだ。」  
 不意にまったく予期していない場所に触れられ、スフレは体をぴくんと震わせた。 
 
「え、あの、だってそこ……。」  
 戸惑う声を無視して、先ほどまでの行為で濡れそぼったピンクの肉襞にそって  
なぞるように指を動かし、まとわりついてきた粘液を、本来ならば排泄のための場所に  
塗りつけるようにして動かし、刺激を与える。  
「ひゃ、んっアルベ……ちゃっ」  
 体をもぞもぞと動かしつつも、完全に拒絶しようとするわけでもなく  
スフレが困ったような表情を浮かべる。  
 やがて指を動かしていくうちにだんだん緊張が緩んでいくのがわかり、  
俺は笑いながらスフレの耳元で囁いた。  
「俺の部下でな、ガキのうちはこっちのほうが気持ちいいらしいって  
言ってる奴がいてな。」  
 で、お前はさっきと比べてどうだ?とつけくわえる。  
「まだよくわかんない、けど……。」  
「けど、なんだよ。」  
「お…おちんちん…入ったら、気持ちよくなる…のかなぁ……?」  
 聞いてるこっちが恥ずかしくなるようなことを言い、スフレは物欲しげな  
熱っぽい目で俺を見上げた。  
 
「……お前、わざとそういうこと言ってるだろ。」  
 俺の口をついて出た言葉にスフレはきょとんとしたが、もうそんなことは  
どうでも良かった。  
 まだ充分にほぐれたとはいいがたいすぼまったその場所に、俺は自分の怒張を  
ねじ込むように一気に挿入する。  
 と、物凄い圧迫感が俺のものをしめあげ、同時にスフレが悲鳴にも似た声を上げた。  
「やだぁっ!痛いよぉっ、アルベルちゃんっ!」  
「最初は、そういうもんなんだよ、だから少しは力抜けよ!」  
 俺自身もいささか強すぎる圧迫で、怒鳴るように声を張りあげてしまったが、  
むしろ今はそれでよかったのかもしれなかった。  
「あ、ご、ゴメ…ン、ち…ちからぬくんだよ…ね?」  
 痛がるばかりだったスフレが、なんとか慣れようと体に入った力を抜き、  
ほんの少しだが、圧迫が和らぐ。  
 とはいってもすぐに激しく動いたりもせず、軽くつつく程度の動きだけ加え、  
俺は後ろから抱きかかえるようにしてスフレの首すじに口づけたり、  
ほとんどふくらみのない胸を愛撫したりする。  
 
「ん、くすぐったいよ、アルベルちゃん…。」  
 そう言い、スフレは、はぁっと切なげに吐く。  
「もう、あんまり痛くなくなってきただろ?」  
 さらに力が抜けてきた小さな体に、動きを少しずつ強めながら加え、俺はそう訊ねた。  
「ん……うん、なんか、むずむずする感じ……。」  
 ぼうっとした目で、シーツに目を落とし、呟く。  
 ふと思いつき、指をスリットの奥へ滑り込ませると、そこは先程よりも熱を持ち  
だらだらとだらしなく愛液を分泌している。  
 もう動いても大丈夫だろう、そう判断し俺はゆっくりとペニスを半分ほどのところまで  
引きもどし、ふたたび奥まで押し込んだ。  
「ひゃぅっ!」  
 スフレが声を上げる。  
 かまわずにもう一度、同じようにする。  
「あ…アルベル…ちゃんっ」  
 戸惑っているような声。もっと早く今度は二度三度とくり返し動かす。  
 と、それにつられて内側の肉壁もめくれあがる。  
 その肉壁がペニスをこすり上げるように動くたびに、射精感が高まっていき、俺は段々  
と動きを早めていった。  
 
「やぁ…おしり…こわれちゃ…」  
 そうは言いながらも、その声音にも快楽におぼれている響きがあった。  
「でも、気持ちいいんだろ?」  
 からかうように言うと、スフレは無我夢中といった体で頷く。  
「うんっ、おしり……気持ちいい…いいよぉっ!」  
「じゃ、腰も動かせよ。もっと気持ちよくなれるぜ?」  
 言葉半ばでスフレは喘ぎながら腰も動かし始める。  
 もうすっかり行為に夢中になっているようで、腸液すら分泌が増えにちゃにちゃと  
音を立てはじめていた。  
「今日のは、練習みたいなもんだから、な?」  
 不意に漏らした言葉に、俺は自分でうんざりした。  
 
 前だろうが、ケツだろうか、やってることに変わりない。  
 ようするに弁解以外の何物でもなく、我ながら情けない気持ちになる。  
 それでも俺はやめることもできずに、腰を振りたてる。  
「だから……本当に好きな奴とするときはこっちに入れてもらうんだぞ、いいな?」  
 言いながら、愛液をだらだらと垂れ流す性器を指で乱暴にかき回すと、ぐちゅぐちゅと  
いやらしい音が響き、スフレの体が震える。  
「うん…うんっ……アルベ…ちゃ……っ」  
 俺の言葉が聞こえているのか、それともただ行為に夢中になっているだけなのか、  
スフレは、くりかえしうなずき俺の名前を呼ぶ。  
 やがて声がひときわ高くなり、俺のそれがきゅうっとしめつけられる。  
「やはぁっ、おしり…っ、へんだようっアルベルちゃんっ」  
「ん、俺も、そろそろ出……っ」  
 そのしめつけで一気に射精感が高まり、そのまますべてスフレの中に放出し、  
それとともにスフレの体が大きく震えた。  
 
 全部を出し切きった自分の物を引き抜くと、こぽ、という音とともに精液が  
尻の穴からあふれ出る。  
 ぼうっとした表情のまま横たわり、体を小さく痙攣させているスフレを  
眺めているうちに、俺は改めて、随分歳の違うのとやっちまったなぁなどと実感して、  
だんだん罪悪感めいたものがわきおこってきた。  
「な、本当、練習みたいなもんだから、やだったら忘れちまえよ?」  
 今さらのようにまたそんなことを口にしてしまう。  
 
 阿呆だ。  
 自己嫌悪に陥る俺に、スフレは相変わらず視点の定まらないまま笑って言った。  
「やじゃないよ。アルベルちゃんちょっと怖かったけど、いっぱい  
色んなことしてくれたし、ちゃんとあたしの話聞いてくれたし……。」  
 それに、ともうひとことつけ加えかけてから、不意になんでもないと言い、  
あとはにこにこ笑って黙り込んでしまった。  
「なんだよ、最後まで言えよ。気になるだろ?」  
 俺はまるで自分が子供になってしまったような気分で訊いたものの、  
スフレは体力を使い果たしたのか、もうすうすうと寝息を立てて眠っていた。 
 
 まだ寝入ったきり当分起きそうにないスフレをそのままに、俺はなんとなく  
部屋の外をぶらついていた。  
 遠出する気にもなれず、かといって誰かに会う気にもなれない。  
 そんな気分だったのだが、なぜかこういう時に限って、と言いたくなるくらい  
今一番会いたくない奴に出くわしてしまった。  
「あ、いたいた。そっか、やっぱ部屋にいたんだ。」  
 フェイトだった。  
 どういうわけかほっとしたような様子で駆け寄ってくる。  
「どうした?また何か作るの手伝えっていうのか?」  
 不機嫌に言う俺に、慌てて首を振る。  
「あ、いや、そうじゃないだ。クリエイションじゃーなくて、その。」  
 いつもだったら結構ズバズバ物をいうフェイトが、珍しく歯切れが悪い。  
「えーとさ、その、すごく言いにくいことなんだけど…。」  
 
「もたもた喋るな。言いたいことがあるんならさっさと言え。」  
 フェイトは「あー。」とか「えーと」などと言った後に、なぜかしばらく  
あさっての方向を向いた後に、ひどく申し訳なさそうに言った。  
「あの、さ。アルベルに渡した通信機なんだけど。」  
「ああ、こいつがどうかしたか?」  
 俺が通信機を取り出すと、フェイトはそれを取り、相変わらずやけに申し訳なさそうな  
顔で、パネル上のなにかの表示を切り替えた。  
「……うん、あの、翻訳機能だけだったら操作、ここをこうするだけでいいんだ。」  
 何を言おうとしているのかいまいち理解できないでいる俺を、青い瞳が本当に、  
もうどうしようもなく申し訳なさそうに見る。  
「その、さっき、多分こっちの表示いじっちゃったんだよね?」  
 なんとなく先ほどのパニックの中で見た画面に似た表示が出る。  
 俺の背中を嫌な汗が伝った。  
 
「その……通信がオープンになってて。」  
 言葉の意味はよくわからないものの、嫌な感じだけがどんどん深まる。  
「あ、盗み聞きする気なんか別になかったんだけど、いやそういうことじゃなくて…… 
 ええと、僕もスフレみたいな可愛い子にあんなふうに言われたら断れないと思うし、 
 だからその、別に責めるとかそういうつもりはないんだけど…。」  
 フェイトはちろ、と上目使いで俺を見上げ、消え入りそうな声でぽつりと、呟くようにこう言った。  
 
「ああいう子に、あんまり特殊なことしちゃよくないと思う。」  
 
 ―――かくして、(何人があのこっ恥ずかしいやりとりを聞いてたんだろうかとか考えているうちに。)俺は初めて、戦場以外で意識を失った。 

PC用眼鏡【管理人も使ってますがマジで疲れません】 解約手数料0円【あしたでんき】 Yahoo 楽天 NTT-X Store

無料ホームページ 無料のクレジットカード 海外格安航空券 ふるさと納税 海外旅行保険が無料! 海外ホテル