「ふんふんふふ〜ん♪」  
あいも変わらずファクトリーの掃除に励むマユ、別に当番とかは決められてるわけではないが自主的に掃除をする綺麗好きだ。  
 
そんなマユが今日も鼻歌を歌いながら箒を履いているとお隣のファクトリー細工室から声が聞こえた。  
「・・・うまいぞ・・・ああっ・・そうだ・・優しく・・」  
「・・・パは・・・もう・・・かたく・・・ですねぇ」  
おかしい、細工クリエイターの作業の時間はもう終わったはず、この時間に人がいるなんて・・・・  
声の主は細工クリエイターのアクアちゃんとエヴィアさんらしい。危険な香りがする・・・・そう思いマユは壁に耳を当て二人の会話を聞き入った。  
「・・・うん・・・そう・・・上手くなってきたな、そう・・・ゆっくりと手を使って・・・そうだ・・・」  
「パパはだまっているです、きのうおそわったばかりです。」  
「ああ、そうだったな、しかし上手くなったな、手でやるにはもう完璧だ・・・」  
「パパはあほですか?一度聞いたら大体の事は覚えますです。・・・あっ!失敗したです・・手が真っ白に汚れてしまったですよ、ぬるぬるしますですよ・・・」  
「いや、手が汚れるのは初心者では当たり前の事だ、気にしてはいけない、ああっ!しかしウチの子はなんと物覚えが良い子なのだ!・・・もう少し上手くなったらパパが本格的に教えてあげるからねえ・・・」  
聞き耳を立ててたマユは青ざめた。  
 
「(手が真っ白に汚れる・・・?ぬるぬる・・?手でやるには完璧・・・?パパが本格的に教えるてやる・・・・・!?』  
そのキーワードからマユは想像力(妄想力)がとんでもない結論を生みだした。  
『性的虐待!!幼子に手を出した実父!歪んだ愛情が生み出した禁断の悲劇!!』  
これはイケナイ!!アクアちゃんがエヴィアさんに手取り足取り危険な行為を教えられている!!は、早くとめないと!!!  
そう思い二人の所に駆け込もうとしたがふと前回の事を思い出す、自分の勘違いでトンデモ無い事になってしまった前回のことを。  
落ち着け、落ち着くのよマユ、もしかしたら今回も私の勘違いかもしれない、まずは第三者の意見を・・・イヤ待って?こんな事をしている間にもアクアちゃんの幼い果実が・・・  
そんな妄想を暴走しているマユの後ろから何者かが抱きついてきた。  
「マーユちゃわ〜〜ん!!」  
「き、きゃあ!!!!」  
突然のことでびっくりしたマユは抱きついた人物に向けて箒を思いきり叩き付けた。  
「だ、誰ですか!!」  
「むうぅ・・・マユちゃん、と、年よりはもう少し大切にするもんじゃぞ!?い、いたたたた・・・」  
「ご、ゴッサムさん!?」  
 
────  
 
「・・・で、マユちゃんはエヴィアの行き過ぎた行為を止めたいと?」  
どうやらゴッサムは小腹がすいたのでファクトリーに何か余り物がないか探していたらしい、そしたらファクトリーにマユが居て折角だからと抱きついたらしい。なんと言う親父だ。  
しかし溺れるものは藁をも掴む、マユはゴッサムにさっきまでの経緯を説明した。  
「はい、私の勘違いかもしれませんがもし本当だったらって思うと・・・・」  
「なるほどなあ、流石のワシもその行為には賛成しかねるのぅ・・・せめてあと10年経たんとのぅ・・・あい分かった!男ゴッサム!マユちゃんとアクアちゃんと為に一肌脱ごうじゃないか!!」  
「ほ、本当ですか!?しかし・・・どうすればエヴィアさんを止めれるのでしょうか・・・?」  
「うむ!それに関してはいい考えが思いついた!まずは年頃の女性クリエイターをここへ集合させるのじゃ!!」  
「は、はい!分かりました!!」  
元気よく返事をして女性クリエイターを呼びにいくマユ、もう二人の中ではエヴィアはアクアに危険な行為を教えている事が確定されていた。  
 
相談する相手がゴッサムでなければ、今から起こる悲劇は避けられたであろう・・・  
エヴィアはアクアに性的な事を教えていたのではなく・・・  
紙粘土で細工の仕方を教えていた事に気づいていただろうに・・・・  
 
───  
 
「・・・・っと、言うわけなのじゃ、で、皆の協力が必要だ、と言う事なのじゃ!!」  
女性クリエイターの前で今までの経緯を一通り説明をするゴッサム。  
「話は分かったわ、で、私たちは何をすればワケなの?」  
すこし強い口調でメリルがゴッサムに向けて答える。  
「ふむ、それなんじゃがな?ワシにすこし考えがあるのじゃ・・・」  
「考え?」  
「ふむ、奴がアクアちゃんに手を出すのはアクアちゃんの他に親しい女性が居ないからじゃと思う!!!、じゃから他に親しい女性ができれば・・・奴もアクアちゃんに手を出すことはないじゃろう!!」  
「つまりエヴィアさんを誘惑しろって事ですね!?」  
「そういう事じゃエリザちゃん!単刀直入に言えば奴に他の女性の体に魅力を感じさせればいいのじゃ!!」  
「なるほど・・・他の女性の体を求めるようになれば・・・アクアちゃんが性的対象から削除される・・・そういう事ね・・・?」  
「うむ!そういうことじゃ!ミスティさんは賢いのお・・・」  
相談する相手を間違えたかも・・・マユはそう思いだした。  
トンデモ無い事を平然と言いのける方々に純情なマユとスターアニスは顔を真っ赤にして下を向いて押し黙っている。  
そんな二人をほったらかして会話はどんどん進んでいく。  
「・・・・ッというわけでクリエイター女性群!!一人一人エヴィアを誘惑していくのじゃあ!!!」  
「分かったわ・・・・先方この私、ミスティ・リーアが行くわ・・・・未亡人の魅力・・・みせてあげる・・・」  
ミスティは妖艶な微笑を浮かべながらエヴィアの元へと向かった。  
 
かくして、女性クリエイター陣VSエヴィアの羨ましい戦いが火蓋がきって落とされたのであった。 

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