「やめて、ちょっとフェイト、今日のあなた何か変よ」  
シランドの人気のない公園の片隅でマリアが悶える。  
そのマリアの体をフェイトがまさぐる。胸、お尻そして秘部と執拗なまでにまさぐる。  
恋する人に体をいじられることは嫌ではなかったが、今日のフェイトは余りにも激しすぎてマリアは困惑した。そして何よりも奇妙に感じたのはフェイトの手が異常に冷たかった事だった。  
そうこうしているうちにマリアのあそこから愛液が溢れストッキング越しに太股を濡らしていく。  
 
「フェイト、やりたいのなら宿でできるでしょう、だから今は…」  
せめて屋外でするのだけは止めてと懇願するマリア。その言葉にフェイトの動きが止まる。  
 
「フェイト、フェイト・ラインゴット、フェイt…」  
なにやら呟くフェイト。  
「フェイト…!?」  
フェイトの異変に怯えるマリア。次の瞬間  
「ヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!」  
フェイトの口から聞くのもおぞましい笑い声が響いた。  
「なっ!?その声は!」  
不気味な笑い声に彼から離れようとするマリア。だがフェイトの体から生えてきた二本の真っ黒な腕に掴まれ動きを封じられる。  
 
「お前まさか!!」  
「ソウ、ワタシハフェイト・ラインゴットデハナイ!!」  
そう言うと同時にフェイトの背中から3対の翼が生えてきた。目の前の男、それはマリアの愛するフェイト・ラインゴットではなく彼そっくりの断罪者だったのだ。  
 
「しかし、何故断罪者がフェイトと同じ姿をしている。本物のフェイトをどうしたの!」  
偽フェイトの腕の中でマリアが叫ぶ。  
「ワタシハホンライノ断罪者デハナイ。オマエラニハカイサレソウニナッテぷろぐらむニ誤作動ガショウジタいれぎゅらーダ」  
「オマエタチガタガイヲダイジニシテイルコトハタタカイノナカデ学習シタ。ソコデワタシハいれぎゅらーノノウリョクヲツカイオマエタチニナリスマスコトニシタ」  
 
「なんですって!」  
「ソノテハジメガオマエダ!オマエノスキナオトコニナリスマシチカヅキ、マエノミモココロモテッテイテキニハカイスル。ソノツギハオマエニ化ケテオマエノスイタオトコヲハカイスル!」  
 
高らかに宣言した偽フェイトの股間から数本の触手が生えてきた。そして体を押さえ込まれたマリアの服を触手がちぎっていく。  
 
「いやぁ、止めて!助けて、フェイト!」  
マリアが必死になって叫ぶ。  
「僕ナラメノマエニイルジャナイカ」  
偽フェイトがフェイトの声と断罪者の声が混じった不気味な声でにこやかにいう。  
「あんたなんかフェイトじゃない!」  
「イケナイナ、ソンナコトヲイッチャ。ワルイコニハオシオキヲシナイトイケナイネ」  
偽フェイトの触手がマリアの秘部とアナルへ侵入しようとする。快楽と混乱の狭間でマリアは今にも気が狂わんばかりだった。  
「キサマノでーた、詳細マデツカワセテモラウゾ」  
不気味に笑う偽フェイト。  
 
「それはどうかな?」  
「ナニ?」  
声のした方に偽フェイトが振り向こうとした途端、閃光が走り偽フェイトの体が真っ二つにされた。  
 
「ギャーーーーー!」  
消滅する瞬間断罪者の姿となった偽フェイトはそのまま姿を消した。  
崩れ落ちそうになるマリアをしっかりと抱きしめる者がいた。  
「…あれ、私?」  
我に返ったマリアは自分を抱きかかえている人の姿を見て半狂乱になった。  
「いや、離して、お願いだから、嫌!」  
「ま、待って僕だよ。本物のフェイトだよ」  
「えっ!?」  
優しい言葉に平静を取り戻すマリア。彼女を抱く腕は偽物とは違う人間の温かさがあった。  
「御免、マリア。クリフから僕と君が一緒にいると聞かされて妙だと思ってきてみたらあんな事になっていて…」  
「ううん、いいの。フェイトが来てくれて本当に良かった…」  
緊張が解けフェイトの腕の中で泣き崩れるマリア。  
 
そんな彼女をしっかり抱きしめていたフェイトだったが急にもぞもぞすると体を少し離そうとした。  
不思議がるマリア。だがすぐに理由を理解した。太股や胸の一部が露わになりいやらしい姿となったマリアを見てフェイトの男性器が怒張してしまったのだ。  
「ねぇ、フェイト急いで宿に行きましょ?」  
「そ、そうだね。こんな姿を見られるとまずいからね」  
マリアにマントをかぶせると二人は宿屋に直行した。  
「はぁ、いい。フェイトの硬くて、大きい!」  
宿の一室。フェイトの上でマリアが激しく腰を振る。当然二人は結合した状態だ。  
宿についてすぐ着替えを取りに行こうとしたフェイトを押し倒し、マリアは行為に及んだ。いつもより激しく腰を振り性欲をむさぼるマリア。  
偽物に受けた陵辱を早く忘れたい一心での行動だったが、フェイトもいつにないマリアの姿に興奮しきっていた。  
「今日のマリア、なんだか、凄いよ」  
「お願い、もっとあなたを感じさせてあの偽物の事を忘れさせて!!」  
その言葉にフェイトは黙って騎乗位から正常位へともっていきマリアを貫いた。  
「お願いフェイト、来て、私もう!」  
「わかった、いくよ」  
腰の動きを激しくするフェイト。  
「ああ、もうダメ、わたし、イク、イッチャウ!!」  
マリアがイクと同時にフェイトの熱い性がマリアの中に流し込まれた。  
「ああ、私抱かれてる、本物のフェイトに抱かれてる…」  
快感と嬉しさの中でマリアの意識はフェイドアウトしていった。  
「また、あいつみたいな偽物現れるのかな?」  
「それはどうかしら、奴自身イレギュラーだと公言していたしあんな回りくどい真似を断罪者がわざわざするとは思えないわ」  
宿のベッドの中で二人はあの偽フェイトについて議論していた。  
「創造主さえ倒してしまえば問題ないさ。断罪者が消えれば偽物に悩まされることはないからね」  
「そうね…」  
「フェイト」  
「何だい、マリア?」  
「今日はずっと側にいて」  
「いいよ」  
そしてふたりは互いの唇を重ねるのであった。  
終わり 

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