クロセルの助力を得てディプロに戻ることができた一行はエリクールに住むネルとア  
ルベルと別れた。ネルは別れを惜しんでいたがアルベルはフェイト達が戻ることを確  
認すると何も言わずに去っていった、おそらくアーリグリフに。フェイトはその背中  
に「二度と来るな、阿呆が」と言われた気がした。  
ディプロに戻ったあとビウィグとの接触により得たものと失ったものがあった。今は  
ヴィスコム提督の艦であるアクアエリーに乗ってロキシ博士のラボがあるムーンベー  
スに向かっている途中である。  
 
とは言ってもムーンベースに着くにはあと数日はかかる。それまではアクアエリーに  
閉じ込められていなければならない。外の景色を見たって宇宙のど真ん中で景色が変  
わるはずもなく、逆に途方も無い宇宙の広さを感じて目眩がする感覚さえ覚える。  
 
(父さんの研究室に何があるのだろう……)  
 
フェイトはそんなことを考えながら失った父親の姿に思いを馳せていた。あの時自分  
を庇ったのは僕が世界を救うために必要な命だからなのか、それとも単に息子の命を  
救うためだったのか。答えはムーンベースにある。そんなことを考えていると後ろで  
ドアの開く音が聞こえた。  
 
「フェイト…、ちょっと良い?」  
 
「何だい、ソフィア?」  
 
声の主はソフィアだった。ビウィグとの一件から一緒に行動することになった。戦闘  
にも加わっている。確かに紋章術はかなり役に立っているが戦闘経験は浅く、まだま  
だパーティーの足を引っ張っている。その事は本人も少しは気にしているらしかった。  
 
「その……ロキシおじさんの事で……落ち込んでないかと思って…」  
 
ソフィアはそう言うとフェイトの傍まで来ていた。フェイトを心配して部屋を訪ねて  
きたわけだ。  
 
「僕はもう大丈夫さ。確かに直後はすごい落ち込んだけど今はもう気持ちに整理がつ  
いている。それよりも僕やマリアに課せられたものを確かめなきゃいけないんだ。父  
さんのことは残念だったけど今は落ち込んでいる場合じゃないよ」  
 
「……フェイト、変わったね」  
 
ソフィアは以前知っていた優男とは違った印象を目の前の男から感じた。姿形は何一  
つ自分の記憶にあるものと相違ないのに内面からにじみ出る何かが違うのだ。変わっ  
た印象は決して悪いものではない。以前よりも強くたくましく、頼りがいのある感じ  
だった。それが彼の行動や発せられる言葉の節々に感じられる。  
 
「そうかい?」  
 
「うん。何か強くなった感じがする」  
 
「強く……か」  
 
もっと自分に力があれば父さんを失うことも無かったのではないかとフェイトは思う。 
───僕は全然強くなんかない。  
 
「私なんかまだロキシおじさんのことから進めないよ……」  
 
ソフィアが言った言葉の後半は涙声でよく聞きとれなかった。俯いて両手で目を押さ  
えている。小さな肩が小刻みに震えている。  
フェイトはソフィアの頭に掌をのせて軽く撫でてやる。  
 
「大丈夫かソフィア?無理しなくていいんだぞ、……ここには僕だけしかいないんだ  
から」  
 
両手を動かして目を擦ってフェイトを見上げるソフィアの目には涙がたまっていた。  
そして無理に笑ってみせた。  
 
「へへ……、ごめんね。フェイトを励ましに来たのに逆に励まされちゃったね」  
 
「気にするなって。僕とソフィアの仲じゃないか」  
 
「………うん」  
 
ソフィアはそう言うとフェイトにもたれかかった。フェイトが腕をまわしてソフィア  
を抱きしめてやるとソフィアも抱きついてきて大声で泣き出した。  
今度は誰かに聞こえても見られても気にしないくらいの大きな声で。  
 
(まだまだ子供なんだな…)  
 
17才だからまだ子供だよな、とフェイトは自分自身で納得して頷く。  
ソフィアはフェイトから受け取った缶ジュース(のようなもの)を手に持ちながらぼん  
やりとしていた。  
考えていた───ロキシ博士の事ではなく、フェイトの事を。  
自分を強く優しく抱くフェイトの逞しい腕と胸。  
フェイトへの気持ちに気付いたのはいつ頃だっただろうか?そう、ソフィアは大分前  
からフェイトに淡い恋心を抱いていた。  
一方フェイトはソフィアを単に妹としてしか見ていなかった。その見解は今さっきソ  
フィアを抱きしめて慰めた後も変わっていない。  
ソフィアはハイダ4号星が襲撃されてフェイトと離れ離れになってより一層フェイト  
への想いが強くなった。心細い思いをするなかで脳裏に浮かぶ人物はいつもフェイト  
だった。今だって目の前にはフェイトがいる。自分さえ積極的な行動をすれば恋人と  
何ら変わらない行為をすることだってできるのだ。……フェイトの意向はどうであれ。  
そんなソフィアの交錯する思いを知ってか知らないでか、  
 
「なんだか女の子らしいなソフィアは」  
 
とフェイトは言う。  
え?とソフィアは顔を上げる。  
 
「ほらいつも一緒にいたけど泣き顔を見るなんて久しぶりだからさ。いっつもケンカ  
しても強がってばかりで泣き顔なんて絶対僕に見せないだろ?大きくなってから泣い  
たところを見るなんて初めてだからさ、何かそういうとこ女の子らしいって思ったよ。 
……ってちょっと不謹慎かな」  
 
フェイトは自分に苦笑するように微笑んだ。  
それにつられてソフィアも微笑む。  
 
「あたしは昔から立派な女の子ですよーだ」  
 
「そうだったっけ?あんまり記憶にないなぁ」  
 
「あ、ひどーい!!こんなに可愛い娘が近くにいるのに」  
 
「え、どこに?」  
 
「もう、フェイトの馬鹿!!そんなこと言うんだったら地球に帰った時にもうご飯作  
ってあげないんだから!!」  
 
「あぁ、ゴメンゴメン。あまりに可愛いから逆に気付かなかったよ」  
 
「ホント……?すっごい白々しいよ……」  
 
「本当だって。キスしたいくらい可愛いよ」  
 
「………それって喜んでもいいの?」  
 
「走りまわるくらい喜んでもいいんじゃないか?」  
 
そう言って二人は声を上げて笑った。いつもの調子に戻った二人に穏やかな時間が流  
れる。もうソフィアの目に涙の色は無かった。そこにはいつもの様に見慣れた笑顔の  
少女がいた。  
 
「やっぱりソフィアは笑っているのが一番だな」  
 
と言うフェイトの屈託のない笑顔にソフィアはドキッとする。  
そう、ソフィアはフェイトのこの笑顔に恋していたのだ。この笑顔を見るために努力  
した事もあった───失敗したことも多々あったが。  
今このタイミングで発動したフェイトの笑顔が少女に一つの決断を下す後押しをした。  
 
ソフィアは立ち上がり正面に立つフェイトに近づき、つま先立ちでフェイトの唇に自  
分の唇でそっと触れる。  
ソフィアにとって一世一代の大決心だった。この先どうなるか全く予想しないでとっ  
た行動である。  
口づけした後、ソフィアはフェイトの顔を見れなくて俯いたままだった。  
 
フェイトはソフィアの急にとった行動に驚くというより訳がわからず混乱していた。  
何で急に自分にキスをするのかわからずただ突っ立っていた。自分にキスをした少女  
は俯いたままだ。心無しか肩が震えている。どうにも挨拶代わりに交わされる軽いキ  
スの意味合いを持たないようだ。それがさらにフェイトを混乱させた。  
 
───沈黙が場を支配する。  
 
静寂を切り裂いたのは少女の方だった。  
 
「……フェイト、怒ってる……?」  
 
恐る恐る尋ねる少女は俯いたままだ。声が震えている。  
 
「……いや、怒ってなんかいないけど……」  
 
「……けど?」  
 
「意味がわからなくてさ。何で急に……キス…したのかなって」  
 
「さっき………私の事、……キス……したいくらい可愛いって言ってくれたから…」  
 
「………真に受けるなよ。あんなの冗談に決まってるだろう。僕があんな軽口叩いた  
から悪かったんだな……ゴメン、謝るよ。そして忘れてくれ」  
 
自分の一世一代の行動をゴメンで済まされて、挙句の果てには忘れてくれと言われて  
ソフィアは頭にカッと血が昇るのを感じた。そしてフェイトを睨み付けて感情のまま  
に言葉を吐きだした。  
 
「私がフェイトのあんな軽い一言でこんな事すると思ってるの!?あれくらい私にだ  
って冗談だって分かってたよ!!お世辞でも嬉しかったけど……。私がフェイトにキ  
スしたのはずっとフェイトの事が好きだったからなの!!それ以下でもそれ以上の理  
由も無いんだから!!それなのに忘れろって……、そんなのあんまりだよ!!自分の  
ファーストキスを忘れるわけないじゃない!!だから、だから───」  
 
ソフィアの悲痛な叫びはフェイトの腕の中で遮られた。  
フェイトはまさか幼馴染で妹のようなソフィアに告白されるなんて微塵も思って  
いなかった。確かにソフィアは昔からそれなりに異性にモテていたが交際経験は無い  
みたいだった。その理由が自分に想いを寄せているからだなんて……  
 
「ゴメンな、気付いてやれなくて……」  
 
そう言って強くソフィアを抱きしめる。それはどんな言葉よりも説得力があった。ソ  
フィアはフェイトの腕に抱かれながら首を横に振った。  
 
「私、フェイトになら抱かれても良いよ。ううん、私フェイトに抱かれたい。フェイ  
ト以外の誰にも抱かれたくない。だからお願い、私を……抱いて…」  
 
腕の中のソフィアにそんなことを言われた。フェイトの頭をマリアの顔がよぎる。フ  
ェイトとマリアは恋人の関係だ。ソフィアにここまで言われたら男として女に恥をか  
かせるわけにはいかないと思うがここでソフィアと関係を持ってしまったらマリアに  
対する裏切りになってしまう。なるべくソフィアの気持ちを汲んでやりたいが返事二  
つで了承できるほど簡単な状況ではない。考えあぐねいて返答ができずに黙っている  
と、  
 
「私じゃ……ダメ……かな?」  
 
今日何回も聞いた弱々しい声。  
少し間を置いてフェイトが口を開く。  
 
「ソフィア、ちょっと聞いてくれ」  
 
フェイトは正直に話すことにした。自分とマリアの関係について。それでソフィアが  
納得してくれたら問題は解決する……はずだった。自分がマリアと付き合っているこ  
とを知ったら控えめなソフィアは必ず身を引く、そう思っていたからこそ微妙な誤差  
が生じた。  
予想に反してソフィアは全てを知っても動じなかった。  
 
「そっかぁ、フェイトはマリアさんと付き合ってるんだ。もしマリアさんに知られた  
ら大変だもんね。だから返事に困ってたんだぁ」  
 
マリアとの関係を知ってもソフィアは落ち込むどころかむしろ喜んでいる風な口ぶり  
だ。フェイトにはソフィアの考えていることが全くわからなかった。フェイトの頭の  
上には3つのクエスチョンマークが漂っていた。  
 
「私フェイトに抱かれるの止める」  
 
やっと自分の予想していた展開になってフェイトはホッとした。確かにこのまま関係  
を持ってしまってマリアにバレたらどうなるか……。据え膳食わぬは何とやらとは言  
うがそんなリスクを背負う必要は無いわけで。  
しかし、ソフィアは何かを企んでいるように目を輝かせ口の端をにた〜っと上げてい  
る。  
 
「私がフェイトを抱く!!」  
 
クエスチョンマークが4つに増えた。  
そしてソフィアは全体重をかけてフェイトをベッドに押し倒した。  
 
ソフィアはフェイトを押し倒した勢いでそのまま接吻をした。それはファーストキス  
を済ませたばかりのソフィアらしく多少ぎこちなさの残るものだった。  
展開に頭が追いつかずフェイトは混乱するばかりだった。クエスチョンマークは……  
…たくさん。フェイトは自分の上に乗っているソフィアの両肩を手で押し上げた。  
 
「おい、ソ、ソフィア!!じ、自分のしている事がわかってる……のか!?」  
 
意外にもソフィアは飄々とした態度で答える。  
 
「わかってるよ。フェイトはマリアさんと付き合っている。だからフェイトは私を抱  
けない。だけど私はフェイトと一つになりたい。だから、私がフェイトを抱くの」  
 
フェイトは頭が痛くなるのを覚えた。  
 
「あのなぁ……」  
 
フェイトがため息と同時に言葉を漏らす。と、ソフィアがフェイトの手を取って自分  
の胸に押し当てた。適度な弾力にフェイトの神経は手に集中した。ソフィアの胸は服  
ごしからでもわかるくらいに大きい。マリアのそれと比べる必要のないくらいに大き  
かった。胸が大きいことはわかっていたが実際に触るのは初めてだった。何だか不徳  
な感じがした。  
 
「私だってもう立派な女の子なんだよ。ほらここだって……」  
 
そう言うと今度はスカートの中にフェイトの手を導く。そしてフェイトの手を使って  
自らを慰めるように割れ目に沿って動かす。息使いがだんだん荒くなり時々可愛い声  
が漏れる。フェイトの手を動かすだけに留まらず自分でもいやらしく腰を円運動させ  
た。フェイトの手には下着ごしに秘部の感触と熱が伝わっていた。  
───そして濡れ初めていた。  
ソフィアはどうやらオナニーの経験があるらしい。自分の気持ち良い所をちゃんと知  
っていて自分の思うがままにフェイトの手を使って快感を得ていた。実際、ソフィア  
は自分の指で触った時とは比べ物にならない快感にすっかり夢中になっていた。  
 
(フェイトの手……すごい気持ち良い……)  
 
そして急にフェイトの手は太ももにキツく挟まれた。ソフィアは目を閉じ顔を紅潮さ  
せ、唇を噛みしめる。身体が一瞬、痙攣したように震えた。そして熱い液体が溢れる  
のをフェイトは手で感じた。  
ソフィアは軽くイッてしまったのだ。そしてはぁはぁと肩で息をしている。初めて見  
るソフィアのその様子は何か見てはいけないものを見てしまったような感じを彷彿さ  
せる。  
 
「……はぁはぁ……フェイトの…手が……気持ち良すぎたから、……私イッちゃった」  
 
ソフィアは恥ずかしい事をあられもなく言う。フェイトはさっきからいつもからは想  
像できないソフィアの行動を目の前にして何もいう事も、する事もできなかった。こ  
のままだと確実にソフィアと関係を持ってしまうのは明らかだった。  
 
(これではまずい……、すっかりソフィアのペースに呑まれている)  
 
そう思ったフェイトは今がこの状況を打破する最後のチャンスだと感じていた。ソフ  
ィアからフェイトを襲えばフェイトに責任は無いというのがソフィアの言い分だがそ  
れに賛成した覚えはない。ソフィアは今イッたばかりだからきっと満足しているだろ  
う。これで終わりにすれば一線を越えずに済む。何とかこのチャンスをものにしてソ  
フィアを説得させようとフェイトは口を開こうとするが、  
 
「ソフィア、…………っう!!」  
 
ソフィアはいつの間にかフェイトの足の間に移動していた。フェイトの陰茎をズボン  
のファスナーから露出させ興味深そうに指で感触を確かめている。  
 
「これが、フェイトのおちんちん……」  
 
まるで愛しいものでも見るような目つきでフェイトの陰茎をじっくり見る。そして先  
端に優しく口を付ける。その瞬間フェイトのペニスがビクッと反応した。ソフィアは  
その反応が楽しかったらしく何度も先端を攻める。やがて柔らかかったものは血液を  
充填しみるみる硬く大きくなった。男性器が勃起するのを初めて見たソフィアは驚い  
ていた。  
 
(こんなに大きくなるなんて……、これ……本当に私のアソコに入るの?)  
 
ソフィアの予想以上の大きさだったらしい。性交する瞬間を想像して少し不安と恐怖  
が頭をよぎった。だがその思いよりもフェイトに対する想いの方が強かった。ソレは  
フェイトの陰茎なのだ。そう思い出すとなぜだか愛しく感じる。  
そして曖昧な知識でソフィアはフェイトの陰茎を頬張る。  
全部は入り切らない。  
ソフィアは何とか全部を口に含もうと思い勢いをつけて一気に咥え込む。勢いがつき  
過ぎてノドの奥まで到達した。急に締め付けられる感触にフェイトは射精感を覚える。 
だがここで出すわけにはいかない………特に明確な理由があるわけではないがフェ  
イトはそう思った。強いていうなら男としての意地だろうか。  
ソフィアは咳き込みそうになるが必死で耐えた。口の中に広がるフェイトの熱、体温。 
それを撫でるようにゆっくり口を上下に動かしていく。歯を立ててはいけないこと  
を知っていたから口をすぼめて唇の圧力で陰茎を締め付ける。  
最初はゆっくり動かす。フェイトが敏感に反応しているのがわかる。さらに続けると  
口から唾液が流れてきてフェイトの陰茎はすっかり唾液まみれになった。ソフィアは  
咥えながら根元の辺りを握って軽く上下にしごく。唾液が潤滑油代わりになっている  
ためスムーズに動かすことができる。口と手で愛撫しているとフェイトも快感を得た  
らしい。陰茎自体の味とは違った味覚がソフィアの舌を刺激する。少ししょっぱい感  
じだ。  
 
「フェイト……すごいえっちな味がするよ………」  
 
それは唾液に混じってフェイトのカウパー腺から分泌された液体の味。フェイトが快  
感を得ている証。ソフィアは自分が発した言葉にすっかり興奮していた。  
ソフィアはすっかりフェラチオに慣れて高度な技術を自然と使っていた。亀頭だけを  
咥え口内では舌で刺激し、手は根元からカリまでをねじるように上下させる。何故こ  
んなことが経験の無いソフィアにできるのだろう………これは天賦の才能だ、そう思  
う事でしか理由が付けれなかった。  
フェイトはそんな事を考える余裕が無かった。フェラチオなんて久しぶりだからだ。  
実はマリアは何故かフェラチオだけはしてくれなかった。それがどうしてなのか理由  
は教えてくれないがそれだけはNGだった。もちろんシックスナインも。好きだからフ  
ェラチオができるとか、そういう次元では無いらしい。とにかく、フェイトはフェラ  
チオされる刺激には慣れていない。  
もうソフィアを止めるような気力は無い。ただソフィアから与えられる口の刺激に耐  
える事だけに全神経を集中させていたからだ。  
 
「フェイト、フェイトのぴくぴくしてるよ……気持ち良い…?」  
 
フェイトは必死で別の事を考えていたがそれも限界に近かった。その事が表情からも  
容易に読み取れた。もちろんそれはソフィアにもわかった。  
ソフィアはふと陰茎への愛撫を止めた。フェイトは限界を迎えつつあった状態から開  
放されて内心ホッとした。あと数秒続けられていたら間違いなく発射していた、ソフ  
ィアの口内に。だがつかの間の安堵感はすぐに音を立てて崩れた。  
ソフィアは猫がプリントされた下着だけを脱いでおもむろにフェイトの上にまたがっ  
てきた。  
 
───やばい!!  
 
ソフィアは今まさにフェイトと結合しようとしている。このままでは一線を越えてし  
まう。すっかりソフィアのフェラチオの快感に心を奪われていたため意識の切り替え  
と対処が遅れた。すでにソフィアはフェイトのペニスの先端を膣の入り口にあてがっ  
ている。ソフィアが腰を沈めさえすれば二人は一つになる。  
 
(フェイト、挿入するよ……)  
 
口には出さなかったが確かにソフィアの目はそう言っていた。  
 
「ソフィア、やめろ!!」  
 
フェイトが叫ぶのとソフィアが一気に腰を沈めたのはほぼ同時だった。  
 
───破瓜の時。  
 
薄膜が薄く高い音を立てて破れた。音は実際には聞こえていない。正確には「聞こえ  
た気がした」だ。ソフィアは激痛と共に膜が破れる感触を身体で感じていた。その感  
触がフェイトに伝わったかどうかはわからない。  
戦闘で敵から受ける外的な痛みとは全く違っていた。身体が二つに引き裂かれるよう  
な全身を一直線に伝う痛み。  
 
「───────っっ!!」  
 
あまりの痛みにソフィアの叫びは声にならなかった。  
確かに十分に濡れていたとはいえ、一気に奥まで到達させたのだからその痛みは尋常  
なものではない。あまりの痛みにソフィアの目からは一筋の涙が流れる。口と目を大  
きく開けて微動だにしない。  
フェイトはとうとう一線を越えてしまったという思いよりもソフィアのその悲痛な様  
子が心配になった。  
 
「おい、ソフィア……大丈夫か………?」  
 
結合部からは鮮血が流れていた。  
フェイトの声でソフィアの意識はフェイトに向けられる。  
 
「……うん、平気。ちょっと痛かっただけだから……」  
 
明らかなウソだ。無理に笑顔を繕って平気な様子を装っているが身体は強張ったまま  
だ。そう言うとソフィアは貫通したばかりなのに腰を動かし出した。それは「平気だ」 
と言った自分の言葉を何とか貫き通そうとする健気な行動だった。しかし少し動か  
しただけで激しい痛みが頭のてっぺんまで届く。そのたびにソフィアの顔は歪み、結  
合部からはまた新たな血が流れる。  
 
「おい、ソフィア!!無理するな、もう動くな!!」  
 
フェイトは止めようとするがソフィアの動きは止まらない。  
 
「この……痛みが……、フェイトと繋がった……証拠だから………」  
 
気付くとフェイトは繋がったままソフィアを抱き寄せて無理やり動きを制止させた。  
するとソフィアはようやく動くのを止めてフェイトの上で大人しく抱かれていた。  
 
「ねぇ、フェイト……キスして……」  
 
一線を越えてしまった事実はもう変えられない。時計の針を戻したって過ぎた時間は  
帰ってはこない。  
 
「僕はなんて事を……」  
 
フェイトは後悔していた。取り返しのつかない行為。ソフィアに言わせれば「私が襲  
ったからフェイトは何も気にすることない」なんだが今考えると本当に止める事がで  
きなかったのかどうかすら怪しい。自分も心のどこかでソフィアと繋がりたい、そう  
いう思いがあったのかもしれない。だから止められなかった……止めなかった、そう  
考えるようになっていた。  
あの後しばらく抱き合っていただけで最後まではしなかった。今日はもう終わりにし  
よう、そう言ったがソフィアはなかなか首を縦に振ってくれなかった。このままでは  
フェイトの大きくなったモノが鎮まらないからフェイトが可哀想だ。それがソフィア  
の言い分だった。そしてフェイトは仕方なくソフィアがフェラチオをして射精を促す  
という事で納得してやった。もう限界を迎えつつあったフェイトはあっさりソフィア  
の口内に白濁液を射出した。ソフィアは初めて味わう精液の味を堪能するように口の  
中で転がして飲み込んだ。恍惚した表情は少女の顔ではなく女の顔だった。  
 
「またフェイトを抱きに来るから。今度は最後までするからね」  
 
そう言って部屋を出ていったソフィアの顔は晴れやかだった。  
フェイトは紅い染みができたシーツに視線を落としてため息を一つ。  
まだこの事実を知る者は本人達以外にいないがマリアの耳に入ることになるのはそん  
なに遠い未来のことではなかった。  
 

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