コンソールパネルが立ち並ぶ大きな部屋。部屋の正面中央には多重投影式の巨大なスクリーンが掲げられていた。  
そしてさながら戦艦の艦橋を思わせる構造体。それが『発令所』だった。  
部屋にはフェイトとなにやら熱心にキーボードを打つ女性二人きり。  
女性はクリーム色のジャケットに、割と短い丈のスカート、白いストッキングという出で立ち、フェイトは青と白が基調のさながらダイビングスーツを思わせる『プラグスーツ』を着ている。  
「マヤさん」  
フェイトは目の前の女性に声を掛けた。  
「あらフェイト君、来ていたの?」  
マヤと呼ばれた女性は手を休め後ろを振り向くとにこりと微笑んだ。  
「まだ初号機のテスト終わっていないの?」  
「もう終わったんですけどね…。マヤさんに一目会いたくてそのまま来てしまいました」  
何も知らない人には意味不明な会話が二人の間で交わされる。  
実は今フェイトはシミュレーターソフト「新世紀エ○ァンゲリオン」をプレイする真っ最中であった。  
この通称「エヴァ」と呼ばれるソフト、宇宙歴以前のロボットアニメがベースになっているのだがゲームとしての自由頻度がすこぶる高く、通なゲームと言われていた。  
フェイトはこのゲームにおいて主人公の役割を演じその主役ロボ「エヴァンゲリオン初号機」のパイロットという役目だった。  
目の前の女性、マヤこと伊吹マヤは主人公(この場合はフェイトだが)の所属する組織「ネルフ」のオペレーターであり、今は主人公フェイトと恋人という状態だった。  
そしてこの後、フェイトはマヤとのプレイをもくろんでいるのである。(ゲーム無いのキャラとのバーチャルセックスはこの時代当たり前のことになっていた)  
フェイトがマリアに相手にされていないからと言うわけでもないのだが、「不倫」のスリルを感じるのがフェイトは好きだった。  
ちなみにフェイトが着ている服は『プラグスーツ』というエヴァの専用パイロット服である。 
 
「まだ残業なんですか?」  
そう言ってフェイトはそっとマヤに寄り添う。  
「これが終わったら終わりなんだけど…」  
ぼやくマヤ。  
「良いじゃないですか…。僕が許可しますよ」  
そう言ってフェイトはそっとマヤの胸をまさぐった。  
「ひゃう!だめフェイト君、それにここは常時監視されて…」  
「大丈夫ですよ…監視は止めてありますから」  
にこりと微笑むフェイト。実は今のフェイトは本来のゲーム主人公と違い大幅な権限を委譲されていた。  
裏技の成果(転生したという設定)なのだが、おかげで敵を倒すことより他のことに(恋愛etc)集中できる環境があった。  
そう言う内にも少しずつ服をはだけ、下着を外していくフェイト  
<ここのオペレーター服、本当色っぽいよな…>  
ここの、主人公が所属する組織ネルフの女子制服はそんな感慨をフェイトに与える。機能的と言えばそうなのだが、どこかしら色香を感じてしまう服なのである。  
「…フェイ、ト君?」  
艶めかしいマヤの声に我に返るフェイト。焦らされたマヤは半ば涙目でフェイトに訴えかけていた。  
「すみません…」  
思わず謝るフェイト。そしてフェイトが自分のモノを取り出そうとしたとき…  
 
「ちょっと、サード何やってるの!!」  
突然の罵声にビクッとするフェイトとマヤ。サードとは主人公が三番目のパイロット適格者であるため『サードチルドレン』とも言われているためだが、このシーンで自分をサードと呼び捨てにする  
『惣流・アスカ』は登場しないはずである。しかも声に聞き覚えがある。ゆっくり振り向くとフェイトは目を丸くした。  
「マ、マリア!?」  
そこには青が基調のプラグスーツを着たマリアが自分を睨みつけて立っていた。  
驚くフェイトの脇ではマヤが名残惜しみそうになおかつ大慌てで服を整える。  
「なんでマリアがここに?」  
混乱するフェイト。  
「…何を言っているんですか。マリアさんは二号機の試験で来ることになっているんですよ。彼女はセカンドチルドレンなんですから…」  
マヤがそっと囁く。  
『!?』  
フェイトは完全にパニックになっていた。知らない間にマリアもこのゲームの主要キャラになっていたのだ。しかも不倫現場をばっちり押さえられている。  
その後の報復を考えるとフェイトの顔面は血の気が引いた。  
「…マヤさん」  
「は、はい!!」  
マリアにドスの利いた声で喋りかけられマヤは恐怖の余りうわずった返事を返した。  
「サードと話があるので一緒に連れて行きます」  
「わかりました」  
「それとこのことは私達だけの秘密と言うことで…」  
マリアの感情のこもらない冷徹な話し方に恐れを抱きこくこくとうなずくしかないマヤ。そして無言のままフェイトの腕をぐいぐい引っ張ると部屋から連れ出した。  
フェイトは恐怖の余り何も言うことが出来なくなっていた。 
 
「あんたバカ?」  
フェイトを誰もいない個室に連れ込んだマリア。フェイトをベッドに放り出すようにして言い放った一言がこれだった。  
「私という人がいながら、あのマヤって娘とイチャイチャしようとしたわけだ…」  
自分を睨みつけるマリアの冷たい言葉にフェイトは震え上がっていた。とにかく言い訳は通用しない、この場から逃げ出す方法を必死になって考えた。  
「あんたなんて…あんたなんて…、殺してやる、殺してやる、殺してやる!!」  
感情を爆発させたマリアがフェイトに飛びかかり首根っこを掴んで思いっきり揺さぶる。  
「く、苦しい…」  
徐々に意識が遠のくフェイト。だがふとマリアの腕が止まった。  
みるとマリアが自分を見つめながらポロポロと涙を流している。  
「このバカフェイト…。例えゲームのキャラが相手でもあなたが他の人と愛し合う姿なんて私は見たくないのに、それなのにあなたは…」  
そしてついには嗚咽をこらえながら泣き始め、フェイトの上に突っ伏した。  
「ごめん、マリア…」  
今更ながら自分の軽率さを悔やみただただ謝るフェイト。そっとマリアの髪をなでる。  
「言葉だけじゃ許さない…」  
「!?」  
「あなたが息も絶え絶えになるまで搾り取ってあげるわ…」  
顔を起こしたマリアの口が不気味な笑みの形に歪む。そしてマリアが指をパチンと鳴らすとベッドの四方からシーツがロープのように伸び、フェイトの手足を固定した。  
「ふふふ、これであなたを思う存分あなたの精を搾り取れる…。覚悟なさい、バカフェイト…」  
悪意のある笑みを浮かべるマリア。それに恐怖したフェイトは思わず  
「コンピューター、システム解除!!」  
と叫んだ。システムが解除されれば少なくとも手足の拘束は解けるはずだった。だが、部屋の様子はそのまま、システムが解除されない!!  
 
「残念、シミュレーターのシステムは私じゃないと解除できないように設定を変えて置いたの。これであなたは逃げられないわ」  
そう言いながらフェイトを押さえつけプラグスーツをナイフで切り裂くように脱がし、自らのプラグスーツを脱ぐマリア。  
「どうフェイト、なかなか色っぽいでしょう?」  
マリアの均整の取れた裸体、それを見たフェイトは自らのモノを自然とそそり立たせていた。  
「さっきマヤを抱き損ねた性かしら、随分立派になっているじゃないの…」  
そう言いながらフェイトのモノに舌を這わすマリア。  
 
ペロ、ジュル、レロ  
淫猥な音が部屋に響く。根元から先端まで丁寧にフェイトのモノを舐めるマリア。手足の自由を奪われたフェイトはその気持ちよさにただ息を荒くするのみ。  
そして射精が近づき、顔を歪めるフェイト。だがもう少しというところでマリアはフェラを止めフェイトの根元を思いっきり握った。  
「イタッ!」  
痛みに顔を曇らせるフェイト。それと同時にいかせて貰えない焦燥感がフェイtの心に芽生えた。  
「フェイト、これからはゲームでイチャイチャしないと誓って…でなければイかせてあげない…」  
冷酷とも言えるマリアの宣告。一瞬躊躇うフェイト。それを見るなりマリアはもう一度フェイトのモノをギュッと握った。  
苦痛に顔を歪めるフェイト。  
「もう一度聞くわ。承知してくれるわね…?」  
冷たい視線を送るマリア。今度断れば次は何をされるか判らない。フェイトは黙ってうなずくしかなかった。  
マリアはそれを見て満足そうに微笑むとフェイトのモノを思いっきりくわえ込んだ。  
根元までくわえ込んでしゃぶり尽くすマリア。  
「くっ!!」  
フェイトの体が痙攣し、マリアの口の中に熱い精液が流し込まれる。そしてマリアはその精液を美味しそうに飲み込んだ。  
「クス、美味しい…」  
妖艶な笑みを浮かべるマリア。フェイトはもはや逃げ出すことなど頭にない状態だった。 
 
「それじゃ、フェイト、そろそろいくわよ…。でもその前に…」  
フェイトの上にまたがったマリアが指をパチンと鳴らす。するとフェイトの手足を拘束していたシーツが緩んだ。  
「やっぱり何も出来ない相手から一方的に搾り取るのは嫌なのよね…」  
一言呟くとマリアはフェイトの剛直を花弁にあてがい、身を沈めた。  
「ふぁああ!!すごい、フェイトの大きい!!」  
あられもない喘ぎ声を出すマリア。一方のフェイトはもはや観念したか、出来るだけいい思いをしようと腰を突き上げる。  
「いい、フェイト!もっと、もっと突いて!!」  
顔を上気させ、あえぐマリア。フェイトは上半身を起こすと器用にマリアの胸をまさぐった。  
「ひゃぁっ!!いいの、マリアのオッパイもっといじって!!」  
自らもまた胸をまさぐるマリア。刹那フェイトは思いっきり一突きしてマリアの体を浮かせ、その隙に自らのモノを引き抜いた。  
驚くマリアに有無をいわせずそのままベッドに押さえつけるフェイト。  
「ちょ、ちょっとフェイト…」  
「やっぱりマリアに一方的にやられるのは嫌だからね。本気でイかせて貰うよ…」  
攻守逆転、フェイトはニヤリと笑うとそのまま正常位の態勢でマリアを突いた。  
「こ、こんなの…!すごい!!」  
与えられる快楽に酔うマリア。フェイトは今までのお代えしとばかりに激しく突き立てる。  
「マリア、そろそろいくよ…!」  
そのつぶやきと同時にフェイトはマリアの中に自らの精を解き放った。  
「あ、熱い!イク!イッチャウ!!」  
フェイトの精の暖かさを受け、マリアは絶頂に達した。  
 
「ねぇフェイト…」  
「ん?なんだい、マリア?」  
先程までの行為の余韻が残る部屋。ベッドに二人並んで寝ているフェイトにマリアが声を掛けた。  
「この、ゲームのセーブデータ、私にわけてくれない?」  
「えっ!?」  
突然の提案に驚くフェイト。  
「今の状態だと、二番目の適格者も異能者ということになってるわよね?」  
「そうだけど?」  
フェイトの言葉を聞いてニヤリとするマリア。  
「マリア?」  
「ちょっとね、いろいろやってみたくなっただけよ」  
フェイトはマリアが何をする気か少々不安だったが逆らえば何をされるか判らないし特に問題がないと思い同意することにした。  
そしてマリアはフェイトの代わりにマヤという女性といいことをしちゃうのであった。  
〜FIN〜 

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