イセリア・クィーンとの激闘を制したフェイト達一行。皆が立ち去る中、クリフ一人がスフィア社最上階に残っていた。
<…この女神様、結構べっぴんじゃないか…>
そんなことを思いながら気を失っているイセリア・クィーンを眺めるクリフ。
<最近ネルやらしてくれねーしな>
恋仲の筈のネルに最近冷たくされふてくされ気味のクリフ。何を思ったのかイセリア・クィーンに近づくと彼女の胸をまさぐりだした。
「…あ、ああん!」
イセリア・クィーンが甘い声を出す。気をよくしたクリフはさらにイセリアの体をまさぐった。
「はう、はぁあん!」
顔を赤くし、悶えるイセリア。その艶やかな唇にクリフは魅入られた。
「こいつは俺がいただいちまおう」
クリフはおもむろにイセリアの唇を奪った。
「ん、んん〜!!」
気を失っていたイセリアが目を覚まし、自分の置かれた状態を知り目を丸くする。
クリフから離れようとするが押さえ込まれてしまった。ダメージが回復しきっていなかったのだ。
「おおっと、逃げようたってそうはいかないぜ女神様」
「この外道!離しなさい!!」
「そんなこと言われてもねぇ」
クリフはおもむろにイセリアの下着に手を滑り込ませる。かすかな水音が部屋に響いた。
「ああん!」
「女神様も一応『感じる』んだな。こんな色っぽい女を目の前にして放置できるほど俺は大人じゃないんでね」
「…」
クリフの言葉と自らの痴態に返す言葉がないイセリア。
「ほら、こうしたらどうかな?」
指でイセリアの膣をかき回すクリフ。
「く、くう、あはぁ…」
感じることを必死にこらえるイセリア。
「ったく、強情な女神様だ。男の良さって奴を教えてやるよ!」
強引にイセリアの下着をはぎ取り、クリフは自らの剛直を女神の体に突き立てた。
「いや!やめなさい!!くっ、ああああ!!」
拒絶とも快楽とも区別の付かないイセリアの悲鳴が響く。
「おらおら、これならどうだ!?」
女に関しては多少の自信があるクリフ、女の感じる壺を心得た攻撃を繰り出した。
「あう、こんなの…駄目!感じる…あはぁあん!!」
イセリアが甘い声を出し悶える。
「どうだい、女神様。男の良さってもんがわかったろ?」
「いい、いいのぉ〜もっともっと突いて!!」
すっかり堕ちてしまった女神にクリフは気をよくし、さらに激しく突き立てた。
「それじゃ、女神様。そろそろフィニッシュといくぜ!」
クリフは大きく一突きするとイセリアの膣に熱い白濁液をぶちまけた。
「こ、これは、何?あ、熱い…、はぁ、意識が飛ぶ…いっちゃう!!」
クリフの性を躯に受け、イセリアは絶頂に達したのだった。
「あんた、なかなか良かったぜ」
その後初回と併せて三回イセリアを嬲ったクリフ。イキまくりで完全に惚けてしまったイセリアがクリフの言葉をきちんと聞いているかは疑問だったがそれでもクリフは言葉を進めた。
「また、機会があったらあんたを抱いてやるからさそれまで待っててくれよな、かわいい女神様」
頬に軽くキスをして決めぜりふを残し立ち去ろうとするクリフ。
突然その彼の首筋に短刀が突きつけられた。刃に施された細工、見覚えのあるそれに冷や汗を流し刃の先に視線をやるとそこには…。
「クリフ、あんた一体何をやっていたんだい?」
まさに修羅のごとき形相で自分に刃を突きつけるネル・ゼルファーの姿がそこにあった。
「あ、ネル…これはそうだな、こんなにこいつが強い理由は何か調べて…」
そこまで言いかけてネルの刃が首に食い込む感覚に言葉を詰まらせるクリフ。
「そうかい…、女を抱くことがあんたの言う『調査』なら、あたいを抱いたのもただの『調査』だった訳だ…」
悲しそうなネルの言葉に焦るクリフ。
「すまねえ、ネル。そうじゃないんだ。おまえを抱いたのはおまえのことを本当に好きだから抱いたわけで決して…」
「じゃあ、なんであの女神様を抱いたんだい?」
「いや、それは…」
「この浮気者!あたいという者がいながら他の女に手を出すなんて覚悟は出来ているんだろうね!!」
ネルの激昂に焦るクリフ。以前酔った勢いとは言え酒場の女を口説こうとしてネルに手ひどくやられた過去があったのだ。
「…それは本当なのですか?」
その言葉にクリフもネルも声のした方に視線をやった。見ると先ほどまで惚けていたはずのイセリアが復活していたのだ。とっさに身構えるネル。
一方のクリフはというとここぞとばかりに逃げ出そうとしていた。
「ネルとやら、あなたはあの男の恋人なのですか?」
「そうだよ、あたいはそう思っているけどね。でもあの男はへとも思っていないみたいでさ…あたいは悲しいよ」
「そうですか…、滅びの閃光!」
「なっ!?」
突如技を繰り出してきたイセリア。ネルは避ける体勢をとれずその場に身構えるのが精一杯だった。
<やられる!>
だがイセリアの繰り出した滅びの閃光はネルをかすめもせず、彼女の後方へと飛び去った。
「どわっ!!」
爆発音とともにクリフの悲鳴がとどろいた。滅びの閃光は逃げだそうとしたクリフをねらった物だったのだ。
「あんた、なんで…!?」
イセリアの行動に驚くネル。
「待つ女性(ひと)がいながら、他の女性に手を出すとは万死に値します。そうでしょ?」
イセリアの言葉に頷くネル。この瞬間、今倒すべき敵が誰なのかを互いに理解したのだ。
「いててて…なんだって言うんだ!?」
滅びの閃光で吹っ飛ばされてようやく立ち上がるクリフ。その前に二人の女(神)が立ちはだかった。
「ねぇ、クリフ、恋人のあたいを見捨ててどこにいこうっていうんだい?」
「あなたのような女をもてあそぶ外道こそ真の裁きを受けるべきなのです」
二人の怒れる女の視線にクリフは戦慄した。
「ちょ、ちょっと待て!俺の話も…!!」
「「問答無用!!」」
「裏桜花 炸光!!」
「絶望の十字架!!」
「ぐわぁぁぁああっ!!」
二人の必殺技が炸裂し吹き飛ばされるクリフ。
クリフ・フィッター:当面『再起不能』(リタイヤ)
女の敵を倒し意気揚々とする二人。だがネルは目の前の女神に対する警戒心を解けないでいた。
「ネル、あなたは何を身構えているのですか?」
「あ、いやね。さっきまで互いに死力を尽くして戦ったせいかあんたに気を許せなくてさ。一種の職業病だよ」
「安心してください、あなたと刃を交える気はありませんから」
「なんでだい?」
イセリアの言葉に怪訝そうに問いただすネル。
「先の戦いであなたが私より強いのは証明済みです。それを解っていて戦いを挑むほど私は愚かではありません」
「女神様からそう言って貰えるとはありがたいね」
不思議な雰囲気があたりを覆う。そして次に口を開いたのはイセリアだった。
「ネル、私の願いを聞いて貰えますか?」
「なんだい、女神様」
「イセリアと呼んで構いません」
「ならイセリア、あたいに何を頼みたいんだい?」
「下界を案内して頂けませんか?」
「下界を?まぁ別に構わないさ」
「ありがとう、ネル」
「ついでだから『女の良さ』ってものも教えてあげようかい?」
その言葉に顔を真っ赤にするイセリアであった。
〜END〜