窓の外は漆黒の闇。部屋の明かりのせいでまるで鏡のように私の姿が映っている。窓に息を吹きかけると
ガラスがサァーと白くなっていく。
アーリグリフの夜。外は今頃吹雪の筈。命の炎を吹き消しそうな吹雪、窓を叩く風の音と暖炉の燃えさかる火の音だけが周りを支配している。
音があまりにも少ないとついつい色々考えてしまう。そしてその中でも工房の様子を見に行った彼のことが一番気になってしまう。
「フェイト、大丈夫かな?」
いっそ迎えに行こうかと思った時。
「ただいま、マリア」
と彼が元気な声を上げて帰ってきた。
「遅いわよ、フェイト。心配したんだから」
「ゴメンゴメン」
そう言って彼はにっこり微笑む。
彼の笑顔をみると凄くほっとする。自分たちの世界が作り物だと知って心がボロボロになりかけた時、彼の笑顔と彼そのものが私を救ってくれた。
彼がいるからこそ自分たちの世界を守っていこうと思えた。それからだろうか?彼との距離をよりいっそう縮めたいと思うようになったのは。
「ねえ、フェイト?」
「なんだい?」
私はそこから何も言わずフェイトに抱きついた。そして彼の唇と自分の唇を重ねる。そして次第にお互いの舌を絡めていく。唇が
離れると唾液が糸を引いた。
「お願い、抱いて…」
「いいのかい?」
とまどい気味に彼が聞く。
「わざわざ確かめる必要があるの?」
ちょっと怒ったように返事を返す私。自分が自ら相手の体を求めるようなはしたない女になるなんて思ってなかった。けど彼、フェイトと1ミリでも
距離を縮めたいと思ったらどうでもよく思えた。
フェイトはにっこり微笑むと私のプロテクターを外していく。そして服のチャックを下ろし胸元に手を入れ乳首をいじる。
「ひゃあん!」
甘い声を上げる私。そして彼の逞しい手は徐々に私の秘裂にのびていく。彼の手がストッキングとパンティー越しに私の陰核をなでる。
「あう、フェイトぉ〜」
自分でも信じられないような甘い声を上げる私。既に股間は愛液でぐしょぐしょに濡れ彼の指が動くたびにいやらしい水音を上げる。
「ああん、いいのぉ、もっとクリトリスいじって!」
いやらしい言葉を発しながら私は足に力が入らなくなり、たまらず彼の体にしがみついた。そんな私の痴態をフェイトは喜々とした表情で見つめる。
普段、私が見せない女らしい(そして淫猥な)姿を独占できることをとことん嬉しがっているのだ。
気をよくしたフェイトは激しく私のクリトリスをいじる。
「そんなに、されたら、私…!!」
ビクビクと体を震えさせ、私の意識が少し遠のく。崩れ落ちそうになった私の体を彼が支えてくれた。
「イッちゃったんだね…」
「うん…」
彼の笑顔にもうろうとした意識のなかで答える私。
「それじゃ、そろそろ本格的に楽しませて貰おうかな?」
フェイトはそう言って私をベッドに寝かしつけた。そして怒張した男性器を私の膣に挿入していく。
「ああん、フェイトの、凄い!!」
脈打つ熱い肉塊が私の体を貫く。全身に電撃が走り快感に私は身を震わせた。私の痴態に気をよくしたフェイトは体の動きを徐々に早めていく。
「マリア、君のこういう姿、僕は凄く好きだよ!」
「あはぁあん、ありがとう、フェイト!」
痴態を晒しているのに私はフェイトに抱かれ、痴態を褒められて嬉しくなってしまう。
「そろそろ、イキそうだよ、マリア…。膣に出すよ!」
「いいの、フェイトの精液、たっぷり注ぎ込んで!!」
お互いに絶頂を迎える。そして…
「マリア、いくよ!!」
そんな彼の言葉と同時に私の膣を熱い精液が満たしていく。熱いどろっとしたものが私の膣を満たし、収まりきれなくなったものが秘裂から外へ流れ出る。
「熱い、フェイトの、凄く熱い!!私、イッチャウ!!」
彼の精液を受けて私は絶頂に達した私。私は彼と繋がったままキスをした。
「ねえ、マリア…」
フェイトが声をかける。あの後私は結局四回も彼とのセックスに興じてしまった。服を全て脱ぎ捨て二人してシーツにくるまっている。
「何フェイト?」
「マリアってみんなの前だと厳しくしているけど、僕の前だと素直というか凄くエッチだよね」
彼のその言葉、あまりにも図星な言葉に、私は恥ずかしくなってしまった。
「そういうおかしな事を言うのはこの口かしら?」
照れ隠しとしては少々強烈だけど私は彼の頬を思いっきり抓った。
「痛い、痛いよマリア」
「そう言うあられもないこと言わないで…。恥ずかしいじゃない…」
そこまで言うと私は彼にそっぽを向いてしまった。
「ゴメン、マリア。機嫌直してよ、ほら」
フェイトが私を彼の方に向かせにっこり微笑む。
「もう、フェイトったら…」
彼の笑顔には勝てそうにない。私たちはそっと唇を重ねた。
〜END〜