「お願いします!」  
褐色の肌の少女が必死になって頭を下げる。相手の女性は困惑するばかりである。  
「本当にいいの?」  
「いいんです!アルベルちゃんの足を引っ張りたくないし、このままだとアルベルちゃんが…」  
「…判ったわ…」  
少女の頼みを女性は聞き入れるのだった。  
 
「…ったく、あのクソ虫が…!」  
「どうかしたかの?」  
カルサアの一角、風雷が拠点にしている館でアルベルが愚痴っている。そこへ風雷の隊長、ウォルターがやってきた。  
「あん?なんだ爺さんか…」  
「おまえさん、スフレという娘と一緒じゃなかったのか?」  
「爺さんには関係ねえだろ!」  
アルベルはスフレのことを聞かれると何故か怒って出ていってしまった。  
「まったく、困ったものじゃわい」  
ため息をつくウォルター。  
 
町に出たまでは良かったが実際のところアルベルは途方に暮れていた。アリアスでスフレにせがまれ二人で別行動を取ったまでは良かったがカルサアに来る途中、スフレがモンスターに襲われ  
アルベルがそれをかばったのだ。ところがアルベルはスフレを思い注意しようとしたのだが元来のひねくれた性格があだとなり  
「俺の足手まといになるな!(訳:危険なマネはしないでくれ!)」  
と怒鳴りつけてしまったのだ。  
そして町についてすぐスフレが姿を消してしまったのだ。  
<…まったく心配ばかりかけさせやがって…>  
そう思っていると町の広場から歓声が聞こえる。そして人集りが出来ていることにようやく気づくアルベル。  
「…なんだ?」  
不思議とアルベルの足はその人集りに向かっていった。  
 
「いいぞ姉ちゃん!」  
「綺麗だぞ〜!!」  
「かわいい!!」  
町の若者達が声援を送る先で、一人の女性が華麗な踊りを見せている。褐色の肌とロングの銀髪、その姿はさながら妖精のようにみえた。  
女性の年の頃は二十歳ぐらいだろうか?放浪の音楽家とおぼしき人物の演奏に合わせ華麗な踊りを披露している。  
やがて女性が決めポーズを取り拍手喝采となった。人々からお金が投げ込まれていく。踊り子は何故かそのお金を全て音楽家に渡してしまう。  
<…見とれてる訳にはいかねえんだ…>  
スフレを探そうとその場を立ち去ろうとするアルベル。だが…  
「待って下さい!」  
突然、踊り子がアルベルに声をかけた。  
 
「なんだ?俺は今おまえにかまけている暇もないし、あんたなんか興味ないんだ」  
「スフレ・ロセッティという女の子をお捜しですね?」  
「何!?」  
踊り子のその言葉を聞いてアルベルはとっさに刀に手をかけた。まだ残っていた観客がどよめく。  
「てめえ、一体何者だ!?」  
「待って下さい。あなたは無力な女性に刀を向けるのですか?」  
「ちっ!」  
確かに武器を持たない、しかも女性に刃を向けるのは失礼至極な話である。アルベルは刀から手を離した。  
 
「スフレは無事です。ここではなんですから人目のつかないところでお話ししませんか?」  
「返答次第ならただじゃおかないぞ」  
結局気を許せる場所が無く、その踊り子を風雷の館に連れて行くことにした。  
 
「なんじゃ、スフレがいなくなったと思ったら別嬪の踊り子を連れ込んだか?」  
ウォルターが冷やかす。  
「うるせえぞ、じじい!!とにかく部屋を一つ借りるからな!」  
アルベルはカンカンになって踊り子を連れて部屋に向かった。  
「はて?あの踊り子、どこかで観たような…?」  
首を傾げるウォルターだった。  
 
「…で、スフレはどこなんだ?返答次第では…」  
刀に手をかけ踊り子に詰め寄るアルベル。もしもの時は相手が女性だろうと叩き斬るつもりである。  
「ゴメンね、アルベルちゃん」  
女性の年甲斐もなくかわいらしい、しかも聞き慣れたセリフにアルベルはキョトンとしてしまった。  
「なんだ、てめえ?なんで馴れ馴れしい呼び方をしやがる?」  
「ねえ、アルベルちゃん、スフレは左の肩に生まれつきアザがあるって聞いているよね?」  
踊り子の言葉は事実だった。スフレは生まれつき左肩に特徴のあるアザがあり、整形をしても消えないと話していたのだ。  
そしてそのアザをアルベルも観たことがあった。  
「やけに詳しいじゃねえか…」  
「観て…」  
踊り子が立ち上がり左肩の裾を捲し上げる。突然の行動に驚くアルベルだったが、女性の肩にある物をみてさらに驚いた。  
「何!?」  
その踊り子の肩にスフレとまったく同じアザがあったのだ。  
「アルベルちゃん、あたしがスフレなんだよ?」  
女性の、スフレの告白を聞いたアルベルはひっくり返りそうになった。  
 
「ななな!?あいつはまだ14だぞ?おまえはどう見ても20前後じゃないか!いい加減な事を…!!」  
「ブレアさんだよ」  
「なに?」  
この世界が作り物で、それをぶっ壊そうとしている連中がいる。それを止めるために協力している女性の名をアルベルは思い出した。  
「あの女がおまえをこんな風にしちまったのか?」  
「誤解しないで!あたしから頼んだんだよ!」  
「なんだって?」  
 
「あたし、アルベルちゃんに足手まといって言われたくなくて、それにこのままあたしが大人になるまで待ってたらアルベルちゃんおじちゃんになっちゃうでしょ?」  
「だから、ブレアさんに頼んで大人にして貰ったの…」  
「馬鹿野郎!」  
アルベルが怒鳴ったせいでスフレは涙目になってしまった。  
「やっぱりいけなかった?」  
「違う!だけどなおまえは本当にクソ虫だ、俺なんかの為にそこまでやることねえだろ…」  
自分みたいな非道な奴の為に人生の何パーセントかを犠牲にしたスフレの行動があまりにも嬉しくて切なくてアルベルは言葉が続かなかった。 
 
「アルベルちゃん、泣いてるの?」  
「違う!」  
涙声で否定するアルベル。  
「ねえ、アルベルちゃん」  
「なんだ、クソ虫」  
「私を抱いて…」  
スフレの言葉に固まるアルベル。女性経験がゼロではないが、一方的に言われるのは初めてだったので抗体がまるでなかったのだ。  
「あたし、アルベルちゃんのこと、好きなんだよ!」  
「いくら体が大人になったからってまずいだろ?」  
「そうなんだ…。アルベルちゃんの意気地なし」  
スフレの言葉を聞いてカチンと来たアルベルはスフレをベッドに押し倒した。そして強引に服をはぎ取り、年相応のスフレの胸に舌をはわせた。  
「ひゃう、なんか変な感じだよ、アルベルちゃん…」  
「まってろクソ虫、てめえの言ったセリフを後悔させてやるからな」  
 
次第に濡れてきたスフレの秘裂にアルベルは指を差し入れかき回した。  
「ああん、なんだか体が熱いよ…」  
「そろそろ、いいかな?」  
アルベルは服を脱ぎ去るとスフレの秘裂に自らの剛直を突き立てた。だがスフレは処女である。途中で処女膜に突き当たりそれ以上進めない。  
「アルベルちゃん、お願い…!」  
「いくぞクソ虫…」  
アルベルは思いっきりスフレの体を貫いた。破瓜の血がシーツを汚していく。  
「いたぁあああい!!」  
破瓜の痛みにスフレが悲鳴を上げる。  
「だから言ったろうがクソ虫。止めるなら今のうちだぞ?」  
そうは言いつつもスフレの事が心配でならないアルベルは動けないままでいた。  
「アルベルちゃん、じっとしていると痛みが続くだけだって聞いているから、動いて…」  
「わかったよ」  
アルベルは徐々に腰を動かしていった。最初苦痛に顔を歪ませていたスフレだったが次第にその表情が和らいでいった。  
「アルベルちゃん、なんか凄く、気持ちいい、よ…」  
「俺もだ、クソ虫。まさかこんなにしまりがいいとはな!」  
アルベルはさらに腰の動きを早めていった。  
 
「アルベルちゃん、なんだか変だよ、意識が…!」  
<…俺もそろそろやばいぞ…>  
二人とも絶頂に達しようとしていた。  
「何、なんか頭の中が真っ白に!いや、あ、はぁああああ!!」  
スフレは体をビクッとさせ絶頂に達したのだった。  
<やばい、でる!>  
膣壁の収縮にうち負かされないアルベルは自分のものを引き抜いた。そして引き抜かれると同時にアルベルも絶頂に達し自らの性をぶちまけた。  
白濁液がスフレの褐色の肌を汚していく。  
「アルベルちゃんの、凄く熱いね…」  
もうろうとした意識のなかで一言スフレはつぶやいた。  
 
結局、アルベルとスフレはそのままウォルターの館で一晩を過ごすことにした。スフレの服をボロボロにした上に気がつけば既に夕方だったのだ。  
「おまえ、このままフェイト達のところに戻る気なのか?」  
アルベルが怪訝そうに訪ねる。  
「みんな驚くとは思うけどね。あたしは一向に構わないよ」  
「本当におまえはクソ虫だな」  
スフレの楽観的な態度に半ば呆れ気味のアルベル。  
「アルベルちゃん」  
「なんだ?」  
「もう一度キスして」  
アルベルは返事をせずそのままスフレにキスをしてやった。  
〜終わり〜 

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