―目が覚める。  
 
落ち着いた明りを灯すパネル式の照明に、アイボリー色の壁…。  
最初に視界に飛び込んで来たのは、見知らぬ部屋の天井だった。  
 
記憶が繋がらない……一体自分はどうしてしまったのか。  
上体を起そうとする。  
「…!!」そこで初めて自分の身体が思う様に動かない事に気が付く。  
かといって、縛られている訳では無い…金縛りの類だろうか?とも思ったが  
どうやら違うようだった。  
 
腕や足に力を入れ、必死に動こうという意思を送ってみる……。が、ピクリと僅かに  
反応するだけで、それっきりだった。  
状況が把握出来ずに、もどかしさと苛立ちを覚える。  
その癖、意識だけは妙にはっきりとしていて、始末に終えなかった。  
 
「……まぁ、別にどっちでも良かったんだが…」  
聞き覚えの有る声が耳に入って来る。  
(…クリフ!!)…声の音量や響きからして、今居る部屋からさほど遠くない場所に  
居るのは確かだった。  
ほっと胸を撫で下ろし、僅かに動く首を巡らせ辺りを伺う。  
仰向けになっている自分。その右横にはベッド。そして、左側に自動式の扉があった。  
身体を反らせ、視線を上に向けると、もうひとつ同じような扉が見えた。  
「でもさ…」クリフの言葉に応えるかのように発せられた者の声は…(フェイト!!)  
 
助かった……。  
自分が今、どんな状況に陥っているのかは判らないが、信頼の置ける頼もしい  
二人が居れば何とかなる。  
救いを求めようと、声を出そうとする……が。  
 
「別に…薬を使わなくても……」 (えっ…!?)フェイトの躊躇い気味に呟いた台詞を  
聞き、出掛った救いの言葉を飲み込んでしまう。  
「ば―――か! お前、マリアの戦闘力を舐めすぎなんだよ…暴れられたら  
手が付けられなぞ?」  
「……それは、そうだけど…」  
 
(薬?!)その言葉を判断材料に、マリアは今の自分の置かれた状況を推測し始める。  
結果、動かない自分の身体と薬の繋がりが、いとも簡単に結びついた。  
(そういえば…)意識を失う前はフェイトとクリフの二人と一緒だったし、  
お茶を不自然な程に二人から奨められた……薬はその中に入っていたのか。  
(そんな!!でも、どうして……)  
マリアの疑問に応えるかの様に、二人の会話が続いた。  
 
「クリフ…」再び躊躇いがちにフェイトが呟く。  
「何だ?」呼ばれたクリフは、少々面倒臭そうに言葉を返す。椅子に腰掛けているのか、  
会話の後にギシギシと音がした。  
フェイトは、話題を切り出したはいいが、言い出し難いらしく、「あの…」「その…」と  
言葉を濁し始める。  
やがて、このままでは話しが進まないと意を決したのか、ゆっくりとした口調で  
マリアを凍りつかせる会話を始めた。  
「あのさ…暫くの間さ、マリアのま〇こは、僕専用に使わせて欲しいんだけど…」  
(!!)会話も然る事ながら、フェイトが卑猥な言葉をさらりと言ってのけた事に、  
マリアは驚きを感じた。  
自分の知っているフェイトは、『純朴』そのもので、そのような事を口にしないと  
勝手な解釈をして、本人を綺麗に着飾らせていたからだ。  
「どうしてだ?」クリフの語尾が共犯者の我侭に僅かにうわずった。  
「…前から考えていたんだけど、その……マリアに僕の子を孕ませてみたいと思って…」  
少々照れ気味に、フェイトはとんでもない答えを返した。  
その言葉を聞き、笑いながら…「ま、そりゃあ、男のロマンってもんだよな」と、応える。  
(冗談じゃない!!)人の一生を左右する事を、ロマンで片付けられては堪らない!  
マリアは、さらりと言ってのける二人に、怒りと恐怖を感じた。  
「いいぜ、俺はアナルと…そうだな、本番はネルで済ますから」これが普通の話題だったら  
気のいい『アニキ』で片付けられるのだが…。  
「ありがとう」フェイトは明るい普段の声で応えた。姿は見えないが、どんな顔をして  
いるのかマリアは容易に想像が出来た。優しく、人懐っこいような…そんな顔だと思う。  
 
「で、どうすんだ?」  
「え?」いきなり切り出された、クリフの言葉足らずな質問に疑問で返す。  
はぁっ…と、溜息をつき「孕ませてどうすんだ?産ませるのか?」と、フェイトに  
再び質問をする。  
「ん〜」どうやら本当に先の事は考えていない様子で、フェイトは考え込んだ。  
「そこまで待たせると、クリフに悪いし…」  
では、犯されたうえに、子供まで産まされる自分に対しては悪くは無いのか?  
フェイトの言葉にマリアは心の中で抗議した。  
「別に俺は構わねぇよ…それに、アナルを犯した状態で出産ってのを、一度試したかった  
からな」  
(なっ…!)引き攣るマリア。  
女性にとって神聖である行為さえも、この二人は性の遊び道具としようとしているのか…。  
「それって…大丈夫なの?」  
「何がだ?」今度はフェイトの言葉足らずな質問をクリフが聞き返す。  
「母体と子供の安全」  
(………)今更、心配されても嬉しくは無かった…それよりも、やろうとしている  
行為自体を注意しないのか…どちらにしても、心のどこかが欠けている。  
「さーな…だから試してみたいって、言ったろ?」  
「まっ、マリアなら大丈夫だと思うけどな」根拠の無い台詞。  
 
(狂っている…)こんな二人と気付かずに、今まで共に危険な戦いをしていたのか……。  
その間も自分の事を、『蔑み』の目と『欲望』の眼差しで見ていたのかと思うと、  
悔しさと哀しみで胸がいっぱいになった。  
特にフェイトは…そう、フェイトには『恋』の感情さえ募らせていたのに……。  
涙がこぼれる…。大声で泣きたいが、今は出来なかった。  
 
(好きなようにさせない!!)二人の思うように嬲られるのは、冗談では無い。  
(ここから逃げなくちゃ…)人として、女としての尊厳を守り抜く為にも!!  
動かない身体を無理矢理に動かす。  
(くっ……)まるで鉛のように重い。だが、くじける訳にはいかなかった。  
 
マリアが動かない身体と格闘している間も、二人のくだらない会話は続いた。  
「……やっぱりさ、妊娠したらマリアも胸が大きくなるのかな?」フェイトが  
興味深げに相方に聞いた。  
「まぁ…普通はそうだが…」どうなんだろうな?と、クリフが笑う。  
だが、マリアはその会話を、さらりと流した。  
(それどころじゃ無い…)会話は左側の扉の向こうから聞こえて来る…。  
ならば目指すは頭上に見える扉だ!  
扉の先がどこに繋がっているかは判らない…賭けみたいなものだ。  
だが、ここでじっとして二人に犯かされるのを待つなら、徒労に終わろうとも構わなかった。  
仰向けになっていた身体を、うつ伏せの状態へと移した。  
「はぁ…はぁ…」扉の向こうの二人に気付かれぬように、荒れた息を落ち着かせる。  
これだけの動作をしただけなのに、額には汗が滲み出ていた。  
(負ける…もんですか…!)動かない手足には期待しない…。  
全身を上手く使ってくねらせると、床を這ずる様に進んだ。  
 
無様だった……その様はまるで醜い『芋虫』か『なめくじ』のようにみえた。  
普段、ある種の高貴な気品さえ漂わせているマリア。今の彼女を見たら崇拝して止まない  
者達でさえ幻滅し、嘆きの言葉を吐き出す筈である。  
数ミリ…数センチ…その醜い動作で、目的の出口へと進む。  
(……もう少し……もう少し…)と、自分を励まして。  
丹精な彼女の顔が、汗と涙でクシャクシャになる。  
 
「くあっ…!」突然、背中に痛みを感じ、思わず声を漏らしてしまう。  
背中の中心が、圧迫されているような感覚。  
恐る恐る不自由な首を巡らせ、様子を伺う。  
(!!)いつもならその姿を見ても、こんなに絶望的な感情は起こらないだろう…。  
「クリフ……」マリアが名前を呟く。  
彼女は今、そのクリフによって、背中を踏み付けられていたのだった。  
「どこへ行く気だ?」クリフはそう言うと、踏み付けている右足に更に力を込めた。  
「くっ…あぁぁっあっ――――〜っ!!」マリアの顔が苦痛に歪む。  
「おいおい…ちんぽを二本置いて、『穴』が逃げたら、しょうが無ぇだろ?」いつもの  
軽い口調で呟くと、踏み付けていた足をどかし、マリアの両足の足首を掴み  
元の居た場所まで引き摺って行った。  
 
「じゃ、マリアが気が付いた事だし…『種付け』でも始めるか?」クリフが後ろを振り返る。  
そこには、無表情なフェイトの姿が…。  
 
「そうだね…」そう言うと、フェイトはズボンのチャックを降ろし、張り詰めていた  
ペニスを取り出した。  
 
「ああっ…嫌ぁ……」自由の利かない身体を震わせるマリア…。  
 
そのマリアにフェイトは、ゆっくりと近付いて行った。 
 
 

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