アリアスの領主屋敷にはハープシコードに似た鍵盤楽器、そして多くの楽譜  
があるのだが、ロジャーはその辺には興味を示さなかった。ウォルターに譲っ  
てもらったぼろぼろの一弦琴を、ロジャーは大事にしている。  
「オイラはやっぱり即興向きがお気に入りじゃん。それに鍵盤は気軽に調律で  
きないじゃんよ」  
 最初は軽口をたたいているが、弓を動かすロジャーは段々無口になり、哀愁  
のこもった、しかし穏やかな気分にさせられる旋律を奏でている。  
 夜中にうなされてうるさいアルベルに悩まされたフェイトたちが、スフレの  
勧めでロジャーの弦の音をアルベルに聞かせると、よく眠るようになって騒音  
が減った。  
「子守唄みたいなものだよね?」  
 スフレはそう言って笑っていた。  
 今ではマリアやネルも寝つきが悪い際は、ロジャーの弦を聞いて眠るように  
している。そして、今日はネルがロジャーの弾く音に耳を傾けていた。  
 
 安らかに落ちていったはずの眠りの中で、ネルは熱い刺激を感じた。それは  
だんだんと強くなる。  
「あっん……?」  
 ネルは甘い声と共に目覚めた。体が熱く、胸のあたりに重みを感じる。そし  
て視界を占める少年の顔。愛用のヘルムは外し、つんつんした髪を露出させて  
いる。  
「お目覚めですか、お姉さま」  
 ネルはとっさにダガーに手をのばすが、ない。そして自分が何も身に着けて  
いないことに気づく。  
「……んっ!」  
 股間に柔らかなものがこすれる刺激に、ネルは声をたてそうになる。見ると、  
ロジャーのふかふかの尻尾がくねくねと動いていた。  
「お姉さまのお汁がついちまったぜ」  
 ロジャーの尻尾のあちこちに液体がついて、毛がよじれてつんつんになって  
しまっていた。ロジャーは濡れた尻尾をネルの体にすりつける。ふわふわとし  
た感触と湿った感触がした。  
 
「ロジャー、悪戯はやめな!」  
 くすぐったさを我慢しながら、ネルはロジャーを叱る。  
「お姉さま、悪戯じゃないんですよ。これは愛の営みというやつで……」  
「子供がませたこと言ってんじゃないよ!」  
 頬を一発張り飛ばしてやろうかと構えたネルだったが、ロジャーの下半身を  
見て寒気に襲われた。  
「オイラ、大人と言うにはちょっと早いけど、子供でもないんだな。ヒューマ  
ンよりは成長が早いんですよ。分かっていただけましたか、お姉さま」  
 凶悪な形にふくれ上がった自分の得物を、ロジャーは誇るように前に突き出  
している。 
 
 ロジャーは自分の物を、ネルの大きな胸に押し付ける。  
「お姉さまのおっぱい、ぷりぷりじゃん、あぁ〜はさんですりすりし  
てみたいです」  
 ロジャーは尻尾をふくらませて、ネルの内股を焦らすようになでている。  
「ふん……それならしてあげようじゃないか」  
 ネルはこの少年を蹴飛ばして部屋から叩き出してやりたいところだった。し  
かし見た目子供のロジャーの愛撫で感じてしまったことに屈辱を感じていた。  
精液を搾り取るような目に遭わせれば、気が晴れるかもしれないという心理に  
なっていた。  
 ネルは硬くなったロジャーの物を胸の谷間に導いた。  
「しかしあんたのって、体のわりにでかすぎやしないかい? こんなだったっ  
け?」  
「それはですねお姉さま。オイラたちの一族のブツは普段は小さいんですが、  
本番になるとすごく巨大化するんですよ……はうぅ、お姉さま気持ちいいで  
すー」  
 
 柔らかい肉に包まれて、ロジャーの得物の中を熱いものが駆け抜ける。先か  
らは透明な液体がたらたらと流れ出して、ネルの肌を汚した。ロジャーはうっ  
とりとした目をしている。ネルは会心の笑みを浮かべた。  
「所詮はお子様だね。さっさとイっちまいな!」  
 ネルは強弱をつけながら、胸の肉を動かす。と、ネルの手が止まった。  
「あ……?」  
 ネルの体の中心を衝動が走る。ふわふわとさまよっていたロジャーの尾が、  
ネルの感じやすい部分を責め始めていた。いやらしい水の音がする。  
「お姉さま、どうなさいました?」  
 ロジャーはカチカチになった物をネルの胸から離すと、体をネルに密着させ  
る。  
「うん……お姉さまの体、まだまだひんやりしてますね。やっぱりオイラの  
熱ーいヤツを注がないとダメかな?」  
 しかしネルの体温は十分上がっていた。ロジャーの小さな体が熱すぎるので  
ある。この辺りは種族の違いだった。  
「あんたがあったかすぎるんだよ!……ああっ」  
 ロジャーの尾が、ネルの肉の割れ目を押し開くようにして擦る。ネルはロジ  
ャーの小さな背に手を回して力をこめた。指先が少し震えている。  
 ロジャーはネルの胸に抱きこまれた。息がつまったロジャーは頭をふった。  
横を向いて息継ぎをする。  
「うひゃぁ。オイラの汁がついちゃったよ」  
 
 ロジャーはネルの胸を手で包み込もうとしてみた。  
「こいつはまさしく、手に余るってやつだな」  
 むっちりした感触に、ロジャーは目を細める。ロジャーには大きすぎて揉め  
そうにないので、そのまま撫で上げる。  
 ロジャーの手は、細工と戦闘に明け暮れたためにごつごつとしていた。上か  
らの固い刺激、下からの柔らかい刺激にネルの性感はどんどん高まってしまう。  
「うーん、オイラもうたまんねぇ……お姉さまのお加減はいかがですか?」  
 ロジャーは甘えるように、ネルに体をすりつけ始めていた。  
「……そんなの見れば……分かるだろう?」  
 ネルはふぅ、と息を吐いた。ロジャーの尾はもうぐしょぐしょに汚れていた。  
ロジャーはこくりと頷いた。  
「んじゃ、いっきまーす!」  
 ロジャーはネルの中に、まずは浅く挿入した。ネルは言った。  
「あぁっ、おっきい……」  
 しかしロジャーはそのまま腰をひく。浅く入れては抜き、をくりかえす。ロ  
ジャーの物はネルの愛液にまみれ、灯火を反射してぬらぬらと光っている。  
 ネルはロジャーの小さな肩を強くつかんだ。ネルは上ずった声で言う。  
「もっと……奥まで突いておくれよ……?」  
 ロジャーは汗の浮かんだ額をぬぐった。ネルの腰に手を戻す。  
「お姉さまのお望みとあらば」  
 
 ずしん、と奥まで衝撃が走り、ネルはうめいた。  
「ううっ……いい……もっとしておくれ!」  
 ロジャーの動きに合わせ、ネルは膣内を締めた。リズミカルな収縮に、ロジ  
ャーもたまらず声をあげる。  
「うわぁ、おいらのモノがはぐはぐ……食われてるみたいです。お姉さまぁ…  
…」  
 ネルの体内は、ロジャーの精液をよこせとばかりにぎゅうぎゅうと締め付け  
てくる。  
「おいら……もうダメです。お姉さま、外に出しますよっ」  
 しかしネルはロジャーの大きな一物が与える快楽に夢中になっていた。  
「イヤだね! さぁ私の中にたっぷり……出しておくれ」  
 ネルは腰をぐいぐいと振った。  
「うっ、ひゃぁぁぁ! お、お姉さまー」  
 二人の視界を一瞬、宇宙からの謎の物体が埋め尽くした。  
 腰から下を持っていかれるような快感と共に、ロジャーは射精してしまった。  
 ネルの方もがくがくと震えて達してしまう。体の奥に液体がどくどく注がれ  
る感触にネルは満足していた。  
 
 ネルは頭を抱え込んでいた。  
「クレアとマリアに何て言い訳すりゃいいんだい……」  
 自分から進んで快楽に溺れてしまったあたり、ネルは恋人たちに罪悪感を感  
じていた。  
 ロジャーはネルの太ももの上に頭を載せる。  
「子供のかわいさにほだされた、ってことでいいんじゃありませんか?」  
 ロジャーの脳天に鉄拳が炸裂した。  
「今度は子供ぶるのかい。都合のいいやつだね!」  
「痛いですよ、お姉さま!」  
 ロジャーは頭を押さえ、うるうるの瞳で見上げてくる。ネルは肩を落とした。 

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