「よし、この薬でマクウェルさんをゲットするのよ♪」  
 
彼女の名はエリザ。シランドの施術学校に通う傍ら、同じ町にある工房で、  
とある青髪青年の専属錬金クリエイターとしても活動している、十七歳の少女である。  
彼女は、シランドの大通りを工房に向かって歩いていた。  
 
彼女は今恋をしていた。相手は、同じくとある青髪青年の専属錬金クリエイターであり、  
これまた同じ工房で活動をしている、マクウェルという青年である。  
 
しかしこの青年は、研究以外に全く興味を示さない、いわゆるお尻にバカが付く人種で、  
エリザもここしばらくアプローチを続けていたのだが、全く脈が見られなかったのだ。  
 
しかも、同じ工房にはミスティ・リーアという妙齢の美女がいるのだ。彼女に対しても、  
マクウェルはそれらしい素振りを見せた事は無かったが、年齢差、そして一緒にいる時間  
の長さを考えても、自分は明らかに不利である。  
 
故に彼女は焦っていた。マクウェルとミスティの間に何か有ると感じた事は無かったが、  
大人な二人だ。自分には分からない所で関係が進んでしまうかもしれない。  
一度、ミスティにカマをかけて見たが、その時は上手くはぐらかされてしまった。  
 
(二人が恋人同士にならない間に)  
 
エリザは、マクウェルも好きだが、ミスティの事も好きだった。だから、ミスティが  
マクウェルに対して好意を持ってしまうと、今の関係が壊れてしまうかもしれない。  
それが嫌だった。そこで昨日、彼女は遂に手を出してはいけない物(人?)に手を出して  
しまったのだ。  
 
『あの、ゴッサムさん』  
『ん?なんじゃ、エリザちゃんじゃないか。どうしてこんな所におるんじゃ?ヌ、もしや  
 転属か!?いや、こりゃあペターニの工房にも華がふえるわい。よし、ここは一つ、  
 エリザちゃんの転属を祝ってワシ特製の……』  
『え、あの、違いますよ』  
『ん?何が違うんじゃ?』  
『アタシ転属になったんじゃなくって、ゴッサムさんにお願いがあって来たんですよ』  
『な〜んじゃ、転属と違うかったんか。ざ〜んね〜んじゃのぅ』  
『アハハハ…。で、お願いなんですけど』  
『んあ?な〜んじゃ〜?』  
『実は、こういった物が…』  
 
 
『できそうですか?』  
『ま〜、作れんこたぁ〜な〜いがの〜ぅ。今は何かやる気がで〜んのじゃ〜』  
『え、やっぱりダメ、ですか?(ウルウル)』  
『ヌ、ヌ、ヌオオオオォォォ!!何か急にモーレツにやる気が出たぞぉーい!!』  
『え、じゃあお願いできるんですか?』  
『おおう、わしに任しとけ!!10個でも100個でもど〜んと来いじゃぁ〜』  
『ゴッサムさん、ありがとうございますvvv』  
『ヌゥウオオオォォォォ!!』  
 
そして一日が経ち、今彼女は、その注文した薬を取りに再びペターニを訪れ、シランドに  
戻って来たところなのだ。工房では、見た事の無い様な美しい液体が、  
ビンの中で揺れていた。その傍らで、薬の製作に根入れ過ぎて動かなくなっていた  
ゴッサムがいたが、彼女はそれを見なかった事にした。  
 
(あれだけやる気出してくれてたんだから、きっと大丈夫だよね)  
 
エリザは、薬の効能の確認が訊けなかった事が多少心配ではあったが、媚薬作りの神と  
一部の方々(?)から崇められている彼の事だ。惚れ薬、それも効き目の弱い物なんかを  
作るなんて朝飯前だろう。実際彼は倒れていたが。  
 
そう。彼女は効果持続性の惚れ薬を頼んだのだ。さすがに媚薬程強力で、淫猥な物を  
頼む気にはなれ無かった。薬に頼るというのにもまだ抵抗があった。ただ、きっかけが  
欲しかった。彼に、一人の女性として見てもらいたかった。もしそこから、恋人同士まで  
なれなかったら、その時は諦めようと思っていた。作ってもらった薬はたぶん完璧。  
後は、薬が効いているだろう数日間で、彼をモノに出来るかどうか。自分次第だ。  
 
(ファイトよ、エリザ!!)  
 
エリザは自分を奮い立たせて、夕暮れのシランドの通りを、工房へと進んで行った。  
 
しかし、ゴッサムが張り切り過ぎた薬のせいで、思いもよらない(むしろお約束な)  
展開になろうとは、この時のエリザには全く思いつかなかったのだった。 
 
ガチャ  
 
「こんばんは、遅くなりました」  
「あら、エリザ」  
「あ、ミスティさん。すいません、学校が遅くなっちゃって」  
「それは構わないのだけれど、お父様やお母様は心配しないの?」  
「あ、それなら大丈夫です。父と母は今アリアスに仕事に行ってますから、  
家には居ないんです」  
「そう、ならいいのだけれど」  
「じゃあアタシ、ダムダさんのお手伝いしてきますね♪」  
 
ミスティは厨房に向かうエリザの後姿を、微笑みながら見ていた。この工房に  
出入りしている人間で、彼女だけが家族を持っていた。なので、夕食は当然  
家でとることの方が多かった。いつも二人で食事をしているようなものなので、  
(マクウェル相手に会話が弾むことはまず無い)今日は楽しい夕食になるだろうと  
彼女は思った。  
 
一つのテーブルを囲んで、四人はダムダ・ムーダの漢料理(笑)を食べていた。  
 
「あー、おいしかったです♪」  
「そうかそうか、エリザちゃんにそう言って貰えてうれしいワイ」  
「本当にすいません、ダムダさん。こんなに遅くに押しかけてしまって」  
「がっはっはっ、気にせんでいいゾイ。わしも作り過ぎとった所じゃ、むしろ丁度  
良かったゾイ」  
「ウフッ♪、じゃあアタシ、デザート取って来ますね」  
 
エリザは席を立って厨房の方に消えていった。  
 
「あら、今日はデザートなんてあるのね?」  
「こないだフェイト君達にレシピを教わってのぅ、試しに作ってみたんじゃよ。  
 レパートリーが多いに越したこたぁ無いじゃろう?」  
「ダムダさんのイメージが変わりますけどね」  
「酒とツマミしか作れんと思われては適わんゾイ」  
「ふふっ。あら、やっと来たみたいね」  
「ハイッ、お待たせしました♪」  
 
エリザは金属製の器に入ったデザートを配り始めた。  
 
「へぇ、初めて見る食べ物ね」  
「・・・・・・何と言うんだ?」  
「ババロア、と言うそうじゃ。イチゴ味じゃゾイ」  
「じゃあ頂きましょうか」  
「・・・どうじゃ?」  
「・・・美味しい。甘さと酸味が丁度良いわ」  
「そうかそうか」  
「・・・・・・(何故かエリザがこっちを見ているような気がするのだが)」  
「マクウェル?むっつりしてないで貴方もお食べなさいな。エリザも、  
どうしたの?二人とも」  
「あ、ああ・・・。」「え、あ、は、はいっ」  
 
マクウェルはスプーンにひとすくいのババロアを口に運んだ。  
 
(・・・・・・食べたーっ!・・・・・・)  
 
薬が効き始めるのは明日から。それから数日に内に、何とか彼を振り向かせなければ。  
もし無理だったら・・・・・・。いや、そんな事を考えるのはよそう。  
 
とにかく、計画の第一段階が終了し、少し気が楽になったエリザは、  
自分のババロアを口にした。  
 
「・・・・・・おいしい・・・」  
 
と言うや、エリザはあっと言う間にババロアを平らげてしまった。  
一方マクウェルは・・・・・・。  
 
(・・・何だ、この強烈な甘さは!?・・・)  
 
自分は決して甘いものは苦手ではないのだが、この甘さには容認しかねる物があった。  
 
(リーアは酸味がどうのと言っていたが・・・・・・。この甘さでは酸味も何も無いぞ。  
・・・う、気分が悪くなってきた)  
 
「ふ〜、おいしかったぁ〜♪」  
 
チラッとエリザの方を見ると、見事に器の底が見えていた。  
 
「マクウェル、どうしたの?」  
「口に合わんかったか?」  
「ん、あぁ・・・。少々私には甘過ぎる様だ・・・。まだ直接口は付いていない。  
 欲しければやるぞ、エリザ」  
「え、ホントですか?ありがとうございます〜♪」  
 
そう言ってエリザはマクウェルのババロアに手を伸ばし・・・・・・  
 
「あ」  
 
ひょいひょいと二すくい口の中に放り込んだ。  
 
ガタン!  
 
次の瞬間、エリザは急に立ち上がった。その顔は茹で蛸の様に真っ赤になっていた。  
 
「・・・エリザ?」  
「どうした、エリザちゃん?」  
「・・・・・・」  
 
三人の疑問の視線に、しかしエリザは何も言わず、二階への階段を駆け上がった。  
 
「一体どうしたんじゃ?」  
「・・・・・・マクウェル、あなた、看てきてあげなさい」  
「・・・何故だ?」  
「私とダムダさんで後片付けはしておいてあげるから」  
「それでは答えに「マクウェル!!」  
「・・・行ってあげて」  
「・・・」  
 
仕方ない、とマクウェルは席を立った。何故か足取りがおぼつかない。  
先程から心なしか顔も熱を帯びているようだった。  
風邪でもひいてしまったか、と思いながら、マクウェルはよろよろと階段を  
上っていった。  
 
「どうしたんじゃろか?」  
「さあ、私達は片づけをしましょう。  
大丈夫ですよ、彼女のことは彼に任せておきましょう。」  
「うん?そうか?それじゃあさっさと洗ってしまおうかのう」  
 
そう言って、ダムダムーダはふらふらと(こっちは酔っ払って)立ち上がった。  
 
バタン!!  
 
二階の仮眠部屋の扉を閉めたエリザは、ふらふらとベッドの上に倒れ込んだ。  
 
(アタシのバカァ・・・)  
 
ババロアのあまりの美味しさに、惚れ薬の事を一瞬忘れ、  
マクウェルのババロアを口にしてしまった。  
体中が熱を持ち、淫らな欲望が限りなく湧き上がってくる。  
エリザは先程ババロアを取りに行った時、マクウェルのものに薬を振りかけていたのだ。  
 
(でも、どうしてこんな・・・)  
 
どうしてこのような状態になるのか?薬の効能を考えれば、あの惚れ薬を  
エリザが口にしようと、たいした変化はない筈だ。  
 
・・・・・・最悪のシナリオがエリザの脳裏をよぎる・・・・・・  
 
エリザはあの時、ゴッサムに薬の効能を確かめなかった事を激しく後悔した。  
(もっとも、この時のゴッサムは物言えぬ状態だったが)しかも、立った一口とはいえ、  
マクウェルもこの薬を口にしてしまったのだ。一体どうなってしまうのか。  
 
「あっ」  
 
しかし、恐怖と後悔に苛まれていても欲望には逆らえず、  
エリザの右手は左の乳房に、左手は彼女の秘部へと伸びていった。  
 
乳房の上に膨らみは既に、服の上からも分かる程に硬くなっていて、  
秘部も愛液で濡れていた。  
 
「あっ、んんっ、はぁっ」  
 
歳相応の大きさの、形の良い乳房を弄る度、そして秘部の中で指を動かす度、  
感じた事もない程の快感が押し寄せて来る。  
 
「あ、マクウェルさん・・・。ふぅん・・・」  
 
胸一杯に切なさがこみ上げてくる。服は乱れ、下着には染みが広がっていた。  
エリザはベッドの上で快楽に身を委ねかけていた。  
 
コンコン  
「エリザ、いいか?入るぞ」  
 
(えっ!マクウェルさん!?)  
 
エリザは思いも寄らない来訪者に慌てふためいた。  
 
「マクウェルさん、待って!ダメッ!!」  ガチャッ  
 
(・・・・・・)  
 
マクウェルは部屋の入り口で固まった。 
 
今、目の前で起きているのは何だ。  
今、自分の中で膨らむこの感情は、いや、  
この欲望は何なのだ。  
 
己の置かれた状況に、マクウェルは身動きがとれなかった。  
 
(マクウェルさんに、見られちゃった・・・・・・)  
 
エリザは羞恥と絶望に駆られた。  
 
「あっ、くぅん、っはぁっ」  
 
しかしエリザの手が止まることはなかった。逆に早くさえなっていた。  
マクウェルが視界に入った途端、秘部からは愛液がとめどなく溢れ、  
体中に電流の如く快感が走った。  
 
(だめ、止めなきゃ、でも、止まらないよぉ)  
 
エリザの体は更なる快楽を求め、遂に手だけでは満足できなくなった。  
 
(もうダメ、ガマン出来ないっ!)  
 
エリザは目をトロンとさせ、ふらふらする体を夢中で動かし、  
マクウェルの元へ駆け寄った。  
 
呆然としていたマクウェルは、急に襲ってきた快感に我を取り戻した。  
先程までエリザがいた筈のベッドには誰も居なかった。が、快感に従って目線を  
下に向けると、なんとエリザが自分のモノをしゃぶっているではないか。  
マクウェルは再び気が飛びそうになった。  
 
「なっ、エリザ、何をしているんだ!」  
「んっ、はぁ、んむっ、んっ」  
 
マクウェルの呼びかけにも全く反応せず、エリザは一心にマクウェルのモノを  
舐め続けている。  
 
「止めろ、エリザ、止めるんだ!」  
 
マクウェルはエリザを押し倒してしまいたいという欲望を、必死で抑えていた。  
しかしこのままでは、いつその押さえがきかなくなるかも知れない。  
 
「止めてくれ、でなければ私は・・・」  
「ぷはっ」  
「エリ「マクウェルさん」  
 
エリザは切なそうな瞳でマクウェルを見上げた。  
 
「もう我慢できないんです。アタシを、アタシを抱いて下さい!」  
 
マクウェルの中で何かが音を立てて崩れた。  
 
「エリザッ!」「きゃっ」  
 
マクウェルはエリザをベッドの上に押し倒し、彼女の服の前面を開き、  
顕わになったその双丘にむしゃぶりついた。  
 
「あんっ、マクウェル、さんっ、あっ、はあっ」  
 
胸を弄られているだけだというのに、マクウェルに揉まれる度に、  
信じられない位の快感が彼女を襲う。  
 
「ああ、いい、気持ちいいよぉ」  
 
その時、マクウェルの左手が彼女の秘部をまさぐった。  
 
「ひゃうん!」  
 
エリザの全身を電流が駆け抜ける  
 
「あっ、うそっ、指だけなのにっ」  
 
マクウェルの指の動きが更に早まる。  
 
「あんっ、ダメッ、指だけでイっちゃうよぉっ!!」  
 
体を震わせて、エリザは達した。そしてクタッとベッドにその身を預けた。  
マクウェルはそんな彼女を、息を荒げながら、しかしじっと見つめた。  
 
「入れるぞ、エリザ」  
「えっ!?」  
 
エリザが次の行動に移る前に、マクウェルのモノがエリザを貫いた。  
 
「−−−ったあぁいっ」  
 
エリザの秘部から鮮血が滴り落ちた。彼女は処女だった。  
しかし、箍の外れた今のマクウェルには、そんな事を気にかける余裕はない。  
 
「痛っ、マクウェルさん、あっ、お願いっ、ゆっくりっ、あっ」  
「くっ、はっ」  
 
エリザの懇願も、マクウェルには届かなかった。  
マクウェルは己の欲望のままにエリザを突き続けた。  
部屋中に肉のぶつかり合う音が響く。  
 
「くっ、で、出るぞっ」  
「えっ、あっ、まっ、あっ」  
「くっ」「あーーーーーーっ!」  
 
二人は同時に果てた。  
 
「・・・っ、ひっ、ひっく」  
エリザの目から涙が流れた。  
 
興奮が幾らか落ち着いたマクウェルは、自分のした事を理解し、愕然とした。  
 
(私は・・・・・・一体何という事を・・・・・・)  
 
己のした事は到底許されるものではない。  
ゴッサムの媚薬のことを全く知らないマクウェルは、自身に怒り、困惑した。  
 
(エリザ・・・。くっ、一体どうすれば・・・・・・)  
「エリザ・・・。本当に、済まない・・・。許してくれとは・・・」  
「・・・ごめんっ、ひっく、ゴメン、ナサイ・・・」  
「・・・な・・・?」  
 
まさかエリザに謝られるとは思わなかったマクウェルは驚きで声を上げた。  
 
「アタシ、ひっ、マクウェルさんの、ひっく、デザートに、くすりを、ひっ、ゴッサム、  
ひっく、さんにもらった、ひっく、いれたんです、っく」  
 
エリザは腕で目を覆い、途切れ途切れに話し始めた。  
マクウェルにはまだ話が見えない。ただエリザの話を聴くだけであった。  
 
「アタシ、っく、マクウェルさんの、ひっく、こと、ひっく、すきでした、っ、でも、  
マクウェルさん、っ、アタシの、ひっ、こと、おんなとして、っく、みてくれなくて、  
っ、だから、せめて、っく、せめて、ひっく、いちどでいいから、ひっ、  
おんなとして、マクウェルさんの、いちにんまえの、ひっく、じょせいにみて、ひっく、  
なりたかった、っく」  
 
ようやく事情が分かってきた。まだ細かい事までは分からなかったが、やはり、  
原因は自分のようであった。  
 
「エリザ・・・」  
「うっ、ごめんなさい、うっ」  
「エリザ・・・」  
「ほんとに、っ、アタシ、うっ」  
「エリザ・・・私も・・・お前のことが・・・好きだ」  
「ひっ、・・・ふぇ?・・・」  
エリザは、マクウェルが何を言ったのか、すぐに理解できなかった。  
 
「いま・・・なんて?・・・ひっ」  
「私も、お前のことが、好きだと」  
「え・・・、そんな、ひっく・・・、うそ、だって」  
「嘘などではない。お前に会った時から」  
「え・・・、っ、・・・」  
「エリザ」  
「・・・・・・」  
「愛している」  
「・・・・・・うっ、・・・うっ、うわああああああん」  
 
(どうやら丸く収まったみたいね?)  
 
下の階で、ミスティ・リーアが、エリザがキッチンに置き忘れていた薬のビンを、  
椅子に座って眺めながら、微笑んでいた。  
ダムダ・ムーダには、錬金で遣り残したことがあるから、先に帰ってくれ、  
と言って先に帰って貰った。  
実は、エリザが二階に駆け上がった時に、彼女にはおおよその見当が付いていた。  
故に、マクウェルを彼女の元に遣ったのだ。エリザがマクウェルのババロアを  
食べる直前、思わず「あ」と発してしまったのも彼女である。  
 
(頑張ってたのはいいんだけど、頼む相手が悪かったわねぇ。でも、結果オーライ、  
と言うのかしらね)  
 
彼女がちゃぷんと揺らすびんには、”Gossum”とラベルが貼ってあった。  
 
「さ、私もそろそろお暇しましょうか」  
 
事が収まったことを悟ったミスティ・リーアは、ビンをエリザのカバンの中に  
入れると、いつもと変わらぬ微笑を浮かべ、宿へと帰って行った。  
 
部屋ではマクウェルと、やっと落ち着きを取り戻したエリザが、  
並んでベッドに腰掛けていた。暫く無言の時間が流れていたが、  
マクウェルが沈黙を破った。  
 
「エリザ、もう遅い。両親が心配するだろう。今日はもう帰りなさい」  
「え?お父さんとお母さんはアリアスに・・・」  
「学校が遅くなったのも嘘なのら、恐らく親が居ないというのも嘘なんだろう?」  
「・・・、うん」  
「さあ、なら今から「マクウェルさん」  
「・・・何だ」  
「もう一度、もう一度抱いて下さい。」  
「な!?」  
 
エリザはマクウェルの隣りから立ち上がり、彼と向き合った。  
 
「今度はちゃんと。マクウェルさん、アタシのこと好きなんですよね?  
なら、出来ますよね?それに、さっきのお返しも、して下さい♪」  
 
先程の事情が脳裏に甦り、マクウェルの表情が僅かに曇った。それを見たエリザは、  
マクウェルに口付けを落とし、そのまま首の後ろに手を回した。  
 
「痛かったけど、アタシ、嬉しかったよ。初めてがマクウェルさんで、  
本当に嬉しかった。本当に。だから、今度は気持ち良くなりたいの。  
マクウェルさんを、感じたいの」  
   
マクウェルは何も答えない。  
エリザはマクウェルの首から手を離すと、。  
   
「それに、まだ体が火照っちゃて、このままじゃウチに帰れません♪」  
 
明るく笑ったエリザは、次の瞬間マクウェルの胸の中にいた。  
 
「マクウェルさん?」  
「・・・分かった」  
「・・・・・・ありがとう、ございます」  
「但し」  
「え?」  
 
エリザは顔を上げて、マクウェルの目を見た。  
 
「私の事は、マクウェルと、呼んでくれ」  
「・・・マクウェル・・・」  
 
そして二人は口付けを交わした。 

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