ソフィアは今、シランドの外れを歩いていた。マリアから、個人的な話があると呼び出されたからだった。  
 場所は町外れの、白い石造りの長い階段を下りたところにある小さな原っぱ。普段余り人気の無いところだ。  
(マリアさん、私に一体何の用なんだろう・・・?)  
 普段余り話が出来ない分、こんな提案はソフィアにも嬉しかったのだけれど、どうして二人だけにならなくちゃいけないのか、ソフィアには不思議だった。などと色々考えている内に、いつの間にかソフィアは階段のところまでやって来ていた。  
 階段を中程まで下りたところで、なんとなく落ち着かなかったソフィアは手すりにつかまる。少し身を乗り出して待ち合わせ場所を見下ろしてみた。そこには、既に蒼い髪をなびかせて立つマリアの姿があった。  
 ソフィアは覚悟を決めて、再び歩みを始めたのだった。  
 
「あの、マリア、さん・・・?」  
 恐る恐る掛けられた声に、マリアはゆっくりと振り返った。いつもの様に、細い左手で肩に掛かる髪を掻き揚げる。その手にはいつも付けているグローブはなく、白く美しい指の間を蒼い髪が流れていく。  
「ああ、来てくれたのね。ごめんなさい、急に呼び出したりして」  
「い、いえ・・・で、あの、私に用って、何ですか?」  
「ええ・・・」  
 マリアはソフィアの方に歩み寄り、彼女の目の前までやって来ると柔らかく微笑んだ。  
「これからは大変な戦いになるでしょう?きっと今まで以上にパーティの団結力を問われると思うの。でも私は貴女の事をよく知らないわ。貴女も私の事を知らないでしょ?だから、もっとお互いをよく知るために、ね」  
 その微笑を見て、ソフィアの緊張もいくらかほぐれ、その表情も柔らかいものになる。  
「は、はい!そうですね!・・・あ、あのじゃあ、何のお話からしましょうか?」  
「そうね、話すのも良いけど・・・」  
 ソフィアの問いかけに、マリアはしばらく考え込む素振りを見せながら、視線だけでソフィアの身体を舐めるように見続けていた。その仕草に、ソフィアは嫌な感じを覚えて後退る。  
「あの、マリアさん・・・?」  
 マリアの右手が、距離を置こうとするソフィアの頬に触れ、ソフィアの体がビクリと震える。  
「・・・折角なんだから、もっと良いことしましょう?」  
 
「い、良いことっ・・・」  
 次の瞬間、マリアの白い肌がソフィアの視界を覆っていた。そして唇には僅かな熱。あまりに急な展開に、ソフィアの思考は停止する。  
 しかしすぐに、マリアの舌がソフィアの口内に入ってきた。  
「!!んっ・・・んんっ、はっ!ちょ、何するんですか!?」  
 柔らかいモノの侵入で我に返ったソフィアは、マリアを突き放すと潤んだ目で彼女を睨み付ける。そんなソフィアの視線を嬉しそうに受け止めながら、マリアは妖艶な笑みのまま人差し指で自分の唇をなぞって見せた。  
「ふふ、何って・・・さっき言ったじゃない?もっとお互いのことを知らなきゃ、って」  
「だ、だからってこんな・・・っ!」  
 今度は両手がソフィアの頬をゆっくりと包み、しなやかな指はそのまま頭の後ろで交差する。  
「今もね、一つ分かったわ。ソフィアの唇は柔らかいって・・・」  
「そんな・・・んっ!んんーっ!!」  
 今度は付き返せないほどしっかりと捕らえられ、ソフィアは再び唇を奪われる。ゆっくりと入ってくる舌を拒みきれず、ソフィアは遂にマリアの進入を許してしまった。  
自分の体内を蹂躙されていると言う事実、唾液と唾液の交じり合う音、そしてそのいやらしい感触がソフィアの脳に直接響き、彼女の肢体から徐々に力を奪っていく。それでもソフィアは、目に涙を浮かべながら陵辱に耐えていた。  
「んっ・・・ん・・・ぷはぁっ・・・はぁ、はぁ・・・」  
 ようやく開放され、ソフィアはマリアの口と透明な糸を引きながらその場にがくりと膝を折る。  
「あら、音を上げるのは早いわ。まだこれからなのに」  
 ソフィアは懇願するようにマリアを見上げた。彼女もその場に膝をつくと、一すくいのソフィアの髪に口付けをする。  
「マリア、さん・・・もう、止め・・・あっ・・・!」  
 しかしマリアは、ソフィアの言葉が終わる前に彼女を押し倒すと、そのまま上に覆いかぶさった。緑の草むらに栗色の髪が広がる。  
「だめよ、まだこれからって言ったじゃない?」  
 そう言って、マリアはソフィアの目じりに溜まった涙を舐めとる。その瞳に宿らせた妖しい輝きを一層増しながら。  
「ふふ、それじゃあ、そろそろメインにいきましょうか・・・」  
 
 マリアはソフィアの服の前だけを手際よく剥いでいった。程なくして、彼女の目の前に大きなふくらみが姿を現す。  
「へえ、もうこんなに勃たせてるなんて、私のキスがそんなに良かったのかしら?・・・それとも・・・」  
 マリアはソフィアの両胸の小さな膨らみを指先で弄んだ。ソフィアはその刺激に小さく声を上げる。  
「ソフィアがエッチな娘、って事かしら・・・?」  
「マリアさんお願いもう、んあっ!」  
 マリアの指がソフィアの秘部をまさぐり、ソフィアの抗議の声はまたも遮られる。  
「あっ、マリっ、さん止めっ、んあぁっ!」  
 ぐちゅぐちゅと響く淫猥な音に、ソフィアは顔を高潮させながら、両手で必死でマリアの行為を止めようとする。と、マリアはあっさりと指を引き抜いた。  
「ふふ、止めてだなんてよく言うわ。キスだけでこんなにしてるのに・・・」  
 マリアはそのまま、指をソフィアの目の前まで持ってきた。差し出されたマリアの指にまとわり付く透明な液体がねっちょりと糸を引く姿が、ソフィアの瞳に映し出される。  
「あっ・・・」  
 ソフィアの視線はその液体に縛り付けられてしまった。  
「随分熱心に見てるんじゃない?やっぱりソフィアも好きなのね・・・」  
「!そ、そんな事ありません・・・!」  
 目を瞑り顔を背けたソフィアの耳を、マリアは甘噛みした。逆にソフィアは声を上げまいと必死に歯を食いしばる。彼女の反応を楽しむようにマリアは、今度はうなじに舌を這わせ、同時に上着を完全に解いていった。  
 
「あっ、ダメっ!」  
 完全に曝け出された双丘に、マリアは勢いよくしゃぶりつく。その細い指で時に強く、時に優しく揉みしだく。舌は白い肌のに唾液の道を残し、小さな突起を吸い上げる。緩急をつけたマリアの愛撫はソフィアの性感を更に高めていった。  
 マリアの頭に添えられた彼女の手も、もはやそれを押し返す程の力はなく、ただマリアからもたらされる快感に細かく反応しているだけであった。  
「あっ、マリアさ・・・んっ、あっ・・・おねが、もぉ・・・あっ・・・」  
「んっ、何かしら?もうガマン出来ない?」  
「ちがっ・・・んああっ!」  
 マリアは再びソフィアの陰部に指を埋めて、先程より更に奥の方まで掻き回す。  
「あら、ココもこんなに大きくしちゃって・・・可愛い・・・」  
 マリアはソフィアの白い下着を膝までずり下ろすと、今度は現れた茂みに唇を堕とした。  
「やっ!そんな、汚いっ、んんっ・・・ああっ!!」  
 マリアの舌と指が、ソフィアの大きくなった秘豆と陰部、更にアナルを同時に刺激する。  
「やあっ!もうっ、止めてくだっ!変にっ、変になっちゃ・・・!」  
「良いのよ、ガマンなんてしないで・・・私に貴女のイヤラシイところ、全部見せて・・・ね?」  
 そしてマリアの攻めが一段と激しさを増し、ソフィアの体が大きく反り上がる。  
「やっ、もうっ、来るッ、来るッ!来ちゃうのぉッ!!」  
「良いわよ、イきなさい!」  
 その言葉に、ソフィアの中で、最後の何かが崩れた。  
「んあああぁぁッッ!!!」  
 達したソフィアの茂みから透明な液体が勢い良く飛び出し、マリアの顔を濡らしてゆく。  
「!・・・ふふ、潮まで吹いて。私を感じてくれたのね、嬉しいわ・・・」  
 マリアは自分の顔に付いたソレをおいしそうに舐め取ると、その場に立ち上がって、まだ絶頂の余韻の中を漂っているソフィアを淫靡な瞳で、満足そうに見下ろした。  
 
 それからしばらくした宿屋の前で、フェイトはソフィアを待っていた。  
「全く、自分から買い物に付き合えって言ってきたのに、ソフィアのヤツいつまで待たせるんだよ・・・」  
 そんなフェイトの視界に、見慣れた栗色の髪にピンクの服の少女の姿が映った。  
「あ、やっと来た。おいソフィア!自分から言っといて待たせるなんてどういう・・・」  
 フェイトの呼びかけに、ソフィアはおぼつかない足取りのまま、ゆっくりと頭をもたげた。  
「あ、ふぇいとー」  
 その虚ろな瞳にフェイトは異変を感じとった。  
「・・・ソフィア・・・?」  
「ゴメンね、遅れちゃっ・・・んっ!」  
 ソフィアは、差し出されたフェイトの手を取ろうとしたとたん、そのまま彼の胸の中に崩れ落ちた。  
「!おい、ソフィア!?」  
「ん・・・大丈、夫・・・えへへ・・・」  
「熱、あるんじゃないか?」  
 フェイトはそう言って上気した彼女の額に自分のソレを当てる。  
「んんッッ!!」  
「ソフィア?」  
「ゴメン・・・ホント、大丈夫、だから・・・ね・・・」  
 ソフィアはそう言うとフラフラとフェイトから距離をとり、傍の壁に手をついて息も荒く何とか立ち上がった。  
「大丈夫ってお前・・・そんなにふらふらなのに・・・」  
「ちょっと・・・貧血になった、だけ、だよ・・・休んだら、すぐ・・・んっ、治る、から・・・あっ・・・」  
「本当に大丈夫なのか?・・・じゃあ、今日の買い物は取り止め、かな」  
「うん・・・ゴメンね、私から・・・っ、頼んどいて・・・ぁッ」  
「いいよ。その代わりちゃんと治しとけよ?じゃあ買い物は明日にしようか?」  
「あ、もうお買い物はいいよ・・・予定が、入っちゃったから・・・」  
「予定?」  
「うん・・・これから、ずっと・・・ね・・・」  
 この時、うっすらと微笑んだソフィアの瞳に揺れる淫らな光と、彼女の太ももを伝う液体に、フェイトが気付く事は遂になかった。 

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