「……と、接合部の問題は、部品の材質を鉛に変える事で解決しました」  
 シランド城、エレナ・フライヤ自室。青髪の青年は淡々と報告書を読み上げていた。  
 「……エレナさん。聞いてます?」  
 「ん〜〜?」  
 シランド一の頭脳の持ち主は、机に顎を乗せ、手で羽ペンを弄んでいる。時折、深々  
と溜息を吐く。  
 「ヒマね……」  
 「そんなワケないでしょうが」  
 フェイトは呆れたような表情で、彼女の目の前に山と積まれた書類を突いた。  
 「締め切りが半年前のもありますけど……」  
 「ふぅ……ヒマねぇ。フェイト君、何か面白いことないの?」  
 「じゃあ、折角ですから部屋の片付けを……」  
 「あ〜〜、ヒマヒマヒマヒマ〜〜〜」  
 エレナは耳を塞ぎ、首をぶんぶんと振る。実際足の踏み場も苦労するような部屋だっ  
た。本人によれば、この状態が一番便利だそうなのだが、その割にはよく重要書類が紛  
失する。ブラックホールみたいな部屋だ。  
 
 「………そ〜だ。フェイト君」  
 「何です?」  
 「ちょっと体貸してね?」  
 イヤな予感がする。何かの実験台にされそうな、そんな予感が。  
 「いえ、僕は……」  
 そう言い掛けたとき、突然エレナはフェイトのズボンを引き下ろした。  
 「……ええっ!?」  
 「大丈夫、30分もあれば済むから」  
 
 
 
 長い廊下を、一人の中年の男性がズカズカと、靴音荒く歩いてくる。手には書類が握  
られていた。ある部屋まで来ると、そのドアのノブに手を掛け、ノックもなしに入室す  
る。  
 「エレナ! 何だこのデタラメな報告しょ……」  
 そこで言葉に詰まった。施術兵器開発部長は、青髪の青年のそそり立ったモノを、忙  
しく愛撫しているところだったのだ。  
 
 「ラッ、ラッセルさん!?」  
 フェイトは慌ててズボンを引き上げようとしたが、エレナがその手を掴む。そして口  
を離すと、入り口に立つ執政官を見た。  
 「んはっ……どうかしたの? ラッちゃん」  
 「……取り込み中らしいな、出直すか?」  
 ラッセルはあまり驚いていない。  
 「あ…あの、ラッセルさん、これは……」  
 「分かっている。そいつが誘ったんだろう? 気を付けろと言い忘れたが、そいつは  
 男を強か……レイプ出来る女だ」  
 と、彼は苦々しげに吐き捨てた。  
 「あの時の事……まだ怒ってるの? ラッちゃん」  
 「いや。薬のせいだとはいえ、オレも望んでしまったことだ」  
 「なら良かった。………そうだ、ラッちゃんもやらない? 仲良く三人でさ」  
 「断る。こんなオッサンが入ったら、それこそヤバイ画になるからな」  
 書類を書き直すように告げると、背を向けてドアノブに手を掛ける。  
 「終わったら、さっさと書き直しておけ」  
 
 「……幽静師団『水』師団長、リーヴェ・ワトゥラ」  
 
 突然ラッセルが床に膝を突き、ドアに頭をぶつけた。そして震える手で指をノブに引  
っかけ、苦労して立ち上がる。  
 「若いわね〜、ラッちゃん。二十も歳が離れてる娘なんて」  
 エレナはクスクスと、そしてニヤニヤと微笑んだ。  
 「何故……知ってる?」  
 彼は再び振り向き、エレナを睨み付ける。  
 「だって、あの娘のラッちゃんを見る目つきとぉ、仕草とぉ、それから…」  
 「それから?」  
 「ラッちゃんの日記〜〜」  
 
 ブチッ  
 
 「大丈夫だって。女の子はあんまり男の年齢とか気にしな……」  
 「エレナ」  
 ラッセルは腕輪の金具を噛み、手首を引いた。キリキリという音と共に、腕輪から鉄  
鋼糸が伸びる。  
 「あら? 『死神ラッセル』復活?」  
 「あの時から……言おうと思っていたんだが」  
 「なぁに?」  
 
 「お前には一度……きついお灸を据えねばならないようだな」  
 彼はそう言うと、突然腕を振った。  
 「ふん…」  
 刹那、彼女の服が弾け、千切れ飛ぶ。  
 「あんっ」  
 エレナは体をくねらせる。再びワイヤーが動き、今度は彼女を縛り上げた。  
 「……フェイト」  
 さっきから呆然としている青年に声を掛ける。  
 「遠慮は要らん。思い切り犯ってやれ」  
 「あの…ラッセルさん?」  
 「……オレは……」  
 「行ってあげなよ」  
 ベッドの上で縛られたまま、エレナはラッセルに言った。  
 「最近忙しくて、やってあげてないんでしょ? リーヴェちゃんも寂しがってたし」  
 ラッセルは鼻を鳴らすと、さっさと部屋から出ていく。  
 (……うわ…)  
 一人残され、フェイトは改めてエレナを見た。  
 下着も千切れ飛び、身につけている物と言えば、上半身を束縛しているワイヤーくら  
いである。そのワイヤーが肉に食い込み、彼女に堪らない色気を纏わせていた。苦しい  
のか、時々喘ぎ声を上げる。エレナは濡れた目でフェイトを見た。  
 
 「はぁ……ふぅ……フェイト君………」  
 「エレナさん……」  
 限界だった。  
 フェイトはベッドに近付くと、彼女の上に覆い被さる。既にその肌はじっとりと汗ば  
んでおり、下に指を這わせると、洞窟も洪水状態だった。  
 「エレナさん。……縛られて感じてるんですか?」  
 「そうみたい……」  
 エレナは素直に認める。  
 「早く……何だか…変な気分に……」  
 もう十分に潤っていたのだが、彼は頭を下げると、その穴の中に舌先を入れた。  
 「ひぅっ……」  
 指で肉襞を広げ、徐々に力を入れた舌を押し込んで行く。  
 「はぐ…あっ…」  
 締め付けようとする襞を、フェイトは逆に更に広げた。侵入した舌が、彼女の内部を  
掻き回す。  
 「ああんんっっ、っはぁっ………ま…だ…?」  
 愛液はさっきから溢れっぱなしで、ベッドのシーツを濡らしていた。  
 フェイトはようやく舌を引っ込める。そして体をずらし、エレナと唇を合わせた。唾  
液と彼女の愛液が混ざり合う。ワイヤーが食い込んでいる胸を撫でると、エレナの息が  
忽ちの内に荒くなった。胸を刺激しながら足を広げ、洞窟に肉棒の先端を入れる。  
 
 「あふぅんんっ…はっ……ぁあぁ……」  
 まだ焦らす。  
 「ぅんっんん…ぁぅ…」  
 懇願するような瞳を向けるエレナだったが、彼は相変わらず先端を押し当てたまま、  
一向に挿入に入ろうとはしなかった。彼女から迎え入れようとしても、腰を引いてしま  
う。  
 と、突然フェイトは胸を握り、一気に奥まで貫いた。  
 「へぁっ!! ……ぅふぁあんっ」  
 気を抜いた瞬間に挿入され、エレナの体が海老のように反り返る。フェイトはどんど  
ん動きを激しくさせて行き、様々な角度から彼女を突き、掻き回した。膣内の肉と彼自  
身が擦れ合う度に、縛られたまま体を揺り動かす。  
 「あああっはっはっふっはっふっ…んはぁふぅぅっ」  
 「くっ……まだまだ……」  
 「ふぇんぁはあぅんっ、んぁっ! いっ…ふぅっっ……」  
 「ぅうぅっっ………」  
 白い肌は桜色に染まり、ワイヤーが軋むような音を立てた。  
 「で…出るっ」  
 最後に勢いよく引き抜く。棒は痙攣しながら、鈴口から白濁した粘液を、エレナの身  
体に撒き散らした。彼女も絶頂に達していたらしく、ベッドの上で荒くなった呼吸を整  
えている。  
 
 「ふぅ…ぅ………久し振りだったけど……良かった…」  
 フェイトはナイフを探し出すと、ワイヤーを切り離した。細い跡が縦横無尽に走って  
いる。  
 「……たまにでいいから、こっちもお願いね? ファリンちゃん達ばっかりじゃなく  
 てさ」  
 「…………ッッ」  
 どうやら彼女が知らない事は無いらしい。エレナに改めて驚かされつつ、フェイトは  
曖昧な笑顔を返すしかなかった。  
 
終わり 

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