誰かが自分を呼んでいる。  
 そう思って、彼女は目を開けた。  
 「……ん…?」  
 「お早うございます、ミラージュさん」  
 「フェイト……さん!?」  
 確か、さっきまで自分はシランド城の廊下を歩いていた。そうだ、それで…突然目の前が真っ暗に…。  
 「私……」  
 起き上がれない。目の前ではあの青年が、いつもの微笑を浮かべて自分を見下ろしている。  
 そして自分は大の字になって、冷たい床に拘束具で縛り付けられていた。  
 「こっこれは!?」  
 いや、それよりもここは!?  
 薄暗い部屋だった。蝋燭が彼方此方で灯り、青年の青髪を夕焼け色に染めている。  
 「ど…どこなんです?」  
 「大丈夫。この前偶然見つけた、シランド城の地下室です。防音に優れていますから、ここで何が起ころうとも、誰も来ませんよ」  
 「……!?」  
 どんな顔をすれば良いのか分からなかった。彼の真意も。  
 
 「……どういうことなんです?」  
 「簡単なことですよ」  
 フェイトはミラージュの耳元に唇を寄せ、優しい、それでいて冷酷な声を吐き出す。  
 「僕は、ミラージュさんが好きなんです…」  
 「……私も、フェイトさんは嫌いではありませんでしたが……」  
 突然彼女はふっと微笑んだ。そして次の瞬間、手足を拘束していた金具が鋭い音と共に弾け飛ぶ。  
 「……流石はクラウストロ人」  
 「あなたは、どうやら愛し方を間違えたようですね?」  
 軽くお灸を据えるつもりだった。  
 ミラージュの流星のような拳が、一直線にフェイトの顔面へと向かう。彼は掌を上げた。そんなものなどお構いなく、彼の顔面は鈍重な衝撃に襲われ、まぁ鼻血くらいは出る。  
 ……筈だった。  
 「………え?」  
 彼女の桃色の唇から、呆然とした声が漏れる。  
 「何で……」  
 受け止められていた。クラウストロ人の、それも鍛え抜かれた拳が、目の前の地球人の掌で、真正面から受け止められていたのだ。  
 (有り得ない)  
 そこまで手加減をしてはいなかった。  
 「……元気ですね」  
 フェイトはそう言って、いつもなら慈愛に満ちていると感じられるであろう微笑を浮かべると、腕を引く。信じられないほどの力で引き寄せられ、気付いたときには彼の胸の中だった。  
 「!?」  
 
 「この前、ディストラクションの面白い応用法を見つけたんですよ。リミット・ブレイクとでも言いましょうか…。地球人には“限界”があります。その限界があるから、いくら鍛錬を積んでも、クラウストロ人に匹敵するほどの力は身に付けられない。  
その限界を破壊すれば、無限大の成長の可能性が見えてくる……そう、半ば冗談だったんですけどね。やってみたら成功でした」  
 さっきから必死で逃れようとしているのだが、一向にフェイトの力は緩まない。  
 「くっ……」  
 「真正面から告白しても良かったんですけどね。でも………年下の男に、成す術なく陵辱されていくお姉さん………それの方が魅力的です」  
 背後から抱き締めたまま、フェイトはミラージュの身体に掌を這わせた。決して嫌悪感を感じさせない、不思議な掌。  
 (強姦されようと…してるのに…)  
 掌が胸の上に乗った。  
 「……ひぁっ」  
 乳房の下から持ち上げるようにして揉みほぐし、フェイトは彼女の首筋に唇を置く。  
 「や…め……」  
 首筋の上を唇が這い、耳朶に到達すると、それを軽く唇で挟み込んだ。片方の手で掴みきれないほどの塊を撫でながら、同じようにもう片方の手を回し、背後からミラージュの上着のジッパーを下ろしていく。その手で今度は上着の襟を掴むと、手前に引き、肩を露わにした。  
 白く滑らかな、絹のような肌。それに口付け、右手を短パンの中に滑り込ませる。  
 「ひぅあ…くっ……ふぁ……」  
 
 「声を出してもいいんですよ。さっきも言いましたが、聞こえはしません」  
 桃の割れ目に沿って指は進み、軽くミラージュの菊座を刺激した。  
 「ひああああっ!?」  
 少しだけ指を入れられ、彼女は声を上げる。  
 (おかしい……)  
 靄がかかったような頭で、ぼんやりと感じていた。この程度の愛撫で、ここまで快感を感じる程、自分は弱かっただろうか?  
 「やっと…声を出しましたね」  
 フェイトは再び指を動かした。そして既に蜜を垂らし始めている、彼女の一番敏感な場所へと至る。  
 「……もうこんなに濡れて……そこまで感じちゃったんですか?」  
 「ああああんんっ、ふっぁぁっんっ…!」  
 大きすぎるほどの水音と共に、自分の膣が掻き回される。その間にも愛液は氾濫した川のように流れ出し、下着がビショビショになっていった。  
 
 (………そうか。………私は………)  
 
 「ひあんっ、あっああっ、ふぇ…いっ……」  
 「ん?」  
 胸、首、膣の三カ所を同時に弄りながら、フェイトは鼻声で聞き返す。  
 「ふぇ…いと……さっあんっひあぁっ…はっ……」  
 「何です?」  
 
 「わた…し……は……あん…な……タ…ひぁっ………」  
 
 (………え?)  
 
 次に聞こえた言葉に、思わずフェイトの動きが止まった。短パンの中から手を抜き、息を荒くしているミラージュを床に座らせると、その濃緑の瞳で、じっと彼女の顔を見つめる。  
 「今……何て?」  
 「……私は…フェイトさんの事が………好きです」  
 「冗談でしょう」  
 「いえ! ……今…気付いた所なんです。私は…」  
 「……僕は、ミラージュさんを辱めようとしたんですよ」  
 「関係ありません…」  
 ミラージュはフェイトの瞳を見つめた。そこに映っている自分の、更に自分の瞳の中のフェイトを、じっと見つめる。  
 「私は、フェイトさんが好きです。好きでもなければ……あんな快感は得られないと思います。もう一度言います。私はあなたを愛している…!」  
 「………」  
 「フェイトさんが私を望まれるなら……私は……」  
 彼女は上半身を動かす。両手をフェイトの肩に置き、そっと顔を近付け、艶のある唇を斜めに重ねた。更に顔を傾け、舌で彼の唇をこじ開ける。無表情…いや、暫く呆然としていたフェイトだったが、やがてゆっくりと舌を動かし、彼女の接吻を迎え入れた。  
 「……ん………」  
 
 舌を絡め合わせたまま、ミラージュは自分の背中に手を回し、ブラジャーのホックを外す。接吻の角度を変えつつ邪魔になった下着を取り去ると、ゆっくりと時間を掛けて唇を離し、そのまま顔の高さを下げていった。  
 「く……」  
 フェイトは初めて喘ぎ声を発する。その豊満な乳房で、彼女は直立した彼自身を挟み込むと、更に腕を組んで締め付けた。下を向き、はみ出たソレに舌を伸ばす。  
 「んんん…く……!」  
 「声を出しても…大丈夫なんでしょう?」  
 それだけ、まるで悪戯っ娘のように呟くと、再び亀頭をくわえ込んだ。胸を揺らして刺激を与えつつ、口に含んだ先端を舌で舐め回す。  
 「ひぐぁっ…あくっ…!」  
 やっぱり、フェラをされた事はない。彼の反応を見てそう思った。  
 それなら、これはかなりの責め苦を与えてしまっているだろう。そう思いながら、ミラージュは動きを止めなかった。  
 「出っ…!」  
 びくんっと、彼自身は痙攣する。刹那、口腔中に白濁液が噴出された。それでもミラージュは口を離さず、噴出物を全て嚥下しながら、亀頭を舐め、全てを処理する。  
 「……ミラー…ジュさ…」  
 未だ余韻に溺れつつ、フェイトはそう呟いた。  
 「んっ……何です?」  
 「その…大丈夫…ですか…」  
 それを聞くと、彼女は小首を傾げ、羽毛のような柔らかさで微笑む。  
 
 「心配してくれるんですか? ………やっぱり、フェイトさんは優しいですよ…」  
 「………」  
 暫く黙り込むフェイトだったが、ミラージュは膝で立ち上がると、再び硬度を回復してきた彼自身に手を添え、それを自分の秘所にあてがった。  
 「……んんっ…」  
 すっかりと濡れているそこは、ゆっくりと…ズプズプという音を立てて、怒張した彼自身を納めていく。再びフェイトの肩を掴むと、腰を沈めた。  
 そのまま自分から腰を動かそうとしたミラージュだったが、突然フェイトが立ち上がる。重いとは言いたくないが、人一人の体重を預かっているとは思えない軽快さだった。  
 「あっ…!!」  
 彼はミラージュの腰に手を回し、彼女の胸に顔を埋め、上下に腰を躍動させ始める。  
 「あああんっ…! いひっはっふぅあっ」  
 ミラージュはフェイトの頭を抱き、その耳に唇を近付けると、何度も荒い息を吐き出した。  
 「いひっ…ですよっフェイトさん! とても…ぉ…気持ち…いっ…でっ…ふぁあああんん!」  
 「ぅく…僕も…です……」  
 自分の下半身で、何かが逆流のように体内を上昇していくのを感じる。  
 「ぅあぁぁっ、く…!」  
 「ひんんっ、はふっはっひっ…! ひぃあんっ」  
 
 ビュクビュクと音を立て、生命の温もりと持つモノが注ぎ込まれた。  
 
 
 
 「うあああああああああ!?」  
 絶叫しつつ、筋肉質の男はベッドから上半身を起こす。 
 
 「あああ……あ?」  
 ゆっくりと左を向く。  
 そしてゆっくりと右を向く。隣のベッドの枕の上に、青い髪が見えた。男は腕を高く掲げると…  
 「夢オチかーーーーい!」  
 その頭に向かって、手刀を振り下ろす。  
 「うぇ!? えっほ、ぅえっほ! ………何すんだバカクリフ!」  
 「フェイト、お早う!」  
 「……もういい。何なんだよ、一体」  
 「いや…妙な夢見ちまってな」  
 「夢ぇ?」  
 「おう、お前とミラージュが…」  
 クリフがそう言い掛けた時。  
 
 「ぅ…んんん……?」  
 
 フェイトの掛け布団がもぞもぞと動いた。別にフェイトが足を動かしているわけではない。それに何より、確かに喋った。  
 青年の向こうから、目を擦りつつ、誰かが体を起こす。しっかりと掛け布団で胸を隠しつつ、辺りを見回した。  
 「あ、起こしちゃいました? ミラージュさん」  
 「いえ…。クリフ? どうかしたんですか?」  
 「………」  
 
 露わになった肩。服は着ていないらしい。よく見るとベッドの下には、ブラジャーやら短パンやら上着やら、オマケにフリルの付いたエプロンまで落ちている。  
 「……フェイト」  
 「何?」  
 「俺を殴れ」  
 
 バキィッ……  
 
 「〜〜ッ! 誰が蹴れっつった! ってゆーか超痛い! やっぱ夢じゃない!?」  
 「まだ寝ぼけてるのか?」  
 「フェイトさん、私まだ…」  
 「あ…お休みなさい。昨日ちょっとヤリ過ぎましたね」  
 「不潔よォォォォォォォ!!」  
 ベッドから飛び出し、絶叫しつつ部屋の外へ出て行くクリフ。  
 「…やっぱり、ミラージュさんがここでやろうなんて言ったから…」  
 「あら、緊張すると感じやすいでしょう? 私に裸エプロンなんかさせておきながら…」  
 「あ、あれは冗談のつもりだったんです! そんな高望み…」  
 慌てる彼の胸に、ミラージュはそっと体重を預けた。  
 「高望みなんて、そんな…。フェイトさんの好きにすればいいんですよ?」  
 微笑みかけ、そっとフェイトの頬を撫でる。  
 「私はもう、あなたのものなんですから……」  
 
 <蛇足>  
 
 「ちょっと、ミラージュ。クリフの気持ちも考えてあげなさいよ。引き籠もったわよ、彼」  
 「マリア、私は鈍感なんです。そこまで気が回りませんよ」  
 「……こっち向いて喋ってくれない?」  
 「くっそう、あんなに声出して…フェイト、俺全然眠れなかったんだぞ!」  
 「じゃあ、リーベルも負けないようにしたら?」  
 「……。リーダー、もし良かったら俺と…」  
 「イヤ」  
 「な…何でです!?」  
 「何でって…」  
 
 「要するに…ベッドの上でも早撃ちリーベルだから?」  
 
 「………」  
 「グッジョブ、フェイトさん」  
 「サンクス、ミラージュさん」  
 「リーベル!? リーベル! 誰かセージ持ってないの!? ねぇ!」 

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