「はぅぅんっ! あたしは、いんらんなめすいぬですぅぅぅっ」
ファリンはさけんだ。ゴッサムはたわわなチチを、もみまくり、ゴッサムは腰をガクガクと前後に動かし、ふたりははつじょうきのサルのように、はげしくまぐわいまくった。
パンパンパンパンッ
タイネーブは、ふたりを、見ていた。そんで、オナニーしていた。
「はぁっはぁっはぁ。ごしゅじんさま、おねがいします。わたしにも、御主人様の、おっきくて、たくましいオチンチンをくさだい。」
「やかましいペチャパイめ。おまえみたいな肉便器にはこれで、じゅうぶんじゃ」
「はぁぁんっ、御主人たまのゆび、太くとおっくきて…ああんっ。奥にあたってるぅ」
「どうじゃ、ファリン。ワシの、ドラゴニックガンブラスターは。あの、ガキよりも、すごいじゃろう」
「もっと、ついてください、ご主人さま。なかに、なかに出してくだ
「……ちぇすとぉぉぉぉ!!」
ゴキャッ!!
格闘技を知る者であれば、溜息を吐いただろう…。それくらいベストな角度で、タイネーブのシャイニングウィザードが決まった。封筒よりも簡単に倒れるゴッサム。
「ぐほっ」
「これはこれは。随分とダイナミックエアロフォルムな文体ですねぇ。公衆便所の落書きみたいな…」
北斗の拳のキャラのように指を鳴らしつつ、彼女は床に転がる男の襟首を掴んだ。
「で? 何しとるんやオッサン、ゴルァ」
「じゅ…じゅうはちきんかんのうしょうせつ…しっぴつかつどお…」
「お前執筆クリエイターじゃねぇだろ。ファリン」
「はぁい。『ファイアボルト』」
「ああっ、燃えるぅ! ワシの『春と悦楽』第五十八話がぁぁ!」
「あ。こっちにもありますよ〜。まとめて『ファイアボルト』」
「ああんっ、『アマゾネス・ディナー』が、『ワシのペット』が、『うっふんパラダイス』がぁぁ!!」
「うっさい黙れ」
今度はチョークスリーパーをかけるタイネーブ。
「あ」
「また何か見つけたの? ファリン」
「メイド服着たわたしたちの人形」
「潰せ」
「ラジャー」
「ああっ、それだけはぁぁぁ!! フェイトをだまくらかしてくすねた金で、三日かけて作ったそれだけはぁぁぁ!! 世のファリ&タイネ派を敵に回すつもりかぁぁ!!」
ベキャッ…
ゴッサムの絶叫など完全無視で、二体の三等身フィギュアはニキビよりも簡単に潰された。タイネーブは耳を引っ掴み、ぐいぐいと引っ張る。
「分かってんだろうなぁ、オッサン。お? 次こんな事してんの見つけたら、ケツの穴の奥の前立腺に電流流して、ち○こキャンッゆわせるぞゴルァ」
「ひ…ひぃぃぃぃ…!」
「もしくはぁ、股間の豆鉄砲をルムのお尻の穴に無理矢理突っ込んで、離れないように縛り付けて、それで白昼堂々走らせたりとかぁ…名付けて“なんちゃってケンタウロスの刑”」
「い…いやぁぁぁ…!」
……ドサァァッ……
「「「……え?」」」
床に散らばる無数の書類。書類を抱えていたままの姿勢で、半開きのドアの前に立ち尽くす、この老人の雇い主である青髪の青年。
カタカタと震えていた。
「あ…いやっ、あのですね! 今のは軽い冗談なのであって…」
「そっそうですよぉ。別に(ピー)を(ピー)して(ピーーーー)してから(ピーーーーーー)する程のことでもないですしぃ…」
「バッ…ファリン!」
「保安官! クリントン一家から挑戦状が! 行くぞOK牧場、行くぞネバーランドへぇぇ!」
「ああっ、フェイトさんが!」
「もう、この程度で壊れるなんて…ウブですねぇ」
「呆れたヤツじゃな」
「どさくさ紛れに尻触ってんじゃねぇぇぇ!!」
「ああっ、止めて止めて! ハムスターみたいな持ち上げ方しないで!」
「うっさい! お前なんかドブネズミじゃぁ!!」
「そっ、そうだっ。ワシ、いい物あげちゃう! ベリベリグッドな秘蔵の品!」
「で? 何でアンタ等がいるんだい?」
「ひどいですよぉ、ネル様ぁ。私達は除け者ですかぁ?」
「ま…まぁまぁ、ネルさん。食事は大勢の方が楽しいですし…」
ペターニの高級ホテル・トーアの門、その食堂。クリエイションを終えたフェイト達が戻るよりも早く、ファリンとタイネーブは席に着いていた。
「んじゃ、さっさと飯食って、ダグラスの森へ行くとするかぁ」
ダグラスの森にアジトを持つ、盗賊団を壊滅せよ…。
自分は徹夜連続三日目なのに、ヒマだヒマだと言いながらヒンズースクワットをしていたクリフにブチ切れたラッセル執政官が、ネルの任務にそれを入れた。
“庭の畑から大根引っこ抜いて来い”的な調子での命令に閉口するネルだったが、特に大した相手でもないので了解する。必然的にフェイトとクリフのオプションも付いてきた。
おまけに連鎖師団の構成員、更には同じくヒマヒマ言ってたルージュ・ルイーズもいる。これで失敗したら、お天道様がエリクール二号星に突っ込んでくるだろう。
武器や防具も手入れが終わったし、腹拵えしてダグラスへ。単純明快な行動予定を思い出しながら、フェイトは最後の肉を口に放り込んだ。
「食後のお飲物は如何ですか?」
食器を片付けるボーイに続き、ウェイトレスがやって来る。タイネーブとファリンの目配せに緊張しているが、誰も気付かなかった。
「じゃ、コーヒーを…」
既に用意されていた。随分準備のいいホテルだな…くらいにしか思わず、フェイトはカップに口を付ける。
「………」
「いいかい? ルージュがここに待機している。それでアタシ達はここに。合図があったら………?」
テーブルの上に地図を広げ、最後の打ち合わせをしようとしたネルだったが、ふと隣の青髪の青年の様子がおかしいのに気付いた。
「………」
心なしか、呼吸が早くなっている。顔を真っ赤にして、潤んだ瞳をしていた。
「…フェイト、大丈夫かい?」
「え……ええ……」
「熱でもあるんじゃ…」
そう言ってネルが手を伸ばし、フェイトの額に触れた時…。
「ひっっ…」
小さな悲鳴と共に、その手は振り払われた。
「!?」
「あ…済みません、大丈夫ですから……」
「……どこがだよ」
バシャッ
カップが彼の手から離れ、中のコーヒーが膝の上に流れる。
「熱っ…!」
「大丈夫かいっ!?」
ネルの手がフェイトの太股に触れた。
ガタァァンッ…
「……!?」
次の瞬間、フェイトは椅子を蹴飛ばして、後ろ飛びに跳び下がっていた。荒い息をする度に、青髪が上下に動く。
「大丈夫ですか? フェイトさん」
近付いてきたタイネーブが、そっとフェイトの腕を掴んで立ち上がらせる。
「病気ですかぁ?」
「いや…そんな筈は……」
「……フェイト、今回の件…お前は休んどけ」
「クリフ……でも……」
「いいから。お前抜きでも十二分だよ。何かあったら、保護者の俺の責任になっちまう」
ネルはそっとクリフに耳打ちする。
(ちょっと、その言い方は…)
(うるせえ。こうなったら、フェイトは休ませる。よく考えれば…あいつが戦うと…)
スイッチが入る。フェイトは戦闘時に(特にVS貴族メンの時)人格が変わるのだ。それはもう、モンスターの方が哀れに思えるくらいに。
(……確かにね…)
戦闘の後、返り血の付いた顔で「楽しかったよ」。ネルとしても、フェイトの爽やかイメージをむやみに壊そうとは思わない。
「……まぁ、何かあってからじゃ遅いしね」
「済みません…」
「いいから。ファリン、タイネーブ。ちゃんとフェイトの看病してるんだよ」
「分かりました」
「はぁい」
(くそ…何なんだよ、一体…)
タイネーブにお姫様抱っこされている恥ずかしさに目を瞑りながら、フェイトは自分の体の火照りについて考えていた。
とにかく、敏感になっている。体中の彼方此方が。
「! ぁっ…」
「どうかしました?」
「い…いえ、何でも」
タイネーブの腕が腿を擦り、思わず妙な声を出してしまった。
(…可愛い……)
フェイトと歳はそんなに離れてはいない。が、童顔で、体毛は薄くて肌は柔らかい。そんなフェイトには、逞しいというよりも、可愛いという言葉が似合っている気がした。
目を閉じており、唇は半開き。少し太股に触れようものなら、敏感に反応する。
(あの薬…ここまでだなんて…)
腐ってもゴッサム、腐らなくてもゴッサム。媚薬などについては人一倍研究しており、その彼が秘蔵だと太鼓判を押す薬は、流石にただものではなかった。
じっと唇に目が行くが、その度にファリンが無言で制す。
やっと部屋に到着し、フェイトを運び入れ、鍵を掛けた。
「取り敢えずぅ、おズボンを脱ぎ脱ぎしましょうねぇ」
ベルトに手を伸ばすファリンに慌て、彼はベッドの上で身を縮める。
「いえっ、一人で出来ますから」
「でもぉ…」
「ネル様が私たちに、しっかりと看病をするようにと…」
「それでも大丈夫ですっ。ちょっとだけ部屋から出てくださいっ」
「………」
「………」
「な…何ですか?」
「フェイトさん…」
「ボッキ…してますねぇ?」
「……!!」
フェイトの顔が更に赤くなった。
「大丈夫ですよぉ、全然気にしませんって。さあ、ちゃっちゃと脱がないと、シミになっちゃいますよう」
「ちょ…待って!」
ベルトを掴むファリン。その腕を掴むフェイト。が、タイネーブが指先で彼の首筋をそっとなぞると、途端に力が抜けた。
「ふぁ…!」
結局為すがままに。あっという間に一糸纏わぬ丸裸、賭場でケツ毛までむしり取られた格好である。フェイトが必死に隠そうとしている彼のムスコは、完全な反抗期だった。
「っ…!」
ファリンの唇が、彼の言葉をせき止める。そのままキスをフェイトの顔中に落とし、軽く耳朶を噛んだ。
「っくぅぅぅ!!」
彼の体中に、ジンマシンのように大量に出現した性感帯は、決して安定を与えない。力が緩んだのを見計らって、タイネーブは股間の両手を退かせた。
怒張は痙攣したようにヒクヒクと蠢動している。その怒張に、両側からファリンと共に
口付けた。唇や舌を使い、激怒するムスコを慰めていく。
「あっ…くぅぅ……ふぁぁっ」
フェイトは何も出来なかった。ぎっと歯を合わせて声を抑え、両手はシーツを皺になるほど握り締め、爪先も強張っている。
股間の快感に脳の処理が追い付かず、何度も頭が真っ白になりかけた。
ぴちゃぴちゃと、とてつもなく淫らな水音が響き渡り、フェイトの怒張は更に膨らむ。
「っふぁぁっ…くっ…んんんっ」
「いぐっ…ぅっ…ぅぅぅぅっ」
「んんむ…ふぁ…ぁぁっ…」
自分の喘ぎ声に、二人の声も重なってきた。ファリンもタイネーブも、既に下半身を完全にさらけ出しており、指を使って股間を湿らせている。
二人の上気した顔と、弄くり回されている自分自身が見えた。
(っ! 何か…変な気分…!!)
普通の射精感ではない。もっとこう…身体の奥からこみ上げてくるような、そんな形容の出来ない気持ち…。
「ぅあっ…出まっ…!」
垂直に立てられた自分のモノから、どろりとした白濁液が噴出された。
(……あれ?)
気が付けば、何とか起こしていた筈の頭はベッドの上。クスリをやった事はないが、きっと使えばこんな気分になるんだろう…そんな快感だった。
イクというのはただ射精するだけじゃない、こういう事だったんだ……。虚ろな瞳のまま、ぼんやりとした頭でそう考える。
そして視界に、一糸纏わぬタイネーブの姿が飛び込んできた。
「フェイトさん…」
呟きと共に唇を合わせる。フェイトの手が動き、彼女の小ぶりだが形の良い乳房を掴んだ。タイネーブの息が乱れ、更に唇に吸い付いてくる。
「んんんんっ…ふっ…!」
「フェイトさん、まだまだ元気ですねぇ」
あっという間に硬度を取り戻した彼自身に、ファリンは軽く舌を這わせた。そろそろと指で裏筋をなぞり、小さな快感を小刻みに与えてくる。
「ふぇ…フェイトさ…ん…」
ようやく唇を離したタイネーブが、恥ずかしそうに呟いた。体を起こすとフェイトの身体の上を滑り、胸の上に股を移動させる。
「その……よかったら……舐めて…くだ…」
フェイトは頭を起こした。彼女の最も恥ずかしい場所は、彼の目の前でヒクヒクと動き、透明な液を溢れさせている。
「あ…あんまり見ないでくだ……ひゃぅぅぅんんんっ!!」
タイネーブの身体が弾かれたように仰け反った。下の唇にキスしたフェイトは、そのまま彼女の愛液を、音を立てて吸い上げる。
「ひやっ…ぁんっ…音…させな…ぃああぁぁんんっ!」
舌先で愛液をすくい、両手をタイネーブの手に近付けた。喘ぎ声を激しくさせていた彼女は直ぐに指を絡ませてきて、二人は掌を握り合う。
「じゃあ、私がお先に…」
フェイトからファリンの姿は見えなかった。ファリンは腰を持ち上げると、彼自身の上に座ろうとする。
「……んんっ…」
一瞬詰まったかと思ったが、刹那一気に入り込んだ。
「ふぁっ」
「ひゃんんっ!」
同時に声を上げるフェイトとファリン。ファリンはタイネーブの背に抱き付くと、自分から腰を振り始めた。両手はタイネーブの胸に添えられている。
「ひんぁっっ…おふっ…ふぁ…にああんっ!」
「い…ふぁ…壊…れ…!」
ファリンはすっかり固くなっているタイネーブの突起をこりこりと回し、フェイトは舌を膣内に侵入させてくる。
「イクっ…イクぅっ……ふぁひ…ァあアあああんンっっ!!」
びくんっと、タイネーブは痙攣した。
ぷしゃあああっ……
次の瞬間かなりの量の愛液が噴出し、フェイトの上にぶちまけられる。
タイネーブがベッドの上に倒れ込むと、今度はファリンが抱き付いてきた。舌で彼の顔にかかった液体を舐め取り、口の中に滑り込ませる。
「っんん…ふぁっァんっ…」
フェイトは上体を起こし、彼女の胸に吸い付いた。ファリンの腕はフェイトの背中に回され、腰の動きはより一層激しくなる。
「いひっ、いいんっ…ぁっ、ふぇ…」
汗ばんできた乳房を鷲掴みにし、勃起した乳首を甘噛みした。
「おふぁアあぁァァああっ!」
髪を振り乱して背を反らす。フェイトはそのまま体重を掛けると、彼女をベッドの上に押し倒した。足を上げさせ、今度は自分から腰を前後に動かし始める。
「いふぁ…あ…いやァっンん…ああああっ!」
荒い息を付き、胸がぶるぶると震える。ファリンはシーツを掴み、恍惚とした表情でフェイトを見た。
ドプッ……ッッン……
「あふァあぁぁぁアアああぁっ!」
胎内でびくびくと暴れていたフェイトのムスコは、ようやく怒りを収めたらしい。彼自身は引き抜かれたが、ファリンは未だ起き上がれなかった。
それでもフェイトの欲望は収まっていない。
「……フェイトさん…」
振り向くと、俯せになったタイネーブが、羞恥に満ちた顔で腰を上げようとしている。
「今度は…その……わ…私に……」
口籠もりながら言う彼女だったが、フェイトはタイネーブの腰を掴むと、更に引き上げさせた。
「ぁっ!…」
そして膝立ちになり、臀部の肉を自分の目の前で左右に押し広げる。
「そ…そこはっ…!」
彼女の菊座は、呼吸をするようにパクパクと動いていた。フェイトは指をしゃぶると、その中に中指を埋め込んでいく。
「ひああああっぁぁっ!!」
タイネーブの身体が強張った。そしてすっかり狭くなった膣内に、彼自身が無理矢理入り込もうとしてくる。
「いぁぁぁあああああんんっ、ふぁあっ、ひふっ、ぁぁっ!」
ゆっくりと時間を掛け、フェイトは完全に彼女の胎内に収まった。穴に入れた中指を動かすたびに、タイネーブの喉は嬌声を上げる。
「やっやぁぁぁっ…こんっなっ…! えふっ、ふぁ…やぁぁんんんっ!!」
ようやくファリンが体を起こした。喘ぎ声と嬌声を交互に洩らすタイネーブの顔を逆さに覗き込むと、その唇を塞ぐ。
「んむっ…んんむんっぅぅぅぅ…!!」
一般的にはもっと違うのだろうが、三つの穴を全て嬲られている状態だ。フェイトの動きは収まるどころかどんどん激しくなっていき、ファリンも胸を弄り始める。
「ん……んんんんんんんんんんんんんんっ!!!」
タイネーブから自身を抜くと、彼女は荒い息を付いたままベッドの上に崩れ、やがて眠り始めた。
長いディープキスで同じく息を荒くしているファリンだったが、フェイトに胸を吸い上げられ、再び嬌声を上げる。
「フェイト…さ……」
潤んだ瞳のまま、彼女はフェイトの接吻を受け入れた。
「よっしゃぁ! 盗賊退治終了〜〜!」
「飲みに行くぞ、飲みに!」
「……おい、ネル? お前は?」
「いや、アタシは遠慮しとくよ。フェイトが心配だし、宿に戻る」
「……惚れてんのか?」
「『黒鷹…」
「マジゴメンマジゴメン! でもよ、行かない方がいいかも知れないぜ? あのお二人さんとお楽しみ中だったりして…」
「……アンタ。“どーじんし”とかの見過ぎじゃないかい?」
「………あれ?」
ベッドの上には何故かフェイトではなく、自分の二人の部下達が仲良く眠っていた。
(フェイト…?)
「ネ〜ルさんっ」
「!?」
背中に誰かが抱き付いてくる。見なくても声で分かる、フェイトだ。
「……ねぇ、フェイト?」
「はい?」
「アタシの腰に当たってるのって…何?」
「ねぇ、ネルさん…」
「答えな! 聞きたくないけど答えな!」
「しよ?」
「へ…?」
振り向いたときには、唇は塞がれていた。
「んっ…!」
襟から隠密服の中に入り込んだ手が、胸の膨らみを掴む。突き放そうとしても、しつこく絡み付いてくる。もう片方の手が下方に移動して、スカートを捲った。
「?!」
未だ唇は解放されない。舌で歯茎を撫でられ、口の中を掻き回され…。下に回った手が、下着の上から割れ目に触れた。
「んふっ…!! んんっ…」
ネルの息遣いが荒くなり、頬が熱を帯びる。やがて聞こえてきた湿った音に、更に顔を赤らめた。すっかり固くなってしまった乳首を押され、回され、散々に弄られる。
(ウソ……こんな…!)
腰に力が入らず、足下が覚束なくなってきた。それに気付いたフェイトは、ネルの体重を支えつつ、彼女の身体をそっとベッドの上に横たえる。
ようやく唇が解放された。
「……ひぐっ…ぁっぁああっ…」
額に汗が浮かぶ。
(この程度で……!!)
既に下着はビショビショになっており、湿った音どころか完全な水音になっている。それでも相変わらずフェイトは敏感な部分を弄り続け、イキそうになると指を休めた。
「ひぅっあっ…ふぅぅっ…!」
「ネルさん? どうしたの? 僕に出来る事があったら言ってくださいね?」
「……!!」
不覚にも、更に顔を赤くするネル。フイッと顔を背ける彼女に首を傾げ、フェイトはネルのクリトリスを摘み上げた。
「っ! ぃあああぁぁぁああっ!?」
「ネ・ル・さ・ん? さあ、勇気を出して言ってみましょう、レッツ・カミングアウトです」
「………っ…」
下の唇の間を撫で上げるフェイト。そしてついにネルのダイヤより硬い口から、何かが微風のように流れ出した。
「……て…」
「ううっ、済まぬのう〜。ネルさん〜。わしゃ、どーも近頃耳が遠くての〜」
「……わって!」
「ん〜?」
「……イクまで続けてっ」
無用な押し問答を嫌い、ひと息に叫ぶ。
「下着の上から? それとも直接?」
「……脱がせて」
「は〜い」
スカートを捲り、濡れた下着を一気に引き下ろした。
「すごい、糸引きましたよ。見ます?」
「フェイト!」
「はい、ゴメンナサイ。……やっぱり、指じゃなくてこっちにしますね」
「っ!? さ…さっさとしな! 二人が起きたら…」
「固い事言わないでくださいよ。じゃ、行きます」
ズリュッ
「ひがぁぁあああぁぁ…っっ!!」
(クソ! 何で窓が閉まって…カーテンまで閉まってるんじゃ!)
ホテルの裏庭、フェイトの部屋の窓の傍で歯軋りするゴッサム。
(音もよく聞こえねぇし…。親が見てるポルノをこっそり盗み見てる中坊か!? 俺等はよ!)
……とクリフ。
(よっしゃ、若いの! フォースじゃ、フォースを使うんじゃ!)
(分かったぜ、マスター・ヨーダ!)
(誰がヨーダじゃ! 老いたとはいえ、まだまだハートはハン・ソロじゃ!)
(フォースよ、我に力をぉぉ! このクソ忌々しいカーテンを開け、我らをめくるめくピンク色のパラダイスへと導きたまへぇぇ!)
(ダメじゃダメじゃ! お主は既に暗黒面にどっぷり潜水状態じゃ! かくなる上は、ワシのフォースで……)
シャッ
(開いた!?)
(わっはっ、どうじゃ! ワシがチイッと本気を出せばこのくらい…)
「やあ」
「…!」
「…!!」
「何してるの? 二人とも」
「おっす、フェイト!」
「おっす、フェイト!」
「おっす、二人とも」
「いや、さっきメルヒェンな蝶を見つけてな…」
「そうなんじゃ。こっちに飛んでこなかったか?」
「へー、蝶?」
「そうなんだ」
「そうなんじゃ」
「…………うふふふふ…」
(!? やっべぇ…何でスイッチが入ってるんだよ!?)
「じゃあ、連れてってあげるよ」
「「………はい?」」
「蝶々もお花畑も、渡っちゃいけない川もある…そんな…素敵なパラダイスへ」
「パラダイスっつーか、ヘヴンの方が正しい気が…」
「あれ? 二人とも……ひょっとして…」
フェイトの唇の端が、有り得ないほど吊り上がった。
「天国へ行けるつもりなの…?」
何があったかは分からない。いや、正直言うと聞きたくない。
「あのねぇ、歌舞伎町のネズミたんがねぇ、おにぎりくれたら、一緒にタップダンスしてくれるって言ったの。だからボク、頑張って参院選を勝ち抜くの」
クリフを前にしたマリアは、暫く呼吸することさえ忘れていた。
「……クリフ?」
「あ、声出しちゃダメ。今ね、ボクの肩にね、小さなお友達が来てるの。でもね、マリアたんがハァハァだからね、左の窓から出て行っちゃったの」
「……フェイト」
「ん?」
「何でクリフが…前衛詩人になってるの?」
「さあ?」
「ボクは何者でもないただ者。ここはネズミハウス。赤いネズミに黒いネズミにもけもけなネズミたん、ああ、その上げ底ブーツのオカマさんは食べられないよ?」
「感動的な詩だねぇ、マリア」
「どこが?」
「アイフルのCMのチワワの顔が、突然ノートンの顔になっちゃったくらい感動するよ」
「テクマクマヤコンテクマクマヤコン、一番賢い大腸菌はど〜れだ?」
リハビリに要した時間、半年…。
クリフの詩が結構売れ始めた時に治っちゃったので、少し残念です。(byフェイト)