次はどんな化け物がでてくるのだろう…  
フェイト・マリア・ソフィアの三人は、二度目となる聖堂カナンを駆け抜けていた。  
「まだ何か出てくるのかしら…」  
「今までに倒したのは、さまよう鎧とクリスタルの馬さんだね。」  
「もう勘弁してくれよ…」  
何事もないことを祈って扉を開けるが、  
「また出た……」  
待っていたかのように飛び出してくる化け物。  
蛸を逆さにしたような外見だが、その胴部には大きく見開かれた一つの瞳。その上部ではグロテスクな触手がうごめいている。  
学名ダークアイ。  
「相変わらずグロいわね…」  
「最低…」  
「よりによってコレかっ…」  
『……▼※●っ!!』  
ぶしつけに散々な言葉を貰った化け物ダークアイは、言葉を理解できるのか己の触手を怒ったようにわななかせた。  
その一本がフェイト達のいる空間を横に薙払う。  
「みんな!いくよっ!」  
フェイトが一気に距離を詰める。  
「リフレクトストライフッ!」  
間発入れずに魔法と銃撃で猛攻を仕掛ける…はずなのだが、  
「えいっ!」  
フェイトに続いて杖でなぐりかかるソフィア。  
まったくひるむ様子のないダークアイ。  
「ソフィア!前線に来ちゃ駄目だっていったろ!」  
「あ、ごめんフェイト。」  
「早く戻…」  
レーザー一閃。ダークアイの大きな瞳から放たれた閃光が、敵前で話をしていたフェイトとソフィアに直撃する。  
「「うわ(きゃ)ぁぁぁっ!」」  
 
「何やってんのよ、もうっ!」  
先ほどからコンスタントに超遠距離射撃を続けているマリア。  
「回復しないとっ…」  
フェイトがヒーリングの詠唱を始める。  
「待っててねフェイト、今回復してあげるから!」  
フェアリーライトの詠唱を始めるソフィア。  
ダークアイの眼前での戦術ミスは悲しい結末をむかえた。  
鈍い音と共にフェイトとソフィアが吹き飛ばされる。  
衝撃が肉体の限界を超え、立つことすらかなわなくなる。  
「もう……」  
テンポよく決まった寸劇をふりだしに戻すべく、マリアは蘇生薬を手に…できなかった。  
長い道程、あの二人の為にいくつ使用しただろうか。  
フレッシュセージ、リザレクトボトル、リザレクトミスト…ない。  
全ての復活薬は使い尽くされていた。  
『%£♂△★』  
うにうにと触手をうごめかせながら迫るダークアイ。  
一人で倒すか逃げ切るか。足の遅いマリアが逃げ切れるわけがない。  
必死の銃撃もむなしく眼前に迫る怪物に、苦し紛れの三段蹴りトライデントアーツを放つ。  
一、二撃とダークアイの意外に柔らかい胴部にヒットする。しかし三撃目が触手に捕われた。  
「ちょっ…!放しなさいっ!」  
触手が足首に巻き付きマリアを宙へ放り投げた。  
「きゃあああ!」  
重力に引かれて落ちてきたマリアを触手のネットが受けとめる。  
「いやっ!放しなさいっ!」  
いくらもがこうとも、触手に四肢をがっちりと拘束されてしまっては何の意味もなかった。  
 
『くっくっく…気分はいかがかな?』  
突然部屋に響く流暢な言葉。  
「…っ!?最低よ!放しなさいっ!」  
『それはすまない。これでもフェミニストなんでね、優しくしてやったつもりなのだが。』  
言葉は他でもない、この化け物ダークアイ自身から発されていた。  
腹の底から響くような重低音の声。本能的な嫌悪感に寒気が走る。  
「な、なんで話せるのよっ!」  
『話せないふりをしていた方がより化け物らしいだろう?和解の余地なく攻撃できるからな。』  
『…●◇※★%』  
スっと一本の触手がマリアの顔の前でうねり始めた。  
「な、なんなの!?」  
唐突に始まった触手のダンスは、また唐突に終わった。  
ビュクッと、その先端から粘みのある白色の液体を放出する。  
液体はダンスをいぶかしげに見ていたマリアの顔に直撃した。  
「やだっ!何するのよっ!」  
『¢¥%○▼』  
聞く耳持たず。  
腕を拘束していた触手が、両手首を頭の上でひとまとめに縛った。吊された格好になる。  
「痛っ…」  
ふと気が付くと、目の前にはダークアイの巨大な瞳。  
(き、気持ち悪いわね…)  
『■¥●*☆』  
マリアの胸部に同じように液体がかけられた。  
ジュワッと音を立てて鎧の胸部が溶解し、黒いアンダーウェアが露出する。  
少しキツめなのか、身体のラインがくっきり表れている。  
「やだっ…やめなさいよっ!」  
粘着質の液体に包まれた一本の触手が首筋に触れる。  
その粘液を潤滑油にして胸元、アンダーウェアと素肌の間に潜り込んでゆく。  
 
「や、やめなさいっ!気持ち悪いのよっ!」  
身体を左右に揺すっての抗議行動もむなしく、胸部で暴れまわる触手。  
アンダーウェアがその動きを、触手のイボの形状まで詳細にトレースする。  
ビリリッと音を立てて弾性限界を超えたアンダーウェアが破れた。  
それほど強く女を主張していない胸が姿を現す。一面に塗られた粘液が触手の動きの激しさを物語っていた。  
「な…何するのよっ!このっ!」  
先ほどからなんとか束縛を振りほどこうと頑張っているが、その柔軟性からは考えられないほどにガッチリと固められている。  
目の前の瞳に胸部を見られる恥ずかしさと何もできない悔しさに、強い精神も蝕まれていく。  
(まさか…こいつ…)  
少し弱気になった表情に焦りの色が強く浮かんだ。  
視線の先には触手の群れ。しかしその各々の尖端は少し広がり空洞になっている。口が付いているようなデザイン。  
悪い予感通り、その触手達は胸の突起、またその周辺に噛みついてきた。  
「だめっ!…やめなさいっ!」  
本当に口なのか、舌のようなモノがチロチロと舐めてくる。  
「ホントにっ…気持ち悪いんだからっ!」  
今のマリアに出来る唯一の抗議行動、目の前の瞳に思いきり叫んだ。  
瞬間、触手の動きが止まる。  
(やっと通じた…)  
が次の瞬間、一本の触手がビチャっとマリアの顔に白い粘液を放射した。  
「やっ…」  
それを始点としてあちこちの触手が全身に粘液の放出を始めた。  
(やだ……な、なんなのよこれ…っ)  
 
突然、ゾクッと身体が震えた。  
(なにこれっ…身体が熱いっ…)  
マリアの上半身を白く染めた粘液が、皮膚を通して身体に少しずつ吸収されてゆく。  
「なにするのよ!やめなさいっ!」  
『¥#●▽※』  
 
本当に言葉が通じるのか分からなくなってくる。  
何も聞いていなかったかのように触手の動きが再開した。先ほどと変わらぬ動き。  
しかしマリアの身体は変わっていた。噛みつかれ、舐められている部分から鋭い刺激が伝わってくる。  
「んあぁっ!…こんなっ…」  
(あの白い液のせいね…マズイ…)  
目の前の瞳と視線が合った。好色そうにマリアを見つめる大きな瞳。  
「ふぁっ…だめっ…やめてっ…見ないで…」  
口状の触手が粘液で白く彩られた顔に触れ、耳にその舌を伸ばす。  
敏感な部分を舐められ、寒気の走るような感覚が生まれる。  
「ひんっ…やだ…やめてよっ!」  
首を振って耳から引き離すが、しかしすぐに再び侵入してくる。  
(やだっ…ゾクゾクする…堪えないと…)  
『※◇*%★』  
未だ無傷の脚へ、数本の触手が興味を示した。  
無傷とはいえ、激しい戦闘のせいでストッキングが破れており、ところどころに薄い肌色の盛り上がりができている。  
さらに先ほど受けた白い粘液が黒いストッキングに強調され、下半身を淫らに彩っていた。  
足首に巻き付いた触手が、ゆっくりと螺旋状に巻き付いて昇ってゆく。  
「ぁっ…やめっ……あぁっ…やめなさいっ!」  
完璧に拘束された足は、震える以外の動作を禁じられていた。  
両足の触手はゆっくりと腿の感覚を楽しむように登り、スカートの入り口まで到達した。  
「やめてっ…ちょっと聞いてるの!? それ以上は承知しないわよっ!」  
『■☆%℃¥』  
「きゃっ!」  
答えとばかりに胸の突起を吸いあげられ、スカートの中へ侵入された。  
「やだって…ひぁっ! 触らないでっ!」  
足の付け根の下着とストッキングで二重に防護された部分をつつかれる。  
「はあぁっ…話を聞きなさいよっ!この下等生物っ!」  
瞳に向かって思いっきり叫ぶ。  
わずかに瞳が細くなり、  
『……うるさい娘だな。』  
理解できる言葉が聞こえてきた。  
 
「は、放しなさいっ!今ならまだ見逃してあげるわ!」  
『……そうだな。私に向かって許しを請えば考えてやってもいいぞ。』  
「……だ、誰があなたなんかに…」  
言葉は喉まで出かかっているが、声にできない。  
『どうした?』  
「…………」  
目の前の瞳が面白そうにマリアを見つめる。  
『……時間切れだな』  
慌てるマリアの腰の辺り、ストッキングの上端に触手が伸び、下着ごと太腿の中腹までずりおろした。  
「いやっ!や、やめなさいっ!」  
『犯して欲しかったから何も言わなかったんだろう?』  
「そんな…」  
『もう準備万端じゃないか。口は悪いが、ここは実にうまそうだ。』  
「やめなさいよっ!変態っ!」  
秘部に触れる生暖かい感触。  
二本の触手が器用に動き秘部を広げた。  
「あ…あぁ…」  
大きな瞳が好色そうに内部を見つめる。  
『これは素晴らしい。しかし、この濡れ方は凄まじいな。』  
秘部の入口を触手がつつきまわす。粘着質な音が耳に入ってくる。  
「も…もう…許して…」  
涙を必死に堪えながらなんとか許しの言葉を口にするが、  
『駄目だな。』  
ぐさりと、一本の触手が刺さった。  
「はぁぅっ!」  
(……やだ…私こんな化け物に……)  
 
『痛くないように細いのを選んでやったんだ。これなら…』  
馴らすようにゆっくりと上下させる。  
「ひゃぁっ…あぁっ…」  
『痛みより快楽が勝るだろう。』  
「あぁっ…やめてっ…んっ…抜いてっ!」  
瞳から涙がこぼれ落ちる。  
『女性を泣かせるのは趣味じゃないんだが…足りなかったかね?』  
胎内の触手が脈動し、ビュッと熱い液体が放出される。  
(うそっ!?)  
「な…何するのよっっ!」  
『安心しろ。人間を孕ませるつもりなどない。ただ…』  
再び身体に異変が起きた。下腹部で炎が燃え上がるような感覚。  
直接胎内にかけられた粘液の効果は、先の身体に浴びた時の比ではなかった。  
『もう少し身体に正直になってもらわないとな。』  
(熱い…こんなんじゃ…堪えきれない…)  
「はぁ…あぁ……」  
『いい表情だ。さっきよりよっぽど素敵だぞ。』  
「…う、うるさいっ! あぁっ!」  
胎内でぐにゃぐにゃとしなる触手。  
『お前のぐしょぐしょに濡れている場所が、もっと激しくしてくれとせがんでくる。』  
「そんなことしてな…あぁんっ!」  
速いペースで上下に動かされる触手。  
「ああっ! うあぁっ! あぁんっ!」  
『いい声だ。やれば出せるじゃないか。』  
「だっ…あぁっ…だまりなさいっ!」  
両足がダークアイの方向へ運ばれる。ダークアイへ向けて開脚する姿勢になった。  
「いやっ! こんな格好やめてっ!」  
『ふ、締め付けが強くなったぞ。』  
「くぁあっ!こんなの…だめっ…」  
突かれるごとに、恥ずかしさや悔しさなどの感情が快感へ変換されてゆく。  
「ああぁっ!だめっ!ふぁあっ!許してっ!」  
『さて、これからが本番だ。』  
 
胎内で動き回っていた触手が引き抜かれた。代わって、太いゴツゴツした触手が挿入される。  
「はぁぁっ!大きいっ!あぁっ!やめてっ!」  
『喜んだように締め付けてくるな。もっと刺激が欲しいか?』  
「やだっ!あぅんっ!だめぇっ!」  
挿入に加え、胸への愛撫が再開した。  
大きく広がった口状の触手で胸全体を吸引する。  
「はんんっ!くぅんっ!胸っ!だめぇっ!」  
変わらぬ、むしろ速くなってゆく触手の挿入ペース。  
『そろそろだな…』  
「あぁっ!あうぅっ! もうっ!だめぇぇっ!」  
周りを取り囲む触手がうねり、一斉に粘液を放出する。  
「あぁっ!熱いぃっ!んんんっ!」  
最後に特大のものが、太い触手を通じてマリアの胎内へ吐きだされた。  
「ああぁっ!やだっ!だめぇぇぇーっっ!!」  
触手の拘束の中でマリアの身体が精一杯反り返った。  
「はぁ…はぁ…」  
『気持ち良かったろう?』  
「くぁあ…さ…最低よ……」  
『………まったく。頑丈な精神だ。』  
 
大きな揺れと共に、ミシッと壁にヒビが入った。  
次の瞬間、轟音を響かせて崩れおちる。  
『待ったかい、兄者?』  
似たような声が響く。ダークアイよりは少し高い。  
(何…新手なの…?)  
『遅いぞ、弟者』  
その姿が見える。ダークアイと同じ型から取ったような姿。  
身体の色だけが異なり、ダークアイの黒色に対して深緑色。  
(あれって…私達が封印洞で倒した……)  
学名はインフェリアアイ。  
『悪ぃ、ちょっとイカレた奴らに襲われてな』  
「イ…イカレてるのはそっちでしょっ!」  
『おっ、そうそうこいつらだよ。さすが兄者だな。』  
ぬるりとマリアの頬へその触手を伸ばす。  
「さ…触らないでよっ!」  
『兄者、こいつを好きにしていいかい?』  
『…好きにしたらいい』  
「…きゃあっ!」  
ふわりとマリアの身体が宙を舞った。水平ベクトルの強い放物線を描いて、触手から触手へダイブする。  
『さて、どうしてやろうか…』  
瞳の前でマリアの身体を軽く撫でまわしながら、楽しそうに考えている。  
『弟者、こいつを使ってみないか。』  
ダークアイが何かを運んでくる。  
「フェ、フェイト…」  
「マリア…役に立てなくてごめん…」  
ドサっと、フェイトの身体がマリアの身体の上に重ねられた。  
 
『ははっ、兄者も相変わらずえげつねぇなぁ。』  
フェイトのズボンが取り去られる。すでに硬く反り立ったペニスが剥き出しになる。  
『おう、どうした?仲間の姿見て興奮してんのか?』  
『身体は動かずとも生殖器だけは動くか。浅ましいな。』  
「フェイト…」  
強烈な恥ずかしさの中に混じるわずかな喜び。  
マリアのさりげないアプローチに気付かずにソフィアとくっついてしまったフェイトが目の前にいる。  
「マリア…僕は…うっ!」  
「あんっ!」  
ダークアイの触手がフェイトを操り、マリアの秘部へ挿入させる。  
(あぁ…フェイトと…一緒になれた…)  
しかし、マリアの気持ちはすぐに裏切られた。  
『いいか、どっちかがイッたらこの男を殺すぞ。』  
「そ、そんな…はぁんっ!」  
「なに…」  
フェイトの腰がダークアイにより動かされる。  
「マリアっ…キツいよ…締め付けないでくれっ…」  
「あぅんっ!そんなっ!してないわぁっ!」  
『おいおい、兄者はマジで殺っちまうぜ?もう少し真剣にやれよな。』  
「はぁぁ!だめっ!フェイトぉ!」  
「くっ…」  
『上が物足りねぇだろ!』  
インフェリアアイの触手が胸へ絡み付く。  
「はぁんっ!だめぇっ!やめてっ!」  
『少し速くしてやろう』  
フェイトの挿入の速度が上がる  
 
「やぁっ!だめよっ!もうっ!」  
「うぁぁ!マリア!締め付けないでくれ!」  
『どうした?もう終わりか!?』  
必死に絶頂を堪えるマリアをあざ笑うように乳首をもてあそぶインフェリアアイ。  
(もうっ…駄目っ…!)  
「フェイト!あぁんっ!好きよ!大好きなのっ!」  
緩められた拘束を振りほどいてフェイトに抱きつくマリア。  
「そんな…マ、マリア…うあぁっ!」  
「はぁんっ!ごめんなさいっ!もうっ!」  
強烈な締め付けがフェイトを襲う。  
「ああぁっ!だめぇぇぇっっ!」  
マリアがギュッとフェイトへ抱きつくと同時に、フェイトも絶頂を迎えた。  
「うわああぁぁぁ!!」  
閃光が光った。  
 
気が付くとフェイト・マリア・ソフィアの三人は床に倒れていた。  
ダークアイ達の姿はない。  
(私達…無事なの…?)  
マリアは立ち上がり辺りを見回す。  
インフェリアアイが壊した壁の穴の他に、もう一つ大きな穴が開いていた。  
(最後の光…ディストラクションかしら…?)  
安心したとたんに、さっきのことが頭に浮かんでくる。  
(フェイト…お願い…私を選んで…) 

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