機械的な内装をした部屋から二種類の声音が響いている。  
「…で、これが私に見せたいものって訳かい?」  
釣り目気味の瞳に、その意志の強さを表すかのように赤い髪が映えている。  
しかし、もう一人の人物を見つめる目はかけがえのないものに対する愛に溢れていた。  
少し期待はずれだと言う風に顔をしかめる、シーハーツの隠密にして世界の危機を救った英雄の一人。  
ネル・ゼルファーだった。  
「ええ。ネルさん、これなんですよ」  
首をしゃくってそのものがある方向を指し示したネルに、線の細い印象を受ける青髪の人物が頷いた。  
“無名の世界の英雄たち”をまとめあげ、共に未曾有の危機を回避した青年にして、創造主に対抗できる力の一つ“ディストラクション”を持つ、フェイト・ラインゴッド。  
二人の視線の先には、部屋のサイズよりも一回り小さい機械が置いてあった。  
遥かに巨大で、ちょうど一人分ぐらいのドアが付いている。  
「…で?」  
先ほどの疑問を縮めた意の台詞をもう一度発する。  
それに疑問を抱いたように、フェイトがさらに聞き返す。  
「…で?とは?」  
ネルの眉が少し動く。少し何かを堪える様なそぶりを見せてから、言を発する。  
「…いまだに“きかい”って奴が良く分からなくてね。何をする“きかい”なんだい?」  
ようやく意を得たといった様子でフェイトが話し始める。その様子にまたネルの眉が動く。  
「これはファイトシュミレータと言って、データを入力することによってまるで現実にいるかのような感覚で敵と戦うことが出来る機械さ」  
やっと納得した表情でネルが頷く。やっと疑問が晴れた顔だ。  
「面白そうだね。で、これでどんな敵と戦うんだい?」  
それを聞くと、フェイトは口の端を吊り上げた笑顔を浮かべる。そのまま言葉を言う。  
「それはお楽しみ。まあまずはその中に入ってみてよ」  
少し怪訝そうな表情を浮かべながらネルはファイトシュミレーターの中に入っていった。  
その様子を見やりながら決して爽やかとはいえない笑顔を浮かべるフェイト。  
 
「ふふ、管理者権限で扉をロック。現実境界認識線を限りなく最小化…神経パルスへ介入  
…過剰反応時の緊急時強制シャットダウン機能解除…操作は外部から…コンピューターの  
ナビゲートを解除…動作を限りなくマニュアルに…ふふ、ふ」  
音声入力によって、次々と情報を明滅させていくコンソールを眺めている青髪の少年の薄  
笑いが部屋に響いた…  
 
「で、どうするんだい?」  
ファイトシュミレータの中に、まさに仁王立ちと言った様のネルが一人ごちる。五秒も経  
たないうちに声が響く。  
「設定があってすぐ終わりますから、ちょっと待ってて下さい」  
一分ほど待っただろうか。背後で何かが密閉されるような音がした。続いて、合成された  
音声が響く。  
『ファイトシュミレータver.otherにようこそ。操作は外部に居る管理者、フェイト・ライ  
ンゴッド様に依存しています。それでは、素敵な電子の世界へどうぞ』  
瞬間。目の前が全く異なる空間に置き換わる。高級そうなホテルの一室。予想と結果の激  
し過ぎる違いに、ネルが声を上げる。  
「どう言うことだい?戦闘をするんじゃなかったのかい?」  
しかしディストラクション保持者は、クリムゾンブレイドのもっともな疑問を難なく返した。  
「ああ、あれ嘘です」  
言葉と共に、光を伴いながらホテルの一室に軽快な雰囲気を纏った女性が現れる。部屋の中  
だと言うのに女性は下着しかつけていない。混乱する意識、放り込まれた状況、呆れと驚き  
と諦めが混ざり、なんともいえない表情になりながら、搾り出すように言葉を発する。  
「…説明しな。いい加減あんたのこういう行動には慣れてるけどね」  
何処か嬉々とした声で、フェイトが説明を始める。  
「まず、彼女はシルビィ。ハイダのビーチで知り合ったんだ。で、意気投合してこれにも協  
力してもらってるんだ」  
「それとこれとに何の関係が有るんだい?」  
「駄目だなぁ、ネルさん。人の話は最後まで聞かなきゃ。最近、僕はエッチをしてて思った  
んだ。たまには新しい刺激が必要なんじゃないかってね。で、ピーンときたんだ、君には女  
の恋人がいないんだ!」  
数瞬してから、返答が返る。  
「……………は?」  
 
「だから、女の恋人だよ!絡み合う足、たおやかな手、そして姉妹関係!すばらしい!人  
類の生み出した究極の組み合わせさ!」  
何処か陶酔し、それでいて異様な熱意を帯びた彼の声を聞いて、ネルは間違いなくイっち  
ゃってると判断した。そのまま怒鳴り返す。  
「冗談じゃないよ!!」  
何処か狂気を帯びた青年の声が響く。  
「でもね…ネルさん、もう、遅いんだ」  
「…あっ」  
とたんに力が抜け、ホテルの床に座り込む。  
「ここの操作は全部僕に回されていてね?力が入らないだろう?神経回路に干渉して、手  
と足に力が入らないようにしてもらったんだ。ドアもロックしてあるし、安全装置だって  
切ってある」  
「細かいことを気にせずに、楽しみましょう?」  
今まで一度も何も言わなかったシルビィが、ゆっくり近づきながら、耳もとで囁く。暖か  
く、まるで蜜のような匂いがした。なぜか背筋がぞくっとする。  
「みんないい匂いって言うのよ。自慢なの、あたしの」  
それだけ言うと、ネルの体を待ち上げる。体を横にして抱き上げているため、まるでお姫  
様を抱っこしているような体勢になった。  
「ど…どこへ行くつもりだい?」  
驚きと多少の恐怖、それに不安が入り混じった顔で聞く。まるで捨てられた子犬の様な表  
情。ネルが普段見せないそんな表情に、フェイトはたまらない愛おしさを感じた。  
「おふろよ。お・ふ・ろ♪」  
 
と、そこでフェイトからの音声がシルビィの耳だけに響く。至極嬉しそうな声だ。  
「じゃあ、僕は見てるから」  
「は〜い」  
同じく小声で答えて、整った顔を同情を請うような目で見つめてくるネルを見つめて、同  
様に愛おしさを感じたシルビィは、ネルをバスルームに運んだ。  
 
バスルームは、入り口の付近に脱衣所が付いていた。そこに、ネルが床に背をつけ、大の  
字の格好で寝転がっていた。なにかを必死で嫌がっている表情だ。  
「は〜い、脱ぎ脱ぎしましょうね〜」  
なぜか異常に目を輝かせたシルビィに、必死で抵抗しているが、手も足も動かないので、  
まるで抵抗しているようには見えない。  
「やだっ、やめておくれよ…」  
ネルが弱々しい声で言うが、そうしている内にも、衣服がゆっくり剥ぎ取られていく。  
一枚一枚、衣服が無くなる度に気丈な顔に赤みが差していった。引き締まった肉体があ  
らわになる。全ての衣服が取り去られた時、顔は真っ赤だった。  
「ネルって胸大きいのねぇ。私驚いちゃった。私のことはお姉さまって呼んで?」  
「お、おねえ…さま?」  
ぎこちない発音で読み上げると、首をかき抱かれて、耳元まで唇を近づけられる。  
「お・ね・え・さ・ま。ね?」  
 
艶のある声と、蜜のような香りが鼻腔を刺し、思わず裸であると言うことを忘れそうにな  
る。しかし、シルビィが次に放った一言は、自分が裸であると言う事を思い出させるには  
十分な物だった。  
「じゃあ、このままお風呂に入りましょうね〜」  
 
平均的なお風呂が付いた一室だ。だが、風呂本体は勿論、その横に備え付けられているシ  
ャワーのスペースもかなり広い。今度こそ絶対に嫌だと表情に浮かべつつも、やはり手足  
の自由が利かないために動けないでいるネルは、体育座りの格好にさせられている。その  
背中にシルビィが直接手を使ってボディソープを塗りこんでいる。  
「ネルって肌もすべすべ〜。何を食べればこんなに綺麗になるのかしら?」  
「そ…そんなこと…無い…よ」  
まるでくすぐるように、シルビィの手が背中を撫で回した後、直ぐに腰に回る。その手つ  
きは妙に緩慢で、まるで愛撫をするかのようだった。まだ直接的なことは何もされていな  
いのに、くすぐったさ以外の感覚がくすぶり始めていた。ネルの体が泡に染まっていき、  
シャワーを取り出される。静かな浴室に、シャワーの立てる水音が響く。今まで、自分を  
覆い隠していたものが再び取り去られていく感覚に、ネルは再び羞恥を感じた。  
 
「は…はずかしいよ…こんなの…」  
だが、その嘆願とも感想とも取れる言葉に、シルビィは悪戯を思いついた子供のような顔で返す。  
「いまさら恥ずかしいんだ?さっきはあんなカッコで脱ぎ脱ぎしたのに?」  
「あっアレはフェイトが…」  
「でもあんな格好でねぇ…シーハーツだっけ?そこのトップが恥ずかしい姿で脱がされてるわけだ」  
「…!っ」  
シルビィの言葉に、さらに羞恥心を煽られ、俯くネル。さらに追い討ちをかける。  
「女王様が知ったらなんて言うかなぁ?楽しみだねぇ?ネル?」  
「なんであん…お姉さまがそんなことを?」  
小悪魔的な笑顔で返答する。  
「んふ、ヒ・ミ・ツ。それより…」  
シルビィの顔が変わる。今度は全てを包み込むような優しさと、同性でも息を呑むような  
艶っぽさを湛えていた。  
「恥ずかしさも吹き飛ぶぐらい気持ちよくしてあげる…」  
 
ネルは、同性だと言うのに見惚れてしまった。  
さらにお姫様だっこで、お風呂の中に連れて行かれる。二人とも足を伸ばしているが、シ  
ルビィの足の上にネルが同じ姿勢で乗っかっている。風呂に入るとネルの顔を後ろに回し  
シルビィが口付けてくる。  
「…!ん、はぁ…」  
先ほどの表情に見惚れたままの所に、いきなり唇を付けられる。さざ波のように、寄せて  
は返す浅く、早いキス。唇が少しずつ熱を帯びてくる。唇が近づく度に、あの蜜の様な匂  
いが脳を刺し、頭が少しずつ官能の色に染まっていく。気が付けば、深いキスをされてい  
た。ゆったりとした動きながら、口腔内を食い尽くすような激しさで、舌を絡めてくる。  
向こうの唇から、唾液を流し込まれる。そうしている間にも、蜜の様な匂いが香り、いつ  
のまにか自分から舌を差し出していた。キスが長いためか、頭がぼうっとしてくる。意識  
が薄れる前に、唇を離された。二人の口の間に、唾液が糸を引きちょうど下の位置にある  
、ネルの鎖骨へ滴り落ちていく。  
 
「ひゃっ」  
シルビィに鎖骨を舐められ、思わず声が漏れる。ネルの声が浴場内に反響した。愛しそう  
にそれを見てから、剥き出しのままになっている胸を弄り始めた。腋の下から手を伸ばし  
て掴んだそれは、一人の女性の手に収まりきるものではなく、揉む手にあわせて形を変え  
る。揉むたびに、十分な弾力があるのが感じられる。  
「あ、はぁ…」  
顔は紅潮し、息も荒くなっている。息を荒げていると直ぐに口を付けられ、またぼうっと  
するまで舌が絡み合う。先ほどの羞恥など頭に無く、自分からも積極的に舌を絡める。同  
時に、シルビィの白い手が秘裂の周りをまさぐる。秘裂の近くに手を動かしては、直ぐに  
周りを撫で始める。まだ何もいじっていないと言うのに、そこからは液体が滴り落ちてい  
た。その間にもシルビィは、淫猥な音を立てて唾液を流し込み、大きな胸を弄り、耳を噛  
む。ついに、ネルが言葉を発する。  
 
「…じっておくれ」  
その声は余りにも小声で、シルビィが近くにいるからやっと聞き取れる程度のものだった。  
再び悪戯っぽい表情を浮かべる。  
「そんな小声じゃ、聞こえないよ?ネル」  
しかし、快楽を与え続けられたネルからは、もはや羞恥心が無くなっていた。  
「いじっておくれ…私のあそこ。もうビリビリして、おかしくなりそうなんだ!」  
その言葉に、シルビィは意地悪く笑って、聞く。浴場内は異常な熱気で満たされていた。  
「女王様が知ったらなんて言うかなぁ?同じ女の子に胸を弄られて、舌を絡められて、あ  
そこを焦らされてお願いするネルを」  
しかし、精神を抉るその言葉を受け止め、直ぐに答えるネル。吐息は熱く、快楽に体を染  
めたその姿からは、クリムゾンブレイドのものではない、女の雰囲気が漂っていた。  
「陛下に知られても、何でもいいっ!弄って…弄っておくれ!」  
「うふふ…よく出来ました♪ご褒美よ」  
そう言ったきり、今まで秘裂の周りを弄っていた、肩越しに伸ばした手の指を一気  
に中に入れる。  
「あっ…ああああああああっ!」  
入れたとたん、体を弓なりに反らし、喘ぐネル。それを見てシルビィは、指で妖し  
い水音を立てながら優しげな表情を浮かべる。  
「ネル…入れただけなのにイッちゃたんだ?大丈夫よ…もっと、もっと高いキーで  
泣かせてあげるから」  
 
言うと、自分の上に乗ったネルを降ろし、正面に来るようにする。体全体を桜色に染めて  
いるネルを見て、微笑む。そのまま、互いの足をクロスさせ、秘裂同士が当たるようにする。  
「ほら…一緒に気持ちよくなりましょう?ネル」  
そのまま、一気に腰を進める。  
「あああっ…」  
二人の秘裂は十分蜜が溢れていて、淫らな水音を浴場に響かせた。腰を動かすたびに面白  
いように感じるネルの姿が愛しくて、つい腰の動きを早くする、シルビィ自身もかなり快  
楽に溺れている、弄るばかりで弄ってもらっていないため、尚更だ。  
「ひゃ…!ネル?気持ち良い?気持ち良い?」  
それでも愛しさから言葉を発する。時たま声が裏返りながら言われたその言葉を受け止め  
、ネルが言葉を返す。  
「気持ち良いっ!気持ち良いです!お姉さまっ!お姉さまっ!」  
先ほど言われたばかりの言葉を、まるで呪文のように繰り返し叫ぶ。そうすると不思議と  
シルビィがさらに愛しく見える。瞳に写りこんだ自分の姿を見ていると、何か分からない  
ものがこみあげってくる。  
「そう…!もっと、もっと泣かせてあげるからね?ネル!」  
股と股を擦り合わせながらも、シルビィは他の部分への愛撫を欠かさない。二人の距離が  
近くなるたびに軽く口づけをし、腰を前後させながら胸を揉む。自分が弄られていなくて  
も、彼女の喘いでいる顔を見ているだけで満たされた。  
「んっ…!ああああああああっ!」  
先ほどの絶頂よりも一際高い声を上げて、ネルが果てる。同じく軽い絶頂を感じながら、  
失神しているネルの耳に囁く。  
「可愛いわよ…ネル」  
 
『ファイトシュミレータを終了します』  
とたんに周りの空間が元に戻り、円形の丸い内壁が露になった。先ほどまで交歓を楽しん  
でいた相手は幻だったのだ。  
「はぁ…」  
流されてしまった自分、凄いことをやらかしてくれたフェイト。その他諸々の全てについ  
て、取り合えずため息をついた。刹那、後ろから声がする。  
「あら〜そうやって立ってると凛々しいわね〜」  
振り向くと、先ほどまで秘め事を一緒にしていた相手が立っている。全体的に軽めの雰囲  
気を保っている  
「シルビ…」  
そこまで呟いた所で、即座に遮られる。  
「お姉さまって呼んで」  
「……お姉さま。ちょっと待っておくれ?アレは幻じゃ…」  
そこまで言ったところで、また遮られる、人差し指を一本前に突き出されて振られる。  
「ちっちっち。さすがに人工知能にあんなに高度なことが出来るわけ無いじゃない〜」  
言われて、先ほどまで行っていた“高度なこと”を思い出し、顔が真っ赤になる。真っ  
赤になったところで、また割り込まれる。  
「じゃあ、黒幕さんの所へ行きましょうか」  
いつの間にか開いていたドアを通り。シルビィは出ていった。  
 
「…で、どういうことなんだい?」  
ディプロの一室に、一見穏やかそうではあるが、眉を引きつらせたネルが聞いた。  
横には、相変わらず軽い調子で微笑んでいるシルビィ。正面にはちょっと顔色が悪そうな  
フェイト。クリムゾンブレイドの眼光に射すくめられている様は蛇に睨まれた蛙といった  
様相だ。  
「ネル…これにはちゃんと訳が………………ううう…シルビィ、パス」  
シルビィが頷き、引き継ぐ。  
「まあ、手早く言っちゃえば、公認二股かけません?ことなのよ」  
ネルが、静かな怒りから驚愕へと表情を一変させる。それを引きずりながら喋る。  
「…は?」  
そこで、それまで軽い調子だったシルビィの表情が変わる。嘆願するような顔に変わり、  
言葉を紡ぐ。  
「ネル…私と付き合ってくれない?」  
ネルの表情がまた変わる、驚愕から戸惑いへ。  
「…え?」  
疑問を発し、そのまま続ける。  
「いや、いきなりそんなこと言われても…それに私にはフェイトがいるし…」  
あわてた様子のネルに、軽い雰囲気に戻ったシルビィが微笑む。  
「だから、公認でなのよ。彼のさっきの話を聞いていたでしょう?」  
「たしか姉妹関係だの、たおやかな手が何だの…って奴かい?」  
と、そこで黙っていたフェイトが突然雄弁に語りだす。  
 
「そう、お姉さまと言う言葉にこめられた愛情!服従することの喜び!そして禁断の愛!  
二人は惹かれあうけれど世間の目や自分たちの良識に苛まれる!けれど二人は気付くんだ  
!愛の前にはそんなこと無意味だって!そう!その過程こそが様式美!清楚感!ああ、こ  
こまで憧れた物は無いよ…ビバ姉妹関係!そして二人は結ばれる!それは甘くて、切なくて…」  
さらに続けようとするが顔を抑えられる。  
「はいはい、フェイト君はちょっと黙っててね〜話がややこしくなるから。この前みたい  
に一晩中姉妹関係に対する思いを語られ続けても困るし」  
「あんた…そんなことしてたのかい」  
少しあきれた様子のシルビィとネルに見据えられ、腰が引ける。フェイトを黙らせたシル  
ビィは、そのまま話を戻す。  
「そう公認よ。今の語りで分かってもらえたと思うけど、フェイト君はこんなだし。それ  
に…私も、あなたのこと好きになっちゃったみたいなの…駄目かな?」  
捨てられた子犬のような表情をする。あんなに強引だったとは思えない表情。それは、図  
らずとも、先ほどネルが見せた表情と同じだった。その落差に、愛しさが込み上げる。  
「いいよ。フェイトはこんなんだし、捨ててやろうかい?」  
途端、満面の笑みを浮かべたシルビィに抱きつかれ、少し顔を紅くする。こんなのも良い  
かな、と思えた。  
 
ネルのいなくなった一室で、フェイトとシルビィが話し込んでいる。  
「ありがとう、シルビィ」  
「別に良いわよ。本当にあの子の事好きになっちゃったし。それにしても、いきなり意識  
が戻って造物主だのなんだの言われた時にはびっくりしたわ。気でも狂ってるんじゃない  
かって」  
「ナンパから始まる出会いもあるんですね」  
「ふふっ、そうね」 

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