「クレア・ラーズバード」  
 
「!?」  
 
冷厳な響き。いままで私が耳にしてきた中で、最も澄み切り、最も威厳があり、  
最も趣を持った、美しい声。あの我らが女王陛下のそれより思慮深さを伺え、  
エレナ様より大物感を漂わす声。   誰――――?  
 
 
部屋の中央。  彼女は、一条の光とともに音もなくその姿を私の前に現した。  
その佇まいはロリ属性にしてクール。銀髪で且つ猫耳。ファンタジーでいてシュールな武器。  
対する私は、さっきまで溜まった性欲を発散していたわけで。 今でも半裸なうえに、  
まぁ、イロイロと。  
 
「………………………(いつまで一人でヤッとるんだ、この女は)」  
 
「………………………(なんで、猫耳のロリっ娘が。っつーか、見られた)」  
 
停止された時間。今、この時、世界はその呼吸をやめてしまったかのように感じるのは  
私の現実逃避だ、うん。無常にも柱時計の正確に秒針を刻む音がこれが現実であること  
を告げている。あぁ。正体不明な少女、その少女の冷たぁい侮蔑交じりのもの悲しげな  
眼差しが私の自尊心を急角度に抉りぬく。     あ、ため息をつかれた。  
 
「…………私についてこい。おまえの逝くべき道、私が示してやろう」  
 
見なかったことにしよう、という配慮の声がまた余計にイタかった。   
 
「あなたは……まさか伝説の――――アペリスの聖天使様?!」  
 
「……………………」  
 
「ああ! まさか、こんなこと。 神が、迷える私のもとに(何か、ロリ属性の姿で)!!」  
 
「……………まぁ、どう捉えてくれようといいが。 私が神であることに違いはない。  
クレア・ラーズバート、繰り返して言う。私についてこい。おまえの逝くべき道、  
私が示してやろう」  
 
 
 
「フェイトさん(+愉快な仲間達)を浄化するのに協力しろ―――!!!?」  
 
生まれて初めての神の啓示は、あまりに残酷なものだった。  
 
「そうだ。あの者達の力は既に神の域にまで達している。このまま野放しにしてはいずれ  
神々にとって大きな脅威となる恐れが………いや、事実、脅威となっている。我々アース  
神族はフェイト・ラインゴッド達を粛清する結論に達した」  
 
「そんな…………! フェイトさん達は神々に祝福されることはあっても罰せられるような  
ことは何一つしていません! この国と民のために彼がどれほど尽力してきたか……神は  
ご存知でないと仰るおつもりのですか!? それに、どんな力を持っていたところでその  
力を行使しない限り、いいえ、その力の方向性を誤らない限り、対象が神様に向けられる  
ことのない限り、フェイトさんを断罪されるような理由はない筈です」  
 
 
「そうだな。確かにあの者達はエインフェリアとしての素質さえ持ち合わせている。それに  
自身の力に溺れるような精神の弱さも見られない。だが、悪しき者達によって今後その力  
を利用される時が来ないとは言い切れない。   
簡単なこと。誰でもいい、フェイト・ラインゴッドにとって大事な人物でもいい、  
そういったモノを盾にディストラクションを発動させるのは……お前なら、いくらでも  
方法が思いつくだろう?事実、この世界においてソレは現実になろうとしたではないか。  
お前達シーハーツとアーリグリフ両国もそうだったな。ディストラクションとまでいか  
なくとも、フェイトたちの進んだ科学技術と知識、特化した戦闘能力を自国のためにまさに  
利用しようとし、また、それに成功しただろう。 つまりはそういうことだ。 力には  
責任がつく………彼らの持つ3つの力は我々が直々に管理するべきなのだ」  
 
「っ――――!    でも、そんな――――!!」  
 
胸が、痛む。 そうだった。私達シーハーツもまさにフェイトさんの力を『利用する者』  
であった。アーリグリフほど強要はしなかった、というのは…偽善でしかない。見方を  
変えるなら、うまく情を生ませて彼の善意につけこんだともとれるのではないか。それは、  
まさにフェイトさん達に対する私達の負い目ではなかったか。  
 
それでも、私は首を立てに振ることを良しとはしない。できるわけがない。皆を、フェイト  
さんを、この手で 殺してしまう、なんて。  
 
いっこうに進展しない交渉。神の使いである少女は僅かな慈悲すら持ち合わせていないと  
いうのか。フェイト・ラインゴッドを粛清する、それはもはや動きようがない事項なのだと。  
私の命で代わるならと嘆願しても、表情を変えることなくあの冷たい眼差しのまま静かに  
首を横に振る。  
延々と過ぎてゆく時間。代わることのない二人の意思。 だが、次第に空気が重くなって  
いく。 判っている。 このやり取りは既に『協力する・しない』という意味では  
なくなってきている。それは、つまり…  
 
「では……………あくまでも、神の意思に逆らうと言うのだな?」  
 
今、量られているのは私の命。 『死にたいのか?』  これは、そういう宣告。 でも、  
 
「……………たとえ、それが聖アペリスの御意思であろうと。たとえ、それがどんなに  
筋の通った正しいことであろうと。たとえ、それが神の教えに背くことになろうとも。」  
 
たとえ、この返答が、私の死を招くものになろうとも――――  
 
「父や親友の、フェイトさんの、死に加担するようなこと、私にはできません」  
 
ハッキリと。自身の不幸さえをも覚悟に、そう告げた。  
 
「………………………………そうか」  
 
ポツリと。そう、少女の姿をした神は口にして。  
 
「なら、仕方ない」  
 
瞬間、私の体が光に包まれた。    これで、よかったのだ、きっと。未練もあるし  
悔いもある。何より、死んでしまう前にもう一度だけ私の想い人の…フェイトさんの顔が  
見たいと思った。神に背き裁かれる私はきっと天国へは逝けないだろうからきっとフェイト  
さんとはもう二度と会えないだろうけど。それでも、誇りを持って私は逝ける。私は自分  
の信じる道に、愛に殉ずることができたのだから。  
 
 
さようなら、 フェイトさん―――――  
 
 
光が失せた先に私が目にしたのは、  
 
 
「え」  
 
「私に従うのであれば、こういったモノがついてくる」  
 
「……フェ、フェイトさん?!」  
 
フェイトさんその人だった。いや、でも、フェイトさんのはずはない。フェイトさんは今  
異世界で戦っているはずで、それに大体このフェイトさんからは生気が感じられない。  
 
これは、『フェイトさんの姿をした人間』……?あ、フェイトさんの寝顔かわいいなぁ……  
 
「見ての通り、フェイト・ラインゴッドだ。私の創造の力により作り出した原寸大モデル。  
原物に100%忠実に作った『人型』だ。ただ見て分かるようにこの『人』には魂が吹き  
込まれていない。いかに私といえども魂を支配においていない限りは本人を創造する  
ことはできないからな。肉体だけは他より得た情報で完全に再現することも可能だったが」  
 
………………原寸大?創造の力?よく分からないけど、この少女が規格外の存在である  
ことは理解できる。よく分からないけど、ここにいるフェイトさん(の形をしたヒト)が  
私の知るフェイトさんそのままなのも理解できる。私が、彼を見間違える筈がない。  
 
「もし私に協力するというのなら―――」  
 
ももももももれなくこのフェイトさんリアル肉人形が貰えたりするんですか!?それは!  
それはっ!すごくオイシイのですけども!このリアルフェイトさんはやっぱり本物の  
フェイトさんとは違うわけだけど同じなわけで、話もしなければ体温はあって柔らかくて  
実は鍛錬された体がセクシーで、生きていないから意味がないけどこんな細部なところ  
まで忠実に再現されていたとしたら我慢できなくって!!         きゃっ!!  
 
「………何をしている、クレア・ラーズバード」  
 
「え…?何って…… その、確認というか、ナニをしようとしています」  
 
「まだ話の途中なのだが…まぁ、いい。つまりそれは協力するということでいいんだな?」  
 
う。それは……… その。 ふたつ返事にOKしてしまいそうだった……自分。  
なんだかこれは人として間違っているような気がするし、本末転倒という言葉が脳裏を  
よぎる。おいしすぎるモノだけど、かかっているのは他ならぬフェイトさん自身の命。  
他の人達の命ならいくらでもくれてあげますのに。ここは、父かネルの命を代価に  
何とかならないでしょうか?  
 
 
「ちなみに―――その人型は前払いだ。」  
 
はい――――――?    イマ、ナント?  
 
「フェイト・ラインゴッド本人の魂を得るにいたった時は改めて報酬をやろう。その時は  
こんなヒト型ではなく、本人の魂のこもったフェイト・ラインゴッドだ。私の創り出す  
フェイトには自由意志もあるし生前の記憶も性格もそのままにする。ただ、例の力に  
ついてだけ誓約を持たせる。何を偽者と呼び何を本物と呼ぶかはお前次第だ。少なくとも、  
私は私の生み出した世界と創造物をこよなく愛している。その愛に偽りはない。さらに  
お前がお望みとあらば複数体同時に創造してやることも可能だが?」  
 
それは、つまり、フェイトさんまみれのハーレム状態? いったい、何人まで?  
フェイトさんが私の穴という穴全てを犯しつくす? しかも、同時に?  
 
――――集団レイプ。迫りくるのはフェイトさん。私の服を剥ぎ取るのもフェイトさん。  
私の手首をつかんで押さえつけるのも、足を掴んで開脚させるのも、やはりフェイトさん。  
前から後ろから上から下から。両手に握らされたモノはどちらもフェイトさんのペニスで。  
頭上には私の髪を使って己のモノを扱くフェイトさんが、3人。下の穴二つはさっきから  
フェイトさんが代わる代わるにフェイトさん自身を挿れていて。全身は白濁色のフェイト  
さんのみるくにどろどろに浸かって―――――  
 
 
「――――っぁぁぁ!! ふぇいとさんみりゅく風呂ォ――――――――!!!?」  
 
 
 
…こうして、私ことクレア・ラーズバードは、神に魂を売り渡しました。許してください、  
フェイトさん。全てはあなたとすごす白いお風呂のためです…………。  
 
 
 
「(全てがすんだら、まっさきにこの女を浄化してしまうか……。この、不死者をも上回る  
淀みっぷりはある意味、神の脅威だ……)」  
 
 
(つづく)  
 
 

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