「お尻なら……いいよ」  
「───え?」  
 
フェイトは表情と同等の気の抜けた返事をした。鏡を見ればフェイトも自分が相当間の  
抜けた顔をしていた事に気付いただろう。これが俗に言う“鳩が豆鉄砲を喰らったよう  
な顔”だ。  
フェイトが驚くのも無理はない。  
少し時間を遡る。  
 
 
 
エリクール2号星、河岸の村アリアス。  
 
ただでさえ辺境なこの村は日が沈むと外に出歩く者もほとんどいなく、今は昼以上に閑  
散としていた。おかげで昼間には聞こえない河の流れる音がはっきり聞こえてくる。  
河の傍には1本の大樹がそびえ立っている。  
樹齢は不明だが10年や20年で生長できる大きさでないことは確かだ。地面にしっか  
りと根を下ろし緑々とした葉を枝いっぱいに茂らせている大樹の姿は見る者の目を奪っ  
てやまない。  
僅かな月明かりの下に浮かぶ大樹は昼間とは違った印象を与える。昼間には全てを包容  
するような優しく雄大な印象を受けるが、夜に見る大樹はまるで得体の知れない怪物そ  
のものに思えた。闇にそびえる巨大な影は風が吹くたびに葉が擦れあって嫌な音を立て  
る。  
その根元に一つの影があった。  
 
「……んっ」  
 
甘く漏れる女の声。  
二人の男女は立ったままきつく抱き合い互いの唇を重ねていた。  
男の方が上背があり、女が少し顔を上げた状態だ。互いに目を瞑り相手の舌を吸い取ら  
んばかりに一心不乱になっている。唾液を介して時折、ちゅっ、という可愛い音が聞こ  
えてくる。  
何の前触れもなく二人の唇が離れる。唾液が、つ、と糸を引いて音もなく切れた。  
女の息は少し荒く顔は少し紅潮している。それとは対照に男の顔は幾分涼しげだった。  
 
「フェイト……今日は何かいつもと違うのね」  
「違う?何か違うかな」  
「何ていうか……少し強引、かな」  
「嫌かい?嫌なら気を付けるけど」  
 
マリアはふるふると首を左右に振る。長く鮮やかな青髪が少し遅れた軌跡を描く。  
 
「ううん。ただいつもと違うなって思っただけ。それに嫌じゃなくて……けっこう好き、 
かも。少し強引にされるのも男らしくて───」  
 
フェイトの顔が頭一つ上にあるためマリアは自然と上目遣いになってしまう。  
言葉を全て言い終わる前にフェイトが無言でマリアの唇を塞いでしまう。マリアの望む  
通り多少強引気味に。  
再び重なった唇は先ほどよりも強く、深く、そして甘かった。  
 
フェイトはマリアの口内を蹂躙しながら下半身に手を伸ばした。  
短いスカートの上から形の良い臀部をマッサージするようにゆっくり愛撫する。  
フェイトの手はやがてスカートの中に侵入し、下着の上から臀部を愛撫した。  
柔らかく弾力のあるお尻はすべすべで揉み心地がとても良くて、ついいつまでも揉んで  
いたい気持ちにさせられた。鷲掴みにして愛撫するとじっとりと汗ばんでくるのが手の  
ひらに伝わってきた。  
フェイトは臀部の割れ目に沿わせて性器も同時に刺激した。指先は正確に敏感な部分を  
捉え、小刻みに動かすとフェイトに回したマリアの腕が力を増した。よほど気持ち良い  
のかマリアは自ら腰をくねらせてさらなる刺激を得ようとしていた。  
 
すぐに下着ごしからでも分かるほどに愛液が滴り、フェイトの指を湿らせた。  
下着の隙間に指を滑らせ、膣に指を軽く挿入する。  
入れたとたんに膣全体がフェイトの指をきつく締め上げた。  
膣内は熱く、奥の方からさらに愛液が分泌されてくるのが感じられた。  
指を動かすと溢れた愛液が地面に染みを作った。  
マリアは喘ぎ声を出していたが唇がフェイトによって硬く塞がれていたためあまりよく  
聞こえなかった。  
ただ、息が荒く早くなっているのだけは容易に分かった。  
 
二人の身体は心臓が繋がったように密着している。  
フェイトの股間が硬くなっているのもマリアにはすでに伝わっていた。  
フェイトは口を離し、耳に囁くように言う。  
 
「マリア、そろそろ……いい?」  
 
いつも通りのフェイトの問いにマリアは頷こうとし、はっ、と思い出したようにその動  
きを止めた。  
 
「今日は危険日なの……最初に言ってなくてごめんなさい……」  
「そっか……。でもマリアが謝ることじゃないよ。避妊はちゃんとしなくちゃいけない  
もんな。まだ子供を持つには早過ぎるしね。……コンドームもないの?」  
 
フェイトは微かな望みをかけてマリアに問うた。が、その望みは儚く崩れ去った。  
こんな未開惑星のましてや辺境の村に夜中まで開いてる店はもちろん無かった。それ以  
前にエリクールにコンドームなるものがあるのかどうかも謎だが。  
 
「そっかぁ……」  
 
フェイトは落胆したがそれを表情には出さなかった。表情に出せばまたマリアが謝って  
きそうだったからだ。  
 
「じゃあ今日はここまでにしておこうか?夜も遅いし」  
 
フェイトはなるべく優しい表情を作ってマリアに言った。  
ここ2週間はそれこそ毎日SEXしていた。たとえ今日できなくても一生できなくなる  
わけじゃない。危険日が終わるのもせいぜい2、3日だ。それが過ぎればまた事に励め  
るのだから。少しの間だけ我慢すればいい。それだけの事だ。  
───そう自分に言い聞かせても残念な気分が完全に払拭されるわけではなかった。男  
なんだから仕方ない。  
 
マリアはフェイトの言葉に是も否もしなかった。何か言おうとしているがなかなか言え  
ないような状態だった。  
怪訝に思ったフェイトが再度聞く。  
 
「マリア、危険日なら今日はここまでにして帰ろうか」  
 
尚もマリアは何かを言おうかどうか迷っている。  
 
「どうしたの?何か言いたい事があるのかい?」  
 
少し間を置いてマリアはこくんと頷いた。  
フェイトはマリアの言葉を待った。  
待った時間は長かった。  
しばらく逡巡した後、マリアはフェイトの腕の中で俯いたまま顔を赤くさせ、口元に手  
をやり、ついに言った。  
 
「───お尻なら……いいよ」  
 
瞬間強い風が吹いて頭上の葉がカサカサと鳴った。  
 
フェイトは一瞬マリアが言った言葉を理解できなかった。表情は固まったまま数分、い  
や数秒だったのかもしれない。  
その間、フェイトの思考はフリーズしていた。  
一方とんでもないことを言い放ったマリアは赤くした顔を隠すようにフェイトの胸に押  
し付けている。よく見れば耳まで真っ赤だった。  
 
AAAにフリーズバグはつきものだがフェイトの思考は奇跡的に息を吹き返した。  
 
「……ええぇぇーーーーーっっ!?」  
 
フェイトはしばらく呆然とし、何度もマリアの言葉を頭の中で反芻、検討した。  
僅かに動いた口でマリアに問い返す。  
 
「お、尻……で……?」  
 
マリアはフェイトの胸に埋めた顔を一度だけ縦に振る。  
 
「し、した事あるの……?」  
 
この問いは重要だった。  
マリアはフェイトが初めての相手だった。それは本人の口からも自分の目からも確認で  
きたから間違いない。マリアがフェイトに操を捧げたのがほんの1ヶ月ほど前のことで  
ある。  
しかし、それ以前にアナルSEXを経験していたとしても辻褄は合う。  
いくらお尻に男性器を突っ込もうが“処女”には変わりないのだから。  
その可能性は否定できない。……かなり考えたくない可能性ではあるが。  
 
───マリアは首を左右に振った。  
 
フェイトは内心ほっとした。  
つまり、マリアはアナルSEXの経験はないという事だ。  
が、次の疑問が頭を支配した。  
 
───はたして経験がないのにアナルSEXしても大丈夫なのか?  
 
誰しもが通る道ではない。  
そして通らなくてはいけない道というわけでもない。  
 
「で、でも大丈夫なのかい?お、お尻でするのは慣れないと痛いって聞くし……」  
 
もちろんフェイトにもアナルSEXの経験はない。どちらの立場でも。  
マリアの柔らかい手がそっとフェイトの股間に触れた。  
 
「私、フェイトなら平気だから……。それにこんなに硬くなったままだったら辛いで  
しょう?……初めての時みたいに優しくしてね」  
 
潤んだ瞳で見つめられてフェイトは硬直は下半身もろとも硬直した。  
女性にここまで言わせておいて恥をかかすわけにはいけない。  
フェイトは覚悟を決めた。  
 
「分かった。僕も経験はないけど精一杯やってみる」  
 
マリアは満足気な顔でフェイトを見上げた。  
二人は見つめ合って軽く口付けを交わした。  
 
いざ、覚悟を決めてアナルSEXをしようとしても互いに経験がないために、何をした  
らよいのか分からない。  
いきなり男性器が挿入できるはずもない。そこでフェイトは普通のSEXと同様にまず  
指で目的部位をほぐす事にした。  
 
とりあえずマリアのパンツを脱がせその場に座らせて足を広げさせた。  
パンツ以外の服を着ているのは当人たちの趣味とかではなく誰かが通りかかった時の対  
策のためである。ここは野外なのだからいつ人が通りかかってもおかしくはない。ただ  
、田舎のために夜はほとんど人が通らない事を知った上での行為ではある。  
月明かりの下に晒されたマリアの女性器はぬめぬめと光っていた。  
先ほどフェイトの愛撫によって溢れた愛液が粘性を伴って月明かりを反射しているのだ。  
つい、そのまま割れ目の下に潜む膣に陰茎を深く挿入したい衝動に駆られる。  
───が、今日挿入すべき場所はそこではない。今日二人が挑むのはアナルSEXだ。  
 
と、フェイトは気付いた。  
地面に座らせて股を広げさせれば女性器は露になるが、肝要なアナルが全く視認できて  
いないではないか。これも経験不足のせいだ。  
フェイトはこほんと一つ咳をして、  
 
「マリア、……えっと、四つん這いになってくれるかい?」  
 
フェイトの言葉でマリアもその事にようやく気付いた。  
マリアは地面に手を付き、四つん這いになる。  
今、マリアの性器とアナル、大事な部分が両方ともフェイトに見られている。無防備と  
も言えるその状態はマリアの羞恥心を刺激するには十分すぎた。  
フェイトは普段見ることのないマリアのアナルをじっくり観察した。  
色素が薄く綺麗なアナルはここから汚物が排出されるとは考えられなかった。  
しばらく見とれていると、  
 
「フェイト……あんまりじっくり見られると……恥ずかしいんだけど」  
 
マリアは恥ずかしそうにお尻をくねらせた。  
 
「あ、あぁごめんごめん。あんまりきれいだからつい見とれちゃった」  
「……もう、バカ」  
 
正直に言うフェイトにマリアは照れ隠しの言葉をフェイトにぶつけた。  
綺麗だと言われて悪い気はしない、それがアナルに対しててでも。  
フェイトは気を取り直してアナルのしわが収束している部分にそっと指先で触れてみる。  
 
「あんっ」  
 
すぐにマリアから反応が返ってきた。普段触られることのないアナルは敏感だった。  
感度良いんだな、とフェイトは思う。  
指先をさらに動かし、軽くほじるようにしてアナルを刺激する。  
指でアナルを広げると奥の様子が全く見えない小さな黒い穴が出現した。穴の直径は指  
よりも小さいが愛液を潤滑油代わりにすれば入りそうな感じだった。  
そこでフェイトはまず膣に指を挿入した。  
それまでのアナルの刺激からいきなり膣内の刺激に変わったためマリアは驚いて小さな  
声を上げた。  
フェイトは構わずに膣内の入れた指を何度か往復させた後、指を抜き取った。指には愛  
液がべっとりと付着していた。  
指に付いた愛液をアナルに塗りこむ。そして広げたアナルに指先を宛がい、少し力を入  
れる。  
 
初めはマリアが力を入れすぎてなかなか入りづらかったが根気よく続けると、少しづつ、  
少しづつ指先がアナルに飲まれて消えていった。  
一気に指を全部挿入しようとはせず、少し引いてはさらに奥へ、また引いては奥へと繰  
り返すうちにフェイトの指は全てマリアのアナルに吸い込まれた。  
腸内は膣内と同じほど熱く、入り口の部分がきつく締め付けてくる。これがアナルでS  
EXする時の最大の特徴となる。膣のようにざらざらした感触はないがここに陰茎を挿  
入したら気持ち良いだろうな、と思わせられる。  
 
フェイトが指を挿入する間、マリアは身動き一つしなかった。  
フェイトは少し心配になりマリアに問う。  
 
「マリア、大丈夫かい?」  
 
指を入れる間、痛がる様子はなかったが経験のないアナルの刺激が性感を伴うかどうか  
は人それぞれだ。元々が排泄行為のためにある器官なので通常なら一方通行の刺激しか  
ない。なのにそれを逆走する刺激が人体に及ぼす影響は如何ほどか。  
 
フェイトの問いにマリアは頷いて答えた。どうやら大丈夫みたいだ。  
 
「大丈夫だけど……うん、何かすごく変な……感じ……」  
「変って……どんな?」  
「よく分からないけど……何か落ち着かない感じ」  
「痛くはないんだね?」  
「うん」  
「じゃあ少し動かしてみるから、痛かったらすぐ言って」  
「……うん」  
 
フェイトは奥まで入れた指をゆっくり抜こうとする。  
マリアの身体が急にびくっとなりアナルが締まって指が抜きづらくなった。  
力に任せて指の半ばまで抜いた指を今度はゆっくり再度、奥へと差し込む。マリアの身  
体が再びびくびくとなった。  
 
「マリア大丈夫?痛くない?」  
「うん、大丈……夫。もう少し速く動かしても大丈夫そう……」  
 
マリアの状態を確認したフェイトはマリアの言葉に従い、少し速く指を動かした。出し  
入れする度にマリアの身体が顕著に反応する。  
同時に声も上げている。  
 
「んっ……あ、ああっ!……」  
 
声は甘い艶を帯びていてマリアが快感を得ている証拠となった。  
フェイトは指を動かしながら問いかける。  
 
「マリア、気持ち良いのかい?」  
 
顔を赤くしてマリアは頷いた。  
アナルのすぐ下にある膣からは愛液が脈々と溢れていた。  
ひょっとするとマリアはアナルの素質があるのかもしれない。アナルSEXの経験はな  
くともオナニーの経験はあるのかもしれないな、とフェイトは思う。  
ふいに、マリアが振り向いて目が合った。  
フェイトは自分の思考が読まれたような気がして反射的に身を構えてしまった。  
だがそれは必要なかった。  
マリアの息は弾んでいる。  
 
「ね、大分慣れてきたしそろそろ……いれて、いいよ」  
 
フェイトはアナルから指を抜き、ズボンを脱いで硬くなりすぎた陰茎を取り出した。  
 
フェイトは陰茎を女性器の割れ目に沿ってなぞらせた。  
ちょうどバックで素股をするような状態で数回往復させる。そして、陰茎全体はまんべ  
んなく愛液の透明なベールを纏った。  
 
フェイトは片手でマリアのアナルを広げ、空いているもう片方の手で陰茎を握り狙いを  
定めている。やがて、一点でぴたっと止まり、挿入すべき穴に亀頭を宛がった。  
最終確認。  
 
「マリア、入れるよ……いいかい?」  
「少し怖いけど……。ゆっくり、ね……」  
「うん。じゃあリラックスしてなるべく身体の力を抜いて」  
 
フェイトに促されるままマリアは全身の力を抜こうとする───が、亀頭の感触がアナ  
ルから伝わってきて、つい無意識に力が入ってしまう。  
 
フェイトはぐっと力を入れて亀頭を挿入させようとする。  
さすがに指一本なら割とすんなり入っても指よりはるかに大きい陰茎を挿入するとなる  
とわけが違う。陰茎はアナルに挿入されずに何度か滑ってしまった。  
そして、何度目かの挑戦でやっと亀頭の半分まで挿入することに成功した。  
 
───これでもう全部挿入できる。  
フェイトはそう思ったが、アナルの入り口の強烈な締め付けによって陰茎がこれ以上奥  
へと進んでいかなかった。おそらくマリアが身体に力を入れてしまっているからだろう。  
攻め方を少し変えることにした。  
陰茎を掴んでいた手はそのままで、もう片方の手でマリアの性器に触れた。  
女性器で最も敏感な部分───クリトリス。  
フェイトは指の腹でマリアの勃起したクリトリスを撫でるように軽く刺激した。  
すると、マリアの意識はクリトリスの集中し、瞬間的にアナルへの意識は外された。  
同時に、アナルに加わっていた余計な力が緩んだことで挿入できそうな塩梅になった。  
フェイトはこのチャンスを逃すまいと力を入れて陰茎を挿入させる。  
見立て通りアナルの力は緩んでいて陰茎は肉壁を掻き分けてずぶずぶと入っていった。  
が、思っていた以上に挿入する際に力が加わっていたらしく、亀頭がすっぽり挿入され  
た後は一気に陰茎の奥までアナルの挿入されていた。  
 
「うぅっ、あっああぁっっ!!」  
 
思わずマリアが苦悶の色の混じった声を上げる。  
さすがに陰茎を一気に根元まで挿入されては苦しいはずだ。  
そしてこれでマリアはアナルヴァージンを喪失したことになる。  
苦しそうな声を上げたマリアを心配したフェイトは、  
 
「マリア!!大丈夫!?」  
「……っ、一気に入れられて……ちょっと驚いただけ、だから」  
「ごめん、優しくしろって言われたのに……加減がきかなくて……」  
 
マリアは首を横に振る。  
 
「ううん。私が力を入れてたのも悪いのだから。お互い様でしょ。私たち初めてなんだ  
から仕方がないわ。それに───」  
 
マリアは目尻に涙を溜めたまま満面の笑みを浮かべて見せた。  
 
「───強引なのも良いかも、って言ったでしょ?」  
 
そんなはずがないのをフェイトは分かっていた。  
明らかにマリアは痛みを我慢している。よく見れば身体が震えている。  
それなのに気丈に笑みを見せている。  
フェイトはそんなマリアに改めて愛おしさを覚えた。  
 
「ふふ、フェイトの私の中でびくびくしてる。早く動きたくてたまらないんでしょ?  
いいよ、動いて。フェイトの好きなように動いて私をフェイトでいっぱいにして」  
 
フェイトはもう止まらなかった───いや、止められなかった。  
 
マリアの腰を強く掴み、挿入した陰茎を何度もアナルの中を往復させた。  
熱い腸内はまるでお湯の中に入っているような錯覚を感じさせた。膣内と違って亀頭が  
いくら進んでも突き当たりがない感覚も新鮮だった。  
腸内はあまり陰茎を締め付けないがアナル入り口の締め付けは強力で、ともすれば引き  
ちぎられそうな感覚だった。腰を引く度に陰茎に吸い付いたアナルが引っ張られるのが  
その証拠だ。  
フェイトの下腹部とマリアの臀部が激しく当たる、ぱんぱんという乾いた音、マリアの  
悲鳴じみた嬌声、二人の荒い息遣い以外聞こえるものは何もない。  
一心不乱に腰を打ち続けるフェイトの額からは汗が落ちていた。  
いつしかマリアもアナルSEXによる快感を身体全体で感じていた。  
 
やがて、腸内には白濁液が放出され、二人は絶頂へと登りつめた。  
二人は繋がったまま到達の余韻に浸っていた。  
硬度を失った陰茎が抜け落ちたアナルからはフェイトの精液がとろりと流れ出て地面に  
落ちた。  
 
「私、お尻で……イっちゃった」  
 
後半は尻すぼみに小さくなり聞き取りづらかったがフェイトの耳ははっきり捉えた。  
 
「気持ちよかったんだ?」  
「……うん。フェイトも気持ちよかったんでしょ?───だって、いつもよりも硬かっ  
たよ」  
「……うん、まぁ……そりゃあ……ねぇ」  
 
二人は顔を見合わせるとどちらからともなく笑いあった。  
ひとしきり笑うとマリアが言った。  
 
「ねぇ、フェイト知ってる?この樹の下で結ばれた男女はずっといつまでも一緒になれ  
るんだって」  
「へぇ、そういう言い伝えがあるんだ」  
「……ウソよ。今私が勝手に作ったの」  
「何だよそりゃ。それじゃ単なるでたらめじゃないか」  
「そうね。でも本当にそうなったら素敵だと思わない?」  
「そういうものかな……?」  
「もう、フェイトは乙女心が分かってないんだから」  
 
遠まわしなプロポーズとも取れそうな言葉の意味に鈍いフェイトは全く気がつかなかっ  
た。  
頬を膨らませたマリアのご機嫌を取ろうとしてフェイトはマリアを後ろからそっと抱き  
締めた。  
二人は樹の幹にもたれ掛かる。  
 
「───ねぇ、もう一回お尻で……する?」  
 
 
そして10数年後、アリアスにそびえる大樹の下で結ばれた男女はずっと一緒になれる  
という言い伝えが永く残ることとなる。  
ただしこの言い伝えが正しく効果を発揮するのはアナルSEXをした場合だけだ。  
しかし、そのことを知る者は誰もいない。  
そうとは知らずに多くのカップルが樹の下で行為し、体液を地面に落としていった。  
その中にはクレア・ラーズバードの姿があったとかなかったとか。  
 
 
 
 

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