───また始まった。  
これでもう何日連続だろうか?  
一体いつまで続ければ気が済むんだろうか。  
人間の限界はどこにあるのだろうか、と考えてしまう。  
いや、そんな事考えてもキリが無いな。  
つーか、これは新しい拷問の一種じゃないのか?  
僕が一体どんな悪い事したっていうんだ!?  
 
 
(あ、アァん!……い、いいぃ!もっと、奥まで……ッ)  
 
 
AM1:00を過ぎた頃に必ず起こる儀式。  
これが定例になってからもう何週間も経とうとしている。  
フェイトは隣室から聞こえてくる喘ぎ声にいい加減うんざりしていた。  
 
「ったく、ヤルならどっか外に行ってきて欲しいもんだ」  
 
部屋の壁はあまり厚く無いので少し大きな音や声を出せば隣の部屋に丸聞こえだった。  
これでも最初はまだ僅かに聞こえるか聞こえないかくらいの小さな声だったのだが、  
最近は何かから解き放たれたように行為に耽っている様子だ。  
それこそ周りを気にしない様子で。  
 
「こんだけ大きな声だったら廊下にも聞こえてるだろうに……。他の部屋で寝てる皆に  
もバレてるんじゃないのか?見た目からはそんな大胆な事をするような人には見えな  
いんだけどな、クレアさん……」  
 
結論からいえば、声の主はクレアだ。  
人の目を惹きつける鮮やかな銀髪と抜群のプロポーションを持つ美女。  
その容姿や穏やかな性格のために男性からだけではなく女性からも人気があり、多くの  
支持を得ている。非公式なファンクラブがいくつもあり、クレアを持ち上げているらし  
く、カリスマとアイドルの中間のような位置に属している。  
要するに、クレアという女性は皆の憧れの的なのだ。  
 
その彼女が毎晩性行為をして嬌声を大声で上げている、と告げた所で一体何人が信じるだろうか。  
信者によっては喜ぶかもしれないが、大概が怒り狂いそうな事象だ。  
性行為は人間の正常な行為であって、誰がしててもおかしくはないのだ。  
むしろ、クレアのような容姿端麗で非の打ち所が無いような美女が男日照りというのは不  
自然にも感じる。男に不自由しないためのスキルは十分に持ち合わせてある。  
しかし、いくら性行為をしていると言えども、毎晩毎晩それこそ猿のように耽っていると  
いうのはクレアのイメージとはかけ離れ過ぎている。  
フェイト自身もその事実を俄かには信じ難いのだ。  
 
だが、今聞こえているこの声はクレア以外の誰のものでもない。  
 
普段の生活からは決して聞くことのできない声。  
クレアのその声が、ベッドの軋む音が、フェイトの意思に関係なく想像させてしまう。  
 
 
今、どんな体勢で、  
今、どんな格好で、  
今、どんな表情で、  
今、どんな動きで、  
今、どんな……  
 
 
「……ったく、こっちの気も知らないで」  
 
フェイトは軽く溜息を付きながら呟く。  
そして、クレアの声は途切れることなく続く。  
 
「また明日も寝不足か」  
 
フェイトはそう呟くと下の方に手を伸ばした。  
 
 
 
「うぃーっす……って、お前今日は一段と酷い顔だな」  
「どうせまた夜遅くまでゲームばかりしてたんでしょ。自業自得よ」  
「フェイトさん、睡眠はちゃんと取らないと身体に毒ですよ」  
「あんた、自己管理くらい自分でできないのかい。それだから……ブツブツ……」  
「…………………………阿呆」  
「……うるさい」  
 
昨晩フェイトはほとんど寝れなかった。クレアの声が明け方近くまで続いていたからだ。  
自分でも寝不足でひどい顔をしているのは分かっている。  
しかし、顔を合わすなりこの言われようは何だろうか?  
ただ、寝不足なだけなのに。  
フェイトは何か腑に落ちない不公平なものを感じて、少しむっとした。  
 
 
「お早うございます、フェイトさん」  
 
 
今朝初めて掛けられた爽やかな声がフェイトに注がれる。  
爽やかな声の主は、手入れの行き届いた銀髪の間から眩しい笑顔を見せていた。  
 
「あ、お、お早うございます、クレアさん」  
 
朝聞くクレアの声は毎晩聞く声とは全く異質なものだった。  
どちらもクレアの声に相違は無いのだが明らかに声に乗る艶やかさが違う。  
クレアの顔を見るたびに毎晩のクレアの淫らな姿を思い出してしまう。  
こんな綺麗な人が毎晩あんなところやこんなところにあんなことやこんなことを……。  
もちろんフェイトが実際にクレアのそんな場面を見たわけではなく、あくまで想像の中  
での姿だが。  
想像での姿と目の前のクレアが重なり、思わずフェイトは顔に血が上るのを感じた。  
少し下にも血が上った。  
朝からこの刺激はちょっとキツい。  
 
フェイトはそこで疑問に思う。  
 
───あれ?  
確か声が聞こえなくなったのは時計の針が4時を回った後のはず。  
今は7時だから睡眠時間は多く見積もっても3時間、いや3時間にも満たないはずだ。  
なのに自分とクレアさんのこの差は何だ?  
クレアさんはいつも通り……むしろ、いつもよりエネルギーに満ち足りているような……。  
まさか、毎晩行為に耽ることでエネルギーを補給しているとでも言うのか!?  
男の精を吸収して施術の原動力にしているとか?  
そんなエロゲや黒魔術みたいな話あるわけないか。  
でも、そうなら何故あんなに元気なんだろうか?  
まさか別人……?  
 
「?私の顔に何か付いていますか?」  
 
フェイトの思考はクレアによって遮られた。考える事に夢中でじっとクレアを見ていた事に  
気付かなかったのだ。  
 
「あ、いや何でもありません!ただ、今日も綺麗だなぁって思って」  
「あら、お上手ですね」  
「いやホントですよ〜」  
「ふふ、ありがとうございます。さぁ、朝食にしましょうか」  
 
フェイトは考えていた事が悟られないように適当にごまかした。  
クレアの様子を見る限り、何とかごまかす事に成功したみたいだ。  
結局、フェイトの疑問が解決することは無かった。  
寝不足な上に栄養の回ってない頭では解決するはずもない。  
 
フェイトの頭の中では別の疑問が浮かんでいた。  
それは、毎晩のクレアのお相手は誰だ、という事だ。  
 
そんなうらやましい奴がこの中にいる可能性がある。  
もちろん仲間内ではない可能性もある。  
そして毎晩の相手が違う可能性もある。  
考え出せばキリがない。  
とりあえずフェイトは思考を閉じて、目の前の朝食を栄養にする事に専念した。  
 
 
朝食を摂り終えたフェイトはある部屋のドアの前にいた。  
木製の扉を数回ノックする。  
 
「ネルさん、ちょっと話があるんですけど」  
「入りな」  
「失礼します」  
 
フェイトが扉を開けるとイスに腰掛けながら紅茶を飲んでいたネルがいた。  
足を組んで座っているため、肌が露出された太ももの間から黒い下着が見えている。  
見えるのはいつもの事なので別段フェイトは気にしなかった。  
そもそも下半身の布が短すぎるのだ。  
タイネーブなどは足全体を覆っているのに対し、ネルのはまるでミニスカートだ。  
短い理由は本人曰く、動きやすいから。  
そしてネルに言わせれば見えている黒い下着は正確には下着では無いらしい。  
だから見えても問題は無いらしい。  
よく分からないが隠密行動をする上で必要なものらしい。  
 
「どうした?何か用かい?」  
「ええ……まぁ、確かに用は……あるんですけど……」  
「何だい、はっきりしないね」  
「ええ、ちょっと言いづらい事でして……」  
 
フェイトは口をもごもごさせながら  
 
「あの……クレアさんの……事なんですけど……」  
「クレア?クレアがどうかした……ははぁ、なるほど」  
「なるほど?」  
 
ネルは、口元を僅かに上げて大きく頷いた。  
顔には喜色を浮かばせながら。  
 
「フェイトの言いたい事はだいたい把握した。だからもう何も言うな」  
「え、僕まだ何も言ってないんですけど、言いたい事が分かったんですか?」  
「ああ」  
「さすがネルさんですね」  
「まぁ、人の心を読むのも隠密業には必要なスキルだからな」  
 
得意そうに、ふふんと鼻を鳴らしネルは腕を組みながら背中を反らした。  
 
「じゃあ、話は早いです。その……それで、何とかして……欲しいんですけど」  
「……フェイト」  
「……はい?」  
「そういう事は他人を頼るもんじゃない。自分一人の力で何とかするものなんだ」  
「……え」  
「それくらい分かるだろ?アンタだってもう10何年も生きてるんだから」  
「……あ」  
「そういうのは他人にはあまり知られたくないもんだろ?」  
「……そうかも、しれません」  
「10何年も生きてりゃ仔犬も立派なおじいさんだ」  
「……(それは全然関係無いよなぁ)」  
「アンタももう子供じゃないんだ。だから自分だけで道を切り開んだ」  
「…………はい。え〜っと……つまり、ネルさんは何の助力もしてくれないという事ですよね」  
「ああ、そうだ。だが応援はしている。戦果がどうであれ私にはその結果を教えてくれ」  
「……分かりました。何とか自分でできるとこまでやってみます」  
「ああ。だがライバルは多いから熾烈な争いになる事だけは覚悟した方がいい」  
「……らいばる?」  
「クレアの人気はアーリグリフにまで及んでいるからね。アンタ下手したら、全ての男の敵になるよ」  
 
───ちょっと待て。この人、何か根本的に勘違いしていないか?  
 
「全ての男を敵にしてまで一人の女を手に入れようとするかい。かっこいいじゃないか」  
「ちょっ!!……ネルさん!!」  
「ん?」  
「何か勘違いしてませんか?」  
「何が?」  
「その……僕がクレアさんに告白しようとしている……とか思っていません?」  
「違うのか?」  
「ぜんっっっぜん違いますよっっ!!!」  
「クレアの事を一番知ってる私にその協力を頼んだんじゃないのか?」  
 
寝不足と相まってフェイトはキリキリと強めの頭痛をこめかみに感じた。  
 
 
「───、という事で何とかして欲しいんですよ。このままじゃ寝不足で死んでしまいます」  
「ふぅん、クレアがねぇ……」  
 
ようやく本題をネルに話す事ができたフェイトだが、意外にもネルの反応は薄い。  
 
「ネルさんの方からクレアさんに話してくれませんか?」  
「で、何て言えばいいんだ?」  
「だから、その……日数を抑えるとか、回数を減らすとか……」  
「アンタの言い分も分かるけどねぇ……。でもそれで解決するかどうかは分からないだろ?」  
「どういう事ですか?」  
「クレア本人の問題だからさ。クレアが嫌だと言ったらそれまでだ」  
「それはそうですが……」  
「クレアが承諾してもその相手が首を縦に振らなければ成立しない。私達にはクレアのプライベ  
ートに干渉する権利は無いからね」  
「でも……僕の事も少しは考慮して欲しいんですけど」  
「ま、それはそうだな」  
 
ネルはしばらく腕を組んだまま考え、  
 
「よし、どうなるか分からないけど、とりあえずクレアには話を付けておくよ」  
「お願いします。早く僕に安眠をください」  
「でも……」  
 
ネルは顔をが近づけ、目を細めてにやりと笑う。  
 
「アンタしっかりクレアの声に耳を欹てているんだろ?」  
 
───何でそういう事だけは分かるんだ、この人は?  
 
 
 
その夜。AM1:00過ぎ。  
 
 
いつもの時間を過ぎてもクレアの声が聞こえてくる事はなかった。  
 
「ネルさん、ちゃんと言ってくれたんだな」  
 
フェイトはネルがちゃんとクレアに言ってくれるのか少し半信半疑だったため、安心した。  
しかし、今日はあまりにも眠く、日中はほとんど寝て過ごしてしまったため、今はあまり  
眠くないのだが。  
 
「でも、明日からのために無理にでも寝ておくか」  
 
そう決めると、フェイトは水を飲みに階下に下りた。  
 
フェイトが階段を下りると、会議室にまだ灯りが点いていた。  
会議室を覗いて見るとクレアがまだ仕事に専念しているではないか。  
今夜は特にやらなければならない仕事が多いのだろうか?  
机の上には書類が山積みになっている。  
どうりで今夜はいつもの時間を過ぎても聞こえてこないはずだ。  
まさか、この後に始めるのだろうか。  
 
───でも、こんな深夜まで仕事しているなんて大変だな。  
 
フェイトはそんなクレアを見て、何か差し入れを持って行ってあげようと思った。  
 
そして、紅茶と茶菓子を持って再度会議室の前に来る。  
 
「クレアさん、入りますよ」  
「あ、フェイトさん」  
 
クレアは書類に走らせていたペンを一旦止め、フェイトの方に顔を向けた。  
 
「こんな夜中まで仕事ですか……、ご苦労さまです」  
「ええ、でもこれは私しかできない仕事ですから」  
 
そう言って微笑むクレアの顔には朝と違って疲れの色が見えていた。  
 
「そうですか。僕で何か手伝える事があればいいんですけど……ちょっと無理そうですね」  
「ありがとうございます。そのお気持ちだけで十分ですよ」  
「あ、これ差し入れです」  
「わあっ、本当ですか!あ、いい香り」  
 
フェイトは紅茶と茶菓子を乗せたお盆を邪魔にならないように机の上に置いた。  
 
「紅茶淹れたの初めてなんで。味の保障はできませんけど」  
「ふふ、そうなんですか。じゃあ私が初めてのお客さんですね」  
 
クレアはそう言って無邪気に笑顔を作って見せる。  
そんな笑顔にフェイトは思わずドキッとしてしまう。  
 
(こんな表情反則だよな……)  
 
フェイトはクレアに好意はあったが恋愛に達するほどでは無かった。  
ネルに相談した時、クレアに告白する相談だと勘違いされたが、今この瞬間クレアに  
告白したい衝動に駆られた。  
“好きです”と言いそうになった口を必死を抑えた。  
だが頭のどこかではクレアの細い身体を抱きしめたい欲望もあった。  
もちろんこんなフェイトの頭の中での葛藤がクレアに伝わるはずもない。  
 
いただきます、と言ってクレアはカップを持ち紅茶を口に含む。  
 
「わ、おいしい!ホントに初めてなんですか?」  
「ええ、初めてなんですけど……上手くできてますか?」  
「はい。これなら……ネルの淹れる紅茶にもすぐ、追いつけますよ」  
 
と、言ってまた先刻と同じ笑顔を見せる。  
 
「ちょっと砂糖が多目なの……は、私の事を労ってのこと……です、か?」  
「はい。あの、遅くまで仕事してるんで疲れてると思って」  
「ありがとう……ございます……」  
 
フェイトはクレアの異変に気付いた。  
 
「?……クレアさん?」  
 
クレアの顔は耳まで真っ赤になっていて、額にはうっすらと汗が浮かんでいる。  
目も焦点があっていない。息遣いも荒くなっている。  
気のせいではない。明らかに様子がおかしい。  
 
「クレアさん、失礼します」  
 
フェイトはクレアの額に手を当てた。  
手のひらには尋常でないほどの熱が伝わってきた。  
 
「すごい熱だ!!」  
 
「仕事の頑張り過ぎですよ!!今日はもうゆっくり休んでください。明日になっても熱が  
下がらないようなら病院に行ってそれから……」  
 
フェイトが言い終わる前にクレアはイスから立ち上がろうとする。  
が、熱のせいで足元もおぼつかない。ふらふらと危なっかしく立ち上がるクレアをフェイト  
は慌てて支えた。  
 
「クレアさん!?」  
「だい……じょう、ぶ……だから……」  
「全然大丈夫じゃないでしょう!」  
 
フェイトは、クレアの様子を改めて確認する。  
相変わらず熱のある顔、息はますます上がる一方だ。  
 
───早く、部屋まで運ばなければ……!  
 
フェイトはクレアを部屋まで誘導するため、少し強引気味にクレアの手を引いた。  
既にふらふらな状態のクレアは、その力に抗えるはずもなかった。  
ふんばることもできないクレアはフェイトの胸に寄りかかった。  
 
思わずフェイトはクレアを抱きとめてしまう。  
強く抱きしめてしまえば壊れてしまいそうな細い肩。  
 
「クレアさん……」  
 
二人の様子は傍目から見れば恋人が抱き合ってる状態にしか見えなかった。  
 
 
「おやおや、大変だね色男」  
 
フェイトが後ろを振り向くとそこには長身の赤毛女がいた。  
一体いつからいたのだろうか?全く気配に気付かなかった。  
しかし、どこか飄々とした態度が少し気に食わない。  
 
「ネルさん、見てないで手を貸してください!!クレアさん熱があるんです。早く部屋に  
運ばなきゃ危険で……」  
 
フェイトが言葉を言い終える前にクレアは手に持つモノをフェイトに見せた。  
 
「コレが何だか分かるか?」  
「なんですか、ソレ?」  
「ふふ、何だと思う」  
 
ネルは手に持っているモノをいじりだした。  
 
───と、  
途端に、フェイトの腕の中にいたクレアが強くしがみついてきた。  
 
「ク、クレアさん!?」  
 
クレアの息はますます荒くなっている。  
フェイトにしがみつく力もますます強くなる。  
身体が小刻みに震え───  
 
───そして、クレアは声を上げた。  
それは毎晩フェイトが壁越しに聞いていた、艶を帯びた───アノ声だった。  
 
クレアはぐったりした様子でフェイトにしな垂れかかっている。  
フェイトはその身を抱きかかえたままネルに疑問をぶつける。  
 
「ネ、ネルさん!!これはどういう事ですか!?」  
「どういう事してるかは、だいたい想像付いてるだろ?」  
「……っ、そうじゃなくて、何でこういう事をしてるのかその理由を聞いているんです」  
「理由も何も、私とクレアはこういう仲なんだよ」  
 
───!!  
 
ネルさんとクレアさんがそういう仲だって!?  
つまり、二人は、その……レズで……?  
 
「ほ、本当なんですか、クレアさん!?」  
 
フェイトの問いにクレアは躊躇うことなく、こくんと頷いた。  
絶頂を迎えたばかりの顔は、まだ赤みを帯びている。  
フェイトに痴態を見られたこともその理由の一つになっているのだろうか?  
 
「あんたも知ってると思うが最近クレアは仕事のストレスのせいか性欲ばっかり溜まって  
るんだ」  
 
確かに毎晩明け方近くまで性行為に耽るような性欲は異常だ、とフェイトは思う。  
そのせいでこちらも被害を被ってるのだから迷惑な話ではある。  
 
「で、私が一肌脱いで毎晩クレアの性欲解消に付き合っていたわけだ」  
「え!?」  
 
フェイトの目が点になる。  
 
───毎晩クレアさんを抱いていたのはネルさんだったのか!?え、っていうか女同士で?  
どういうことなんだ?  
 
「クレアはちょっと変態な上にMっ気があるからね……。いつもはベッドでするんだが、  
今日はちょっと趣向を変えて仕事中にバイブでイカされるというシチュエーションなんだ」  
 
フェイトは開いた口が塞がらなかった。  
まさか、こんな事実が隠されていたなんて。  
 
「今日のシチュエーションは満足できたかい、クレア?」  
「うん、……気持ちよかった」  
「それはフェイトに見られていたからかい?」  
「……それも……あるかも」  
 
「で、今日あんたから相談を受けてクレアと話し合った結果なんだが……」  
 
ネルはフェイトに向き直って言う。  
 
「クレアの性欲が治まらない限り、その相談には応じられない。つまり、当分の間は無理  
だ。多分、クレアの異常な性欲も一時的なものだと思うんだ。まぁ、当分と言っても今週  
で終わりかもしれないし、下手すると何年か先まで続くのかもしれないし……」  
 
すでにフェイトは軽い混乱状態に陥っているためにネルの話が半分も理解できていない。  
ところで、とネルはフェイトに話し始める。  
 
「実はな、この事を知っているのは私達以外にはフェイト、あんただけなんだ」  
 
───嫌な予感がする。  
 
「この事を秘密にするなら、フェイト」  
 
───何でも秘密にするんで帰してください。  
 
「あんたも混ざるか?いや、拒否権は無い。混ざれ。お互いにクレアの性欲の捌け口とし  
て時間を共有しろ」  
 
フェイトの頭は完全に混乱した。  
が、混乱した頭に一つだけ浮かんだ事がある。  
 
───この人に相談した自分が馬鹿だった。  
 
 
「よし、OKみたいだぞクレア」  
 
フェイトから拒絶の言葉が出なかったのを良い事にネルはフェイトが提案に承諾したもの  
と勝手に判断した。  
そもそも拒否を許さなかったのだが。  
その言葉を聞いて、クレアの顔がぱぁっと明るくなった。  
何を隠そう、この提案を考えたのはクレア自身なのだ。  
たまにはネルだけでなく男にも抱かれたいと考えたのだ。  
そして、呆然としたままのフェイトの唇を奪う。  
 
身体を密着させながら、フェイトの口内に半ば無理やりに舌を侵入させ、絡ませる。  
クレアの柔らかい舌がフェイトの舌を蹂躙する。  
一通りディープキスを堪能した後、クレアは服を脱ぎ、白い柔肌を外気に晒した。  
そして、フェイトのズボンを脱がせ、男性器を露出させた。  
 
フェイトの陰茎を見ているクレアの目がキラキラと輝いている。  
 
 
 
その間、フェイトはずっと固まっていた。  
 
 
 
フェイトが固まりから直ったのは、皮肉にも自身の股間が硬くなった時だった。  
 
 
「んむっ……ん、ん、うん……」  
「う、うわぁっ!?」  
 
気付けば、裸になっているクレアが自分の陰茎を口いっぱいに頬張っているではないか。  
クレアはほとんど一糸纏わぬ姿で陰茎をしゃぶっている。  
ただ唯一、首にマフラーを巻いているだけだ。  
 
いつの間にズボンが下ろされたのだろう?  
なぜマフラーだけしてるんだろう?  
フェイトのそんな疑問は迫り来るクレアの口撃によって遥か彼方へと飛んで行く。  
 
「あぁっ、すごぉい。こんなに大きくなった」  
 
クレアはフェイトの陰茎を口に咥えて唾液まみれにした後、硬くなった陰茎を優しく握り  
竿をゆっくりしごきだした。  
唾液が潤滑油となり抵抗無くスムーズに手が陰茎上を滑る。  
擦る度に、ぬちゅぬちゅ、と音がする。  
クレアはさらに亀頭を舌先でちろちろと舐め始めた。  
 
「あ、あぁっ……!そ、それ……すごっ!」  
 
手は動かしたまま今度は睾丸を口で軽く啄ばむようにして攻めてくる。  
陰茎の裏筋を根元からじっくり舐め上げる。  
 
クレアは一通り陰茎を舐め回すと再度口いっぱいに頬張り、口をすぼめながら陰茎をしごきだした。  
 
じゅぽっじゅぽっ  
 
クレアの口からは大量の涎がまるで愛液のように溢れていた。  
まるで新しいおもちゃを与えられた子供のような表情で。  
 
「あ、ああ、……クレアさん、そ、そんなにしたら……っ、イ、イキそうです……」  
「あん、ダメぇ……。イクならこっちで、お願い」  
 
クレアは陰茎を口の束縛から解放し、フェイトの前で四つん這いになった。  
フェイトに性器がよく見えるように身を伏せ気味し、臀部を突き出している。  
 
これだけでクレアの性器は丸見えになった。  
さらに、自ら割れ目を手で左右に開きフェイトを誘う。  
丸見えになった粘膜はピンク色の口を開けていた。  
膣穴が涎を垂らしながらフェイトの侵入を心待ちにしている。  
 
「お願い……この中に、入れて……」  
 
ごくっ  
 
毎晩想像していたクレアの淫らな姿にフェイトは今まで体験した事が無いほど興奮した。  
今やフェイトの陰茎ははちきれんばかりに充血している。  
大きさ十分。硬さ十分。挿入準備はお互いに万全を期している。  
 
だが、フェイトはクレアが発案した提案にまだ承諾した覚えは無い。  
しかし、ここまできて止まることができる男はいるだろうか?いや、いない!  
止まれる奴がいたとしたら、そいつは男じゃない!!  
据え膳食わぬは何とやら───、  
これはおいしくいただいた方が良いに決まっている!  
流されてしまおう。  
この狂った女二人に流されてしまおう。行き着くところまで。  
僕も狂ってしまえばいい。  
 
フェイトは心を決めた。  
心というのは一旦、決めてしまえば後は早いものだ。  
それに向かって突き進めばいいだけなのだから。  
 
フェイトは広げられたクレアの膣穴に亀頭の先端を擦り付ける。  
 
「い、入れますよ……ん?」  
 
フェイトは挿入しようとし、ある異変に気付いた。  
クレアの中には遠隔操作式のバイブがまだ入れっぱなしになっていたのである。  
しかもまだスイッチが作動しており、バイブ特有の細かな振動が陰茎と接触した部分から  
伝わってくる。  
きっと入ってるのはピンクローターのような小さなものだろうと推測する。  
フェラチオをしている最中もずっとスイッチが入っていたのだろう。  
 
「あ、あの……バイブが、入ったままなんですけど……」  
「いいの。お願いそのまま、奥まで入れて……」  
 
クレアは待ちきれないというようにお尻をくねらせながらフェイトを催促した。  
 
フェイトはクレアの要求通り、一気に根元まで挿入した。  
愛液でぬるぬるになったクレアの膣はすんなりフェイトを飲み込んだ。  
膣奥まで挿入した陰茎の先端に異物が当たる感触を感じた。  
バイブはずっと振動していて接触しているフェイトの亀頭に直接振動が伝わってくる。  
こんな感触は初めてだったが、……悪くはない。  
 
 
フェイトは腰を動かして、クレアの粘膜をかき回し始めた。  
 
「ふふ、二人とも楽しんでるみたいだね」  
 
ネルは上半身はいつもの格好で下半身だけ露出している。  
しかし、その下半身には装着されているものがある。  
 
ネルの股間には男性器を忠実に再現した擬似ペニスが上を向いてそそり立っていた。  
ベルトようなものを腰に巻いて固定する型式のもの。  
俗に言う、ペニバンという代物だ。  
色と感触は本物と比べても遜色ない。ただ精液が出ないことと、それ自体が熱を持たない  
事だけが違っていた。だが、果てる事が無い。大きさと硬さは常に一定だ。  
使い道は言うまでも無い。  
しかし、バイブといいペニバンといいネルは一体どこから仕入れているのか?  
もしくはクレアが仕入れているのだろうか?  
 
「私も混ぜさせてもらうよ」  
 
ネルは四つん這いの格好でフェイトに突かれているクレアの眼前に立った。  
そして、膝立ちになったまま告げる。  
 
「ほら、クレア。毎晩あんたを喜ばせているモノだよ」  
 
ネルはそう言ってクレアにおしゃぶりをさせる。  
クレアは抵抗するそぶりも見せず、むしろ嬉々としてネルの擬似ペニスを咥えだした。  
ネルはクレアの頭に手を添えて軽く動かせる。  
 
擬似ペニスとネルの神経が繋がっているわけではないのでネルに直接性感が伝わるはずが  
なかった。  
それでもネルは丹念に擬似ペニスを舐めるクレアを見て満足気な表情を作った。  
 
「あぁ、そうだ。いいよ、クレア。もっといやらしく丹念に舐めるんだ。そう、舌を丸め  
て亀頭を包むように唾をたっぷり含んで……ふふ、上手くなったじゃないか」  
 
フェイトは一心不乱に腰をクレアに打ち付けていた。  
腰を突くたびにフェイトの下腹部がクレアの臀部に当たり、ぱんぱん、という乾いた音が  
立つ。音は時に小さく、時に大きく。しかし、一定なリズムをキープしていた。  
音がする度にクレアの臀部が揺れ、結合部からは透明な液体が脈々と溢れていた。  
 
フェイトが激しく突くのでクレアの膣内に入っていたバイブはすでに膣の奥深くまで入り  
こんでいた。  
それがより一層クレアの快感を上げていた。  
 
フェイトは腰を振るのに夢中で、ネルが何をしているのか気にも留めなかった。  
フェイトの視界にネルが映った途端に、膣内が急に狭くなった。  
いや、狭くなったわけではない。  
ネルの擬似ペニスを舐める事でクレアはさらに興奮して、膣を収縮させているのだ。  
 
何はともあれ、急に上昇した膣内の締め付けにフェイトは耐えられなくなりそうだった。  
 
「あッ!あんん、あん、い、いいッ!もっと、もっと気持ちよくしてぇ!!」  
 
クレアは激しく奥を突いてくる陰茎から快感を得ていた。  
久しぶりに味わう本物の陰茎はどこまでもクレアを気持ちよくさせた。  
このままずっとこの快感が続けばいい。  
クレアはそう思う。  
 
だが、何事も終わりが来るのは避けられない。  
 
 
「ク、クレアさん……もう僕ダメです。中に……出しますよ……ッ!」  
「んあぁっ!いい、いいよ……中に、私の中に思い切り出してっ!!」  
 
フェイトは腰の動きをさらに激しくし、射精に向かうための性感を陰茎に与えた。  
 
「イ、イクっっっ、クレアさん!!!」  
「あ、ああああっっっ、フェイ、トさんっ!!」  
 
そして、到達する。  
 
「ああ……な、中……んっ、出てるぅ!!」  
 
 
フェイトは数回に分けクレアの膣内にドクドクと精液を注ぎこんだ。  
膣は痙攣したように小刻みに収縮を繰り返していた。  
クレアは中で射精される感触を膣奥で味わいながら快楽の余韻に浸っていた。  
 
「おや、二人で仲良くイッたみたいだね」  
 
やがてクレアの膣穴からは射精された大量の精液がとろりと流れだした。  
膣から流れた精液はクレアの太ももを伝い、床に広がった。  
精液が全部でた後、最後に小さな楕円状のバイブがことんと落ちた。  
精液と愛液がたっぷり塗られたバイブにはまだスイッチが入っていて  
ぶぶぶぶぶぶ  
と床の上で振動を繰り返した。  
 
 
「妬けるじゃないか。私のクレアをこんなに喜ばせるなんて」  
 
ネルは、はぁはぁと息を上げているフェイトに向かって言い放つ。  
しかしネルは怒っているわけではなく、どこか嬉しそうだ。  
『私のクレア』を喜ばせたことがネルの喜びにも繋がったのだろうか。  
 
「フェイトさん」  
 
クレアは息を整えている最中のフェイトににじり寄る。  
紅潮した顔を隠す事なく、双眸を潤ませながら上目遣いを駆使してフェイトにおねだりする。  
 
「今の……すっごい良かったです……。私まだまだ今の欲しいです……ダメ、ですか?」  
 
計算しているような気もするが、クレアのおねだり効果は抜群だった。  
クレアは果てたばかりで少し萎れていたフェイトの陰茎にそっと手を添えた。  
それだけでフェイトの欲望は再び硬化した。  
クレアにそんな事を言われて欲情しない奴がいるはずもない。  
今のクレアはフェイトよりも年下に見えるほど可愛かった。  
 
まだ先刻の余韻も冷めやらぬ内に2ラウンド目が始まった。  
 
フェイトはまたクレアを四つん這いにさせた状態で膣に挿入した。  
伝わる快感はバイブの振動を除いて何も変わらなかった。  
ネルは先刻と同じように擬似ペニスをクレアにしゃぶらせていた。  
 
「フェイト、もう一つの穴に指を入れてみな」  
「え?もう一つの穴……?」  
 
唐突なネルのアドバイスがフェイトに授けられた。  
 
今自分が挿入している膣穴以外のもう一つの穴といえば、  
───アナルだよな、やっぱり。  
 
四つん這いになっているクレアに挿入しているため、結合部の僅か上に閉じられた穴がある。  
 
───ここに、指を……。  
 
フェイトはクレアの腰を掴んでいた手を片方だけ離し、そっとアナルに触れてみた。  
 
「ああんっっ」  
 
軽く触れただけなのにクレアは敏感に反応を示した。  
 
結合部の周辺は愛液でぬれぬれになっている。  
フェイトは中指の先で愛液をすくい、それをアナルとその周辺に塗った。  
力を入れないように注意しながら、ゆっくりアナルをほぐすようにマッサージした。  
それだけでアナルはパクパクと餌を待つ魚の口のように、いやらしく開閉した。  
 
フェイトはごくりと唾を飲んだ。  
その光景から目が離せず、凝視するように不思議な穴を見つめた。  
 
「あ、ああんっ、焦らさないでぇ。指を入れてっ」  
 
フェイトはアナルの中心に指を添え、ゆっくりと力を入れた。  
最初はほんの指先が、次に第一関節、第二関節までが黒い穴に吸い込まれた。  
不思議な事に抵抗感がほとんど無いまま、指はアナルに挿入された。  
抵抗が無いというよりも、むしろアナルに奥へ誘導された感じだった。  
 
「すごいだろう?クレアはそっちの穴も大好きなんだ。私が開発してあげたんだが、すっか  
りハマったみたいでな。最近では、もっぱらそこを使ってるんだ」  
 
ネルは何故か少し自慢げに話した。  
 
腸内は熱く、まるで指が溶けそうな感じがした。  
フェイトはアナルに挿入した指を根元まで突っ込んだ。  
同時に膣内の圧力が強くなり、フェイトの陰茎を強く締め上げた。  
 
「うッ……すごい締まってきた!」  
 
さらにアナルに入れた指をゆっくり、じわじわと引き抜く。  
 
「あッ、ああ、ああん……!」  
 
指を引き抜こうとすると、アナルは指を逃すまいとするかのように入り口を強烈に締め  
てくる。  
そして、指が全部抜けようとしたところで、再び一気にアナルの奥まで指を突っ込む。  
 
「そ、それいい……ッ!……すごい、ぞくぞくしちゃう」  
 
フェイトは指を出し入れしながら同時に腰も振る。  
まるで、クレアの全てを征服したような錯覚に陥った。  
 
「よし、それじゃ仕上げに入るとしようか」  
 
ネルはそう言って立ち上がった。  
 
「フェイト、クレアが上になるように体位を変えな」  
 
フェイトはネルの言うとおりに従う。一旦、陰茎を抜き取り、仰向けになる。  
クレアは仰向けになったフェイトの股間を跨ぎ、騎乗位で挿入する。  
 
「んッ、は、ああああぁぁ……」  
 
ネルはクレアの後ろに移動する。  
 
「で、クレアはこっちにお尻を向けて」  
「ネ、ネル……まさか」  
「あぁ、あんたが前から望んでいた事を今からするんだ」  
 
クレアには今からネルがしようとしている事が分かった。  
自分には以前からしたかった事があった。それは、今までは無理な事だった。  
今までできなかった理由はいたって簡単だ。  
男手が足りなかっただけの話。  
クレアはこの後に訪れる未知の感覚を想像して満面の笑みを浮かべた。  
それは無邪気と呼ぶにはあまりにも妖艶なものだったが。  
ネルは告げる。  
 
「───前と後ろ、同時に犯すよ」  
 
 
「フェイト、私が入れるまで動かすんじゃないよ」  
 
ネルは少し腰を低くして擬似ペニスをクレアのアナルに宛がった。  
アナルはフェイトの指によって充分ほぐされているため、余計な前置きは必要無かった。  
ネルは片手でクレアの腰を掴み、口を開けているアナルに擬似ペニスを沈めていく。  
 
ネルは毎晩この擬似ペニスをアナルに挿入する事でクレアをよがらせていた。  
クレアはどうすれば感じるのか、どこが気持ちよいのか。  
クレアに関する事なら誰よりも知っていた。それこそ、当のクレア本人よりも。  
 
しかし、今まで二つの穴に同時に挿入するのは始めての試みだった。  
 
アナルだけならどんな体勢でもすんなり挿入できるのだが、前の穴に先客がいる状態での  
挿入は初めてだ。  
膣に入っている陰茎に圧迫されているためか、なかなかいつものようにアナルに挿入する  
事ができない。  
入れようとしても肛門の上を滑ってしまう。  
 
───くっ、なかなか入らないな……。  
 
思うように挿入できずに少しいらいらしてきたネルに救いの手が差し伸べられた。  
その手はアナルを広げ、挿入しやすいように道を作ってくれた。  
 
「ネル、どう?これなら入る?」  
 
クレアはいやらしく微笑みながら自らの肛門を左右に広げネルの挿入を促す。  
クレア自身が最もこの行為を期待しているのだから協力するのは当たり前だ。  
 
「あぁ。これなら、すんなり───」  
 
 
ずぶぶぶ  
 
 
「う、うあっ、ああああぁあぁッ……」  
 
クレアは喜びの声を上げる。  
ネルの腰についた擬似ペニスはクレアの尻穴の奥深くまで沈んだ。  
ネルは不敵ににやりと笑い、宣言する。  
 
「さて、ここからが本番だよ」  
 
 
フェイトは上に乗っているクレアを突き上げる。  
フェイトは上下の動きだが、アナルに挿入しているネルは前後の動きだ。  
そのままだと上手く腰を振れないのでフェイトはクレアの腰が動かないよう、両手でがっ  
しりと掴んで固定していた。  
そうすることでようやくまともに陰茎を抜き差しできる。  
ネルがアナルに擬似ペニスを挿入した事で、指を入れてた時よりも膣が締まるのを感じた。  
膣壁ごしにネルの擬似ペニスとも擦れる感触が伝わってくる。  
フェイトが腰を動かすたびに、目の前にあるクレアの乳房が激しく揺れる。  
大きいわけではないが小さくもない。  
形が整っていて、白く、乳首はきれいなピンク色に染まった、いわゆる美乳だ。  
目の前で揺れる汗ばんだ乳房は視覚的にも楽しいものだった。  
何故ならこの乳房はクレアのものだから。  
少し視線を上げると、長い銀髪が乱れるのも気にせずにこの状況を楽しんでいるクレアの  
顔がある。  
顔は紅潮し、口からは涎を垂らしながら───顔は、快感に喜んでいる。  
整った顔は性行為による快楽で歪んでいたが、その顔は普段よりずっと素敵に見えた。  
 
ネルはクレアと垂直になるような角度でアナルを犯していた。  
日ごろからネルによって鍛えられていたクレアのアナルは、まるで女性器だった。  
擬似ペニスを突く度にクレアの体が弓のようにしなる。  
突く度、普段よりもアナルがキツく締まっているのが分かった。  
 
ネルはクレアを抱くとき、いやらしく身体をくねらせてよがるクレアを見るのが好きだった。  
それだけで満足だった。自分は直接的な性感を受けなくてもよかった。  
ネル自身はSEXしたいとかそういう欲望が無い、といえば嘘になるかもしれない。  
が、クレアのような強い願望や性欲があるわけではない。  
もちろん性行為の経験はある。  
SEX自体はさほど嫌いではないが、好んでするような気にはなれない。  
それがネルの心情だった。  
だから、これでいいのだ。  
 
ネルは激しくよがるクレアの尻を犯す。  
 
クレアは今までに経験した事の無い快感に酔いしれていた。  
 
「しゅ、すごいいぃぃぃ、前と後ろが……あんっ!お腹がぁ、ぱんぱんになってるぅ」  
 
今まで望んでも叶わなかった願いが今、叶っているのだ。  
その思いは快楽へと昇華され、さらなる快楽を生んだ。  
 
「か、硬いのがぁっ、奥に……ズンズンってひ、響くぅ……あんっ!」  
 
膣壁ごしに陰茎と擬似ペニスが擦り合っているのが分かる。  
 
「わ、私このままじゃ変になっちゃうぅぅッ!!?」  
「今さら何言ってんだい?あんたもうとっくに変なんだ。気にすることなんて何も無いさ」  
 
ネルは更に強くアナルに擬似ペニスをねじ込ませる。  
凄まじいまでの快感のせいでクレアの喘ぎ声は途切れがちになった。  
 
「何も気にせず、何もかも忘れてもっと変になっちゃいな!」  
 
フェイトは限界に近づいていた。  
腰を突き上げるスピードが徐々に加速していく。  
終わりに向かって疾走しているのがクレアとネルにも伝わった。  
それが伝わったせいなのかどうかは分からないが、クレアにも限界が近づいていた。  
2つの穴を同時に犯されることで、今までに無い量の快楽が臨界点を超えて溢れそうに  
なっている。  
 
「で、出るっっ!!」  
「わ、私……っ、も……あんッ!ら、らめえぇぇッッ!!!」  
 
そして、終わりは訪れる。  
 
 
「────くっ……うッ!!」  
「うあ、ああああぁああぁぁぁぁーーーーーッッッ!!!」  
 
 
フェイトとクレアは頂点に達した。  
クレアはどくどく発射される熱い精液を子宮口で受け止めていた。  
ネルは動くの止め、二人が絶頂に達し終えるまでを黙って見ていた。  
 
二人が達し終えるのを見計らって、クレアのアナルから擬似ペニスを静かに抜いた。  
 
 
クレアはぐったりとフェイトの身体の上になっていた。  
文字通り精も根も使い果たしたという様子のクレアを見、ネルは満足そうに溜息を一つついた。  
 
「ふぅ……。どうやらこれで今日は終わりだな」  
 
 
ずっと装着していたペニバンを外し、下着を履き、生臭い匂いの立ち込める会議室を後に  
しようと踵を返す。  
 
───が、  
 
帰ろうとするネルの足が何者かに掴まれた。  
ネルが振り向くと、目の据わった裸の男女が自分の足首を掴みながらこちらを見上げている。  
 
「待ってください……ネルさんだけイッてませんよね?」  
 
フェイトは囁くように呟いた。  
 
「このままじゃ今度はネルさんが欲求不満になるんじゃないんですか?」  
「そうよネル。我慢はよくないわ。私たちが協力してあげるから……」  
 
クレアが同意する。  
 
「は、はは、別に我慢してるわけじゃないし……冗談……っていう目じゃないな……」  
「さぁ」  
「さぁ」  
「ふ、二人とも何か目が怖いぞ……わ、私の事は気にするな……」  
 
フェイトとクレアが足を掴んだまま、じりじり近寄ってくる。  
見た目はかなり、怖い。  
ネルは昔読んだホラー小説にこんな場面があるのを唐突に思い出した。  
確か小説ではこの後、急に差し込んだ朝日が怪物を浄化して溶かしたのだが……  
そんな事で難を逃れるのなら苦労は無い。  
 
ネルは後ずさるように身を引いたが、掴まれている足は動かない。  
そして機を見て二人はネルに飛びついて襲い掛かった。  
 
「───────い、いやああぁぁぁぁっっっ!!」  
 
もうすぐ明け方を迎えようかという時分。  
普段聞くことのできないネルの甲高い叫び声が朝の会議室内に響き渡った。  
 
 
 

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