「ねぇ、私の事愛してる?」
「もちろんだよ」
「私もあなたの事愛してるわ」
「知ってるよ」
「私、あなたとの子供ができたみたい」
「嘘……だろ?」
「ええ、嘘よ。だって今日はエイプリルフールだもの」
「ああビックリした。一瞬頭が白くなったよ。この年齢で子供を持つにはまだ早いからな」
「ふふ、ビックリした? じゃあ成功ね」
「全く。……心臓に悪いよ」
「そう良かった。あなたの子供じゃないもの」
「……え?」
「あなたとの子供じゃない。きっとあの人との子供」
「な、何を言って……」
「あの人と最後に寝た日が、ちょうど逆算した日に一致するの」
「……冗談はよしてくれ」
「でも、あなたとの子供かもしれない。可能性は否定できないわ」
「……」
「私の事愛してるならお腹の子供も一緒に愛してくれるわよね?」
「……」
「一生愛してくれるわよね?」
「……」
「あなたの事愛してるわ」
「……」
「……なんてね。今までのは冗談よ。そんなに暗い顔しないでよ〜」
「そ、そうか。そうなのか……?」
「ええ、でも本当の事も言ってるわ」
「……え」
「さて、どこからどこまでが私の嘘でしょう? 分かるわよね? 私を愛してるあなたなら」