ドンドン
「フェイト…いるかい?」
ドアをノックする音と共に、ネルの声がドアの向こうから聞こえてくる。
「あ、はい、どうぞ」
「入るよ」
カチャリとドアノブの回る音がして、ドアがスッと開く。
「ネルさん…」
「やぁ、フェイトちょっといいかい?」
「ええ、構いませんが」
「そうかい、じゃあちょっとこのへんにでも座らせてもらうよ」
「ええ、どうぞ」
フェイトの言葉にネルは軽く頷き、すぐそばにある椅子に腰掛ける。
「いよいよ…だね」
「そうですね」
クロセルを従わせる事に成功したフェイト達は、シランド城へと戻ってきていた。
そして現在フェイト達が、バンデーンの攻撃を凌ぎディブロに戻るまでの時間を稼げるようにするため
城では、クロセルへのサンダーアローの取り付けを着々と進めているところであった。
そのため今現在フェイト達に出来る事が何も無く
とりあえず個室で待機しているという状態であった。
「準備が出来るのには、まだまだ時間がかかりそうだからね。その間に少し
話くらい出来たらと思ってさ」
「あ、はい…」
「あのさ…あの星の船…」
「バンデーンの戦闘艦の事ですか?」
「そう、それのことなんだけどさ…フェイト達の世界にはあんなのが
ゾロゾロとたくさんあるのかい?」
「ん、ゾロゾロとという程でもないですけど、少なくとも何千と言う数は…」
「そうなのかい…」
会話している最中ではあるが、ネルの顔は今までに無いほど不安げな表情を見せていた。
それに心なしか、少しネルが小さく見える。普段の気丈な姿のネルからは
想像できないほどの弱々しさであるように、フェイトには見えた。
「ネルさん?」
たまらずにフェイトは何かを心配するような口調でネルの名を呼ぶ。
「え? あ、ああ。どうかしたのかい?」
普段通りの冷静な自分で、軽く返事を返そうとしたのだろうが、すぐにその表情はまた曇ってしまう。
「やっぱり…変だよね…私…」
「ネルさん…」
その言葉をきっかけに、二人の間にしばしの沈黙が訪れる。そしてしばらくした後
ネルがゆっくりと口を開き始める。
「実は…怖いんだよ」
「え?」
「アンタ達からすりゃあ、あの星の船みたいなものは普通なのかもしれないけどさ
でも、私にとってはさ…」
「そうか…」
フェイトは独り言のように呟く。自分達の世界の人間にとっては当たり前の存在であっても
ここエリクールの文明レベルを考えれば、あれはオーバーテクノロジーという言葉では
表せないほどのこの星の住人の想像の範疇を明らかに超えたいわゆる「化け物」である。
そんな未知の存在に対して、ネルが不安を感じるのも当然と言えば当然だということを
フェイトは感じていた。ましてや、あれだけのケタ違いの破壊力を見せ付けられた後では…。
「大丈夫ですよ、クロセルとサンダーアローさえあれば必ず!」
「ねぇ、フェイト…」
「え?」
何とか、ネルの不安を吹き飛ばしてやろうとして、必死に励まそうとしていた
フェイトのセリフをネルが遮る。そしてネルはそのままフェイトの腰へと
倒れるようにしてしがみついてくる。
「な、ね、ねね! ネルさん!?」
突然の大胆なネルの行動にフェイトは驚きを隠せない。そしてそんなフェイトを更に動揺させるような
言葉がネルの口から飛び出す。
「フェイト…抱いてくれないかい?」
「えっ!? あっ…あの抱くっていうことは…その…」
「私と…セックスして欲しい…不安…なんだ」
「んぐっ!?」
そう言うとネルは、フェイトに返事をする暇さえも与えず、唇を重ねる。
ネルの柔らかい唇の感触が、フェイトの唇に伝わってくる。
そしてネルはそのまま、フェイトをベッドの上へと押し倒す。
「フェイト…私じゃ…ダメなのかい?」
「ど、どうしたんですか、ネルさん!? いくらなんでも、おかしすぎですよ!」
「おかしいかい? そうかもしれないね。でもさ、私だって女だからね
好きでもない男に抱かれたいなんて思わないさ」
ネルのその言葉にフェイトは驚きと動揺を隠せない。
「そ、それってつまり…」
「アンタの事が好きなんだよ、フェイト」
「え、ええっ!? で、でも僕は…その…」
「…分かってるさ。アンタはもうすぐここから出て行っちまうんだろう?」
「え、ええ…」
「私だって、父親の後を継いでクリムゾンブレイドになった時に、女としての幸せは捨てたつもりさ
でも、アンタの事を好きになっちまった。人並みの幸せが欲しいなんて思わない。
だけど、せめて今だけは…それでも……ダメなのかい?」
ネルの熱い眼差しがフェイトに突き刺さる。しかしその視線はいつものクリムゾンブレイドの
ネル・ゼルファーとしてではなく、目の前の男性に惚れた切ない女の
まるで男に媚びるようなトロンとした視線であった。
「ネルさん!」
「あっ!?」
普段のネルからは考えられない、男を誘うような仕草にフェイトは思わず
ネルの体を抱きしめてしまい、そのまま体勢を入れ替えて自分が上になる。
「お願い。今だけは星の船の事も、アンタがいなくなっちまう事も忘れさせて…
そしてアンタの事を好きな、ただの女にさせておくれよ…」
フェイトはネルの瞳に魅入られるかのように顔を近づけ
そのまま唇を重ねる。先程のネルの不意打ちのようなキスとは違う
合意の上の甘く優しい唇の重ねあい。フェイトはネルの唇の感触を楽しむかのように
唇を押し当て、少しずつ動かしながら、キスを続ける。
「んっ…」
そんなフェイトの行為をネルは黙って目を閉じて受け入れる。
「ネルさん…」
「あっ!?」
フェイトは服の上からネルの柔らかな胸を揉みしだく。大きすぎず小さすぎず
適度な大きさで均整の取れた胸をフェイトはまるで、壊れ物でも扱うかのように
丁寧に丁寧にまさぐっていく。
「あ、あの…ネルさん」
「何だい?」
「そ、その…服を脱いでいただけませんか?」
「こういう場合は男の方が脱がせてくれるんじゃないのかい?」
ネルが悪戯っぽく笑う。
「す、すいません…その…初めてなもので…」
困りきった様子のフェイトを見てネルがフッと笑いかける。
「冗談だよ。ちょっとそこどいてくれないかい? この体勢じゃさすがに脱げないよ」
「あ…そ、そうですね」
言われてフェイトは体をどかしてベッドの端による。
「…ちょっと、向こうむいててもらえるかい?」
「あ、は…はい」
フェイトがネルの反対側へと顔を向けると、ネルは服を脱ぎ始めたらしく
フェイトの耳に、服を脱ぐ衣擦れの音が聞こえる。
一枚一枚服が脱がされていく音が、フェイトの興奮を嫌でも高めていく。
「もう、こっち向いても構わないよ」
「は、はい」
ネルの言葉に従い、フェイトがネルの方へ顔を向けるとそこには一糸纏わぬネルの姿があった。
「綺麗です…」
「ま、真顔でそんな恥ずかしい事言わないでおくれよ…」
フェイトが何気なく口にした言葉に、ネルは真っ赤になって反応する。
しかし、実際にネルの体はフェイトが思わず感嘆の言葉を漏らすほど美しい物であった。
適度な大きさと、しっかりとした張りを持ち綺麗な形を維持している胸。
全体として鍛えられていながらも、細く締まったウエスト、足首
華奢なイメージを醸し出す細い指先、そしてその綺麗な肌の色等
全てがフェイトを虜にするには十分なほどの、美しさを持っていた。
こうして隣で見るネルは、まるで女神か何かと見間違うほどの
魅力的な刺激をフェイトに与えていた。
「んっ…ああっ!」
たまらずフェイトは自分の顔をネルの胸に埋め、舌で乳房を舐める。
「はぁ…はぁ…ピチャ、レロ…」
「んっ…ふうっ…」
更にそれだけでは飽き足らずにフェイトは、指で乳首をつまみその周りを
ゆっくりと指でなぞっていく。適度な弾力感がフェイトの手に心地よさを与えていく。
「あっ…なかなか…上手じゃないか…本当に初めてなのかい?」
「い、一応…」
「ふふっ…そういうことにしておいてあげるよ」
「だっ…だから…あっ!? ね、ネルさん…そ、そこは!」
「さっきからフェイトばっかり私の胸をいじって…不公平じゃないかい…」
ネルはフェイトのズボンに手を伸ばし、その上からフェイトのモノをやさしくまさぐる。
「うっ…ああっ…」
「ふふっ…もうこんなに大きくして…カワイイもんじゃないか」
「そっ…そんな…」
ネルが指でフェイトのモノを手で責め始めると、一気に攻守逆転してしまう。
今度はネルのされるがままに、フェイトは体をくねらせ敏感に反応してしまう。
「あっ、ネ、ネルさん…」
「アンタも服を脱ぎなよ、ホラ」
ネルが手慣れた様子でフェイトのズボンと下着を脱がせていく。
そして瞬く間に、フェイトの下半身がネルの前に全てさらけ出される。
「なかなか立派じゃないかい」
「あっ…そっ、そんなに激しく…うあっ!」
「ふふふ…」
ネルの指がフェイトのモノを上下にシゴくたびに、フェイトのモノがネルの手の内で
ビクビクと跳ね回る。ネルの指が艶かしく、フェイトのモノの裏スジ、玉をさすっていくたびに
フェイトの快感は加速度的に高まっていく。
「あっ…ダメです、そんなにしたら僕もう…」
「…いいよ、フェイトのモノだったら…いくら私の体にかかったって構わないさ」
「でっ…でますっ!」
「あっ!」
ネルの絶妙な指使いに耐えられず、フェイトはあえなく昇天してしまい
自らの欲望でネルの肌を汚してしまう。
「す、すいません…」
「いいって言ったろ? 気にする事は無いさ。それより私にとっては今アンタと
こうして二人でいられるってことのほうが、よっぽど大事なのさ」
ネルはフェイトに優しく笑いかける。
「それに、アンタもまだまだ満足してないみたいだしね」
ネルがまだまだ硬度を失っていないフェイトのモノを握り締める。
「あっ、こ…これは」
「フフ…まだまだ楽しめそうだね」
そしてネルは手に握ったフェイトのモノを自らの秘所の入り口の前へと導いていく。
「ネ、ネルさん…」
「フェイト…入れて…私の中でアンタを感じたいんだ…」
ネルのあまりにも積極的で誘惑的な言葉にフェイトの鼓動はドンドンと高まっていく。
そしてフェイトは意を決すると、そのまま己のモノをネルの中に入れようとする。
「んっ…」
「そこじゃなくて…もうちょっと下…」
「あ、す…すいません!」
「フフッ…いいよ。やっぱり初めてってのは本当みたいだね。どうせならもう少し見やすくしようか」
そう言ってネルは自らの秘唇を指で拡げフェイトに見せる。フェイトにとって
女性の未知なその部分は、まるでそこだけがネルの体ではないような
別の何か違う物がくっついているのではないかというような感じに見えた。
「ネルさんのアソコ…ピンク色で綺麗ですね」
「い…いちいちそんな恥ずかしい事言わないでおくれよ」
「じゃ、じゃあいきます…」
「んっ…」
フェイトはネルが拡げた秘裂の中へと自らのモノを少しずつ挿入していく。
ネルの媚肉の感触がフェイトのモノを優しく生暖かく包み込む。
「もっと…奥まで」
ネルの言葉に導かれるように、フェイトは腰を落とし、奥へ奥へと自らのモノを埋没させていく。
「ど、どうだい? 気持ちいいかい?」
「は…はい、ネルさんの中が絡み付いて…ああっ!」
「んっ…フェイト、私もアンタのモノを中で感じられて嬉しいよ」
フェイトは更に、ネルの中の感触を味わおうと、腰を動かし
自らのモノをネルの秘所の中で激しく出し入れさせていく。
「ああっ…フェイト…もっと突いて…」
「ネルさん…ネルさんっ…」
フェイトはネルの秘所から与えられる快楽に流されるままに、ネルの体を
自分のモノで犯していく。ネルもまた、目を閉じ、フェイトのモノによって
自分の中に感じられる確かなものを愛おしく、大切にするかのように
フェイトの動きに合わせて一緒に腰を動かす。
次第にネルも感じ始めてきたのか、徐々に流れでる愛液の量が増え始め
フェイトが中で動きやすくなり、またネルの秘所の締め付けもより一層引き締まり
フェイトを快楽の高みへと導いていく。
「ああっ! ダメです、ネルさん、もうっ!」
「私も…もうっ! お願いっ! 一緒に! 中でっ!」
「ああっ! 出るっ!」
ドピュドピュッ
フェイトは最後の絶叫と共に、ネルの秘所の奥へと自分の欲望を放出してそのまま
ネルの上に倒れこむ。ネルもまたいほぼ同時にイッてしまったようで
フェイトの下で、顔を赤く染めながら、激しく肩で息をしていた。
「ありがとう…フェイト」
「い、いえ…そんな」
「えっと…まだ抜かないでくれるかい?」
「え? あ、はい…」
「少しでも長くアンタを感じていたいからさ」
「ネルさん…」
「フェイト…もうすぐ行ってしまうんだよね」
「……」
「そんな顔しないでおくれよ、私だってもうこれ以上は望む気はないさ。ただ…」
「ただ?」
「例えこの先一生会えなくても、いつかアンタが私の事を忘れたとしても
それでも私はアンタの事を一生忘れない…」