ディプロ内  
「バンデーンの指定してきた時間までまだ時間があるわ。  
 それまでに、準備をお願い」  
「了解、リーダー」  
特に準備をすることもないフェイトはブリッヂに残っていた。  
「フェイト、時間になったら船内放送で呼ぶから、それまで船内を見て回ったら?」  
「じゃあ、マリア、案内してくれないか?」  
「ごめんないさい、ちょっと、確認しておきたいことがあるの」  
「そう、じゃあまた」  
フェイトはブリッヂから出ていった。  
「いいんですか、リーダー。彼と一緒にいかなくて。  
 寂しそうでしたよ」  
「…関係ないわ。マリエッタどうしてそんなことを聞くの?」  
「いえ、それならいいです」  
そう言ってマリエッタは自分の仕事に戻る。  
マリアは気が付いていないのだろうか。  
どことなくそわそわとして落ち着かないことに。  
(素直じゃないんですから…)  
マリエッタはそんなマリアを見て苦笑を浮かべる。 
 
フェイトはブリッヂを出た後、入ることが出来る部屋をくまなく見て回っていた。  
「マリア、どうしたのかな…。いつもより機嫌が悪かったみたいだけど…」  
マリアのいらだちの原因はフェイトの発言にあった。  
フェイトの幼なじみのソフィア。  
ソフィアの事を心配するフェイトはマリアが今まで見たことのない姿だった。  
たとえそれがフェイトが『妹』を心配する姿だとしても。  
 
「ここは…」  
フェイトは部屋を見て回っている内にいつの間にかマリアの部屋に来ていたらしい。  
戦艦の中であるためかクォークのリーダーであっても他の部屋とかわらない。  
「ここで、マリアは寝て居るんだな」  
部屋のベッドを見てフェイトはつぶやく。  
それと同時に肌を重ねた後のあどけない寝顔を思い出す。  
「…行こう」  
マリアの部屋から出てきた時、丁度館内放送が流れる。  
「今は父さんたちを助けることを考えないと。  
 気合いを入れないとな」  
頭をふって気持ちを切り替えると、フェイトはブリッヂへと向かった。  
行き先はバンデーンとの取引先。  
その先に待ち受けている過酷な運命を彼はまだ知らない…。 
 
「私はムーンベースに行くわ」  
バンデーンたちと戦闘の中、フェイトの父ロキシが命を落とした。  
掴まっていたもう一人の人質であったソフィアはなんとか助け出すことに成功したが。  
ロキシの残した遺言、ムーンベースへ…。  
今は悲しみに暮れているよりも前を向いて歩いた方が良い。  
それはマリアが以前経験した父と母の別離。  
その経験から出た言葉だ。  
立ち止まっていれば悲しみは増すばかりだから…。  
「行こう、ムーンベースへ」  
立ち上がるフェイトを見てマリアはほっとしていた。  
そして、連れだってブリッヂへと向かう。  
アクアエリーとの通信のために。  
 
アクアエリー船内  
「マリア、居るかい?」  
「フェイト」  
マリアは検索の作業の手を休めてフェイトの方を向いた。  
「何をして居るんだい?」  
「以前調べたデータベースにアクセスしていたの」  
フェイトはそのデータを見てほしいといい、マリアは快く承諾してくれた。  
データの閲覧が終わったフェイトは複雑そうな顔をする。  
自分に埋め込まれた力。  
今まで知らない父、ロキシの顔…。  
 
フェイトはいきなりマリアの手をとって強引に抱き寄せる。  
「フェ…うんっっ」  
フェイトは何か言おうとするマリアの唇を強引に奪う。  
そして、ベッドに押し倒す。  
乱暴にマリアの秘所を探り、今までの経験を生かして強引に快楽を引き出していく。  
「やぁっ、フェイトどうしてっ、ふぅっ」  
「アクアエリーがムーンベースに到着するまでまだ時間があるんだ。  
 それまでは、いいだろ」  
そう言いながらマリアの下着をずらし、更に指を奥に進める。  
「だからって…」  
「今は…今は黙って抱かせてくれれば良いんだよ!!」  
フェイトの激しい感情をぶつけられて思わすマリアは押し黙る。  
フェイトは乱暴にはしている物の初めての時のようにいきなり挿入する事はなかった。  
「マリア、濡れてきたよ。こんな風に責められても感じてるなんてエッチだね」  
「フェイト、あっ、今日のあなた、くぅん…おかしいわよ」  
「おかしいのはマリアの方だろ。乱暴されて感じてるんだから」  
「そんなっ」  
「これだけ濡れてれいれば十分だね」  
「ちょっ、まって…、くぁぁぁぁっ」  
マリアの抗議の声も聞かず一気に押し込むフェイト。  
 
上から押さえ込まれる形のマリアはその時初めていまのフェイトの表情を見ることが出来た。  
泣き出しそうな…、わめき散らしたくなるようなそんな顔…。  
人は頭より感情で生きていく物である。  
いくら、頭では押さえつけようとしてもフェイトの悲しみはどうにかなる物ではないだろう。  
マリアが抱いているロキシへの憎しみのように…。  
「…なんだよ」  
マリアははっとして自分は今どんな顔をしていたのだろうと思った。  
哀れみ?同情?  
今のフェイトはそんな安っぽい物だけでどうにかなるわけではないのに…。  
「フェイト、一つだけ約束して…。 今は私をどうしてもいい。  
 でも、決してロキシ博士の死から逃げ出さないって」  
「……なにをされてもいいの?こんな事も?」  
フェイトの声はすでに震えてきていた。  
そのフェイトの指はマリアのアナルに少しずつ進入している。  
マリアは頷く。  
「それで、フェイトの気が済むなら」  
「く…ぅ…、うぁぁぁぁぁぁぁ!!」  
フェイトはマリアに挿入したままマリアの脇に顔を埋めて泣き出した。  
マリアは目を閉じてフェイトの激情がすぎるのをただ黙って待っていた。  
 
フェイトはしばらくして落ち着くとマリアのことを見つめ直す。  
「落ち着いたかしら?」  
訪ねるマリアにフェイトは頷く。  
「でも、マリア、さっきの本気なんだろ。好きにして良いって」  
「それは…」  
はっとしてマリアは赤くなった。  
フェイトに父親の死から逃げ出さないでほしいが為にいった言葉だったが、冷静になって考えるととんでもないことを口走った物だ。  
そんなマリアの様子にフェイトは柔らかな笑みを浮かべると口づけをする。  
「冗談だよ。ごめんねマリア、迷惑かけちゃって」  
ふるふるとマリアは首を振る。  
「気にしないで、フェイト。  
 それで、あの…」  
マリアが言いにくそうにもじもじとする。  
フェイトの物は大きくなったままマリアの中に入ったままだ。  
二人とも結局まだ一度も逝っていない。  
「優しくするから、続きしようか…」  
マリアは頷く。  
マリアとフェイトはお互いのぬくもりを感じながら高見へと上っていった。  
 
傷は未だ癒えていないが、今は前に進むことを考えて…。 

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