ベッドの上で知識でしか知らない男女の営みを続けるフェイトとマリアの姿があった。  
「そんな…、フェイト…」  
ソフィアはフェイトを励まそうと一度、フェイトの部屋に向かったのだがそこにフェイトは居なかった。  
何処に行ったのかと思い、みんなの部屋を回っていたのだが、マリアの部屋に来た時、その光景を目撃したのだった。  
ソフィアは慌てて自室に戻るとだれも入れないよう扉をロックした。  
「フェイト…、私には見向きもしなかったのにあんな人と…」  
そっと胸に手を当てる。  
「胸だって私の方が大きいのに…」  
「フェイト…んっ」  
ソフィアはそっと自分の秘所へと手を伸ばす。  
「んぁ…ファイト、フェイトぉ」  
数えるほどにしか経験していない自慰。  
その中で、こんなに惨めな気持ちで行為を行うのは初めてだ。  
「ぁっ、あんっ、フェイト…」  
だが、一度始めてしまえば逝くまでは止まらない。  
フェイトの名を呼びながら、自分のあそこを申し訳程度に触れて動かし、自らの胸を揉む。  
「フェイト、私、逝くんだよっ。逝っちゃうんだよっ。フェイトっっ」  
びくん、と加太をのけぞらして絶頂を迎えるソフィア。  
その後、ソフィアは顔を埋めてしばらく泣いていた…。  
 
「どうすればいいのかな…」  
自分のお気に入り猫人形を見つめて問いかけるソフィア。  
そんなことをしていても答えが出るはずもないが。  
「はぁ…。答えてくれる分けないよね。  
 あれ、ちょっと待ってよ。たしか昔フェイトが持っていたエッチな本の中に…」  
ソフィアはがばと起きあがると荷物をチェックする。  
その後、端末で必要な情報を探し出す。  
「これだよ…。これがいいよ。  
 そうだよね。悪い猫ちゃんにはお仕置きも必要だよね…ふふっ」  
笑うソフィアの表情は何処か虚ろで、不気味な光が宿っていた。  
 
後日…。  
ソフィアは、マリアに話したいことがあるからと自分の部屋に呼び寄せた。  
「どうぞ、中に入ってください」  
「ええ、おじゃまするわね」  
そう言ってソフィアはマリアを部屋の中に招き入れる。  
その時、扉をロックすることを忘れない。  
「これをどうぞ」  
そういって、ソフィアはお茶を差し出す。  
「ありがと。ところで話したい事って何かしら」  
お茶をすすった後、マリアはソフィアに訪ねた。  
「私が聞きたいのはフェイトとの関係です。」  
「えっ?」  
マリアはその言葉にどきりとする。  
フェイトに一番近い彼女だ。  
彼に好意をもっていても不思議ではない。 
 
「……なんでもないわ」  
わずかに怯えを含みながらマリアは答える。  
「何でもないのにフェイトに抱かれたんですか?」  
「!?」  
フェイトとマリアが肉体関係を持っていることはソフィアはまだ知らないはずだった。  
クリフやミラージュにはしっかり口止めしていたし、まさかフェイトが自分から話すとは思えない。  
「見たんですよ。この間。  
 マリアさんとフェイトが同じ部屋にいるところ。  
 でも、それはもう良いんです。フェイトはマリアさんを選んだんですから…」  
ソフィアはスッと立ち上がり、ゆっくりとマリアに近付いていく。  
ソフィアの様子に異様な物を感じたマリアはこの部屋から出ようと足に力を入れる。  
が、うまく力が入らず倒れてしまう。  
「な、何を…」  
「マリアさんは悪い子猫ちゃん。私はその飼い主なんです。  
 マリアさんが私なしでは生きられなくなったら、フェイトも来てくれるよね」  
ソフィアは倒れたまま動けないマリアに手錠をかけるとベッドまで引きずって行く。  
「もう逃げられませんよ。諦めてくださいね。  
 この媚薬、調合の失敗作なんですけど効き目はばっちりなんですよ。  
 何にも知らないスフレちゃんで試してみたら気絶するまでオナニーしてたんですよ。  
 今頃、オナニー中毒になってるかもしれませんね」  
すさまじい内容を語るソフィアの表情はいつもと変わらない。  
しかし、今は逆にマリアの恐怖を駆り立てる物でしかなかった。  
ソフィアはいきなりマリアの胸を鷲掴みにする。  
それだけでマリアに頭が真っ白になるほどの快楽が走った。 
 
「ねぇ、気持ちいいでしょ。こうなっちゃうとねこんな事されても気持ちいいんだよ」  
ソフィアはマリアの胸をはだけると細い針を取り出した。  
「や、やめて…。おねがいだから…」  
「だめだよ。これはお仕置きなんだから。  
 大丈夫だよ。多少傷ついたって私の紋章術で直してあげるからね」  
そう言ってソフィアは迷わずマリアの右乳首に針を通した。  
「!!!!」  
声にならない悲鳴を上げて躯をのけぞらせるマリア。  
激痛とともにそれを上回る快感がマリアを襲う。  
「ね、気持ちいいでしょ。もっとしてあげる」  
そう言ってマリアの首筋に舌を這わせ息を吹きかける。  
マリアにゾクゾクとした感覚が走る。  
自分の中を駆け回る快楽に怯えるマリアを見ながらソフィアは2本目の針を取り出す。  
「いやぁぁぁぁぁ」  
マリアは今度は悲鳴を上げることが出来た。  
じわじわと攻めていくことで快楽を感じていることを自覚させていくソフィア。  
その様はどことなく捕まえた獲物をいたぶる猫を思わせる。  
ソフィアは針にひもを通すとクイクイと軽く引っ張る。  
そのたびに何かに耐えるよう、マリアの表情が歪む。  
甘い声すら洩れている。  
「ねぇ、マリアさんもどかしいんじゃないですか?  
 アレを飲んでからだいぶ立ってますから、うずいて仕方がないはずですよ」  
「そんなこと…ない…わ」  
ソフィアは口に手を当ててふふっと嗤うと次の道具の準備に取りかかった。  
計画を思いついてから準備した道具たちだ。 
 
「今度はちょっと、きついからね。  
 これ、咥えていてね」  
「あむっ」  
ソフィアは半開きのマリアの口に、固定用ベルトが付いたバイブを押し込み、ベルトを締める。  
これで、マリアがどんなに暴れても自分で外すことは出来なくなった。  
ソフィアがスイッチを入れるとヴーンという低い音とともに振動する。  
「口の中にも性感帯ってあるんだって。  
 人によっては、ここでするよりずっと気持ちいいんだってね」  
「んぅぅぅぅ…」  
口の中からすら生まれる快楽にたいしてどうにか逃れようともがくマリア。  
ソフィアは無駄なあがき、と思っているのかもがいているマリアを無視して下着を一気におろす。  
幾度かフェイトに抱かれているはずのマリアの秘所は綺麗なピンク色をしていた。  
まだ、ソフィアに一度も触れられていないはずのそこはあふれ出る愛液によって濡れそぼっていた。  
「さあ、マリアちゃんは耐えられるかな?  
 今までで一番きついの行くよ。そんな顔しないで。意識は飛んじゃうかもしれないけど死ぬことはないから」  
そう言って三本目の針を取り出す。  
「んうぅぅっ、ふぅぅぅっ」  
何かを訴えるような目でソフィアを見るマリア。  
その顔を見てさらににこりとする。  
「そう、逝っちゃいそうなんだ。  
 それなら、それに合わせてあげる。  
 どれだけ、気持ちよくなるか楽しみだね」  
マリアは首を振っていやいやをするが、今のソフィアには何の効果もない。  
すぐにマリアは躯をそらせて絶頂を迎える体勢に入った。 
 
それに合わせソフィアはクリトリスに針を差し込む。  
「うぅぅぅぅぅぅ!!!!」  
ぷしゃっ  
マリアは気を失うことこそ無かったがあまりの快楽のため失禁してしまっていた。  
マリアの体液がソフィアのベッドを汚していく…。  
「あーあ。悪い子。  
 ベッドの上で粗相するなんて。  
 これじゃあ私ベッドで寝られないよ」  
マリアは、ただ、涙を流すしかなかった。  
 
「今日はこれで返してあげる。  
 でも、フェイトにはまだナイショだよ。マリアさんがいい子になったら教えようね」  
ソフィアはマリアの縛めを解いていく。  
拘束を解かれたマリアにいつもの強気な瞳はなく、ソフィアへの恐怖のまなざししかなかった。  
躯の傷はすでにソフィアの紋章術によって癒されている。  
マリアは急いで着替えると、すぐに自室に帰ろうとする。  
今は出来る限りソフィアとの距離を置きたかったからだ。  
「あ、そうだ。今日はマリアさんのせいで私のベッドが使えないんだった。  
 今からマリアさんの部屋に行っても良いですか?  
 断ったらさっきのシーン、ビデオにしっかり収めていますからそれをばらまくだけですけど」  
マリアは真っ青になってへなへなとその場に崩れ落ちた。  
そして、今のマリアに逃げ場など何処にも無いことに気が付いたからだ。  
「さあ、マリアさんいきましょう」  
ソフィアは優しく手を伸ばす。  
 
囚われし聖女の、堕落の道は始まったばかりだった。 
 
幾日かの時が過ぎた。  
「フェイト、ちょっと良いかしら」  
「ああ、いいよ」  
いつもとあまり変わらない調子でマリアが話しかける。  
しかし、フェイトは気が付いていない。  
以前のマリアにはなかった淫靡な輝きがその瞳に宿っていることに。  
マリアはある部屋まで来ると扉を開こうとする。  
 
…扉の先ではソフィアが座って待っている。  
マリアがこれからフェイトの事を連れてきてるはずだ。  
マリアを使えば簡単にフェイトに言うことを聞かせることが出来るようになるはず。  
 
とんとん。  
 
静かに扉が開かれる。  
ソフィアはこれから始まる事に胸を高鳴らせていた。  
(…ずっと待って居たんだよ) 

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