「ディストラクション…『破壊』の力か…」  
フェイトはベッドに横になって自分の手を見つめていた。  
先ほどムーンベースで明らかになった自分に秘められた紋章の力。  
望む、望まぬに関わらず父親から託された力…。  
「マリアはどうしてるかな…」  
フェイトは起きあがると扉に手をかけた。  
彼女がフェイトの父、ロキシを憎む原因である自身に埋め込まれた『改変』の力。  
それが、世界を救うためと言われたのだ。  
彼女の心境はどんな物だろうか。  
そう思ったら無性に彼女に会いたくなったのだ。  
しゅん、と音がして扉が開く。  
そこには、今、まさに扉を叩こうとしていたマリアが立っていた。  
「フェイト…ちょっと今、良いかしら」  
「ああ、丁度僕もマリアに話があったんだ。中に入って」  
そう言ってフェイトはマリアを室内へと招き入れる。  
マリアは無言で中に入っていく。  
「座ってよ。今、飲み物出すから」  
マリアは素直にイスに座るが、どことなくそわそわとして落ち着きがなかった。 
 
「マリア、どうしたの?」  
「フェイト…あなたは気にならないの?ムーンベースのデータに残っていたデータが」  
「僕もそのことで話したいことがあったんだ。  
 何しろ、父さんたちが僕らを生体兵器に改造した理由が創造主を倒すため、なんていわれたんだから」  
フェイトは自分が話そうとしていたことをマリアも気にしていたのだと思った。  
「フェイト、そうじゃない。そうじゃないのよ」  
「なにがだい?」  
「ロキシ博士のことはこれから行く、惑星ストリームではっきりする事よ。  
 いまから悩んでいても仕方がないわ。  
 私が言いたいのは、もっと別なことなのよ」  
「別なこと…?」  
フェイトは目を閉じてムーンベースで起こった出来事を思い返してみる。  
だが、フェイトには思い当たる事はない。  
その様子にマリアは言いにくそうに話し出す。  
「ロキシ博士は自分たちの子供に遺伝子操作を行ったと言っていたわ。  
 もしかしたら…私たちは…」  
マリアはそこまで話して口を紡ぐ。  
言葉に出してしまったらその辞典で何かが壊れてしまいそうだったからだ。  
そんなマリアにフェイトは優しく口づけをする。  
「フェイト…?」 
 
「マリア、そんなことで悩んでいたの?」  
「そんな事って…あなた…」  
「僕らがお互いを好きになったことは事実だろ。  
 それに、もう、血縁関係がどうのこうのと言ってられないと思うんだ。  
 僕は、マリアが居ない世界はもう考えられないし考えたくもない。  
 マリアは?」  
「私は…」  
マリアは怖いのだ。  
フェイトと別れなければいけないかもしれないと言うことに。  
そのことが、すでに揺るがない答えとして出ていた。  
「それに、遺伝子学上でもあまり問題にならないと思うよ」  
「え?」  
「僕らは兵器として改造されてる。  
 たとえ、元々は血のつながりがあったとしても、それを立証するすべは  
 失われているんじゃないかな」  
「…そうね。その点だけはロキシ博士に感謝するべきなのかしら」  
ロキシ博士が死んでしまった今、真実を知るのはフェイトの母、キョウコだけである。  
そのキョウコも今は行方不明。  
真実を知る事が出来る可能性はほぼ無いに等しい。  
「マリア、そんなに不安だったら教えてあげるよ。  
 僕がどれだけマリアが好きか、ってね」  
そう言ってマリアをベッドへと誘う。  
マリアはそれに、素直に従った。 
 
裸になったマリアとフェイトはお互いの絆を確かめるように唇をむさぼり合う。  
「ねえ、マリア四つん這いになってこっちにお尻を向けて」  
「え、そんなこと…」  
「前も、やったろ」  
「…わかったわ」  
マリア恥ずかしさで顔を真っ赤にしながらでフェイトにお尻を向けた。  
未だ、自分から恥ずかしい格好をする事には抵抗を感じているマリア。  
フェイトはそんなマリアをすぐに触ろうとはせず、じっくりと眺める。  
「フェイト…そんなに見ないで」  
マリアはベッドに顔を埋めた。  
「マリアがあんまり綺麗だから見とれていたんだよ。  
 ここも…」  
そう言ってマリアの秘所を指でなぞる。  
「ここもね」  
その指でアナルを刺激する。  
「やっ」  
「今日はマリアを全部愛してあげる。  
 マリアも受け入れてくれるよね」  
ベッドに顔を埋めたままのマリアの髪がわずかに縦に揺れる。  
それを肯定と捕らえたフェイトは秘所を指で刺激しながら、アナルを舐め始める。 
 
マリアがどんな顔をしているかフェイトからは見えないが、  
アナルを舐めるたび躯が震えるのと秘所から少しずつあふれてきている愛液によって  
感じているのだと判断できる。  
「感じてる?」  
フェイトはあえて訪ねた。  
マリアは首を横に振って否定する。  
「そう?ここは、気持ちいいって言ってるみたいだけど」  
そう言いながら指を二本マリアの中へと押し入れる。  
そこは、すでにフェイトの物を受け入れられそうなほど暑く潤っていた。  
「マリアはいつもうそつきだね。  
 もっと、素直に感じていいんだよ」  
そう言いながら、指でマリアの中をかき回し、舌をアナルに入れるようにして刺激する。  
しばらくして、顔を埋めたままのマリアの呼吸が荒くなってきた。  
おそらく絶頂が近いのだろう。  
フェイトは舌をよりアナル深くに入るようにしながら、あそこをに入れられた指の動きを早くしてやる。  
「フェイト、そんなにしたら、私っ」  
マリアが絶頂の予感に顔をあげてフェイトに訴えかける。  
「マリア、逝きたいなら素直にそうして。  
 それとも、前みたいに逝く寸前でやめちゃおうか?」  
「それはっ、あっ、だめっ、私、逝くっ、逝っちゃうっ」  
びくん、とマリアの躯が震え、フェイトの指をきつく締め付ける。  
絶頂を迎えた証拠だ。  
フェイトが指を抜くとマリアの体液がべっとりと付着している。  
「マリア、舐めて綺麗にして」  
マリアは自身の愛液が付着した指を愛おしそうに舐め始めた。 
 
「マリア、今度はこれでかわいがってあげるね」  
フェイトは以前ミラージュからもらったバッグから黒くて細いバイブを取り出す。  
マリアはこくんと頷くと再びベッドに顔を埋める体勢になる。  
フェイトはバイブのスイッチを入れずに幾度かマリアのあそこに出し入れする。  
一度逝って躯が敏感になっているのか、動かすたびにマリアの甘い声が洩れてくる。  
フェイトはバイブが十分に愛液で濡れたことを確認するとマリアのあそこから抜き取ってしまう。  
「え…、フェイトどうして…」  
マリアはどうして意地悪するの?といった瞳で見つめてくる。  
「このバイブはねホントはこっち用なんだ。  
 十分に濡らしておかないと痛いからね」  
そう言ってマリアのアナルにバイブを押し当てる。  
「フェイト、お願い、それはやめ……うぁ、ぁぁ」  
マリアが拒絶の意を示しきる前に、フェイトはバイブを少しずつ埋没させていく。  
「マリア、今日は全部受け入れてって言ったよね。  
 怖がらないで、力を抜いて」  
「でも、あっ、私っ、や、入ってくる…」  
先ほどの愛撫によってだいぶ受け入れやすくなっていたとはいえ、アナルの抵抗は大きく、  
バイブはなかなか奥に進んでいかない。  
「大きく呼吸して、そうすれば楽になるから」  
「フェイト、そんな、ことっ、言われても、無理よ…」  
「じゃあ、ここが気持ちよくなれば力も抜けるかな」  
「ぇ?」  
フェイトはそう言うとピンク色のリモコンローターをマリアのあそこへと押し込む。  
そしていきなり振動をMAXへ入れる。  
「やぁっ、はぁっ、そんなっいきなり…ぁぁぁ」  
いきなりの刺激にマリアの躯が一時こわばる。  
そして、フェイトがスイッチを切るとこわばっていた躯から一気に力が抜ける。  
その隙にフェイトはアナルのバイブを一気に奥へと押し込んだ。  
 
「マリア、全部入ったよ。お尻は気持ちいい?」  
「はぁ、はぁ、そんなこと、ない…、お尻が、なんだか、気持ち悪いだけよ…」  
「そう?じゃあ気持ちよくなるまでこのままにしておくね」  
「そんなっ、あ、やっ」  
フェイトがバイブのスイッチを入れると、バイブはアナルの内側をかき回すように、  
グネグネと動き出す。  
それと同時にあそこに入れたままのローターも振動を始める。  
マリアは思わずお尻の嫌悪感から逃れようとバイブへと手を伸ばす。  
「だめだよ、マリア、まだ抜いちゃ。  
 マリアが逝く事が出来るようになるまで、僕に奉仕してよ。  
 僕はまだ気持ちよくなっていないんだよ」  
フェイトはバイブへと伸びた手を捕まえるとそのまま自身の物を触らせる。  
それは、マリアの痴態を見て十分すぎるほど大きくなっていた。  
「フェイト、んぅ、お願いっやめて、あっ、このままじゃ、私…」  
徐々にローターから与えられる快楽もあってアナルからの感覚を『気持ちいい』と感じ始めたのであろう。  
マリアはフェイトの物を掴んだまま潤んだ瞳で訴えかけるようにフェイトを見上げるばかりで、  
奉仕を開始しようとしない。  
「じゃあマリア、こうしよう。マリアが僕の事を逝かせてくれたら、  
 今日、お尻をかわいがってあげるのはこれでおしまいにしてあげる。  
 それならいいでしょ」  
マリアは躯をびくびくとさせながらフェイトに奉仕を始めた。  
「ん…ふ…ふぅっ、んんっ」  
マリアも必死なためか、フェイトが一度も逝かずにマリアの痴態を眺めていて、  
すでに限界が近かったのか、程なくして射精感に襲われる。  
そこで、フェイトはローターの振動を強くする。  
 
「んん!?」  
突然強くなった振動にマリアの奉仕の手が弱まる。  
フェイトは出来るだけ欲望の解放を引きのばそうとしてこらえる。  
マリアは時折奉仕の手が止まりながらも懸命に奉仕を続ける。  
もしかしたら、マリアも絶頂が近いのかもしれない。  
「くぁっ、マリア、だすよっ、うっ」  
「んんっ、んんんっ、ん〜〜〜〜〜〜」  
フェイトが欲望を解放した瞬間、マリアの躯から力が抜けた。  
おそらくは逝ったのだろう。  
フェイトのものを咥えていられなくなったマリアはその欲望を顔に浴びることとなった。  
 
フェイトはマリアの顔にかかった自身の欲望をふき取った。  
その後、ローターとバイブのスイッチを切り、マリアから抜き取ってやる。  
「マリア、今日は疲れたろ?ここまでにしようか」  
フェイとは息も絶え絶えになっているマリアをみて、これ以上続けるのは無理だろうと判断した。  
「いや…」  
「え?」  
「お願い、最後までして…」  
「でも、マリア、もう体力が限界じゃ…」  
「嫌なの…、今日はまだフェイトのことを全身で感じてない…。  
 このままじゃ、いや…。私は大丈夫だから…」  
涙目で訴える、どうみても大丈夫そうには見えないマリア。  
「…わかった。僕のことを感じて」  
そう告げて勤めてやさしく挿入していくフェイト。  
快楽を感じるためのつながりではなく、お互いの心を感じるための交わり。  
マリアに負担をかけまいとゆっくりと動いていたためか、今までで一番長い交わりとなった。  
 
フェイトたちはアクアエリーのブリッジに来ていた。  
目の前にはエクスキューショナーに守られた惑星ストリームがある。  
これから、自分たちの創造主に喧嘩を売りにいくのだ。  
フェイトは思っていた。  
何が何でもマリアを守り抜くと。  
マリアは思っていた。  
絶対にフェイトは死なせない、と。  
たとえ、時空を越えた先になにが待っていようとも…。 

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