今フェイト一行が滞在しているペターニ。『特にすることがないならアイテムクリエイションに
力を入れたいんだ』というフェイトの強い要望に、特に反対する理由を持たないクリフとネルはそれを了承した。
フェイトの目的はランキングで1位を取ることだった。特別理由はないが最下位の常連になるのに耐え切れなくなったのだ。
なかなか優秀なクリエイターとも契約したし、金もあった。そのおかげで最初はノリノリであったし良いアイテムもたくさん
作ることが出来た。クリエイターランキングも見る見るうちに上昇して行った。しかしその状態も後一歩のところで止まることになった。
「はぁ〜…またダメだったか…」
フェイトが落胆のため息を漏らす。今回は料理に挑戦していた。長い時間をかけたが出来たものはうまい棒だった。
「くそ、なんだって最近はこんなのしか出来ないんだ?そもそもやおきん社長がこんなもの認めるからいけないんだ!!」
と、周りの者にはまったく訳のわからない言葉を漏らしながら床に落ちているボウルを蹴飛ばしわめき散らしていた。
「フェイト、そこらへんでやめときな。物に当たったところで良い物ができる訳じゃないし…それにみっともないよ…。」
ネルが優しく諭した。その隣ではクリフが腕組しながら大きくうなずいている。まったくこいつは寝返るのがうまい。
いつもならうまくいかなかったらこやつが一番にわめき散らしてその場の収集をつけるのが大変だというのに…。
そんなことを考えながらフェイトは落ち着きを取り戻した。
「そうですね…すいません。…でも最近何も出来ませんね、最初はうまくいってたのに…。」
おもむろにフェイトがポケットからテレグラフを取り出した。そしてなんとなくギルドにつなげてみる。画面の中ではいつも通りに
ウェルチが笑顔で対応してくれる。その顔を見るだけでもフェイトにとっては癒されるというもの。いつも通り不思議なステッキを持ち、
綺麗な金の髪をなびかせ、特徴的な声で話し掛けてくる。
『フェイトさん、最近どうですか?なんだか…調子悪いみたいですね…。』
ウェルチの声からは気遣いの感情が読み取れる。
「ええ、まったくです。全然進歩がないんですよ、この頃。」
フェイトは半分諦めたような感じで答えた。
『ん〜そうですか〜困りましたねぇ、でも諦めないでください!千里の道も一歩から、って・・言いますしね。』
画面の中で自慢のステッキをぶんぶん振り回しながらウェルチが励ましてくれている。その態度を見せてくれるだけで今のフェイトにとっては感涙ものだった。
『それより、なんか用事があったんじゃないんですか?』
いつのまにかウェルチの顔は営業スマイルに変わっていた。その切り替えの速さが彼女の怖いところだったし魅力でもあった。
「あっ、そうでした。スイマセンがクリエイターランキングを見せてもらえませんか?」
今の今までフェイトは彼女に見惚れていて自分の用件を忘れていた。もし彼女が何も訊ねてこなかったらそのまま接続を切っていたであろう。
『はい、しばらくお待ちください。』
ウェルチがぺこりとお辞儀して画面上にランキング板を表示させる。
『あと一歩なんですけどね、応援してますから頑張ってください!!』
ガッツポーズを取ってみせる彼女も可愛かった。
フェイトの今の順位は2位、1位はミスティであるがなかなかの接戦であった。
「ハァ…やっぱりうまい棒作ったぐらいじゃ1位にはなれませんか…。」
フェイトは俯いてしまった。ペターニに滞在して1月、これまではたくさんのアイディアが出てきたしそれに必要な技術もついていっていた。
しかし既にフェイトの頭の中はネタ切れ…いっぱいいっぱいな状況でありこの状態をこれ以上のばすと1位のミスティにさらに差をつけられてしまう。
フェイトはあせった。
『まぁあせっても仕方ないですし…フェイトさんならきっと出来ますよ。何かあったら直接会いに来て下さいよ。ファクトリーの向かいなんだし。』
そうだね、と軽く答えフェイトは接続をきった。
「さて、フェイト、今日はどうするんだい?もうちょっと続けるのかい?私としては・・少し休みたいところなんだけどね。」
ネルが眠たそうな顔で訊ねた。無理もない。このところあまり眠らずにクリエイションに没頭して来たのだから。
「そうですね。今日はもう切り上げましょう。」
フェイト達はファクトリーを掃除しその日の仕事を切り上げた。最後にフェイトが電気を消し宿屋へと足を運べた。
「んっ、ふあぁぁあ…あれ、フェイトの奴…何処行きやがった?」
真夜中にクリフが目を覚ました。月が雲の狭間から顔を出し月明かりで視線を照らす。クリフのベッドの隣ではフェイトが眠ってるはずだが
ベッドはもぬけのからであり、寝ていた痕跡のある布団だけが月明かりに照らされていた。
部屋の中を見渡してみれどもフェイトの姿はない。そのかわりに閉めたはずの鍵が開けられているドアノブが目に入った。クリフはすぐさま理解した。
案の定フェイトはファクトリーにいた。クリフはわざと大きな音を立てドアを開けたのだがフェイトは気付かなかった。
『まったくこいつは…、生真面目な奴だな。まっ、それがこいつの良いとこでもあるんだろうが…。』
などと思いながらクリフはフェイトの邪魔をしないように部屋の隅から黙って見守ることにした。
小1時間後、
「…右まがりな剣…がたがたナックルに無稼動銃…くそ、何で出来ないんだよ!?」
フェイトの額から顎にかけ幾粒のも汗が流れ地面に滴る。苦労して流した汗の分だけなんとやら、という言葉をよく聞くが今のフェイトにとっては
まったくの勘違い説であった。
「よう、苦戦してるみてぇだな。」
「ク、クリフ!?なっ、何でお前がココにいるんだよ?」
フェイトは自分の目の前に不意に現れた大男に驚いた。と同時に今までの自分の情けない姿を見られていたのか、という恥ずかしさを覚えた。
「いや、何、お前の姿がなかったからもしかしたらと思ってきてみたらビンゴだったって訳だ。」
「…で、どこから見てたんだ。」
フェイトが恐る恐る聞いてみた。
「どこから?それにゃあ二つの意味があるな。いいさ、答えてやる。部屋の隅から・・全部見てたぜ。」
クリフが自分のいた所を指刺しながら笑いながら答えた。
フェイトはクリフの指が示す位置を眺めながら‘何で気付かなかったんだ、と心の中で叫びをあげた。
「…で、どうするんだよ、お前は。手伝う気がないんだったら早く寝てろよ。」
フェイトがそっけなく訊ねた。
「手伝う?そりゃあ手伝う気なんかねぇよ。なにせ俺一人でやるんだからな。」
クリフが腕組しながら答えた。フェイトは‘はぁ?、という顔をする。急なクリフの発言に驚きを隠せない。
「どっ、どういうことだよ、俺一人でやるって・・。まさかお前が続きをするって事か?」
「そのまさかだよ。わかったらさっさと寝て来い、寝不足は体に毒だぜ。それに鍛冶ならお前よか俺のほうが得意なんだからよ。」
確かにこのところフェイトはあまり睡眠時間を取ってはいなかった。寝る時間があるくらいなら少しでも・・と思い寝る間を惜しんで努力していた。
そんな中突然あのクリフから優しい言葉をかけられたのだ。感動しないのは無理という話だった。
「わかった、じゃあ後は任せるよ。」
「ああ、任されたぜ。」
フェイトはファクトリーをあとにした。そしてベッドに入ってからというもの、
『あいつもこういう時はやっぱり頼れる兄貴分って感じだよな。』などと思いながら健やかな眠りについた。
翌日、久しぶりにゆっくり寝ることができたフェイトの心は清清しかった。そして晩のことを思い出し軽快な足取りでファクトリーへ向かった。
「クリフ、調子はどうだい?」
そう言いながらファクトリーのドアを開けたフェイトは不意にむさくるしい空気に包まれた。一晩中密閉された空間で鍛冶仕事をしていたのだ。
部屋の温度は優に40度は超えていたであろう。
「うわっ、なんだ?凄い温度じゃないか…、クリフ、大丈夫か。」
部屋中に充満する蒸気の奥からクリフが顔を出した。
「よう、来たか。見ろ、改心のできだぜ!」
そう言い放ち、不意にできたばかりであろう物をフェイトめがけて放り投げてきた。視界がままならない中、勘でそれをキャッチした。
クリフがどんな武器を作ったのか、とまじまじと眺めたフェイトの顔は赤面した。それはピンク色で微妙に反ってありマツタケのような形をしていて
なおかつスイッチまで付いておりスイッチを入れると激しくうねり始めた。
「な、何だよこれ!お前これって・・ロ・・ローターじゃないか!!??」
「おうよ、俺様の最高傑作だ。」
腕を組みながらクリフが鼻を鳴らしている。
「なんてもの作ってんだよ、武器作ってんじゃなかったのかよ。あ〜っ、だからクリフはおっさんっていわれんだよ!!
そもそも鍛冶で何をどうしたらこんなものできるんだよ!?」
フェイトが頭を激しくかきむしりながら怒声をあげた。
「てめっ、またおっさんって言いやがったな!?ガキのくせに。それにそれは立派な武器だぜ、よく考えてみろ。そいつをネルみてぇな女に使えば
どんな気の強い奴でも一発デ「そういうのがおっさんって言うんだよ!!」
ドスっっ 鈍い音が響き渡る。フェイトが放ったリフレクト・ストライクがクリフにクリティカルヒットした。いつものクリフなら耐えられるのだろうが
さすがに無防備状態の上に睡眠不足ということもありその場で悶絶、気絶、爆睡と落ちていった。
「くそっ、クリフの奴、こんなのどうすれってんだよ。恥ずかしくてギルドに持ってけないじゃないか。」
ファクトリーを出た後、これを特許申請するのをためらったフェイトは広間にきてジュースを飲んでいた。ブルーベリーの果汁100%の濃くてかつあっさりした
なかなかうまい飲み物だった。ジュースに差し込んだストローに息を送り込みぶくぶくと気泡を立てて時間をつぶしている。
『こんな物の特許とったら…周りからなんて思われるだろうか?そもそも発明品リストに僕の名前で載るんだよな、アイテム名 ローター 発明者 フェイトって…
そればかりはさすがに…。くそ、一瞬でもクリフを頼れる兄貴分だなんて考えた自分が恥ずかしい』などと思いながらピンクの物体をまじまじと眺めていると、
『ちょっと、あそこの青髪の人、なにみてるのよ。』『うわっ、アレはだめだろ。』
というような会話が聞こえてきた。この星でローターというアイテムを知ってる人は滅多にいないだろうがこれが放つあからさまにイヤラシイ雰囲気が読み取ら
れているのであろう。そういえばさっきジュースを届けに来たウェイトレスもしどろもどろしていた。
フェイトは慌ててそれをしまいジュースを一気に飲み干しその場をあとにした。
「ついに来てしまった…」
などと言いながらフェイトはギルドの前にいた。しかし今ひとつフン切れがつかない。入り口の前でうろうろしていると、
「おや、フェイト、どうしたんだい?今のあんた…挙動不審で怪しかったよ。」
不意に後ろからネルが姿をあらわした。フェイトがどきりとしているとネルが目ざとくもフェイトのポケットの中に何か入っているのを見つけた。
「なんだい、そのポケットの中に入っているのは…?ちょっと私に見せてごらんよ。」
ネルがポケットに手を伸ばしてきたのでフェイトは慌ててネルの手を払いのけ、
「えっ、いや、あの、その、これ、今から特許申請してくるので他の人にさき越されたらそれはそれで嬉しいんだけど急いでいるので失礼します!」
あまりの突然に舌のうまく回らなかったフェイトは意味不明な言葉を残しギルドの中に逃げるように入っていった。
「なんなんだい、いったい・・?変なやつだねぇ。」
ネルは首を傾げながらその場をあとにした。
「うぁれ、(ゴクン)フェイトさんじゃないですか。どうしたんですか。あっ、わかった!良いアイテムができたから特許申請に来たんですね?やりましたね、さすがフェイトさんです!!」
朝ご飯であろうサンドイッチをほうばっていたウェルチがフェイトの来訪に気付き駆け寄ってきた。
「でぇ、フェイトさん、どんなアイテム作ってきたんですか?これで一発逆転するといいですね!!へへっ、ほんとはひいきしちゃいけないんですけどね。」
ウェルチが照れながら頭を掻いている。
「それなんだけど…今回のは流石に君には見せられないから…ギルドマスターを呼んできてくれるかな?」
フェイトが苦し紛れに言った。
「ふぇ、マスターですか?いいですけど・・ちょっと待っててくださいね。マスタ〜、お〜呼〜び〜で〜す〜よ〜。」
なんとも間の抜けた呼び声が響いた。しばらくしてから地下室からギルドマスター(GM)の頭が飛び出してきた。
「なんじゃいウェルチ、どうしたんじゃ?おや、フェイト君よく来たね。で、何の用事か?」
「はい。えーと…とりあえず向こうで話しませんか?流石にココじゃ…。」
フェイトがウェルチの事を気にかけながら手を合わせて頼んでいる。
「なんでですか〜?私だけ仲間はずれですか〜?」
ウェルチがステッキを振り回しながら叫んでいる。どうやらご立腹のようだ。
「ごめんなさい。お願いですから今回だけは…、お願いします。」
フェイトの必死の説得にやっと彼女も折れた。
「わ〜か〜り〜ま〜し〜た〜。ちゃっちゃと済ませちゃってくださいね。」
「で…なんだいフェイト君。ウェルチにも見せられない物って?」
GMが首をかしげている。
「はい、実は…これなんです。」
フェイトはポケットから例の物を取り出した。
「おぉ、これはなかなか…フェイト君、君も若いのになかなかやるねぇ。」
GMはフェイトが出した物を手に取り丹念に眺めている。
「まさか。僕がそんなもの作るわけないじゃないですか。僕の仲間のおっさんが作ったんですよ。」
フェイトは製作者が自分だという考えを全力で否定した。
「それにしても、これはなかなか良い出来だな、おぉ、このスイッチを入れたら動きよった。ふむ、これなら好評価が出そうじゃ。」
「マ、マジですか…?」
フェイトの背筋を電撃が走った。『まさかこんなもので高評価が出るなんて』
「しかし、わしだけじゃこれに点数をつけられんのぅ、どうしたものかのぅ。」
しばらく悩んだ後、ポンと相槌を打ち、
「そうじゃな、採点はウェルチに任せるとしよう。」
「ええ!!??」
せっかくウェルチには見せまいと努力したのに…、というより彼女にまかせるっていったい…
「ウェルチ、ちょっと来ておくれ。」
「ええ?ちょっ、ちょっと待ってくださいよ!」
遠くからは今行きまーすという彼女の声が聞こえてきた。
「なんですか、マスター?って、それ…。」
見られた、これで自分も終わりだ、とフェイトは思った、が実際そうではなかった。
「すっごいじゃないですかぁ。これって・・フェイトさんが作ったんですか?うひゃー、ほんとすごいですねー。ちょっと貸してもらっていいですか?
へー、これは凄い。これなら高得点間違いなしでしょうけどマスター、これいったい何点ですか?」
ウェルチがあどけない声で訊ねた。
「いや、その事なんじゃがな、その採点、お前に頼んでもいいかの?何しろ男のワシじゃいろいろとアレじゃろ。自分で使ってみて、点数を出すのじゃ。」
「ええ!!??」
驚くフェイトを横目に彼女は
「えっ、いいんですか?(よっしゃ!!)頑張ります。」
ウェルチは右手で敬礼し、左手ではガッツポーズをしている。
「…で、いつします?今しちゃいますか?」
「そうじゃな、その方がいいじゃろ。」
この二人の会話が物凄く自然に聞こえてくるのが怖い。
「フェイトさんはどうします?あなたも見ていきますか?」
ウェルチがローターを片手にフェイトに訊ねた。
「えっ?見ていくか、って事は・・まさか…////// そんなこと出来る訳ないじゃないか!」
フェイトの顔は真っ赤になった。
「あの、その、ぼ、僕はいいです。ひょ、評価が出たらテレグラフで知らせてください、それじゃ!」
フェイトは凄い勢いでギルドを駆け出し宿へと戻っていった。
「なんなんでしょうか、フェイトさん?見てってくれても良いのに・・。ま、いっか。じゃあマスター、
ちゃっちゃと終わらせちゃいますね。」
宿に戻ったフェイトは落ち着かなかった。
『自分が作った(事になっている)ものであどけない少女が自慰行為をするなんて…。』
フェイトは頭の中のそのシーンを創造してしまう。
『うっ、これはこれでなかなか…って何考えてるんだ僕は』
と自分を戒めてはいるがフェイトはまだ19歳。我慢しろというのも無理という話であろう。
『でも…ちょっとぐらいなら…平気かな?でも今更戻る訳にもいかないし…テレグラフで見れないかな?』
興奮する自分を抑えながら震える手でテレグラフを開く。ビンゴだった。画面の中では 特許申請するアイテムの試験採点会 という題名までついて
ウェルチがローターを差し込んでいた。
『うぅ、やっぱり・・これ良いですよ、マスター…。これなら・・ひゃ、100点間違いなしですよぉ・・。』
『ウェ、ウェルチ、そろそろ止めたほうがいいんじゃないのか?」
GMはおろおろとした態度で自慰行為に浸るウェルチを止めようとしていた。
『邪魔をしないでください…ひゃ…まだイッテないし…あふ…スイッチも入れてないんですよぉ…あっ…私の…ステッキより良い…』
テレグラフを通してリアルタイムで女性の自慰を観賞していたフェイトの物はそそり立っていた。
『すご、アレってあんなに気持ちいいんだ…。ウェルチさん、あんなに感じて…。』
画面の中でローターを何度も抜き差ししているウェルチを見てフェイトの物は耐えられなくなった。
「うっ、ウェルチさん…いいですよね…?抜いちゃっても…。」
テレグラフを片手で持ち、もう片方の手でズボンを下ろそうとした。しかし片手ではなかなか上手くいかない。両手でやろうものにも
この映像を1秒でも見逃したくないフェイトにとってそれは無理だった。悪戦苦闘するフェイトを尻目にウェルチがスイッチに手をつけた。
『いやぁ、凄い…あっ…私の…中で…激しく…動いてるぅ!!』
ウェルチも既に絶頂にたどり着くところだったがそれより先にフェイトのほうが絶頂を越えてしまっていた。しかしズボンを下ろせないために
射精できないというなんとももどかしい状況に落ちいっていた。
「うっ、もういっそのこと!!」
耐えられなくなったフェイトが全てを解放そうとしたとき、
「くぉらぁ!!フェイトォ!!」
「なっ、ク、クリフゥ??」
先ほどの眠りから覚めたクリフが目覚めと同時に猛獣を思わせる暴走を始めた。腹を蹴られたこともあるが
それ以上に自分の製作物が馬鹿にされたのが腹に立ったらしい。そういうところがこいつの馬鹿げた所である。フェイトを探す手始めとして宿に戻ってみるとそれがビンゴだったらしい。
これも野生の勘って奴だろう。
「うぁあぁ!」
フェイトは急いでテレグラフを切り窓から外に逃げ出した。
「待ちやがれ!!!」
クリフもすかさず窓から逃げたフェイトを追った。ここからはさすがクラウストロ人といったところか。その恐るべき瞬発力で一気に差を縮める。
『やばい、このままじゃ捕まる。どこか良い場所はないか?』
そう思い全力疾走する最中良い隠れ場所を探していた。曲がり角を曲がったところで視界に飛び込んできたのがギルドだった。先のこともあり
入るのを一瞬ためらったが自分の命には変えられない、と意を決して飛び込んだ。ギルドの前を全力で駆け抜けるクリフの足音が聞こえてきたが
すぐさま過ぎていった。何とか一命を取り留めたフェイトは次に自分の状況を再確認した。
『えーと、今自分はクリフに追われててそれでココから出るとまた危なくなるから出るのは危険なんだけど、自分的にはココに…いたいのだろうか?
なっ、なら問題ないか…。』
最初の頃のフェイトならすぐさまココを飛び出していたであろう。しかし先ほどウェルチの自慰行為に快楽を覚えた身、今すぐにでも彼女に会いたくてしょうがなかった。
「あれれ、フェイトさん、いたんですか?今連絡しようとしてたんですけど…。」
受付の中から顔を出したウェルチがフェイトを見つけて呼びかけた。
「あっ、ウェ、ウェルチさん…。」
フェイトの鼓動が激しくなった。怪しまれないよう平全を装ってウェルチの下に近づく。
「本当に今連絡しようと思ってたんですが…さき越されちゃいましたね。」
ウェルチがペロっと舌をだす。何気ない動作までフェイトをそそった。
「あっ、そうだ。せっかくだし、テレグラフ開いてもらえますか?」
「えっ、どうしてですか?」
ウェルチの意味不明な発言にフェイトが首をかしげた。
「気にしない気にしない。」
ウェルチに押されるようにしてフェイトはテレグラフを開いてみる。
『「おめでとうございます。あなたはランキング1位になりました。」』
「えっ?」
テレグラフの出音部と自分の真横から同じ声が聞こえてる。
液晶画面を見ればいつも通りに不思議なステッキを持ったウェルチの姿が映し出されている。振り向いてもしかり。
「ウェルチさん…。」
フェイトは言葉にならない思いを感じた。
「えへへ、やっぱりこういう事はいつも通りに知らせないとね。」
彼女は照れ隠しに頭を掻いている。
「さっきのあなたの作品が評価100を叩き出しました。まぁ私の独断なんですけど…。
それで今まで1位だったミスティさんを抜いてあなたが1位になりました。良かったですね、流石フェイトさんですよ。」
フェイトの感情は言葉にならなかった。出そうとしても出せない。しばらくの時が流れる。
「それでですね、1位になったご褒美に秘書兼受付兼連絡係の私から何かしてあげたいんですけど…いいですか?」
「えっ、あぁ、ご褒美ですか、よ、よろしくお願いします。」
突然の発言に一瞬ためらったが拒む必要はまったくもって皆無、ご褒美という言葉にときめきながら返事を返した。
「じゃあ、私についてきてください。」
フェイトはウェルチに導かれるままについていく。受付の奥に扉があり、その扉を抜けると
20段ほどの階段があった。その先には2重に鍵がしてある部屋があった。ウェルチがポケット
からキーホルダー付きの鍵を出し、錠を空ける。フェイトは『ここが彼女の部屋なんだろう』と
感じた。
「さて、着きました〜。とりあえず〜…適当に座っちゃってください。」
ウェルチが振り向きざまに言った。
『ココがウェルチさんの部屋か…。シンプルな部屋だな…。』
などと思いながらフェイトは窓際付近にあった手ごろなイスに座った。フェイトにとって
今までに部屋に入れてもらったことがある女性は一人、ソフィアだ。ソフィアの部屋には
可愛い系のマスコットや人形、ピンクのカーテンといった現代系の女の子の部屋であったが
この部屋は違った。文明レヴェルの違いもあるのだろうが、その分を差し引いて考えても
明らかに物の少ない部屋だった。シンプルイズベストという言葉が一番似合う部屋だった。
必要以上のものはない、強いてあげればあの不思議ステッキが壁に5,6本掛けられているぐらいだった。
「サッパリした部屋だね。」
フェイトが何気なく訊ねてみた。上手くいけば彼女の性格の深いところまで読み取れると思って。
「そう思いますか?やっぱりそうなんだ、いえ、あの、私あまり他人の家って行かないし、
それにあまりごちゃごちゃするの嫌いだから必要以上のものは置かないようにしてるんですよ。」
意外な回答だった。フェイトはてっきり仕事で忙しいから、という感じの回答が返ってくるものだとばかり思っていた。
フェイトは考えるのをやめた。それ以上は無駄だ、と判断したためである。
「と、ところで、ご褒美って…いったいなんですか?」
フェイトはとうとう本題に切り込んだ。自分自身としては先のこともあり
ご褒美というのはアレ系かな、と少しばかり考えていた。
「ふぇ、ご褒美?…あーっ、そうでしたそうでした。すっかり忘れてました。
それじゃあとりあえずズボン脱いでもらえますか?」
「ぇえっ?」『ビンゴ』
フェイトは口では驚いてみせるが、内心は予想通りの展開に胸を躍らせていた。
「ぶしつけでしたか?フェラチオしてあげようと思ったんですけど。いや、やっぱり女性ができるご褒美っていったら
やっぱこれじゃないすか〜。いやでしたら無理強いはしませんが。」
「そんな、とんでもない、あなたにそんなことしてもらえるなんて…感激ですよ。」
フェイトはこのチャンスを逃すまいとご機嫌取りに必死だ。
「わっかりました。頑張らせていただきます。それじゃあ早くズボン脱いじゃってください。」
フェイトはいまだにズボンをはいていることに気付きすぐさま脱ぎ捨てた。既にフェイトのものは
あのクリフ特製のローター並みに肥大化していた。
「うぅわ、おっきいですね〜、あのローターぐらいありますよ。流石フェイトさん。クリエイションといい、
この大きさといい、さすがですね〜。」
目をキラつかせながらウェルチはフェイトのナニを見ている。
「それは…誉められてるんですか?」
「もちろんですよ〜、それじゃあ始めますね。」
そそり立つ一本の大木が未知の空間へと吸い込まれていった。その空間の中は
やけに気持ちがよくヌルヌルしており時折木の根や先っちょをチロチロと舐める物もあった。
「うぁっ、ウェルチさん…気持ち良いですよ…もっとしゃぶってください!」
イスに座っているフェイトは自分の目の前で足をつきながらフェラチオをしてくれている少女の
頭を自分の股深くへと押し付けた。
「ふぁ、フェイトふぁん、ふぉんなにしなくても大丈夫れすよ、ちゃんと自分でれきますから。」
顔を押し付けられたウェルチはフェイトのものが喉に詰まりそうになったので慌てて押し返した。
「ご、ごめんなさい、痛かったですか?」
フェイトがしまった!と思い押さえつける手を離した。
「らいじょうぶれすよ。」
微笑みながら答える。それにしても彼女の吸引力には物凄いものがあった。
物凄く吸い付きがよく、余すとこなく吸い付いてくる。普通の男なら一度口に含まれただけ
あまりの気持ちの良さに気を失ってしまうだろう。
チュパチュパというありきたりな隠音が聞こえてくる。
「うぁれ?フェイトふぁんのもの、むぁた大きくなりましたよ。」
これほど高度なフェラチオテクなのだ。大きくなるのも無理はない。
「っ、あっ、ウエルチ…さん…もっと、もっと激しくしてください!」
あまりの気持ちのよさにフェイトは意識を失いそうになったが、それを激しく
上回る欲望のおかげで免れた。
「あっ、ウェルチさん…舌も…もっと使って…もらえますか?」
「舌れすか?わかりました。んっ、ハァ、んっんっ、むるかしいれすね、なかなか。」
ウェルチは悪戦苦闘したが、これも天性のセンスであろう。すぐにマスターし、フェイトを
更なる快楽へ誘って行った。太い幹を上から下に丹念に舐めていき、やがてたどり着く、
二つの袋を口に含み舌で転がす。
「うぁっ、ウェルチさん、気持ちよすぎ…あぁっ、出る!全部飲んでください!」
フェイトは彼女の口の奥深くに自分の物を挿し込み快楽の証を飲ませる。
「ハァ、ハァ、ハァ…ウェルチさん・・凄い気持ちよかったです。」
大量の射精に満足したフェイトの顔は生き生きしていた。
「(ゴクン)そうですか、それは良かったです。私としてはフェイトさんの物、凄くおいしくて
満足なんですけど…あの、一つお願い聞いてもらえますか?」
ウェルチの潤んだ瞳を見せ付けられフェイトはその場から動くことが出来なくなった。
「いったいなんですか?今のお礼もあるし、僕にできることは何でもしますよ。」
ウェルチはほっとした表情を出した。そしておもむろに自分のズボンを脱ぎ捨て
その潤んだ瞳で哀願してきた。
「あの…ですね…フェイトさんの物舐めてたら…なんだかココ…濡れてきちゃったんですよね、
それになんかジンジンするし…フェイトさんのおチンチンで…静めてもらえませんか?」
フェイトとしては最高の展開に成りつつあった。
「ふふ、わかりました。僕でいいのなら…力を貸しましょう。」
「ありがとうございますぅ。」
ウェルチが自分のあそこを抑えながらぺこりとお辞儀をする。
「とりあえず…ベッドに移動しましょう。流石にココでは…。」
と言うとフェイトは彼女を抱き上げベッドの上に優しく降ろした。
「あ、ありがとうございます…実は足元フラフラで…立てなかったんですよ…。
それで…すぐに始めてもらえますか…?」
彼女の愁いを帯びた瞳がフェイトの脳の奥底を刺激する。
「わかりました。でもその前に、上の服も脱がせちゃっていいですか?」
ウェルチは黙ってうなずく。フェイトは早速服を脱がせにかかった。ファスナーを下ろすときの音、
服の擦れる音、全てがフェイトの欲望を掻き立てる。脱がせ終わり生まれたままの状態の彼女を
まじまじと眺めフェイトの鼻息が荒くなる。全てにおいて無駄のない躯。
胸は小ぶりだが美乳と呼ぶにふさわしい。腰からお尻に掛けてまではきゅっと締まっている。
余分な肉はどこにも着いていない、小さくて綺麗な身体である。
秘部にはほんのりと毛が生えておりピンク色の割れ目が見える。男なら人生において一度ぐらいは
このような可愛い彼女とやってみたいものであろう。今から自分はそんな娘とやるんだ。
と心の中で叫びをあげた。
フェイトはまず、彼女の双丘をいじり始めた。とてもやわらかくそれでいてしっかりとした
弾力もある。片方の丘には口を、もう片方の丘には手を当て、この気持ちのよさを心ゆくまで堪能した。
勃起した乳首からは甘い匂いと共にそれに伴った甘さがついてくる。その甘さを求め、
フェイトは赤ん坊のようにウェルチの胸に激しく吸い付く。吸い付くたびにウェルチからは
甘い声が漏れ、下半身の洞穴からは水が漏れてくる。フェイトはその洞穴にも興味を示し空いている
片方の手でそこをまさぐり始めた。
「ひゃぁ、ふぁ…フェ…フェイトさん…じらさないでくださいぃ…。」
フェイトの指がウェルチの中を激しく動き回る。そのたびに彼女からは甘い喘ぎが溢れてくる。
「まだだよウェルチさん。せっかくココまできたんだからもっと楽しみましょうよ。別に嫌いじゃないんでしょう?
今日のローターも気に入っててくれてたみたいだし…。」
洞穴から漏れていた水は一気に川へと変わった。自分のあの姿を見ててくれたのか、と思うたびに
ウェルチはイキそうになる。
「フェ・・フェイトさん…お願いします…ひゃっ、このままじゃ…入れてもらう前に…逝っちゃいますぅ…。」
流石のフェイトもこの状況で哀願されればどんな内容でも聞いてしまうだろう。仕方なしに胸に吸い付くのをやめ
自分のナニを握りウェルチの物へと接させた。
「それじゃあいきますよ、思い切り逝っちゃって下さいね。」
フェイトがウェルチの細い体を貫く。フェイトは彼女を抱え、抱き合う形を取った。貫き、動くたびに喘ぎ声が激しさを増していく。
「うっ、あっ、あっ、いや、いい、そこ、あっ、ふぁ、ふぁぁ、いく、逝っちゃう、フェイト、さん、
私、逝っちゃいます!」
フェイトに抱えられながら快楽の渦に溺れたウェルチにはもはや限界だった。
しかし逝くときは一緒に逝きたいという彼女の望みが少しでも彼女を長らえていた。
「っ、ハァ、ウェルチ、僕もイクよ、一緒にイコう!!」
「ふああああぁぁぁぁぁぁ・…」
ウェルチの中からは絶え間なく白い液が流れている。
「ところでウェルチさん、一つ聞いてもいいですか?」
すっかり落ち着きを取り戻した二人は彼女の部屋で会話をしていた。
「なんですか?」
「あなたさっき僕に1位に成ったご褒美にって奉仕してくれましたよね。
それって他の人にもしてるんですか?」
「あぁ、そのことですか。ええと、解答は×です。だって今までしばらく1位
ミスティさんでしたし、マクウェルさんも以前なってたんでしたが逃げられちゃったし…。
あっ、そうそう、昔クリエイターが少なかったときダムダさんが1位だったんですけど…
流石におじいさんはねぇ…。」
「これからも御ひいきにしてくださいねぇ〜。」
ギルドのドアからウェルチがステッキを振っている。
今日の余韻に浸りながら宿への道を進めていたフェイトだが、
「よう、フェイトォ、今お帰りかい?待ちくたびれたぜぇ。」
宿屋の入り口の前ではクリフが構えていた。
フェイトの顔は火照っていて赤かった物から血の気が引いた青へと変わっていった。
口を金魚のようにパクパクさせている。
「さて、さっきのお返しをさせてもらうぜ…歯ぁくいしばんなぁ!!」
クリフが拳を振り上げたので迷わず逃げ出した。
しかし先ほどやってきた身、下半身に力が入らない。あっという間にクリフに捕まってしまった。
「無限にいくぜぇ!!!」
「あれ、クリフ、フェイトはどうしたんだい?」
宿でクリフらの部屋を訪れたネルが訊ねた。すでに月は高く良い子はおねむの時間だった。
「あぁ、あいつなら今日は野宿してくるってよ。今ごろ寝袋にでもつつまさってんじゃねぇのか?」
クリフは遠い眼をして答えた。
おしまい