「マジどうする?こんな状況じゃ、先進めないぜ!」  
クリフがややイライラしながら叫んだ。  
現在、フェイト達は、交易都市ペターニの酒場に来ている。  
もともとここは「月影」の溜まり場であったが、アミーナ救出の際、  
ロジャーの「男を上げる」ため、リーダーもろともフェイト達が彼らを叩き潰したため、  
現在は多少、安全になっていた。  
「・・・アンタが敵につっこみすぎなんだよ。もう少し考えて戦ったらどうだい?」  
ネルがヤケ酒でビールを一気飲みしているクリフに突っ込んだ。  
それを聞いたクリフはビールをテーブルに叩き付け、怒鳴った。  
「んだと?お前こそ、ちょっと苦戦したら真っ先に逃げるくせに!」  
今度はネルの顔が歪んだ。  
「あたしは、状況を冷静に判断した結果、引いたほうがいいと考えただけだ。  
 自分と相手の力量も考えずに、ただひたすら突っ込むのは、馬鹿がやることさ」  
「じゃあ、お前はこの俺が弱いから負ける、そう言いたいのか?」  
「別にそうは言っていない。ただ、戦術も考えずに突っ込むのはやめろ、と忠告してるだけだ」  
二人の口論は激しさを増した。  
 
クリフはともかく、普段冷静なネルまでも熱くなってしまうのには原因があった。  
アールグリフとの戦争が激化し、フェイト達の戦いもだんだんつらいものとなっていた。  
武器、防具は現在使っているものではとても耐えられるものでは、ないが、金欠で購入不可。  
回復アイテムはブルーベリー程度では回復が追いつかないし、  
かといって貴重な完熟ベリーなどは、まだまだとっておきたい・・・。  
さらには、状態異常攻撃を頻繁にされるようになり、それ用のアクセサリーも欲しい・・・。  
つまり、「ない・ない・ない」状態なのである。これでは、父やソフィアに再会するどころか、  
ここで生き延びることすら難しい。  
そんな状態でフェイト達は進んでいたため、当然ながら、なんども全滅の危機に瀕していた。  
つい先ほどもモーゼル砂丘に向かおうとして、サーフェリオにうろついている敵にボロボロにされ、  
やっとの思いで、ペターニまで逃げ帰ってきたのである。  
 
「二人とも落ち着いて!ここで口論しても始まらないよ。何か、方法を考えよう」  
フェイトが二人をなだめた。  
クリフはたったまま、残っているビールをすべて飲み干すと、  
「・・・フェイトの言うとおりだな。悪かったな、ネル」  
と言うと、ネルのほうも立ち上がり、いつもの表情で  
「ま、あたしもイライラして、つい勘に触ること言ってしまったからお互い様さ」  
と言った。  
 
このまま酒場にいても仕方ないので、街を歩いて、方法を探すことにした。  
そして、西通りに行ってみると、  
「おい、二人とも、こんなところに店があるぞ?」  
クリフが見つけたその店は、少しぼろっちい建物で、入り口もやや奥にあり、となりの建物の影で  
目立たないため、アミーナ救出するときにはまったく気づかなかった。  
「職人ギルド?まあ、行ってみる価値はありそうだね」  
表の看板を見たネルが言った。 
 
ギルドに入った3人は、  
中にいたウェルチという女性から「アイテムクリエーション(IC)」について説明された。  
工房を使って、さまざまなアイテムが作れること、特許申請したアイテムはショップに  
流通され、特許出したものはそれを、定価よりも安値で購入できることなど・・・。  
そして、支度金1000フォルと、工房を貸してもらった3人は、さっそくICを始めた。  
 
しかし、丸一日費やしてできたものは、スイートポット、カレーライスだけで、  
あとは穴開き鎧や、スーパードリンクなど、失敗作だらけに終わった。  
「やはり僕達だけでは物足りないね」  
フェイトがため息混じりに言った。  
「まあ、たしかにな。俺は鍛冶や機械の類は得意なんだが、  
 料理関係や細かい仕事はさっぱりだしな」  
とクリフ。  
「それもあるが、現在の資金では、この工房は、調合、料理、細工が可能なのだが、  
 資金の関係でラインが1本しか引けないので、効率が悪いな」  
ネルも腕組をして言った。ネルは続けて、  
「工房は各地にあるみたいだから、ここは各自散開して、街ごとに生産をしたらどうだろう?  
 それに、各地には私ら以外にもクリエイターがいるわけだから、彼らと契約して、行えば、  
 生産も楽になると思うのだが」  
と提案した。  
 
こうして、ネルの提案をもとに、クリフはアリアスで武器生産、ネルは顔も利くシランドへ向かい、  
料理や調合、フェイトはここ、港町ペターニで細工をすることとなった。  
まず、フェイトは腕のいい、細工専門のクリエイターを探した。  
しかし、ペターニには、それを専門とする人はおらず、フェイトはいきなり躓いた。  
 
途方もなく道を歩いていると、西門のほうに、人形遊びしている子供を見つけた。  
その子供はまるで獣のような耳で、さらにはしっぽまであった。  
その姿は、アミーナ救出を手伝ってくれたロジャーに似ていた。  
興味を引かれたフェイトは、その子供に話しかけた。  
「やあ、キミ。変わった格好をしているけど、どこからきたの?」  
子供は不思議そうな顔をして、  
「あんたしゃんはだれでしゅか?ままからシラナイヒトとは話さないように、っていわれてるんでしゅ」  
と答えた。フェイトは笑って、  
「ああ、ごめんごめん。少し前にロジャー、っていう君と似たような子供に会ったんでね。  
 ちょっと興味惹かれたんだ」  
すると、子供の顔が笑顔に変わった。  
「あ〜、あんたしゃんひょっとして、このあいだ、ロジャーのおやぶんが新しくひゅーまんの  
 こぶんができたっていってたんだけど、あんたしゃんのことでしゅか?」  
これにはさすがにフェイトも苦笑した。  
「まあ、そんなものだね。キミは彼のことを知っているの?」  
「しっているもなにも、あのおかたは「おとこのなかのおとこ」でし!ウチのむらではゆうめいじんでし!」  
とエヘン!と胸を張って答えた。  
「そうなんだ、彼は今、村にいるのかい?」  
と聴くと、その子は急にしゅんとして、人形を抱きしめると、  
「でも、また「おとこをみがくしゅぎょう」にでかけてしまったでし。  
 ぼくはしょうらい、おやぶんのけらいになりたいから、おやぶんがかえってくるのを  
 この「ばーにぃ」とまってるでし」  
フェイトはその「ばーにぃ」と呼ばれている人形を見た。  
その人形は非常にうまく縫われていて、つついてみると、まるでマシュマロのようフニフニしていた。  
「このお人形、よくできているね。お母さんに縫ってもらったのかな?」  
「ううん。すたーあにすのおねえちゃんにつくってもらったの。おねえちゃんはむらでも、  
 いちばんきようなことでゆうめいなんだよ!」  
また、顔を明るくさせて、その子は答えた。フェイトはピンときた。  
「よかったら、その「スターアニス」っていう人に合わせてくれないかな?」  
「うん。おやぶんのけらいなら、むらまでつれていくでし」  
こうして、フェイトはその子の村、異人の町「サーフェリオ」に向かった。  
 
「じもとのニンゲンじゃないとしらないみちでしよ」  
という、非常に狭い洞窟をとおり、むらまでたどりついたフェイトは、  
村長の家に案内された。  
フェイトはその子にお礼をし、その家に入ると、  
村長と思われる人物がやってきて、  
「これはこれは、ヒューマンの方がここにこられるのは珍しい。  
 ささ、奥へどうぞ。今日はもう遅いですから、ここへ泊まっていってくだされ」  
と中へ案内され、おいしいご馳走まで頂いた。  
食事中、いままでのいきさつを村長に聞かれたので、フェイトが答えると、  
「そうですか・・・。これは息子がお世話をおかけしたみたいで申し訳ない」  
と頭を下げたので、フェイトは驚いた。そういえば、ロジャーとこの村長はそっくりである。  
「いやいや、息子さんのおかげで僕達が探していた人が見つかったので、お礼を言うのは  
 こちらのほうですよ」  
とフェイトは答えた。  
「かたじけない。あんな子でも、ワシらにとっては大事な息子、お役に立てて、うれしい限りじゃ」  
村長は涙を浮かべていた。しかし、フェイトの顔を見ると、涙を拭き、また笑顔に戻った。  
「おっと、フェイトさん、これは失礼した。お食事中にはしたない姿をお見せして。  
 ささ、おかわりはいくらでもありますからどうぞどうぞ」  
「はい、ありがとうございます」  
フェイトがそう答えると、視界に、まだ並べられたままの食器が入った。  
「そういえば、まだ食事に来ていない人がいるみたいですが?」  
フェイトが尋ねると、  
「あ〜。スターアニスのことだね。彼女は仕事中で、切り上げたら来る、と言ってたから、  
 もう少し待っててくれ」  
と村長が答えた。  
すると、奥の部屋から足音が聞こえた。  
「お、うわさをすれば、なんとやらだ」  
 
奥の部屋から出てきたのは、  
村長のような、種族ではなく、背中に羽の生やした、フェザーフェルクの女性であった。  
白い肌に、非常にスラリとした背格好をし、紫のショートヘアーがよく似合う。  
そして、その姿から、神秘的なものがでており、白い羽もあってか、  
フェイトは天使をみたような心地がした。  
フェイトは彼女の神秘的な魅力に惹かれた。  
「はじめまして。スターアニスと申します。村長さんのところで、裁縫など、こまかい作業の  
 お仕事をしています。」  
彼女が自己紹介をしたが、彼女の声は非常に透き通った声で、  
まるでことりのさえずりのようであった。  
彼女が食事の席についても、フェイトの視線は常に、アニスのほうに向いており、  
村長の昔話など、耳にも入らなかった。  
 
食事を終え、今日の仕事も終わらせたアニスが家に帰るため、外に出たとき、  
フェイトはアニスに見とれてて忘れていた用事を思い出し、  
アニスを追った。  
幸い、アニスは橋に腰掛け、月明かりでキラキラ光る水面を、  
足でバシャバシャと、遊んでいたためフェイトはすぐにおいつくことができた。  
「アニスさん・・・。あの・・・」  
なぜか、フェイトは言葉が出なかった。  
あわてて外に出たから、息が切れた、というわけでもないのに、、  
なぜか、胸の鼓動が非常に早くなっていたからである。  
 
「はい。フェイトさん、なんでしょう?」  
彼女は笑顔でフェイトのほうを向いた。  
月明かりに照らされ、彼女の神秘的な魅力はついさっきみたものよりも、  
ますます高まっていた。フェイトは顔を赤くして、  
「いや・・・アニスさんに話があって・・・。隣・・・座ってもいいですか?」  
「ふふふ・・・。いいですよ。  
 今日は月が非常に綺麗ですし、水面も月明かりに照らされて  
 まるで宝石のようにキラキラしてますし、外でお話するのも楽しいですね」  
普段のフェイトなら、月や水面の芸術的な美しさに目が奪われるだろうが、  
今の彼の目には、隣に座る天使しか目に入っていなかった。  
周りの景色も彼女の美しさの引き立て役でしかない。  
 
フェイトは気持ちをなんとか落ち着かせながら、いままでの出来事を話、それから、  
彼女に細工関係のクリエイションを手伝って欲しいと頼んだ。  
アニスはにっこり笑って答えた。  
「今の仕事が終わったので、手伝ってもいいですよ。」  
フェイトがフェイトが顔を明るくさせると、アニスが急に恥ずかしげに、  
「そのかわり・・・そのお人形を貰えないでしょうか。契約金代わりに・・・」  
と言った。アニスの言うその人形とは、ダグラスの森で、見つけた  
「限定ドルフィン」のことであった。  
これはソフィアが好きそうだから、彼女に再会したとき、いつでも彼女に渡せるように、  
と、剣の鞘に付けていたのだが、彼女をタダで仕事させるわけにはいかないし、  
それにこういったものならまた買えばいいと思い、  
「いいよ。こんなものでよければ」  
といって彼女に手渡した。  
すると、彼女の顔が一段と明るくなり、その人形をぎゅっと抱きしめた。  
「ありがとうございます。私、かわいいものには目がなくて・・・  
 大切にしますね」  
そう言って、持っていたバッグにその人形を入れようとしたとき、 
 
彼女のかばんから何かが落ち、橋の上で「チャリン」と音を立てると、  
静かに湖の中に落ちてしまった。  
「あ、やだ!あれ、明日届けることになっているペンダントなのに!」  
と彼女は叫び、バッグをフェイトに預けると、湖の中に飛び込んだ。  
「あ、ちょっと!アニスさん!」  
フェイトも慌てて、渡されたバッグと剣を橋に置き、、自分も飛び込んだ。  
案の定、アニスは美しい白い羽のせいで余計に浮力がかかっていて、なかなか深くもぐていなかった。  
しかし、それでも大事な依頼品のため、必死に潜ろうとしていた。  
フェイトが彼女の横まで潜ると、彼女はおぼれる寸前であった。  
フェイトは彼女を抱きかかえ浮上した。そして、彼女を橋の上で横にさせた。  
しかし、彼女は大量に水を飲んでしまったのか、呼吸をしていない。  
いそいで、人口呼吸をしなくてはいけないと思い、あたりを見回したが。  
夜遅いため、人気はなく、すぐ近くの家の人に頼むにしても、  
それだと間に合わない可能性があった。  
となると、残るは自分だけとフェイトが悟り、気道確保を行った。  
そして、次の段階に移ろうとしたが、  
これから行われることを考えると、なかなかできなかった。  
しかし、このままではアニスが死んでしまう、と考え、邪な考えを振り払うと、  
マウストゥマウスを始めた。彼女の唇は柔らかく、フェイトは舌を入れて、もっと彼女の唇を  
味わいたかったが、そこは我慢し、必死の応急措置を行った。  
 
フェイトの人工呼吸のおかげで、彼女はすぐに目をさました。  
「すみません・・・フェイトさん・・・私・・・」  
彼女が小さな声で途切れ途切れに話した。  
フェイトは首を横のフリ、やさしく語りかけるように  
「いや、お礼なんていらないさ。君が生きてたことで十分さ。  
 ペンダントはあとで僕が探してあげるから、今日は家で休んだほうがいいよ。  
 家はどこだい?そこまで僕が運んでいってあげる」  
 
と言うと、彼女は、  
「そんな・・・私は歩けるから・・・だいじょう・・ぶですし・・・ペンダントも・・・私の仕事だから」  
と答えたが、おぼれて体力を消耗しているのは誰の目で見ても明らかである。  
遠慮をする彼女をフェイトは抱きかかえた。  
「とりあえず、その服を着替えないと、風邪ひくだろうし・・・それに・・・」  
フェイトは途中で顔を赤らめ、言葉を失ってしまった。  
抱きかかえた際、彼女の豊かな双丘が服が水に濡れてしまったため、  
透けて見えてしまったのである。  
「それに・・・なんですか?」  
彼女は現在の自分の姿を知らないのか、不思議そうな表情でフェイトに尋ねたが、  
フェイトは慌てて、  
「いや・・・その・・・なんでもないよ!」  
とだけ言うと、視線をなるべく下にしないようにして、彼女の家の前まで来た。  
「ところで、家にはだれかいるのかい?」  
フェイトが尋ねると、  
「いえ、私だけです」  
と彼女は答えた。  
フェイトは服に着替えを家族の方に頼もうとしたが、  
どうやら、これもフェイトがやることになるだろうと思い、顔をさらに赤らめた。  
 
彼女の部屋は、かわいい人形やアクセサリに囲まれていた。  
とりあえず、フェイトは彼女をベッドに横たわらせた。  
そして、洗面所に行き、バスタオルを持ってくると、  
顔を真っ赤にして、言った。  
「あ、あの・・・その、体が濡れているから・・・体拭いて・・着替えないと、だめだよね?」  
するとアニスは、  
「そう・・・ですね・・・おねがいします」  
フェイトとは対照に、彼女は普通に答えた。そのせいか、フェイトの鼓動はさらに高まり、  
もはや、理性を失いそうなところまできていた。  
 
しかし、相手は溺れた人間であり、そうした行為の結果がどうなるか、  
フェイトは考え、なんとか理性を保ち、彼女のびしょびしょになって、  
彼女にまとわりついている「布」を脱がす、というより剥がししていった。  
 
やがて、そこには生まれたままの彼女の姿が現れた。  
すらりとした足。キュっとしまったウエスト。つややかな唇。大きすぎず、小さすぎず、  
形の良い乳房。紫に生い茂った秘所・・・。  
やや幼い顔立ちからは想像もできない、大人の体である。  
まさに、これこそ、美の神ヴィーナスの生きた姿と表現してもいいものであった。  
フェイトも年頃の男である、彼女の姿にしばらく見とれていたが、  
ハッと、われに返り、慌てて体を拭き始めた。  
しかし、彼女の双丘や彼女の秘所を拭くと、  
「あっ・・・」  
と彼女が甘い声を上げるので、フェイトも必死だった。  
おそらく、これから先の人生、これほど苦戦した人命救助はないであろう。  
 
なんとか、体を拭き終わり、彼女に自分が持っていた服を着せ、  
毛布と布団をかけ、村長の家に戻ろうとして、初めて気づいた。  
なぜ、村長の家に連れてってやらなかったのかを。  
そうすれば、着替えなども村長夫人がやってくれたであろうに・・・。  
彼は、しまったと思ったが、なぜか後悔した、という気持ちはしなかった。  
 
翌日、朝一番で起き、アニスの様子を見にいった。  
彼女の家の前に立つと、昨日の出来事が頭の中によみがえり、緊張した。  
なんとか、汗ばんだ手でノックをすると、  
「はーい、どちらさまでしょうか?」  
という、小鳥のさえずりが聞こえた。  
とりあえず、彼女は元気になったみたいだ、とフェイトはホッと胸を撫で下ろした。  
「あの・・・フェイトですけど」  
しかし、やはり声を出してみると、緊張して、なかなか言葉が出なかった。  
扉の奥から、パタパタと足音がし、元気よく、  
バタン!  
とびらが開いた。  
「フェイトさんおはようございます!」  
とアニスが扉が開くなり、元気よく挨拶したが、返事が返ってこない。  
「あ、あれ〜?」  
と思い、扉の後ろを見てみると、そこには扉に挟まれ、伸びていたフェイトの姿があった。  
 
「そうなんですか。結局、ペンダントは見つかったんですね」  
彼女の家で、手当てしてもらいながら、フェイトは、  
朝一番に、湖で泳いでいた。マーメイドの「カトリ」という女性が見つけて、  
事情を聞くと、彼女の依頼人のところまで持っていってくれたらしい。  
「ええ。あのときはどうなるかと思いましたが、  
 これで安心して、フェイトさんのお手伝いができます」  
「え?ああ、そうだね」  
フェイトは慌てて思い出した。  
そう、この村に来た理由はこの村で一番の器用者、アニスに  
ICの手伝いを頼みに来たからであった。 
 
行きと同じ道を通り、ペターニの工房まで戻った二人。  
「わあ〜、いろいろな機材が置いてますね。これならなんでもつくれちゃそうですね」  
彼女は感心した。  
「うん。とりあえず、冒険用の毒よけや石化よけを作りたいんだけど、いいかな?」  
フェイトが尋ねると  
「ええ、がんばりましょう。・・・でも、私がやるとかわいいもの  
 に仕上がっちゃうかもしれないですけどね」  
と片目をつむり、下をぺロッと出した。  
こういう、少女のような行動にも神秘的な魅力があるから、彼女は不思議である。  
 
フェイトとアニスはさっそく作業に取り掛かった。まず、始めにポイズンチェックの作成に  
取り掛かった。  
フェイトも、昔工作をやっていたので、そこまで苦手ではないが、やはり難しい作業であった。  
ポイズンチェックの要である、毒を吸収する魔法の玉をはめ込むところで行き詰った。  
「アニスさん。ここなんだけど、どうすればうまくできるかな?」  
と横でサクサクと作業をこなしているアニスに尋ねた。  
「うーん、すいません。ちょっといいですか?」  
というと、彼女は立ち上がり、彼の後ろから抱きつくようにして、  
手を伸ばしてきて、彼の手を握った。  
「ここは・・・こうして・・・あとは・・・こうやって・・・」  
と彼女が丁寧に説明していたのだが、彼は背中に当たる柔らかいふくらみの感触のほうに  
意識が回っていた。  
「と、いうわけです。わかりましたか?」  
と彼女に聞かれ、我に返った。  
「ああ・・・うん。大丈夫。ありがとう」  
と答えたが、顔は真っ赤だった。  
「?フェイトさん、顔、真っ赤ですけど、熱でもあるんじゃないんですか?」  
と彼女は言うと、フェイトの顔をよこに向かせると、彼女は自分の額を彼の額に合わせた。 
 
「うーん。熱はないみたいですね・・・  
 あ、ひょっとして、昨日のアレのせいで、フェイトさん、風邪引いてしまったんじゃ・・・」  
彼女の顔が申し訳なさそうになった。  
「いや、アニスさんのせいじゃないよ。これは、なんでもないから」  
フェイトが慌てて否定した。事実そうであるし、それに、おそらく彼女の裸が見たいという  
自分の奥底にある欲求で、彼女を村長の家でなく、彼女の家へ連れて行き、  
彼女の着替えをやったことで、胸が痛くなった。  
 
フェイトは気持ちを切り替えるように、2個目のポイズンチェック製作にかかった。  
さっき、説明をまともに聞いていなかった部分もなんとか、思い出したり、  
アニスに確認をとりながらやっていたが、最後、玉を置くにはめ込むため、  
トンカチで玉を叩く作業のとき、  
ゴン!  
「痛っ!!」  
フェイトが悲鳴を上げた。親指を強くトンカチで強打したのである。  
これくらいの作業はいつも簡単にできるのだが、やはり雑念が入っていたのだろう。  
「だ、大丈夫ですか?」  
横で作業していたアニスが、慌てて駆け寄ってきた。  
「だ、大丈夫だよ」  
とフェイトが答えたが、彼女は彼の手を取り、その親指を見た。彼の指は  
黒く腫れ上がっていた。  
「これのどこが大丈夫なんですか!ちょっといいですか?」  
というと、フェイトの返事を待たずに、アニスは彼の親指を口にくわえた。 
 
フェイトは目の前のできごとを見て、ボー然としていた。  
日の光が差し込む工房のなかだけ、時間が静止した。  
「はい、これでもう大丈夫ですよ」  
彼女のその言葉とともに時が再び動き出した。  
我に返った、フェイトは自分の親指を見ると指は肌色にもどり、  
大きさももとに戻っていた。  
「これはいったい・・・」  
フェイトが唖然としていると、  
「じつは私の唾液には、治癒の効果があるんです。  
 ヒューマンの方なら、昔、ひざの擦り傷は、つばつければ治る、って  
 よく言っていたと思いますが、私達の場合、それが本当に直るんです。」  
とにっこりわらって言った。  
フェイトはその女神の微笑をみて、ようやく自分の気持ちに気づいた。  
 
「僕は、彼女を愛している」 
 
 
「う・・・う〜ん・・・」  
フェイトは朝日の光と鳥のさえずりで目を覚ました。  
あのあと、フェイトは常に彼女のことを意識しながら、作業を進めていたが、  
やはり精神力、体力ともに消費する仕事なので、いつのまにか眠ってしまったのだった。  
フェイトは大きくあくびをすると、いつのまにか自分に掛けられていた毛布に気がついた。  
「そうか・・・。僕はいつのまにか、寝てたんだな。この毛布も、  
 アニスさんが掛けてくれたんだな」  
心の中で、そう思うと、彼のアニスに対する思いがふとよみがえり、  
また、赤くなってしまった。  
「だめだ。一体僕はなにを考えているんだ!」  
慌てて首を横に振り、彼女にお礼を言うため、あたりを見回したが、  
彼女の姿はなかった。  
しかし、自分の作業机の上に、見慣れた服と、いいにおいを漂わせている食事が  
あることに気づいた。  
フェイトが起き上がり、そこへ近づく。  
香ばしい香りの食パンに、素材の良さを感じさせる匂いのスープ・・・。  
「アニスさんは、料理も得意なんだな。理想の奥さんだ」  
そう思うと、自分のために朝食をつくっているアニスを想像してしまい、  
「ああ!僕はどうかしている!」  
また首を横に振った。  
 
そして、視線を服のほうに移す。  
それは確かに自分の服である。  
フェイトは、アニスが溺れた際、着替えに自分の服を着せたことを思い出した。  
すると、今度はあのとき見た彼女の美しい肢体が浮かび上がり・・・  
「だから!今はそんなこと考えてる場合じゃないだろ!」  
フェイトは自分の頭をグーで何度か叩いた。  
そして、服を手に取ったとき、メモがその間に挟まっている事に気づいた。  
おそらく彼女が書いたであろう、そのメモを、彼は呼んだ。  
『フェイトさんへ  
  昨日はお疲れ様でした。風邪引くと思い、毛布を掛けました。  
  それから、この間の服、ありがとうございます。  
  服は洗濯して、先ほど、乾かしたものを村まで戻り取りにいってました。  
  本当のありがとうございます。  
  机にある食事は私が作りました。お口に合えばいいですが。  
  余計なお世話だったら申し訳ありません。  
  あと、サンマイト草原で水浴びをしています。  
  すぐ戻りますので、申し訳ありません。  
                                     スターアニスより』  
フェイトはメモを最後まで読むと、ハッと気づいた。  
サンマイト草原は月影が倒れたとはいえ、その残党や、モンスターが  
徘徊する危険地帯であることは間違いない。  
女の子一人で、水浴びなんてできるところではない。  
彼は慌てて、自分の愛剣を持ち、急いで街の西門を走り抜けた。 
 
装備が弱いとはいえ、北東の橋を渡らない限り、  
以前、アミーナを救出した際、戦ってきた敵である。  
フェイトは何度か遭遇する敵を軽く蹴散らし、  
ダグラスの森の東を流れる川まで来た。  
しかし、彼女の姿が見当たらない。  
とりあえず、北の滝の方まで歩いて探してみることにした。  
 
彼が滝のほうに近づくと、滝の方角から、歌声が聞こえた。  
その歌声は、フェイトの中にある、殺伐とした気持ちを落ちつかせ、  
周りを見てみると、蝶や鳥もその歌声に合わせて、踊ったり、コーラスを  
歌ったりしていた。  
その歌声に聞き覚えのある、フェイトはさらに歩みを進めようとしたが、  
ガサッ!  
ラジオのノイズのように、その音が合唱を妨げてしまい、  
鳥や蝶がその音で逃げてしまった。  
歌声の主もそれに気づいたようで、  
「だれ!そこにいるのは?」  
とフェイトに尋ねてきた。  
フェイトは、返事をする代わりに、その声の主の方向へ歩いた。  
やがて、滝の下の水の溜まり場によく映えた白い人影が見えた。 
 
紛れもなく、その姿は彼も良く知る人物、スターアニスである。  
彼女はその美しい肢体を外に晒し、潤いを与えている最中であった。  
フェイトはその美しい肢体を見たのではあるが、自然の中に映える彼女の白い肌は、  
自分が今まで見てきたどの絵画よりも美しい。  
 
一滴の水が彼女の前髪から落ち、首筋を通り、その形の良さをアピールするかのように、  
乳房をなぞり、くびれた腰、すらりと伸びた、2本の足を通りすぎるのを見て、  
フェイトは改めて彼女のプロポーションの良さを感じ、つばを飲み込んだ。  
 
「ああ、フェイトさんですか」  
少し警戒していた、生まれたままの姿の天女は、近づいてきた人物がわかると、  
にこやかに微笑んだ。  
だが、見知った顔とは、いえ、異性を目の前にしても、彼女は  
自身を隠そうともせず、手をふって、フェイトの名前を呼んでいた。  
フェイトは彼女が男というもの、さらには、性知識そのものがないことは悟ったが、  
やはり、こうして、無防備な女性を見ると、理性がどうしようもないところまで来ていることも  
悟った。 
 
「結界を張っていたんで、邪なものは入れないはずだったんですが、  
 万が一、入ってきたらどうしようかと思いましたよ」  
彼女はニコニコしながら話していたが、彼は目前の女性の肢体に神経を奪われていて、  
言葉が耳に入ってこなかった。  
「メモを呼んで、心配してくれたんですね?  
 フェイトさんは優しいんですね・・・」  
彼女は顔を少し赤らめた。男なら、こんなかわいい少女が一人で、  
危険な場所に行ったら、己の危険を振り返らず、助けに向かうものだが、  
やはり、男性知識がないためか、彼女はフェイトが来てくれたことを、  
純粋に感謝してくれている。  
「当たり前じゃないですか!女の子をこんなところに一人でいかせるわけにはいかないよ!」  
彼は理性を破壊されないように、視線を逸らしながらやや上ずった声でしゃべった。  
彼女のために急いだこと、さらには、目の前の刺激的な光景を目にした緊張で、  
彼は額に汗が流れていること知った。  
彼女もそれを知ったのか、少し申し訳なさそうに、  
「私のために、汗だくになりながらも来てくれたんですね?  
 よかったら、いっしょに水浴びしませんか?  
 モンスターや盗賊なら、結界があるから大丈夫ですし・・・」  
 
さすがにこのせりふには、フェイトも参った。  
「ええ!!!!!そ、それは・・・だめだよ!!」  
力いっぱい否定する、再び彼女の方を向いてしまったため、  
また頭に血が上っていくことを感じたが、それどころではない。  
ところが、何もしらない天使は、自身を否定されたと感じたのか  
「あ・・・すみません、余計なお世話でしたよね?  
 でも・・・水浴びしないと、汗臭くなっちゃいますよ?」  
少し泣きそうな表情で、そう言った。  
さすがに、彼女、しかも愛する女性を泣かせるわけにもいかず、  
フェイトは恥ずかしながらも服を脱いだ。  
 
フェイトはすでに暴走しかけている己を持っていたタオルで隠し、彼女が待つ、  
水の中へ体を沈めた。  
以前、アミーナ救出する際、素通りしていたこの川が、  
こんなに気持ちいいものだったんだな、と彼は思ったが、その思いは、  
視線を移した際、すっかり消え去ってしまった。  
移した視線の先には、彼女が滝で自身の体を清めていたのである。  
彼女は鼻歌まじりに、自身の体を手で洗い流していた。  
その手が、彼女の整った乳房を洗い流した際、反動で揺れたのを見て、  
彼は思わず立ち上がってしまった。  
しかし、自身の欲望を表していた分身を隠していた唯一の布を、その際、落としてしまった。 
 
フェイトが立ち上がる音を聞き、アニスは振り返った。  
すると、彼の股には、自分にはついていないものがあり、それが、  
はちきれんばかりな大きさになっていることに気づいた。  
「フェイトさん!それ!」  
アニスはそのモノを指して、叫んだ!  
ここでフェイトは、初めて自分を隠していたものが落ちてしまったことに気づき、  
慌てて、両手で隠した。  
「い、いや・・・これは・・・その・・・」  
フェイトは顔を真っ赤にしてしどろもどろになっていたが、  
アニスは不安げな顔で、彼に近づいていった。  
そして、彼が隠している両手をどけようとしたので、フェイトは慌ててその手に力を入れて、  
どくまいとしたが、やはり、隙間から、自身の様子は見えてしまっていた。  
「っ!!!」  
アニスは息を呑んだ。フェイトはしまった、というような顔をしたが、  
彼女の口から続けて、  
「こんなに腫れてしまって!すぐに治して差し上げますからね!」  
と出たので、一瞬我を忘れてしまった。 
 
彼が再び我に返ったのは、自分のモノが生暖かい感触に包まれたときだった。  
「ア、アニスさん!!」  
彼は目の前の光景を見て、言葉を失った。  
アニスが膨らみきった己を口に咥えていたからである。  
「らいりょうふれふよ・・・あむ・・・ふふに・・・ひふめへはへまふはま」  
おそらく、「大丈夫ですよ。すぐに、鎮めてあげますから」  
と言ったのであろうが、そういう問題ではない。  
フェイトは、欲望だらけの己を、彼女の清楚な口から離そうとしたが、  
「うむ・・・あ・・・ん・・・あむ・・・」  
彼女が昨日、トンカチで痛めた自分の親指を治したように、  
しゃぶっていたので、最期まで残っていた理性がふっとんだ。  
「あ、アニスさん。ちょっといいかな?」  
アニスは一旦、口を離し、  
「ぷはっ、なんでしょう?」  
と尋ねてきた。フェイトは、彼女が何も知らない、ということで後ろめたさを多少感じたが、  
「そこは、ただしゃぶるよりも、舌をつかってほしんだ・・・」  
と要求をしてしまった。  
しかし、純粋無垢な彼女はその言葉を疑いもせず、再び咥えると、  
「はぁむ・・・んむ・・・ん・・・んちゅ・・・こうれふか?」  
と尋ねてきた。フェイトはもはや自分を抑えることができなくなった。 
 
「アニスさん・・・あ・・・いい・・・」  
フェイトは自分が初めて感じる性的な刺激を十二分に満喫した。  
ポルノ雑誌やソフィアのことを思い浮かべて自慰行為をしたことはあるが、  
ここまでの気持ちよさは味わえなかった。  
そんなフェイトの気持ちもしらず、アニスは懸命にフェイトのモノをしゃぶった。  
そして、彼の言われるままに、サオや玉袋を丹念になめ上げ、彼に快楽を与えた。  
フェイトは絶頂が近いと悟ると、彼女に手を使うように指示した。  
アニスは彼のモノを左手で擦り、口でしゃぶった。  
数分もたたずに、  
「う・・・あああ!」  
彼は思わず声を上げて、穢れの知らない彼女の口内に欲望の固まりを注ぎ込んだ。  
「うっ!・・・けほけほっ!」  
さすがに、アニスも口内に、突如流しこまれた熱い液体に驚き、むせてしまった。  
それを見たフェイトはやりすぎたと思い、真剣に彼女の身を案じて、  
「ごめん!大丈夫?」  
と聴いたが、当のアニスはフェイトのその問いに対して、笑顔を見せ、  
「大丈夫・・・。ちょっと苦かったけど・・・。」  
と答えた。フェイトは安心して、彼女の無知をいいことに調子に乗ったことに  
胸を痛めたが、彼女の笑顔が、再び驚きの表情に変わったのを見て、  
「どうしたの?具合でも悪いの?」  
と、真剣な表情で聴いた。  
「そんな・・・また大きくなってる・・・」  
彼女の視線は自分の一物に注がれていた。  
アニスの指摘の通り、一度射精したものの、長い冒険で溜まっていたフェイトのモノは、  
目の前の刺激的な美を前に、再び大きさと硬度を取り戻していた。  
「すぐにまた治してさしあげますから!」  
と彼女は言い終わると同時に、再びフェラチオを開始しようとしたが、  
フェイトはそれを静止した。  
彼女には申し訳ないが、彼はついに一線を越えたいという欲望に勝てなくなった。 
 
「アニスさん・・・これは、さすがにアニスさんの力だけでは治せないよ。  
 僕達、ヒューマンに伝わる方法じゃないと、治せないんだけど、  
 それにはあなたの力が必要なんだ」  
彼はこれから行おうとしている行為を想像し、興奮していたが、  
なんとか、落ち着かせながら、彼女に話した。  
そんな彼の様子を、彼女は、モノのせいで、彼の体が異常を起こしていると考え、  
「はい・・・私にできることがあれば」  
と素直に答えてしまった。  
フェイトはその答えを聞くと、即座に行動に移したい衝動を抑え、  
優しい声で、  
「じゃあ、僕がこれからキミにいろいろやるけど、我慢してくれないか」  
というと、彼女は黙って頷いた。  
 
「ん・・・ああ・・・はぁ・・・」  
フェイトはまず、彼女の豊かな乳房にしゃぶりついた。  
本や映像で見たことを思い出すように、彼女のピンクの突起を口に含み、  
わざと、ちゅーっ、と音を立てて吸い上げた。  
さすがに、知識がないとはいえ、彼女も立派な女性である。  
彼が刺激を与えるたびに、体をよじらせ、甘い声をあげた。  
「ごめん、アニスさん・・・我慢してくれ・・・」  
彼は精一杯の侘びをいうと、彼女のほうも、初めて感じる刺激に耐えようと、  
目と口を閉じたまま、頷いた。  
フェイトは彼女の突起を吸い、やがて、勃ったそれを舌で軽く噛んだ。  
「ひゃん!」  
今まで以上の刺激を受け、彼女の体は揺れ、甘い悲鳴が響き渡った。  
フェイトはその光景を見ると手で双丘を揉み始め、先刻、自分の精を飲み込んだ  
口に自分の口をつけると、舌を割り込ませた。 
 
さすがに彼女もキスは知っているようで、彼の舌が自分の口内に入ってきたのがわかると、  
慌てて、顔を離した。フェイトも乳房を揉むのをやめ、お互い向き合う状態となった。  
「フェイトさん・・・」  
彼女の顔からは驚きが隠せない。  
フェラや、バストタッチされることよりも、自分が唯一、愛情の行為と知っている  
キスをされたことがショックなのである。  
フェイトもそれを悟って、ついに自分の思いを打ち明けることにした。  
「ごめん・・・その・・・僕はアニスさんを初めて見たときから、その・・・  
 アニスさんを好きに・・・それどころか、昨日のやり取りなどで愛してしまったんだ。  
 それで・・・もう我慢できなくて・・・」  
フェイトは謝りながら、自分の思いを伝える。  
しかし、ファーストキスを奪って、さらには、後に知るであろう、フェラまでさせてしまった自分・・・  
返事は、自業自得とは言え、悲しいものが待っているに違いない。  
フェイトは覚悟を決めて彼女の答えを待った。  
 
しかし、一向に返事は返ってこない。  
フェイトが気まずいながらも彼女のほうを向くと、彼女の目からは、涙が溢れていた。  
「・・・フェイトさん・・・私・・・私・・・」  
彼女はそれだけ言うと、フェイトに抱きついた。  
アニスの乳房がフェイトの胸板にあたり、暖かかった。  
「アニスさ・・・」  
フェイトが彼女の名前を呼ぶ前に、彼の口は彼女の口でふさがれた。 
 
しばらく、その状態が続いた。  
彼女の髪から、フローラルのようないいにおいがしてきた。  
裸の男女二人がキスしながら抱き合う中、  
滝だけが、音をたてながら、二人の愛が結ばれたことを祝福していた。  
やがて、彼女はフェイトの口から、離れると、  
「私・・・じつは、フェイトさんとははじめまして、じゃないんです」  
彼女はゆっくり説明した。  
「私が、裁縫の道具を買いに、アールグリフに出かけたときのことでした。  
 カルサア修練所の屋上でなにやら騒ぎがしたので、  
 空から様子をみていたんです」  
カルサア修練所といえば、フェイトが、ネルのもっとも信頼している部下である、  
タイネーブとファリンを救出し、漆黒副団長シェルビーを倒した場所である。  
「あのとき、一人のヒューマンの方が、怪我をしていて、動けない女性をかばいながらも、  
 大きな男の人と、無駄な動きのない女性の方に指示して、戦っていたのを見てたんです」  
「・・・・・」  
フェイトはだまって彼女の言葉を聞いた。  
「私、本の中で、王子様にあこがれていたんです。  
 強くて素敵な・・・」  
そう言うと、アニスは彼の胸に頭を沈め、優しく、つぶやくように言った。  
「私にとっての王子様はあなたです。  
 フェイトさん・・・アニスもあなたを愛しています」  
 
フェイトはその言葉を聞くと、彼女を強く抱きしめた。  
「そうか・・・。そうだったんだ・・・」  
「あのとき・・・フェイトさんが村に来たとき、私、とてもうれしかった。  
 村長さんの家まで出たあと、橋で待ってたのは、あなたが追ってこないから期待してたから」  
アニスは再び涙を流した。しかし、その涙は悲しくて出るものではないと、フェイトは悟っていた  
「フェイトさん・・・本当に私でいいんですね?」  
アニスは彼の顔を向いてたずねた。  
フェイトは返事をする代わり、彼女にキスをした。  
彼女の口に舌を入れると、さっきとは違い、彼女のほうもそれの合わせて絡めてきた。  
おそらく、彼女は知らないながらも、彼のために、やっているのだろう。  
「ん・・・あむ・・・ん・・・フェイト・・・さん・・・」  
長い間、二人はお互いの口を味わい、顔を離した。  
お互いの舌から、名残惜しそうに、糸が繋がっていた。  
「アニスさん・・・じつは、さっきアニスさんにやっていた行動、いや、  
 この僕の下半身がこうなっているのも病気とかじゃないんだ・・・」  
フェイトはアニスときちんとした形で結ばれたいため、  
今までの行為、そして、これからの行為のための説明をし始めた。  
さすがに、はじめにやったフェラのことを知ると、アニスは驚いていたが、  
「・・・というわけで、アニスさん・・・いい?」  
と尋ねると、天使の微笑みで、だまって頷いた。 
 
彼は草原に彼女を押し倒した。  
「あっ・・・」  
アニスは顔を赤らませながら、驚いたような声をあげたが、  
フェイトが、  
「大丈夫?怖い?」  
と尋ねると、また笑顔に戻った。  
 
「あ・・・あん・・・あはぁ・・・」  
フェイトは再び彼女の胸を刺激した。  
今度は、アニスのほうも、行為の意味がわかったためか、  
先ほどよりもより甘く、切ない声をあげた。  
「あ・・・フェイ・・・トさ・・・ん・・・いやぁ」  
「どうかした?」  
「ううん・・・なんか・・・すごく変な感じ・・・体の中が火照ってきて・・・」  
彼女が感じていることがわかると、フェイトも優しく微笑み、  
「それは、アニスさんも僕を愛してくれてる証拠だよ」  
とだけ言うと、彼女の頬に軽くキスし、再び刺激を始めた。  
「う・・・うう・・・あ・・・ああ・・・あはぁん」  
彼女の喘ぎのペースが短くなり、彼女の太ももからは暖かい液体が流れ始めた。  
「あ、私ったら・・・」  
自分の下半身に起きたことを悟ったのか、彼女は顔を両手で隠してしまった。  
フェイトはそんな彼女の行動ひとひとつを愛らしく思い、次の段階へと進めた。 
 
フェイトは彼女の太ももを流れる川を舌でなめ、そのまま、  
流れ出たところまでたどっていった。  
「あ・・・あ・・・あ・・・あああ」  
チェックポイントを通過するたびに、彼女から甘い悲鳴がこぼれた。  
おそらく、途中で、彼女の性感帯を刺激していたのだろう。  
やがて、彼女の股の、割れ目にたどりついた。  
フェイトは、眼前に広がる未知の世界に目を奪われ、顔を彼女のそこへ近づけ、  
匂いをかいだ。甘い香りと女性を抱くのが初めてなので、なんともいえないが、  
処女特有の香りがした。  
「いや・・・フェイトさん・・・そんなところ嗅いじゃ・・・いや・・・」  
アニスがフェイトの顔をどかせようと、彼の頭を両手で押そうとした。しかし、  
すっかり、フェイトの前戯で力が抜けてしまい、そんなことは無理である。  
フェイトはアニスの言葉を聞いていたが、あえて無視して、そこへ舌をもぐらせた  
「!!!!」  
アニスから声無き声が溢れた。  
ぴちゃ・・・ぴちゃ・・・ぴちゃ・・・  
「これが・・・女性の味か・・・」  
フェイトは生まれて初めて味わう女性の味をじっくり味わった。  
「あああ・・・フェイトさん・・・き、きたない・・・ですよ・・・」  
アニスが拒否する声をあげるが、  
「アニスさんに汚いところはないよ」  
とフェイトに優しい笑顔で返され、顔を真っ赤にして黙ってしまった。  
ぴちゃ・・・ぴちゃ・・・じゅっ!  
フェイトが彼女の大切な部分をなめ、そして、キスするように吸ったとき  
「あ・・・ああ・・・あああああああああ!」  
彼女の体がのけぞり、ひときわ大きな甘い悲鳴をあげると、  
彼女の大切な割れ目から、彼女の愛液があふれ出てきた。  
 
「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」  
アニスは生まれて初めてイッた。  
アニスは、その生まれて初めて体験した感覚に戸惑いを隠せなかった。  
「フェ・・・イ・・・トさん、私・・・」  
フェイトもそんな彼女の様子がわかると、  
「アニスさんは、僕の愛の行為に感じて、気持ちいい、っていう気持ちが  
 一番てっぺんまでのぼりつめたんだよ」  
というと、彼女にキスをした。  
アニスはそれでも、少し困惑していたが、  
「ほら・・・さっきアニスさんが僕の大事な部分をなめたり、しゃぶってくれたとき、  
 苦いものが出てきたでしょ?あれも、僕がアニスさんの行為に気持ちよくなって、  
 絶頂までのぼりつめたからんだよ」  
そう言われて、納得し、  
「じゃあ、フェイトさんは、さっきの私の行為を気持ちいい、って思ってくれたんですね?」  
と尋ねてきたので、  
「ああ、アニスさんの口は最高に気持ちよかったよ」  
とフェイトが照れながらも答えると、花のような笑顔を浮かべた。  
 
フェイトは、お互いの準備が整ったことを確認し、  
ついに、ラストの締めの行為に移ろうとした。 
 
「じゃあ、アニスさん・・・」  
「はい・・・フェイトさん」  
アニスは目をつぶってその瞬間を待った。  
フェイトは両手で彼女の両足を広げると、  
ゆっくり腰を彼女の割れ目に押し進めた・・・。  
 
そして、途中、防壁のような場所にぶつかった。  
言うまでも無く、アニスの処女の証拠である。  
改めて、フェイトはアニスに聞いた。  
「・・・挿れるよ・・・」  
アニスは緊張な面持ちであったが、ゆっくり頷いた。  
 
フェイトがぐっと腰に力を加える。  
少し進むたびに、アニスは苦悶の表情を浮かべたが、声を出すまいと必死でこらえた。  
そして、なにかが弾けるような感触のあと、フェイトのペニスは根元まで、  
入りきった。  
「ううう・・・い、痛ーい!」  
さすがにアニスも処女を失う瞬間には耐えられなかったようだ。  
フェイトとアニスの結合部から、処女の純潔が白い肌を染めていく・・・。  
アニスの目からは、涙がこぼれていた。  
「アニスさん・・・」  
フェイトはそのままの状態で、アニスの安否を気遣った。  
しかし、アニスはフェイトに心配させまいと、  
「私なら・・・大丈夫・・・フェイトさんの好きに動いて・・・」  
と無理やり笑顔を作って、フェイトに言った。  
(これだから、アニスさんは・・・)  
フェイトはその純粋な白い天使の恋人の頬をなでると、  
「・・・動くよ」  
といい、腰を前後に動かした。 
 
「うう・・・ひぐぅ・・い・・いた・・・」  
腰を動かすたびに彼女の口から悲痛な声があがるが、  
ここで動きをとめては、ますます彼女に痛い思いさせるだけだと、  
フェイトは思い、腰を前後に動かし続けながら、  
両足を押さえていた手を乳房に移し、揉み始めた。  
 
行為がはじまって少しして、彼女の声が変化し始めた。  
「あ・・・うふ・・・あああ・・・いい・・・」  
今までの悲痛な声は甘い喘ぎ声に変わり、  
さらには、表情も、悦にはいった顔になり、フェイトの手から開放された両足は、  
彼を逃すまいといわんばかりに、彼の腰に巻きついていた。  
フェイトは、彼女のその変化と、自身の限界が近いことを悟ると、一気にペースをあげた。  
ずちゅ、ずちゅ、ずちゅ・・・  
「ああ!フェイトさん!いいよ!私!また・・はぁ・・・いっちゃう!!」  
結合部から聞こえる音と比例して、彼女の声が一段と大きくなる。  
「はぁ・・・はぁ・・・僕もだよ・・・」  
彼は、乳房から手を離し、草むらに手を突け、ラストスパートを始めた。  
「ああ・あん・・・あん・・・あはぁ・・・フェイトさん!フェイトさん!」  
ぱんぱんぱんぱんぱん・・・  
肉のぶつかりありあう音があたりに響き渡る。  
「っ!!アニスさん・・・!僕!!」  
「フェイトさん!あたしも!!!」  
そして、  
「あ、あ、あああああああああ!」  
まず、彼女が体がのけぞり、羽がピンと伸び、絶頂を迎えた合図を出した。  
そして、彼女の膣内が急激に収縮し、フェイトのものを絞るように締め付けた。  
「アニスさん!アニスさん!」  
自分のもっとも愛する女性の名前を叫ぶと、  
彼も絶頂を向かえ、熱い愛の証を注ぎ込んだ。 
 
数日後、クリフとネルがバッグたくさんにアイテムを入れて、  
ペターニにやってきた。  
二人は工房にまず、向かったが、人影がいなかったので、  
彼の宿泊先、つまり、常にフェイトの名義でネルが(脅して)毎日予約してくれた、  
ホテルへ向かった。  
 
「フェイトはまだここで寝てるのかい?」  
ネルが受付嬢に尋ねた。  
受付嬢は、ネルの顔を見ると、背筋をシャキンと伸ばして、  
「あ、!ネルさま、ご機嫌麗しゅうございます!」  
と大きな声で挨拶をした。  
「・・・挨拶はいい。フェイトはまだここで寝てるのか?」  
ネルがやや呆れて再度尋ねると、  
「はい!3日前から、フェザーフェルクの方と、宿泊しています。  
 今日はまだ起きていらっしゃらないみたいですが・・・  
 あ、ひょっとして、そのフェザーフェルクの方が、気になります?」  
受付嬢がニヤニヤ笑って聞いてきたが、ネルはそれを聞き流し、  
「部屋にいくか?」  
とクリフを誘って部屋へ向かった。 
 
部屋を合鍵で開けた二人は目の前の光景にボー然とした。  
彼らは、ICの仲間と寝泊りしている程度の考えて入ってきたのだが、  
実際に見たものは、  
フェイトと見知らぬフェザーフェルクの女性が同じ布団で寝ていたのだ。  
さらに、ベッドのよこには、彼の服と、その女性の服らしきものが転がっていた。  
「う・・・う〜ん」  
そこへ、フェイトが目を覚ました。  
フェイトは横に眠る、姫の頬に軽くキスをすると、ベッドから起きようとしたが、  
ベッドの前に見知った二つの顔があり、汗がでた。  
「フェイト・・・貴様・・・」  
クリフが眉間にしわを寄せ、こぶしに力を込める。  
「いや・・・これには深いわけが・・・」  
フェイトが慌てて否定し、ベッドから出ると、  
ネルが顔を赤くして、後ろを向いてしまった。  
そこでフェイトは自分の下半身がむき出しになっていて、  
さらに、昨日何度も愛の契りを交わしたのに、元気な状態になっていたことに気づいた。  
まさに、修羅場の状態になったとき、何も知らない、天使が目を覚ました。  
 
「ふぁ〜。むにゃむにゃ・・・フェイトさん・・・この方たちはだれ?」  
やや眠そうに、二人を指差すアニス。  
「俺達は、こいつの仲間。そういうお嬢ちゃんは?」  
急にクリフは一番の笑顔を見せ、アニスに言った。  
「あ〜、カルサア修練所で、フェイトさんといっしょにいた方達ですね。  
 私、スターアニスと申します・・・その・・・フェイトさんの・・・恋人・・・やってます」  
他人に「恋人」というのが恥ずかしいのか、もじもじしながら話すアニス。  
それを見て、悦に入るフェイト。  
しかし、背後から強烈な殺気を感じた。  
クリフが笑顔を浮かべながら、こぶしを血が出るほど握っていたのである。  
「ちょっと彼氏を借りていくぜ!アニスさんは、少し休んでてくれや」  
とアニスに言うと、アニスも  
「はい・・・昨日はちょっとやりすぎて疲れたので、もう少し休みます・・・」  
と言うと、再びすやすや寝息を立てた。  
「フェイト〜。毎日、幸せな生活を送っていたようで・・・」  
アニスの「やりすぎて疲れた」というせりふを聞いて、クリフはますます怒り、  
ネルも表情からは読み取れないような、殺気を出していた。  
「いや・・・あの・・・その・・・」  
「人が必死でICに取り組んでる最中、自分は彼女クリエーションとは・・・ね」  
フェイトが言い訳する前にネルが口を挟んだ。  
この日、宿屋の一室から、男の悲鳴と暴れる音が聞こえたが、  
宿屋側は「なにも存じない」と言って、町中のミステリー現象となったとか・・・  
 
終わり。 

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