翌日、聖殿カナンへバンデーン兵が侵入し、  
シランドの至宝セフィラを奪わんとしていることを聞かされた一行は、  
ただちに城の隠し通路を抜け、まず、封印洞へ急行した。  
しかし、こんな非常時にクリフの様子はおかしく、どこか上の空であった。  
「クリフ!クリフ!」  
何度も自分の名前が呼ばれ、ようやくそれにクリフが反応する。  
「え、あ、ああ。なんだ?」  
クリフにいつもの豪快さは失せていて、どことなく頼りない返事だった。  
「今日のお前はおかしいぞ。どこか体でもおかしいのか?」  
フェイトが彼を心配した。  
(ふ、ミラージュがコイツに抱かれるとはな・・・)  
クリフの頭に、フェイトに抱かれ、快楽に酔いしれ乱れる彼女の姿が浮かぶ。  
(違う!ミラージュはそんな淫乱な女じゃねえ!)  
自らに言い聞かせるように、クリフが頭を振る。  
「やはり今日のクリフは変だよ。部屋で休んでいたら?」  
彼の様子がやはりただ事ではない、とフェイトは悟ったが、  
その原因がよもや自分にあるとは思いもしなかった。  
クリフはことの発端となったその少年に心配されると、  
なぜか怒りがこみ上げてきた。  
「大丈夫だっての!てめぇに心配されるほどやわじゃねえ!!」  
思わず、フェイトを怒鳴りつけた。  
フェイトは、そんなクリフにカチンと来た。  
 
 
58 名前:213 ◆yd2spXCTbA 投稿日:03/03/22 13:47 ID:cU5UM6gD 
「人が心配してるのに、そんな態度はないだろ?」  
「ああ?んだと?」  
二人の間から険悪なムードが漂う。  
「おい、二人ともよさないか!」  
「そうよ!二人とも大人気ないわよ」  
このままではまずい、と女性陣が間に入る。  
フェイトとクリフは、しまった、という表情をすると、  
「すまん・・・昨日寝不足でやや気が立ってた」  
「いや、僕のほうこそ、無理に声をかけ、気分を害したことを謝るよ」  
と握手を交わし、最悪の事態は避けられた。  
しかし、やはりクリフの動きに精彩がなかった。  
いつもならひらりとかわし、エリアルレイドをカウンターに決めている  
場面で、敵にボコボコされたり、もともと無鉄砲なのに、今日は  
もはや無謀としかいえないくらい、単騎突撃ばかりしていた。  
「やはり、今日のあいつは少しおかしいね・・・」  
ネルが心配そうにつぶやくと、ほかの二人も頷いた。  
 
カナン神殿に到着し、待ち構えていたバンデーン兵や、  
守護しているガーディアンを蹴散らし、奥へ進む一行。  
やがて、1対1で戦わねばならない4つの部屋まで来た。  
相談の結果、クリフは2番目の部屋に入った。  
「貴様が俺の相手か・・・」  
中に入ると、ナイトライダーが部屋の中央で腕を組み、  
挑戦者を威圧した。  
「へ、貴様に俺が倒せるかな?」  
クリフは構えると、すばやい動作でナイトライダーに襲い掛かった。  
「笑止!!」  
ナイトライダーの高い位置にある腕から、ロングスピアが振り下ろされる。  
「ちっ!」  
あわてて上体を低くし、それをかわすクリフ。  
 
「ふん!なかなかやるではないか。挑戦者よ」  
「へ、今度はこっちから行くぜ!」  
クリフがするどいラッシュを叩き込む。  
「ぐお!!」  
ナイトライダーが苦しそうな声をあげる。  
クリフは勝利を確信したが、突如頭の中にミラージュのことが浮かんでしまった。  
(くそ!こんなときに・・・)  
集中力が途切れ、パンチのスピードが鈍る。  
「!!隙あり!!」  
手だれの騎士は、クリフの心の迷いを見抜き、するどい足払いを放った。  
クリフは、それをまともに食らい、地面に倒れた。  
慌てて起き上がろうとしたが、喉元には槍が突きつけられていた。  
「このたわけめ!戦闘中に考え事とは、未熟者め!」  
黒い騎士がクリフを見下す。  
「なかなか楽しめたが、己の未熟さを呪うんだな」  
冷たくクリフに言い放つと、ナイトライダーは槍を振りかざした。  
(ここまでか!)  
クリフは覚悟を決めると、ミラージュと過ごした日々が走馬灯のように蘇った。  
『クリフ!もう少しリーダーらしく、落ち着いてください』  
『クリフ。任務ご苦労様。お茶が入ったので飲みませんか?』  
思い出の中の彼女が喜怒哀楽、様々な表情を見せ、消えていった。  
(ミラージュ、すまねえ・・・俺はもうだめみたいだ・・・)  
自分をあざけるように笑うと、クリフは目を閉じ、最期の瞬間を待った。  
 
クリフ!あきらめてはだめです!どんなことがあってもあきらめないのが、  
 あなたではないのですか?』  
突如、ミラージュの言葉が頭の中に響いた。  
(ミラージュ・・・そうだったな・・・俺は諦めの悪い男だよな・・・)  
閉じていた目を、かっ、と見開くと、目前まで迫った槍を掴んだ。  
「ぐ!貴様・・・」  
クリフの人外な握力で槍先を握られ、ナイトライダーは自分の得物を動かせない。  
槍先を掴む手からは、血が流れている。  
「悪いな。俺には、この世に残してきたものがあるんでな!」  
そう叫ぶと、槍を握る力をさらに入れ、槍先をへし折った。  
「ば、馬鹿な!?黒曜石でできた我が槍先をへし折るだと!?」  
ナイトライダーが思わず、たじろぐと、その隙を突いてクリフが間合いを詰める。  
「しまっ!!」  
「無限に行くぜぇぇ!!」  
ナイトライダーが体勢を整える前に、閃光のような突きを繰り出す。  
「うぐわぁぁぁぁ!!」  
最後の一突きを食らって、壁まで吹き飛ばされるナイトライダー。  
壁に激突すると、大きな音とともに、壁に大きなひびが入る。  
「み、見事だ・・・その迷いのない・・・突きを・・・忘れるな・・よ・・・」  
息も絶え絶えに、黒騎士はクリフを称えた。  
「ああ、あんたも結構強かったぜ」  
クリフが手をテーピングしながら返事をすると、黒騎士は、ふっ、と笑い、  
「行け・・・敗者に・・・勝者をくいとめる・・・権利は・・・ない・・・」  
そう言うと、体を崩れ落ちたようにがっくりとさせた。  
そして、2度と動くことは無かった。  
クリフは、死闘を繰り広げた相手に黙祷をささげると、部屋を後にした。  
「ミラージュ。お前に思いをきちんと伝えるまで、俺は死なない。」  
もはやクリフに迷いは無かった。  
 
無事、バンデーン兵を撃退し、シランド城へ帰還した一行は、  
女王に大いに歓迎された。この日ばかりは口うるさいラッセル執務官も、  
フェイト達のことを褒め称え、宴会の席を設けてくれた。  
「ミラージュ、俺の部屋まで来てくれないか?」  
宴会の席で、クリフは、さびしそうに輪からはずれ、  
柱に寄りかかっている彼女を見つけ、そう言った。  
「クリフ・・・」  
昨日のことで気まずくなっているミラージュは、彼に声をかけられ、  
一瞬どきっとしたが、黙って頷いた。  
 
「まあ、そこにでも座ってくれ」  
部屋に入ると、落ち着かないのか、ドアの前に立ったままのミラージュを  
クリフは座らせた。  
そして、ICで作ったおきにいりのワインを開け、お互いのグラスに注いだ。  
「今日の勝利に」  
クリフはグラスを持ち上げると、ミラージュもとまどいながらも  
グラスを持ち上げ、彼のグラスと重ねた。  
「・・・で、お前を呼び出したことなんだが・・・」  
ワインを一口飲むと、クリフは話を切り出した。  
ミラージュは昨日の今日なので、やや緊張した面持ちをしている。  
「そう固くなるなよ・・・。昨日のことで呼び出したわけじゃないんだ」  
意外なことを言われて、ミラージュが目を丸くさせる。  
あの件の話をされるとばかり思っていたからだ。  
 
「俺、昨日、お前がフェイトに抱かれて、なぜか無性にやるせなかった。  
 ただの組織の同僚でしかない俺に、お前がだれに抱かれようが関係の無い  
 話なんだが、それでも俺はやるせなかった」  
ミラージュは黙って彼の話を聞いている。  
「情けない話なんだが、今日、神殿にいたやつにやられそうになったとき、  
 人間死ぬ前に、走馬灯、つまり、その人の思い出などが蘇るというよな?  
 あれを見たんだが、そこに出てきたのはだれだと思う?」  
クリフが苦笑しながら、ワインをもう一口飲む。  
ミラージュは彼の言わんとしていることがなんとなくわかり、目が潤んだ。  
それに気づいたクリフは、恥ずかしそうに頭を掻きながら、  
「・・・そうだよ。お前だったんだ。お前のことしか考えられなかったんだ。  
 それで気がついたんだ。俺の本当の気持ちをな」  
と言うと、ワイングラスを音をたてて置き、立ち上がると、  
ミラージュの肩をつかんだ。  
「俺は、お前を愛している。ほかの男にお前を奪われたくない」  
いつもの軽いクリフは消え、  
そこには今までにないくらい真剣に、思いを告げる彼がいた。  
「クリフ・・・」  
ミラージュの目から涙がこぼれる。  
そのこぼれた水をクリフがやさしく指ですくった。  
「すまないな・・・またお前を泣かせてしまった」  
ずっと待ち望んでいた言葉を聞き、嬉しさのあまり、ミラージュは  
感情を抑えきれなくなり、手で顔を覆う。  
「私もあなたを愛してました・・・  
 ずっと、ずっとこうなることを待ち望んでいました」  
クリフは優しい顔で彼女を自分の胸に抱きしめた。  
「ああ。俺もわかっていた。しかし、お互い任務があったからな・・・」  
 
マリアの能力覚醒前はクォークのリーダーだったクリフは、  
常に自分のそばにいてサポートしてくれた女性の思いに気づき、  
また、自分もあのときからそういう感情を持っていたのだろうが、  
任務に私情を挟むことはできなく、クリフも湧き上がる感情を押し殺していた。  
しかし、二人は組織の重要人物とはいえ、男と女には変わらない。  
常にお互いのことを意識していたが、  
二人の前に立ちはだかる見えない壁を、乗り越えられないでいた。  
ミラージュがフェイトに抱かれたのも、  
なかなか進展しない二人の仲に、さびしさを感じていたからかもしれない。  
「だが、もう俺はお前を手放したくない。これからもお前と一緒に  
 旅をして、二人で冒険がしたいんだ・・・」  
クリフがミラージュを抱きしめる手の力を強めた。  
ミラージュは、手で涙を拭うと、  
「ふふふ・・・あまり危険な冒険は勘弁したいですけどね」  
笑顔で、やっと結ばれた恋人の顔を見る。  
「でも、あなたとならどんな危険な冒険だって・・・」  
そう言うと、目をつむり、顔をクリフに近づける。  
クリフも微笑むと、  
「ああ、俺もお前さえそばにいてくれれば・・・」  
そのまま、待っている愛しい人と唇を重ねた。  
そして、互いにより相手を求めるように、舌を入れ、それを絡ませた。  
お互いの顔が離れると、ミラージュはうつろな表情を浮かべ、  
名残惜しそうに、最愛の男性の顔を見る。  
クリフもミラージュのその表情をみると、彼女をイスから抱えてベッドに運んだ。 
 
「クリフ・・・」  
やや不安げな表情で彼の顔をミラージュは見つめる。  
クリフは黙って頷くと、首筋に口をはべらせた。  
「あ・・・」  
くすぐったいような、気持ちいいようななんともいえない刺激を受け、  
ミラージュから甘い吐息が漏れる。  
クリフは、恋人の首筋だけでなく、耳や頬などにも口をつけながら、  
服の上から、彼女の形の良い胸を手で味わった。  
ミラージュは複数箇所から刺激を受け、  
それを我慢するかのように体をくねらせた。  
胸の鼓動も早くなっていた。  
それを手から感じ取ったクリフは、もういちどミラージュと大人のキスを交わすと、  
彼女の着ているジャケットを脱がし、上着をたくしあげた。  
彼女の豊かな胸を隠すように覆う、魅惑的な黒色のブラが現れると、  
その上から口をつけ、胸の先端を吸い上げた。  
「ああん・・・」  
それまでと違う、強めの刺激を受けて、ミラージュから声が漏れる。  
クリフが口を離すと、黒い布地が透けて、綺麗なピンク色が徐々に広がった。  
それをもっとよく見たいと思ったクリフは、  
そのブラも上着とおなじようにたくしあげた。 
 
「綺麗だ・・・」  
ついに隠すものがなくなって、その形と色を現したミラージュの双丘を見えると、  
思わずクリフはため息を漏らした。  
もう一度、今度は直に口を胸につけると、すでに自己主張するかのように  
張っているピンクの先端を舌でころがしたり、吸い上げたりした。  
「あ・・・ああん・・・クリフ・・・」  
そして、彼が刺激を与えるたびに、彼女の体がピクンピクンと反応する。  
ミラージュの表情は、性的な興奮で朱色に染まり、切ない表情を浮かべていた。  
クリフは、そのまま口で胸を刺激しながら、右手をミラージュのズボンと  
パンティーのなかに潜り込ませる。  
そして、指に生えそろった陰毛の感触を得ると、そこに隠されている  
秘密の洞窟の探索を始めた。  
洞窟の中はすでに、クリフの愛撫を受け、水びだしになっていた。 
 
洞窟の中はすでに、クリフの愛撫を受け、水びだしになっていた。  
「ミラージュ・・・濡れてるな」  
行為を続けながら、ミラージュの耳元でクリフが囁いた。  
「クリフ・・・あまりそういうことは言わないで・・・」  
ミラージュが恥ずかしさのあまり、ちょっと拗ねた顔で横を向く。  
クリフは、普段あまり見せない彼女のかわいらしい行動を見て、  
クスクス笑うと、  
「いや、俺はうれしいんだ。俺って不器用だからさ、お前が  
 感じてくれるかどうか、正直不安だったからな」  
再び真剣な表情に戻ると、探る程度だった指の動きを、  
茶道みたく、激しくかき回すものに変えた。  
「あく・・・クリフ、ずるいですよ・・・」  
再び、ミラージュの顔に快楽に浸る表情が戻り、呼吸を乱しながら  
クリフに不平を言ったが、続けて、  
「・・・あなたが愛してくれてるのに感じないわけないじゃないですか」  
と快楽で目を潤ませながら、優しい笑みを浮かべた。  
クリフはそんな魅力的な表情を見せ付けられ、  
彼女の体をもっと味わいたいという気持ちが  
早く彼女と体を重ねたいという気持ちに変わっていった。  
「ミラージュ・・・」  
照れくさそうに、目配りをして、彼女に意思の伝達を図った。  
彼と気持ちがひとつになったミラージュは、そんな彼の心中を  
理解し、頷いた。  
「その前に・・・」  
ミラージュがクリフのズボンの上から、すでに硬くなっているそれを  
撫で上げた。  
 
一旦行為を中断し、お互いの体を隠しているものをすべて脱ぎ去った  
着たまま行為をしてもよいのだが、やはりせっかく結ばれたのに、  
隠し事をしているようで嫌だったのである。  
そして、お互いベッドの上で裸のまま向き合うと、  
クリフはもういちどミラージュの体をゆっくり視覚で味わった。  
今までずっとそばにいたので、彼女のプロポーションのよさはわかっていたが、  
生で彼女の肢体を見たのはこれが初めてだった。  
こんなに素晴らしい体をしている女性がそばにあって、よく襲わずにこれたものだ、  
クリフはつくづく自分の鈍さに苦笑した。  
そして、フェイトが始めて彼女にあったとき、彼女にしばらく視線が釘付けになっていたのも  
無理は無いなと思った。  
視覚的な性的刺激を受け、クリフの下半身はよりその大きさを増した。  
その様子をみたミラージュは、  
「クリフってば、やはりエッチなんですね」  
とクスクス笑うと、ベッドに這いつくばると、彼のものを手で優しく包んだ。  
昨日みたフェイトよりも体格の違いからか、彼のものは大きかった。  
そして、そのままミラージュはそれを口に咥えた。  
「う・・・ミラージュ・・・」  
自分のモノが彼女の暖かい口に包まれ、クリフは声を漏らした。  
ミラージュは立派な彼の生殖器をゆっくり味わうかのように丁寧に優しく舌で舐めあげ、  
玉袋を口でやさしく転がしたり、先端を感じやすいように強めに吸い上げたりした。  
ひとつひとつのミラージュの口の動きからくる刺激がクリフの全身に響き渡る。  
彼女から自分の物を愛され、ますます硬度と大きさを増しながら、  
クリフは自分の限界が徐々に近づいてくるのに気づいた。  
「ミラージュ・・・悪いんだが・・・そろそろ・・・」  
熱心に続ける彼女に申し訳ないようにクリフが言ったが、ミラージュは行為を止めない。  
「うっ!!」  
クリフの体に大きな電流が走り、おもわず顔をゆがめると、ミラージュの口内に  
精を解き放った。  
 
「すまねえ、ミラージュ。大丈夫か?」  
心配そうに、愛する人を心配するクリフだったが、とうのミラージュは、  
目をつむり、出されたものをじっくり味わうかのように舌で動かすと、  
すべて飲み干し、ほぅ・・・、と上気づいた表情で、ため息を漏らした。  
「いいえ。わたしがあなたのものが欲しかったんです。気にしないでください。」  
自分を想ってくれる人のことを忘れ、フェイトに抱かれたことを悔やんでいた  
彼女は、そんな自分を愛してくれる彼のすべてを愛し、味わいたかった。  
ミラージュは、力尽きていた彼の性器を再び口に含み、刺激を与えた。  
クリフも、彼女が自分のためにいろいろ尽くしてくれているとわかり、  
彼女のすることを止めようとはしなかった。  
ミラージュの口の中でクリフが再び大きさと固さを取り戻すと、  
ミラージュは口を離した。彼女の舌とクリフのものが唾液で繋がっていた。  
「クリフ・・・」  
恥ずかしそうな表情をしながら、彼女はベッドにうつ伏せになり、上目遣いで  
クリフのほうを見遣った。  
ミラージュのサインを読み取ったクリフは、黙って頷くと、体を彼女に重ねた。  
クリフの体が、ミラージュの目の前に来る。ミラージュは彼のごつごつとした  
胸板や、割れた腹筋、角材のように太い彼の腕を眺め、  
鍛えられた彼の肉体の素晴らしさに感嘆の声を漏らす。  
「いくぞ・・・」  
右手で自身を支えると、先端を彼女の茂みの中にあてがった。  
ミラージュの秘所は、さきほどのクリフの愛撫と彼のモノを味わっていたときに、  
彼女自身が感じていたため、相当に濡れていた。  
ゆっくり、丁寧に腰を押し進めるクリフ。  
奥へ進めるたびに、待ち望んでいたかのように、彼女が締め付けてきた。  
その気持ちよさに我を忘れそうになるが、クリフはなんとかそれに耐えた。  
そして、根元まで差し込むと、いったん引き抜き、そしてまたゆっくり入れる。  
丁寧に、丁寧に、彼女を突く行為を繰り返した。  
クリフが、ようやく結ばれた彼女をじっくり味わいたかったからである。 
 
「あん・・・クリフ・・・はぁん」  
根元まで入れるたびに、ミラージュが甘ったるい声を漏らす。  
「クリフ・・・もっと・・・」  
そして、ややじれったそうに快楽で惚けた表情で彼に視線を送る。  
クリフはもっとゆっくりとしたかったが、いつも自分の要求は応えるのに、  
なにも要求してこなかった彼女の願いを聞きいれ、  
手をベッドに突き、バランスを取りながら腰の運動を早める。  
「ああ・・・・クリフぅぅぅ」  
「感じているのか?ミラージュ」  
「ええ・・・とても・・・気持ちいい・・・」  
ミラージュは彼の大きいペニスで激しく突かれることで、  
快楽を全身に感じ、身を悶えさせる。  
クリフは、さらに彼女に刺激を与え、自身を昂ぶらせるため、  
体を彼女により近づけ、腰の運動に体重をかけてやり、自分の動きに合わせるように、  
プルンプルン目の前で官能的に震える彼女の胸を口と手で愛し始めた。  
「あああん・・・あう・・・あはぁぁん」  
異常なまでの刺激を受け、普段の彼女からはとても想像をつかないくらい  
乱れ、快楽に酔いしれ、理性を失ったミラージュ。  
そんな妖艶な彼女の姿を見て、クリフの胸も高まり、さらに腰の動きを強める。  
パンパンパン・・・と外に漏れるぐらい大きな肉のぶつかり合う音がする。  
「く・・・そろそろ・・・」  
「あああ・・・クリフ・・・来てぇ・・きてぇぇぇぇぇぇ!」  
自身の限界が近づき、クリフは彼女の腰を掴み、叩きつける。  
「あ、あ、あ、あああ・・・クリフ・・・イクぅぅぅぅ」  
「俺もだ・・・ミラージュ・・・」  
「お願い、中に・・中にィィィ!!」  
「く・・・出る!!」  
「ああああ!クリフ愛してるぅぅぅうぅ!!」  
お互いの体に同時に緊張が走り、ミラージュが一際大きな声で歓声をあげると、  
愛液を大量に漏らしながらも、クリフをぎゅっと締め付ける。  
と同時に、それを受け、彼から再び熱い白濁したものが出された。  
 
「ミラージュ・・・」  
そのまま繋がった状態で、彼女の頬を優しくなでるクリフ。  
ミラージュは、激しい行為で、息が切れ、うっすらと汗ばんでいて、  
気持ちよさそうな表情を浮かべていて、襲いたくなるようなフェロモンを出していた。  
「クリフ・・・愛しています・・・」  
軽く口付けを交わすと、二人は幾度ともなく、一晩中お互いを愛し続けた。  
 
「そうか・・・ミラージュさんにはアイツがいたんだな・・・」  
宴会の席で、こちらもミラージュを探していたフェイトは、二人が連れ立って部屋に  
入るのを見ると、その様子を耳を立てて伺っていた。  
彼女を自分のものだと勘違いしていたフェイトはかなりショックを受けたが、  
ミラージュが彼を選び、それで幸せなら文句は言えなかった。  
そして、クリフが今日、なんとなく集中力がなく、自分に怒鳴ったのも納得できた。  
(そうか・・・また原因は僕なんだな・・・)  
フェイトはクリフに申し訳ないという気持ちを抱いた後、昨日よりもさらに悲しい気持ち  
に襲われ、部屋に戻ると、クリフに抱かれて悶えるミラージュを想像しながら、自慰行為  
にふけった。  
このとき、フェイトはクリフの部屋から立ち去る際、自分を心配そうに見つめる  
視線があったことにまだ気づいていなかった。 

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